きみを送るA
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#281 [
]
「行こう」
コウを残し、
俺と旬はコウの部屋に入った。
「部屋綺麗にしてんな〜」
「志乃さんの部屋とは大違いだよね」
やかましい
「これ、見てよ」
旬は机に置かれた教科書を差し出した。
:07/05/15 18:29
:SH901iS
:☆☆☆
#282 [
]
パラパラと教科書をめくる
「すげ〜なぁ〜足し書きだらけやん!」
「志乃さんちゃんと見てよ!見る点が違うよ」
「は〜?」
「よく見てよ、ほら」
旬は教科書のある部分を指した。
「…死…ね……?死ね!?死ねって書いてある!」
教科書にはうっすらと
《死ね》の文字があった
:07/05/15 18:33
:SH901iS
:☆☆☆
#283 [
]
「これが兄の受けたいじめ。まだ可愛い方だけど」
よく見ると教科書はしわだらけになっている。
色んなページにうっすら書かれた《死ね》の文字は
コウが必死に消したことを示している。
「…ガキのいじめやん」
「中学生はまだガキだよ」
きみは小学生のままやけど!!
:07/05/15 18:37
:SH901iS
:☆☆☆
#284 [
]
「学校でのいじめはひどかったよ。兄の給食だけ異物を入れられたり、ね。殴られたりもしょっちゅうあった」
「いじめの原因って何?」
「………………」
「………なに?」
:07/05/15 18:39
:SH901iS
:☆☆☆
#285 [
]
「兄の性格…」
「…ああ」
なっとくするけど
いじめられるくらいの性格ちゃうのにな…
「兄の性格は人とは違って異常だから」
きみとそっくりなんですけど。
:07/05/15 18:42
:SH901iS
:☆☆☆
#286 [沢子]
ふあいと

:07/05/15 18:58
:P903i
:4QnGglN2
#287 [
]
「何?志乃さん」
「へ?」
「なにかいいたげな顔してる」
「…………」
「志乃さん、人間思った事を口にださないと伝わらないよ?」
ほら、こーゆーとこ
「コウにそっくり」
:07/05/16 11:57
:SH901iS
:☆☆☆
#288 [
]
「ほめてる?」
「……………まぁ」
「ほめてないね。沈黙長かったもん」
「………………」
「まぁいいや。そろそろ時間だよ。兄のところに戻ろう」
:07/05/16 12:02
:SH901iS
:☆☆☆
#289 [
]
「何か起きるん?」
「見てればわかるよ」
旬は時計を気にしながら早足でコウのいる部屋へ向かった。
部屋の前で旬は立ち止まり俺の顔を見て言った。
「今から起きる事、黙って見ててね。手は出せないから。それと、この出来事が終わったらあなたは目が覚める。そしたらあなたがするべき事はただひとつ」
:07/05/17 01:54
:SH901iS
:☆☆☆
#290 [
]
「…なに?」
「兄を救って下さい。兄には僕が見えないから…僕が兄を憎んではないって…いつも見守ってるって伝えて下さい」
「…わかった」
「ありがとう。じゃあ、入るよ」
旬はドアへ向かって歩き、すうっと中へ入った。
俺もあとを追う。
:07/05/17 01:56
:SH901iS
:☆☆☆
#291 [
]
俺もドアを擦り抜けれるんかな?
俺はドアへ向かって歩いた
「うわっ」
なんだこれ…
身体がドアを抜けるけど
なんとも気味が悪い感触だ
俺はドアを擦り抜け、
目の前の光景を見て呆然とした。
「コウ………?」
:07/05/17 01:58
:SH901iS
:☆☆☆
#292 [
]
目の前には
ナイフを手首に当てるコウの姿。
「コウ!!やめろ!!」
「志乃さん!手は出せないと言ったはずだよ!」
「でも…」
俺は押さえつける旬を振り払おうとした
「大丈夫!兄は死なない!さっき言ったでしょ?兄が自殺未遂をしたって!」
:07/05/17 02:01
:SH901iS
:☆☆☆
#293 [
]
「…それが…今日なんか」
「そうだよ」
「……わざわざ…それを見せるために……?」
「僕の記憶だ。僕が一番辛かった時の記憶なんだよ」
旬を見ると
旬は目に涙をためていた。
:07/05/17 02:02
:SH901iS
:☆☆☆
#294 [
]
「僕は許せない」
旬は唇を噛み締めた。
「いくら僕の幻影だからって…兄をここまで追い詰めるなんて……」
「…旬………」
「志乃さん、約束だからね。兄を救ってね」
「当たり前や」
:07/05/17 02:05
:SH901iS
:☆☆☆
#295 [
]
旬が俺に向かい
ありがとう、と言うや否やコウはボソッと呟いた。
「旬…僕が死ねば…許してくれますか?」
そう言って
ナイフで手首をザクッと切った。
「うっ………」
俺は口を押さえた。
ここまでひどいとは
思っていなかった。
コウの手首からは
血がドクドクと流れ出し
床は物凄い勢いで血の海となった。
:07/05/17 02:08
:SH901iS
:☆☆☆
#296 [
]
「これ…ほんまに大丈夫なんか!?」
俺は旬を見た。
「大丈夫…大丈夫だけど…何回見ても嫌な光景…」
旬はコウから目をそらした
「…旬…ごめんなさい…」
コウは一言言い、
ドサッと倒れた。
「コウ!!コウ!!コ………うわぁぁぁああ!!!」
:07/05/17 02:11
:SH901iS
:☆☆☆
#297 [
]
――――…‥
「………コウ…」
「志乃くん!」
「………………」
「志乃くん!?」
「…コウ……?」
俺が目覚めた時
目の前には心配した顔のコウの姿があった。
:07/05/17 02:12
:SH901iS
:☆☆☆
#298 [
]
「よかったです…志乃くんなかなか目が覚めなくて」
コウはガタガタと震えている。
そんな心配してたんや…
「…旬の記憶を見てた…」
俺の言葉に、コウは目を丸くした。
「…旬……の……?」
:07/05/17 02:16
:SH901iS
:☆☆☆
#299 [
]
「そう。旬の記憶」
「………………」
コウは眉間にしわを寄せた
「あ…あ〜あいつの性格お前ソックリやな」
「……僕と旬が…?」
全然似てませんよ、とコウは続けた。
「全く同じやったで」
:07/05/17 02:37
:SH901iS
:☆☆☆
#300 [
]
「……そうですか…」
コウは俯き黙り込んだ。
えーっと…
救えって言ってたけど
どうしたらいいんや…?
「……………」
「……………」
旬…旬は……
俺は周りをキョロキョロ見渡した。が、旬が見当たらない。
:07/05/18 03:46
:SH901iS
:☆☆☆
#301 [
]
「志乃くん」
ふいにコウが指をくるくると回しながら俺を呼んだ。
「旬の記憶…とは一体何ですか」
「あ〜…っと……」
コウの自殺未遂…
って言ってもいいんか?
わからん!!
俺にはコウの救い方がわからん!!どーすんだ俺!
:07/05/18 03:48
:SH901iS
:☆☆☆
#302 [
]
「志乃くん…」
俺を怪訝な顔つきで見つめるコウ。
やめろ…
そんな不審者を見るような目付きで見るな。
そんな目で俺を見るな!!
「……笑えない冗談はやめて下さい」
「ほんまやから!!」
:07/05/18 03:50
:SH901iS
:☆☆☆
#303 [
]
「…ただ…夢を見てただけじゃないんですか…」
「夢ちゃう!!」
多分…
「ではどんな記憶ですか」
「…………コウが…」
「僕が?」
「…自殺未遂をした日…」
:07/05/18 03:52
:SH901iS
:☆☆☆
#304 [
]
俺はチラリとコウを見た。
「……………」
コウは驚いた表情で俺を見ている。
「…手首…切ってた…」
「……………」
「原因は………旬か?」
俺の質問に
長い沈黙が流れた。
:07/05/18 03:56
:SH901iS
:☆☆☆
#305 [
]
「いや…いい。言いたくないならいいねんで、俺は」
「そうです。自殺する事が旬へのせめてもの償いだとあの頃は思っていました」
コウは悲しげな笑みを浮かべながら続けた。
「志乃くん、本当に記憶を見てきたみたいですね」
:07/05/18 03:59
:SH901iS
:☆☆☆
#306 [
]
「あ…う……おお!見てきた。全部見てきたで!」
コウはフッと笑いながら、そうですか、と言った。
「それでその記憶を見た意図は?」
意図…?
意図ってなんや?
「意図って…?」
「まさか意図もないのに記憶を見ただけですか」
「いや…意図の…」
「……まさか意図という単語の意味がわからないとでも」
:07/05/18 04:04
:SH901iS
:☆☆☆
#307 [
]
「……………」
「……………」
再び俺とコウの間には長い沈黙が流れる。
沈黙を破ったのはコウの大きなため息。
「志乃くんと話していると自分まで馬鹿になった気分になります」
すみません。
「意図とは簡単に言えば理由です。その記憶を見た理由は何ですか」
簡単に言えるなら最初から理由って言うてや!
:07/05/18 04:08
:SH901iS
:☆☆☆
#308 [
]
「お前に見えてるのは旬の幻影なんや!!」
「…………は?」
「お前が見て、罪悪感を感じてる相手はほんまの旬ちゃう!幻影やねんお前が作り出した!!」
「………………」
「それが理由!」
「志乃くんちょっと待って下さい…話がわかりませんけど……」
:07/05/18 04:11
:SH901iS
:☆☆☆
#309 [
]
「旬が俺に記憶を見せた理由は、お前を救ってほしいからやねん!」
「………僕を…」
「いつまでもうじうじ過去引きずって罪悪感にかられとるお前にほんまの旬も呆れとんねんて!」
「…呆れ……て…?」
いや、呆れてはなかったか
:07/05/18 04:23
:SH901iS
:☆☆☆
#310 [
]
「だから、お前に見えとる旬は幻影!偽者やねん!わかったか!?いい加減に幻影を捨てろ!」
ふうー…言った。
言ってやったぞ。
これでいいよな、旬!
「…志乃くん…」
:07/05/18 04:27
:SH901iS
:☆☆☆
#311 [
]
それまで呆気にとられていたコウが窓を見ながら呟いた。
「それが本当だとしたら…僕に見えている旬は幻影なんですよね?」
「そうやで!!」
「…ではなぜ…今も幻影の旬が見えるんですか?」
…え………
「どうしたら幻影の旬は僕の前から消えるんですか」
:07/05/18 04:29
:SH901iS
:☆☆☆
#312 [我輩は匿名である]
どうしたら消えるんですかー

気になるぅ

:07/05/18 05:13
:SH903i
:tLQYOMRI
#313 [我輩は匿名である]
上の人感想ここに書かないで。主さんもここに小説しか書かないって言ってるじゃん。主さんが読みやすくするためにって言ってるのに守れないの?迷惑です。私も書き込みすみません。
:07/05/18 13:27
:N900i
:☆☆☆
#314 [我輩は匿名である]
すみません

もう書かないです

どうしても謝りたかったから今書いちゃいましたけどもう絶対書かないです

すみませんでした


:07/05/19 02:55
:SH903i
:bLA4hg3k
#315 [
]
感想などはうれしいです

ただ、読んで下さる方が感想がある事で読みにくくなるので、感想などは
>>2の方にくれるとありがたいです

注意ありがとうございます

感想くれた匿名さんもありがとうございます


:07/05/19 03:05
:SH901iS
:☆☆☆
#316 [
]
どうしたら消えるか…?
「……………」
わからん…
コウが幻影って認めたら見えへんくなるんちゃうんか?わからん…俺にはわからん!!
「志乃くん」
「…わからん…」
:07/05/19 03:08
:SH901iS
:☆☆☆
#317 [
]
「……………」
「……………」
またも流れる長い沈黙。
「…では聞いて下さい」
「は?」
「旬に聞いて下さい」
「……おらん」
「は」
「今俺には旬が見えん」
:07/05/19 03:09
:SH901iS
:☆☆☆
#318 [
]
「……………」
「……認め……いや……うーん……」
「はい?」
「なんつーか…俺の予想…やけど……あ〜でも…」
「志乃くん何を伝えたいんですか。言葉が全く理解できませんが」
歯切れの悪い俺の言葉にコウはいらついたように爪をガリッと噛みながら言った
:07/05/19 03:12
:SH901iS
:☆☆☆
#319 [
]
「多分…お前が幻影って認めたら…見えなく…なる…よーな気がするんやけど」
「ような気がする、ですか。それは志乃くんの判断でしょう?」
「……はい」
そうですけど……
「僕は幻影だと理解しました。ですが僕の目には旬の姿があります」
:07/05/19 03:15
:SH901iS
:☆☆☆
#320 [
]
「心ん中で認めてへんのちゃう?」
「……認めました」
「でも未だに?」
「見えてます」
「……………」
どうしたものか……
「この旬は、本来の旬ではない…が、僕には見えている……志乃くん、僕なんだかよくわからなくなりました」
僕もですよコウくん。
:07/05/19 03:17
:SH901iS
:☆☆☆
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