きみを送るA
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#301 []
「志乃くん」

ふいにコウが指をくるくると回しながら俺を呼んだ。

「旬の記憶…とは一体何ですか」

「あ〜…っと……」

コウの自殺未遂…
って言ってもいいんか?
わからん!!
俺にはコウの救い方がわからん!!どーすんだ俺!

⏰:07/05/18 03:48 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#302 []
「志乃くん…」

俺を怪訝な顔つきで見つめるコウ。

やめろ…
そんな不審者を見るような目付きで見るな。

そんな目で俺を見るな!!

「……笑えない冗談はやめて下さい」

「ほんまやから!!」

⏰:07/05/18 03:50 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#303 []
「…ただ…夢を見てただけじゃないんですか…」

「夢ちゃう!!」

多分…

「ではどんな記憶ですか」

「…………コウが…」

「僕が?」

「…自殺未遂をした日…」

⏰:07/05/18 03:52 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#304 []
俺はチラリとコウを見た。

「……………」

コウは驚いた表情で俺を見ている。

「…手首…切ってた…」

「……………」

「原因は………旬か?」

俺の質問に
長い沈黙が流れた。

⏰:07/05/18 03:56 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#305 []
「いや…いい。言いたくないならいいねんで、俺は」

「そうです。自殺する事が旬へのせめてもの償いだとあの頃は思っていました」

コウは悲しげな笑みを浮かべながら続けた。

「志乃くん、本当に記憶を見てきたみたいですね」

⏰:07/05/18 03:59 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#306 []
「あ…う……おお!見てきた。全部見てきたで!」

コウはフッと笑いながら、そうですか、と言った。

「それでその記憶を見た意図は?」

意図…?
意図ってなんや?

「意図って…?」

「まさか意図もないのに記憶を見ただけですか」

「いや…意図の…」

「……まさか意図という単語の意味がわからないとでも」

⏰:07/05/18 04:04 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#307 []
「……………」

「……………」

再び俺とコウの間には長い沈黙が流れる。
沈黙を破ったのはコウの大きなため息。

「志乃くんと話していると自分まで馬鹿になった気分になります」

すみません。

「意図とは簡単に言えば理由です。その記憶を見た理由は何ですか」

簡単に言えるなら最初から理由って言うてや!

⏰:07/05/18 04:08 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#308 []
「お前に見えてるのは旬の幻影なんや!!」

「…………は?」

「お前が見て、罪悪感を感じてる相手はほんまの旬ちゃう!幻影やねんお前が作り出した!!」

「………………」

「それが理由!」

「志乃くんちょっと待って下さい…話がわかりませんけど……」

⏰:07/05/18 04:11 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#309 []
「旬が俺に記憶を見せた理由は、お前を救ってほしいからやねん!」

「………僕を…」

「いつまでもうじうじ過去引きずって罪悪感にかられとるお前にほんまの旬も呆れとんねんて!」

「…呆れ……て…?」

いや、呆れてはなかったか

⏰:07/05/18 04:23 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#310 []
「だから、お前に見えとる旬は幻影!偽者やねん!わかったか!?いい加減に幻影を捨てろ!」

ふうー…言った。
言ってやったぞ。
これでいいよな、旬!

「…志乃くん…」

⏰:07/05/18 04:27 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#311 []
それまで呆気にとられていたコウが窓を見ながら呟いた。

「それが本当だとしたら…僕に見えている旬は幻影なんですよね?」

「そうやで!!」

「…ではなぜ…今も幻影の旬が見えるんですか?」

…え………

「どうしたら幻影の旬は僕の前から消えるんですか」

⏰:07/05/18 04:29 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#312 [我輩は匿名である]
どうしたら消えるんですかー
気になるぅ

⏰:07/05/18 05:13 📱:SH903i 🆔:tLQYOMRI


#313 [我輩は匿名である]
上の人感想ここに書かないで。主さんもここに小説しか書かないって言ってるじゃん。主さんが読みやすくするためにって言ってるのに守れないの?迷惑です。私も書き込みすみません。

⏰:07/05/18 13:27 📱:N900i 🆔:☆☆☆


#314 [我輩は匿名である]
すみませんもう書かないです
どうしても謝りたかったから今書いちゃいましたけどもう絶対書かないです
すみませんでした

⏰:07/05/19 02:55 📱:SH903i 🆔:bLA4hg3k


#315 []
感想などはうれしいですただ、読んで下さる方が感想がある事で読みにくくなるので、感想などは
>>2
の方にくれるとありがたいです
注意ありがとうございます感想くれた匿名さんもありがとうございます

⏰:07/05/19 03:05 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#316 []
 
どうしたら消えるか…?

「……………」

わからん…
コウが幻影って認めたら見えへんくなるんちゃうんか?わからん…俺にはわからん!!

「志乃くん」

「…わからん…」

⏰:07/05/19 03:08 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#317 []
「……………」

「……………」

またも流れる長い沈黙。

「…では聞いて下さい」

「は?」

「旬に聞いて下さい」

「……おらん」

「は」

「今俺には旬が見えん」

⏰:07/05/19 03:09 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#318 []
「……………」

「……認め……いや……うーん……」

「はい?」

「なんつーか…俺の予想…やけど……あ〜でも…」

「志乃くん何を伝えたいんですか。言葉が全く理解できませんが」

歯切れの悪い俺の言葉にコウはいらついたように爪をガリッと噛みながら言った

⏰:07/05/19 03:12 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#319 []
「多分…お前が幻影って認めたら…見えなく…なる…よーな気がするんやけど」

「ような気がする、ですか。それは志乃くんの判断でしょう?」

「……はい」

そうですけど……

「僕は幻影だと理解しました。ですが僕の目には旬の姿があります」

⏰:07/05/19 03:15 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#320 []
「心ん中で認めてへんのちゃう?」

「……認めました」

「でも未だに?」

「見えてます」

「……………」

どうしたものか……

「この旬は、本来の旬ではない…が、僕には見えている……志乃くん、僕なんだかよくわからなくなりました」

僕もですよコウくん。

⏰:07/05/19 03:17 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#321 []
「あ!!」

閃いた!!

「なんですか急に大きな声出さないで下さい」

大声を出した俺を怪訝な顔つきで見ながらコウは言った。

「閃いた!!」

「……………」

「閃いたで!!!」

⏰:07/05/19 03:20 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#322 []
「却下します」

「なんでやねん!!」

「志乃くんの閃きはろくな事じゃないと僕は思っています」

思ってるだけにしろ!!なんで思ってる事を口に出すねん!!

「ろくな事やから!!あのな、」

「だめです」

⏰:07/05/19 03:23 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#323 []
「まだ何もゆーてへん」

「何も言わないで下さい」

こいつ…助けたらへんぞ!

「黙って聞け!!」

「……………」

コウはおくちにチャックした。

「よし、それでよし」

⏰:07/05/19 03:24 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#324 []
「お前、幻影の旬に今まで何かされた事あるか?」

「……………」

「答えろ」

「……………」

コウは無言で紙と鉛筆を手にとった。

「なにするん?」

コウは紙にすらすらと文字を書く。

⏰:07/05/19 03:27 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#325 []
書き終えるとコウは俺の目の前に紙を差し出した。

【ありません】

「口で言えや!!」

「…………」

またもや紙に文字を書くコウ。

「しゃべれや」

⏰:07/05/19 03:28 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#326 []
【黙って聞けと言いましたから僕はお口にチャックをしています】

ええい!!!

「チャック外して」

コウは口に手を当て、チャックを外すそぶりをした

お前はガキか!!

「やっと息が出来ました」

きみ、鼻で息できないの?

⏰:07/05/19 03:30 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#327 []
「で、なんですか?」

「ああ、そう。幻影は別にお前に害はあたえへんねやろ?」

「ええ、まあ」

「ほんなら別に見えてもえーんちゃう?」

「………はい?」

⏰:07/05/19 03:31 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#328 []
「だから、別に害ないんやったら見えとってもいいやん。お前は幻影って理解してるわけやし、そもそも幻影って事は原形がないもんやん?つまりお前が見とる幻影の旬は存在しないもんやから、気にせんかったらいいだけの事やん。幻影って理解してんねやったらそのうち消えるやろ」

我ながら素晴らしい判断や

⏰:07/05/19 03:36 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#329 []
「…それが閃きですか一休さん」

一休さん…?

俺の事か!?

「そんな幼稚な考え、誰でも出来ますよ」

確かにそうやけど…
俺にはこれしか…

「しかし…」

⏰:07/05/19 03:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#330 []
コウは俺を見てニッコリ微笑んだ。

「その幼稚な考え、いいですね」

「………まじ?」

「ええ。幼稚すぎるため僕には考えつかなかったです。現状維持ですね、つまりなるようになる、と。世の中そんなもんです。時の流れに身を任せましょうか」

テレサテン!?

⏰:07/05/19 03:43 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#331 []
「ただ問題が…」

コウは親指をくわえ、しかめた顔をした。

「なに?」

「志乃くんは僕の過去を見たんですよね…」

「おー…」

「僕、一人でいるといつも考えるんです」

「なにを?」

「自殺未遂した日と同じ…僕が死ねば旬は許してくれるんじゃないかと…」

⏰:07/05/19 03:47 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#332 []
「それは…」

まさか

「今でも…か?」

「はい、今でもずっと」

「…でも今旬は幻影ってわかったから大丈夫やろ?」

コウは俯きながらフッと微笑んだ。

「だといいんですけどね」

⏰:07/05/19 03:48 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#333 []
「それって信じてないんやん!結局、お前は幻影の旬の方を信じてるって事やんか!そんなんやったらいつまでたっても消えへん!」

「志乃くんにはわかりませんよ」

「はあ!?………コウ?」

コウは

震えていた。

⏰:07/05/19 03:52 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#334 []
「幻影でも…この旬が幻影で、僕の作り出したものでも……この旬は…旬なんです…同じ顔で、同じ声で……」

「…………違う…」

「旬なんです……」

「ちゃうわ!!目え覚ませや!!旬じゃない!そいつは旬とちゃうねん!」

「志乃くんにはわからないですよ!!」

⏰:07/05/19 03:55 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#335 []
「僕は…助けてあげられなかったんですよ……旬を……いえ、助けなかったんです……その罪悪感は…時が立っても消えません」

そんな………

「ですから旬の幻影はずっと僕の前から消えません」

これはコウの心の問題だ

コウが自分を許さない限り旬の幻影はコウの前から消える事はない。

⏰:07/05/19 04:01 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#336 []
「……………」

俺は
どうしたらいい?
何も思いつかない。

悪い…旬…
俺だけじゃ前のアニキを救えへん…

ん……?

「おい、今一人でおったら、って言うたか?」

「…はい」

⏰:07/05/19 04:45 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#337 []
なーんや、簡単な事やん!

「コウ!!」

「…なんですか」

俺がお前を救ったる!

「今日からうちに住め!」

「……はい?」

「一人でおったら考えてまうんやろ?ほな、俺と一緒におったらえーやん!」

⏰:07/05/19 04:47 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#338 []
>>336
訂正

俺だけじゃお前のアニキを…
です「お」が抜けてました

⏰:07/05/19 04:48 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#339 []
「…志乃くんと…?」

「おう!俺んちに住め!帰っても一人やねやろ?ちょーど夏休みやし、な?夏休みの間だけでも」

「…迷惑…じゃないですか?」

迷惑?あーはん?

「迷惑やけど旬と約束したからな!お前を救うって」

⏰:07/05/19 04:51 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#340 []
「…本当にいいんですか」

「いいともー!!」

コウは俺を見てニッコリ笑った。

「ありがとうございます志乃くん」

どーいたしまして!

「ですが僕がいたのでは夏休みの間幸子さんと会えませんよ?」

「…………え?」

幸子ーーーー!!!

⏰:07/05/19 04:53 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#341 []
【第20章 天使】

「志乃くん?」

幸子………

「志乃くーん」

幸子と………

「志乃くーーん?」

幸子と会えない…

「志乃くん返事を」

「幸子ーーーー!!!」

⏰:07/05/19 04:56 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#342 []
俺の叫びにコウは耳を塞いだ。

「鼓膜破れます…」

「ああ…幸子……」

「…やはりやめますか?幸子さんに会えないのは辛いでしょう?」

辛いけど…

「いや、いい…。俺は約束は破らへん男やから…」

⏰:07/05/19 04:59 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#343 []
「…童貞…夏休み中に捨てれませんね…」

泣きたい。

「…ほっといて」

「志乃くんがここまで僕想いだとは…感激しました」

テンションの低い俺に対し、コウはさっきまでの覇気のなさに比べニコニコしている。

コウが元気なら…
俺は…俺はじゅうぶんや!

⏰:07/05/19 05:02 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#344 []
「さっそくですが」

「……なんですか」

「今日は合コンがある、と言いましたよね?」

言ってましたね

「行きましょう。美女に癒されに行きましょう」

「……………」

こいつ…ほんまは旬の事あんまり気にしてないんちゃうか?

⏰:07/05/19 05:04 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#345 []
「志乃くん?」

「…合コン……ねぇ…」

さすがに合コンはマズイよな…幸子に悪いし…

「美女が揃ってますよ?行きましょうよ」

「…う〜ん……」

「そういえば、志乃くんのすきな芸能人に似ている人がくるみたいです」

「行きましょう!!!」

⏰:07/05/19 05:13 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#346 []
俺たちは準備をし、
合コンが開かれる会場へ向かった。

「…ここ…どこ…」

着いた先は何やらお洒落な店。いわゆる…

「フランス料理のお店ですよ」

フレンチー!?

俺には縁のない場所や!

⏰:07/05/19 05:17 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#347 []
「こここここんな店初めてききき…」

「初めてきたんですよね、志乃くんの様子を見てたらわかります」

「こ…ここって高いんちゃうん…」

「知りません」

知ってて下さい!!
俺財布の中身三千円なんですけど…

⏰:07/05/19 05:20 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#348 []
「中に入りましょう」

コウは颯爽と中に入って行った。
俺もあとにつづく。

「……………」

ま…まぶしい!!
きらびやかなドレスを身に纏う女性達。スーツを着こなす男性陣。

おいおい俺たち完ぺきに

「志乃くん場違いですね」

俺だけかい!!

⏰:07/05/19 05:23 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#349 []
「あ、コウ!!こっちこっち!」

コウを呼ぶ女の声…

ん………?
なんか…この声……

俺は声の主を振り返る。

勘違いであってくれ
たのむ…頼むから…

「志乃〜!こっちやで〜」

こ の は や〜!!!

⏰:07/05/19 05:27 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#350 []
「おい」

俺はコウの肩を掴む。

「なんですか」

「なんですかじゃないやろ!なんでこのはがおんねん!!」

「合コンですから」

合コンですから?

つまりこのはと合コン?

「はーーー!!?」

⏰:07/05/20 03:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#351 []
「志乃くん静かにして下さい。目立ってしまいますよ」

いやいやとっくに目立ってますから!

「なんでこのはと合コンやねん!!」

「…それは……」

コウは横目でこのはのいる席を見た。

俺も目線をそっちに向ける

⏰:07/05/20 03:41 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#352 []
「!!!」

あいつは…

このはの横に座ってるあいつは確か……

「僕の天使です」

テレビにうつっとったお笑い芸人みたいなアイドルやーー!!!

…………あれ?

「おいコウ」

「なんですか」

⏰:07/05/20 03:43 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#353 []
どう見てもこのはと芸人しかおらんよな…?

「俺のすきな芸能人似って…?」

「それはデタラメです。第一、僕は志乃くんの好きな芸能人など知りません」

確かに!!!
言ったことなかった!!

「嘘ついたんか!!」

「嘘も方便です。早く行きましょう」

⏰:07/05/20 03:47 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#354 []
こいつ……

「何が方便やねん!」

「嘘も、です」

ええい!

「俺が言いたいのは…」

「志乃くん静かにして下さい。ここは騒ぐような場所ではありませんよ」

それは承知ですけど…

「先に行きますよ」

⏰:07/05/20 03:49 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#355 []
コウは俺を無視し、颯爽とこのは達の席へ歩いて行った。
泣く泣く俺も着いていく。

「お待たせしました」

「待ってました!」

このはがニコニコしてコウの腕をとる。

「とりあえず座って!」

俺とコウは席についた。

⏰:07/05/20 03:54 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#356 []
「つーか、このはさんよ」

「なに?」

「お前ら伊豆にあと一泊するんやなかったん?」

「あ〜中止なってん!」

「なんで?」

このははチラッとコウの顔を見た。

「コウが会いたいって言ったからやで〜!」

⏰:07/05/20 03:56 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#357 []
俺もコウを見る。

「なんですか?」

「お前…このはの連絡先知ってたんか」

「ええ、まぁ」

「お前さっき俺に連絡取れゆーてたやないけ!!」

「それは単に自分で連絡するのが面倒だったからです」

はーー!?俺はお前の召し使いですか!!

⏰:07/05/20 03:59 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#358 []
「まぁまぁ、とりあえず自己紹介からしよ〜や」

このはがワインを片手に俺達に言った。

おい、未成年だよね?

「では僕から」

コウは芸人の顔をまじまじと見ながら話し出した。

「神谷コウといいます。歳は17歳です。好きなタイプはあなたです」

⏰:07/05/20 04:02 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#359 []
はーー!?

俺とこのはは固まった。

芸人は真っ赤な顔になる

「えっ…あたし?」

「はい。あなたがタイプです」

コウは照れる様子もなく
芸人をじいっと見つめながら言った。

おいおいおいおい。

⏰:07/05/20 04:04 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#360 []
「…あたしが……」

芸人は恥ずかしそうに俯いた。

「顔をあげて下さい。あなたの顔が見たいです」

コウは芸人の顔に手を伸ばし、あごをクイッとあげた

こいつは何や!?
よくぞこんなクサイ台詞&仕草ができるな…

⏰:07/05/20 04:06 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#361 []
「あなたのお名前は?」

ニッコリとコウが聞く

「…あ…あたしは…花岡姫菜です」

「ブッ!!」

俺は口に含んだ水を勢いよく吹き出した。

似合わねーー!!姫菜?姫?芸人みたい顔しやがって姫だと?

「…志乃くん汚いです」

⏰:07/05/20 04:10 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#362 []
「あたしの名前で…笑ったんでしょ……?」

はい、そうです

「あたし…よく顔と名前が合ってないって言われるから……」

姫菜はまたもや俯き、唇を噛んだ。

「そんな事ないです。あなたは僕の天使…いえ、姫ですよ」

うっとりとした表情でコウは姫菜…いや、お姫さまを見つめた

⏰:07/05/20 04:13 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#363 []
「ちょっとぉ!!」

なにやらコウと姫がいい雰囲気の中、このはが口をはさんできた。

「姫!コウはあたしのやから手ぇ出したらあかんで〜?」

「え…そんな事…」

うろたえる姫。

「僕はこのはさんのものではありませんよ」

淡々と話すコウ。

⏰:07/05/20 04:16 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#364 []
「姫、あたしコウに惚れてんねやん、覚えといて」

このはが姫を見ながら言う

「……………」

醜い…女の嫉妬は醜い…

「あ…そうなんだ…このはちゃん、コウさんの事…」

「うん!だからコウにちょっかいだしたらあかんよ〜?」

⏰:07/05/20 04:19 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#365 []
「このはさん、僕は今姫菜さんと話してますので。あなたは志乃くんと話してて下さい」

「はい!?」

「志乃くん、このはさんの相手を」

俺は厄介者の世話係で呼ばれたんか!?

「え〜志乃と〜?やだ〜」

俺の台詞じゃ!!!

⏰:07/05/20 04:21 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#366 []
「俺…帰る……」

「だめです」

「なんでやねん!明らかにお前本意の合コンやん!」

「ええ、ですが」

お前本意は認めるんかい

「志乃くんにはやってほしい事がありますから」

それって…

「このはさんの相手を」

⏰:07/05/21 02:21 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#367 []
「え〜このはの〜…」

このはの相手なんか嫌や、と言おうとした時、
このはの携帯が鳴った。

「はい!…………え?今からですか?……はい…わかりました」

電話を切り、コウを見つめるこのは。

「どうされました?」

平然とコウは水を一口飲んだ。

⏰:07/05/21 02:31 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#368 []
「あたし仕事入っちゃった…すぐにマネージャーが迎えにくる…」

「やったーー!!!」

シン…と静まり、コウ、このは、お姫さまが俺を見た

やべ〜思わず歓喜の声がでちまった。

「志乃サイテーやし!」

「わり〜わり〜思わず…」

⏰:07/05/21 02:34 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#369 []
「志乃くんとても嬉しそうですね」

コウがニヤリと笑い俺を見ている。

コウのほうが嬉しそうだ

「志乃!志乃!!」

このはが席を立ち、俺を手招きした。

「なんやねん」

「ちょっとこっちきてや」

⏰:07/05/21 02:37 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#370 []
めんどくせ〜と思いつつも席を立ち上がる優しい男、柏木志乃。つまり俺。

「なんやねんな〜」

「志乃を男と見込んで頼みがあんねやんか!」

…男と見込んで…

「コウと姫の邪魔して!」

はい!?男と見込んで頼んだくせに…ちっちぇ〜!!

⏰:07/05/21 03:00 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#371 []
「嫌や」

「なんでよ〜!!」

「めんどい。興味ない。つか、俺に関係ない」

「関係あるやん〜!」

「なんの」

「あたしの頼みやん!」

この世はお前のために回ってるんか!?
やっぱコウとこのはは同類や…

「志乃おねが…」

「断る」

⏰:07/05/21 03:02 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#372 []
「志乃のあほ!!」

「はいはい」

好きにゆーてくれ。

このはがブーブー言うてる時、マネージャーが迎えにきた。
このはは最後に俺にむかって、頼んだからね!!と叫んだ。

俺?もちろん無視、だ。

「このはさんに何か頼まれたんですか?」

⏰:07/05/21 03:07 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#373 []
席に戻ると、すでに注文したのかフランス料理の前菜がテーブルに並べられていて、コウはワインを飲んでいた。

おいおい。未成年だよね

「ワインて…」

「ああ、志乃くんも飲みますか?」

そーゆー事ちゃうやろ!

「いや…俺はいい」

⏰:07/05/21 03:10 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#374 []
「あ、志乃くん帰るんでしたっけ?」

はーー!?
さっきアカンゆーてたやん!邪魔者(このは)がいなくなった途端帰れ、ですか?

「いや、帰らん」

意地でも帰ったらんわ!

「…………」

コウは無言で帰れビームを出している。

「ビーム出しても帰らんから」

⏰:07/05/21 03:17 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#375 []
コウは小さくチッと舌打ちした。

聞こえてますからー!!

「姫さん何か飲みます?」

コウは姫にむかって笑顔で聞いた。

「…じゃあ…ワイン…」

「姫菜っていくつ?」

「志乃くん何呼び捨てにしてるんですか」

⏰:07/05/21 03:59 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#376 []
「えーやん別に」

「だめです」

「いいよ、あたしは20歳だよ。年上だけど…」

「構いませんよ」

へ〜ハタチなんや。
ぶ◯◯くやからか?
幼く見えた。

「乾杯しましょう。僕達の出会いに」

おいおい!俺の存在は!?

⏰:07/05/21 04:03 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#377 []
存在を無視された俺は
前菜をガツガツと食った。

「うっめえ〜!!」

フランス料理初めて食ったけど、こりゃうまい!

俺は夢中で食べ続けた。

「…志乃くん食べ方が下品です……」

⏰:07/05/21 13:15 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#378 []
「うるさい!あ、コウ食べへんの?食べへんねやったらちょーだい!」

コウはまるでコジキを見るような目で俺を見ながら前菜をそっと差し出した。

「サンキュー」

食べ続ける俺をよそに、
コウは姫に熱烈アピールを開始した。

⏰:07/05/21 13:17 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#379 []
「姫菜さんは僕の天使です。初めて見た時、僕はあなたに心奪われました」

「…え……そんな……」

「あなたはとても美しい」

コウは姫の髪にそっと触れた。

うげっ…。くさすぎ。
てか俺の前でそーゆー事しないでくれたまえ。

⏰:07/05/21 13:22 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#380 []
姫の髪に触れたコウは
そのままゆっくりと髪に口付けを落とす。

「やめーーい!!!」

俺は立ち上がり叫んだ。

「………………」

やばい。やばいやばい。

俺は周りを見渡す。

店内の人々がみんなポカンとした表情で俺を見ている

⏰:07/05/21 13:26 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#381 []
「…志乃くん座りなさい」

コウはため息まじりで俺の腕を引っ張った。

「すみませんでした」

コウは俺のかわりに立ち上がり店内の人々に頭を下げた。

「全くあなたという人は…先程言いましたよね?ここは騒ぐような店ではありません、と」

⏰:07/05/21 13:29 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#382 []
「…すまん」

「姫菜さんにもあやまりなさい」

「あたしは全然いいよ…。ふふ…なんか志乃くんって面白い子だね!」

そーですか?

「…そりゃどーも……」

…………ん?
なんや?なんやこの熱い視線は…!!!
俺…姫に見つめられとる!

⏰:07/05/21 13:34 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#383 []
俺はチラリと姫の顔を見た

姫は俺と目が合うと
顔を赤らめながらもニコッと微笑んだ。

「あ…あは……」

俺は顔をひきつらせたが
姫は俺を見てニコニコしている。

「志乃くん何にやけてるんですか気持ち悪いです」

ひきつっただけですが。

⏰:07/05/21 13:37 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#384 []
俺たちの席にメインディッシュが届き、またも俺は皿に食らえついた。

「……おいしいですか志乃くん」

「うまい!!俺フランス料理食った事ないからさ〜」

「知ってます」

「コウ食わんのか?」

「…食べてもいいですよ」

⏰:07/05/22 03:23 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#385 []
「フランス料理嫌いなん?」

「そういうわけではありませんが…」

コウはチラリと俺の顔を見て眉間にしわを寄せワインをぐいっと飲んだ。

「志乃くんの食べ方を見ていると…食欲がなくなりました…」

それってどーゆー意…

「食べ方が下品すぎます」

⏰:07/05/22 03:25 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#386 []
カッチーーン

「ほんならどうやって食えっちゅーねん!!食い方がどーでも腹ん中入れば全部同じや!」

「違います。あなたはマナーというものを知らないんですか」

「高校生の俺にマナーなんか求める方がおかしいやろ!!だいたいお前が…」

「すみませんがお客様…」

⏰:07/05/22 03:31 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#387 []
俺がコウへの反撃の言葉を言い終える前に店員が俺の言葉を阻止した。

「先程から少々騒ぎすぎかと…申し訳ございませんが当店はお騒ぎする場所ではございませんので…」

あらまー。
追い出されちゃった。

「…志乃くんのせいです」

⏰:07/05/22 03:34 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#388 []
店から出るなり
コウが俺を睨みつけた。

「もーしわけございませんでしたー」

「…それで謝ってるつもりですか」

「まぁまぁ、コウくんいいじゃない?あたし、フランス料理店とか苦手だったから…ね?」

姫はそう言って俺にウインクをしてきた。

⏰:07/05/22 03:37 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#389 []
えーーー!?
ウインクて…

どうしたらいいかわからない俺は姫にウインクを返してみた。

姫は顔を赤らめ俯いた。

「………………」

俺だって鈍感ではない。
こいつ……
こいつ俺に惚れそう…?

⏰:07/05/22 03:38 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#390 []
「姫菜さんがそう言うならいいですが…」

やべーやべーー!!
ラブトライアングル!?
避けたい…
面倒な事は避けた…

「神谷先輩…?」

「!!??」

⏰:07/05/22 03:49 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#391 []
「あ…柏木先輩も……」

「ゆうみちゃん!?」

「…こんばんは…何してるんですか……?」

「ゆうみさんこんばんは。僕達は合コン中です」

「えっ…………」

戸惑うゆうみちゃん。

面倒な事は
避けたい……。

⏰:07/05/22 03:52 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#392 []
さがってる(・ω・)

⏰:07/05/23 16:52 📱:SH901iS 🆔:iFDVo97A


#393 [我輩は匿名である]
まだ…

⏰:07/05/24 03:06 📱:SH903i 🆔:bWJLOafk


#394 [にゃぁ]
あげ

⏰:07/05/25 01:53 📱:D902iS 🆔:fz9NETMM


#395 []
「ゆうみさんもご一緒しますか?」

「え…?」

おいおい。こいつはまた何を言い出すんじゃ。

「あたしは…いいです」

「そうですか残念です」

全然残念そうに見えへんねやけど!!

⏰:07/05/25 18:21 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#396 []
「あたしも…今日は帰ろうかな…」

突然姫菜が呟いた。

「あなたはだめです姫菜さんはまだ帰らせません」

「…でも……」

「でも、ではありません。今夜は帰しません」

えーーーーーー!!!

「おい……って…え!?ゆうみちゃん!?」

ゆうみちゃんはコウの言葉を聞き、走り去った。

⏰:07/05/25 18:24 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#397 []
「ゆうみちゃん!!」

俺は追い掛けようとした。が、

「ゆうみさんどうしたんでしょうか?急いで行かなければならない用事でもあったんですかね」

しれっとしながら言い放つコウ。

こいつ…鈍い?

⏰:07/05/25 18:26 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#398 []
「やっぱりあたしも帰るね。また今度!」

姫菜はコウの肩をポンッと叩き、言った。

「…そうですか……残念です……」

今度はほんまに残念そう!

「志乃くんもまたね」

また?

「…さいなら」

⏰:07/05/25 18:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#399 []
帰り際、姫菜は俺の手に何かを渡してきた。

「じゃーまたねー!」

姫菜が去り、俺はうなだれるコウと距離を置き姫菜が渡してきた何かを見た。

「………………」

名刺だ。
裏には携帯番号とアドレスが書いてある。

⏰:07/05/25 18:42 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#400 []
「…コウ…姫菜の携帯番号聞いたか?」

俺の質問に
コウは俺をギロリと睨んだ

「聞いてません」

「……そっか……」

俺だけ携帯番号聞いたなんて言えないなー。

は〜めんどくせ〜…。

⏰:07/05/25 18:45 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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