きみを送るA
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#191 []
「……なんで」

「先程言った通りです。憎んでいたから、です」

「だからなんで」

「………………」

「………………」

「…なぜ…でしょうね」

コウは悲しげに微笑んだ。

⏰:07/05/08 02:09 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#192 []
「僕が義父母にひきとられたのは僕が5歳の時でした。その時、義父母にも僕と同じ5歳の子供がいました。ただ、僕の方が二ヵ月ほど先に産まれたので僕が兄、と呼ばれていました」

「……………」

「義父母は僕を引き取ったすぐ何ヵ月かは、とても優しかった。弟も、僕を本当の兄のように慕ってくれていました。ですが」

⏰:07/05/08 02:13 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#193 []
コウは眉間にしわを寄せ、たばこに火をつけた。

「だんだんと…義父母は僕を人形としか見なくなってしまった」

…言ってたな…。

「僕は産まれつき頭が良すぎました」

頭えーのって産まれつきとかなんか?

「その頭の良さが、義父母は気に入らなかったんでしょう」

⏰:07/05/08 02:17 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#194 []
「弟は…産まれながら能に問題がありました」

「問題…?」

「はい、知的障害です。………志乃くん」

ふいにコウが煙を吐きながら俺を見た。

「志乃くんはどうします?我が子よりも養子にした子の方が優れていたならば」

⏰:07/05/08 02:21 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#195 []
「……わからん」

「そうですか、僕ならば…憎むでしょうね…」

「誰を?」

「養子…いえ……我が子の運命を」

「……………」

「だから殺してあげたんです、僕が」

コウはニヤリと笑った。

⏰:07/05/08 02:23 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#196 []
「どうしました?」

コウは俺を見て、
震えていますよ、と続けた

俺は自分でもわかるくらい震えていた。

怖い

怖い…

怖い………?

……誰が?

「僕が怖いんですか」

⏰:07/05/08 02:25 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#197 []
「……………」

「僕は弟が憎くてたまらなかった。義父母は、知的障害の弟より優れた、僕を憎んで…僕を人間として扱ってはくれなかった…だから僕は弟を殺した。弟がいなくなれば僕は愛されると」

「ちゃうやろ!!!」

⏰:07/05/08 02:28 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#198 []
「お前は殺してへん…お前弟を殺してへんやろ!」

「……なぜです」

「………わかる」

「なぜ」

「お前憎くて殺したゆーたやろ?」

「はい、憎かったです」

「ほんならなんで…」

俺は目頭が熱くなった。

「何でお前泣いてるん…」

⏰:07/05/08 02:30 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#199 []
コウは

涙を流していた。

「…なんで殺したとか嘘つくん……」

「…僕は………」

コウは窓を見つめた。

「やめ…て下さい……」

「…コウ?」

「そんな目で…見ないで下さい……」

「コウ!?」

⏰:07/05/08 02:33 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#200 []
コウは窓に目を向けながら頭をかかえた。

「僕は…………」

「コウ?どしたん?」

俺はコウの目線を追い、窓の外を見た。

「……?」

何も見えない。が、
コウは明らかに何かを見ている。

「許して下さい……」

⏰:07/05/08 02:35 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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