きみを送るA
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#541 []
俺は何も答えられなかった

俺が幸子を殴ったなんて

何かの間違いや…。

でも確かに俺の右手には

人を殴ったとき特有の痺れがある。

……どうして俺が…

「話はあとから聞きます。僕は幸子さんを送りますので」

⏰:07/06/03 04:23 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#542 []
コウはヨロッと立ち上がる幸子の肩を抱き、リビングのドアを開けた。

俺は呆然とその場にひざをついたままだ。

リビングから出る幸子が
ゆっくりと俺に振り返った

「…あたし大丈夫やから…気にしやんでな……?」

無理矢理笑ってみせる幸子の頬は痛々しい程赤くて
俺は涙が流れた。

「…ご…めん………」

⏰:07/06/03 04:28 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#543 []
【第24章 侵蝕】

コウと幸子が家を出たあとも俺は動けなかった。

幸子が切った食材だけが虚しく台所に散らばっている

「やっほーー!!」

シンと静まっていたリビングに明るい声が響いた。

「志乃〜!久しぶり!さきが戻ってきましたぁ!」

⏰:07/06/03 04:38 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#544 []
「…さ……き……?」

そういえばいたね、そんな人(霊)も。

「どうしたの〜?暗いなぁ〜。ねっ、コウは!?」

さきは嬉しそうに俺の周りをピョンピョンと飛び回った。

……やめろ。

頭がズキズキする。

⏰:07/06/03 04:40 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#545 []
「志乃くーん?マジで元気ないね〜!どしたの?」

うるさい…

頼む。黙ってくれ…

「さきの元気わけてあげるよ〜!!」

頼むから出てってくれ…

「は〜い!志乃に元気を…きゃああ!!!」

⏰:07/06/03 04:42 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#546 []
リビングには
甲高いさきの悲鳴。

そして俺の手は

「…志……乃……」

さきの心臓へ食い込んでいた。

ニヤリと口角があがるのがわかる。

「霊なら痛みも感じないだろ?」

俺の声ではない低い声で
俺は冷たく言い放った。

⏰:07/06/03 04:47 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#547 []
「志乃…なん…で…?」

さきが俺の腕を掴みながら苦しそうな表情をする。

「へぇ?苦しいのか?お前ら霊は痛みも何も感じないんだろ?」

ニヤニヤと笑う俺の腕は
さきの心臓に食い込んだままだ。

何だこれは…
俺の腕には冷たいけどぬるっとした感触。

⏰:07/06/03 17:04 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#548 []
「志乃…やめて…」

やめたい

やめたいけど

俺の身体が勝手に…

「お前はなぜ下界にいるんだ?」

冷静な口調で俺は問う。

「なぜさ迷っている?」

不敵な笑みを

浮かべたままで

⏰:07/06/03 17:06 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#549 []
「あ…志乃……やめ…」

さきのか細い声は
ある人物により掻き消された。

「志乃くん!!何やってるんですか!!」

コウは俺の元へ駆け寄る。

「チッ…邪魔が入った」

俺はそれだけ呟くと
目の前が真っ暗になった

⏰:07/06/03 18:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#550 []
「志乃くん!!」

頭の奥から
コウが俺を呼ぶ声が聞こえてくる。

「志乃くんしっかり!!」

わりぃ…

身体が動かない…

「志乃くん!!」

俺は深い眠りについた。

⏰:07/06/03 18:34 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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