きみを送るA
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#212 []
「その頃から、僕は義父母にとっての人形だと気付きました。だから僕は感情を表に出せなくなった…」

「なんで気付いた?」

コウはフッと笑い、
ティーシャツの上から脇腹をさすった。

「出来ない問題があれば、暴行を受けましたから。小学五年生の問題を。僕が5歳なのにですよ?おかしな話でしょう?」

⏰:07/05/08 03:23 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#213 []
「お前は出来ないのか、お前はなぜこんな問題も出来ないのか、と。出来ない問題があれば毎日のように暴行を受けました。僕、5歳だよ?などと口応えすると暴行は更にひどくなりました。僕が感情を抑えるのは当然でしょう」

「…ひでぇ……」

「それでも、僕は耐えなければいけなかった。僕には行く場所など他にはなかったんですから」

⏰:07/05/08 03:28 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#214 []
コウが毎日毎日
自分の年齢よりはるかに上の勉強をしている中、
その事件は起きた。

「僕が小学校三年生の時でした」

夏休みになり、
義父母が伊豆の別荘に行こう、と言い出した。

「…あの別荘か?」

「はい、そうです」

⏰:07/05/08 03:31 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#215 []
「庭にプールがあったのを、ご存知ですよね」

妖怪に会った事やし
忘れられません。

「僕と旬は二人でプールで遊んでいました」

その日は珍しく、
義父母はコウに何も言わなかったらしい。

思いっきり遊べ、としか。

⏰:07/05/08 03:33 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#216 [ミルキー]
>>183-250

⏰:07/05/08 21:01 📱:N701i 🆔:WSokkI.s


#217 []
「僕達二人は、義父母から少し離れた場所で遊んでいました。義父母は、僕がついているから安心だ、と僕達を置いて家の中に入っていきました」

その時、僕は弟の本心を聞いてしまいました。と、コウは言った。

「彼は何て言ったと思いますか」

⏰:07/05/09 01:52 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#218 []
「…なんて言ったん?」

コウは目線を下に向け、
フッと笑った。

「お兄ちゃんは馬鹿だね、と言ったんです」

「……………え?」

「この言葉の意味、わかりますか」

「…………いや……」

「弟は、僕や…義父母が考えている以上に頭が良かったんです。おそらく僕以上に」

⏰:07/05/09 01:54 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#219 []
「…………知的障害ちゃうん…?」

俺の言葉に、
コウは顔をあげニッコリ微笑んだ。

「そのフリをしていたんです。知的障害のフリを」

「……………」

「なぜだか、もうわかりますよね」

「………まさか…」

「ええ、志乃くんの思っている通りです」

⏰:07/05/09 01:57 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#220 []
コウの義弟は
ずっと知的障害のフリをしていた。

理由は

「頭が良いとわかれば、自分も僕と同じ目に合うと、彼はわかっていたんです」

「でも…コウが養子にくる前から、知的障害やったんちゃうん?」

「ええ…僕の来る前から、彼はそのフリをしていました。彼は義父の血を引いている。おかしくはないでしょう?あんな体質になっても」

⏰:07/05/09 02:04 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#221 []
「あんな体質…って?」

「志乃くん、子供は母胎にいる頃から外の音が聞こえるという話、聞いた事ありませんか?」

「………さぁ…ある…かな……いや、ないかな…」

「弟は母胎にいる頃から、外の音を聞いていた。つまり義母のお腹にいた時から、義父の性格を知っていたという事になります」

⏰:07/05/09 02:06 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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