きみを送るA
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#321 []
「あ!!」

閃いた!!

「なんですか急に大きな声出さないで下さい」

大声を出した俺を怪訝な顔つきで見ながらコウは言った。

「閃いた!!」

「……………」

「閃いたで!!!」

⏰:07/05/19 03:20 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#322 []
「却下します」

「なんでやねん!!」

「志乃くんの閃きはろくな事じゃないと僕は思っています」

思ってるだけにしろ!!なんで思ってる事を口に出すねん!!

「ろくな事やから!!あのな、」

「だめです」

⏰:07/05/19 03:23 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#323 []
「まだ何もゆーてへん」

「何も言わないで下さい」

こいつ…助けたらへんぞ!

「黙って聞け!!」

「……………」

コウはおくちにチャックした。

「よし、それでよし」

⏰:07/05/19 03:24 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#324 []
「お前、幻影の旬に今まで何かされた事あるか?」

「……………」

「答えろ」

「……………」

コウは無言で紙と鉛筆を手にとった。

「なにするん?」

コウは紙にすらすらと文字を書く。

⏰:07/05/19 03:27 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#325 []
書き終えるとコウは俺の目の前に紙を差し出した。

【ありません】

「口で言えや!!」

「…………」

またもや紙に文字を書くコウ。

「しゃべれや」

⏰:07/05/19 03:28 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#326 []
【黙って聞けと言いましたから僕はお口にチャックをしています】

ええい!!!

「チャック外して」

コウは口に手を当て、チャックを外すそぶりをした

お前はガキか!!

「やっと息が出来ました」

きみ、鼻で息できないの?

⏰:07/05/19 03:30 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#327 []
「で、なんですか?」

「ああ、そう。幻影は別にお前に害はあたえへんねやろ?」

「ええ、まあ」

「ほんなら別に見えてもえーんちゃう?」

「………はい?」

⏰:07/05/19 03:31 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#328 []
「だから、別に害ないんやったら見えとってもいいやん。お前は幻影って理解してるわけやし、そもそも幻影って事は原形がないもんやん?つまりお前が見とる幻影の旬は存在しないもんやから、気にせんかったらいいだけの事やん。幻影って理解してんねやったらそのうち消えるやろ」

我ながら素晴らしい判断や

⏰:07/05/19 03:36 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#329 []
「…それが閃きですか一休さん」

一休さん…?

俺の事か!?

「そんな幼稚な考え、誰でも出来ますよ」

確かにそうやけど…
俺にはこれしか…

「しかし…」

⏰:07/05/19 03:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#330 []
コウは俺を見てニッコリ微笑んだ。

「その幼稚な考え、いいですね」

「………まじ?」

「ええ。幼稚すぎるため僕には考えつかなかったです。現状維持ですね、つまりなるようになる、と。世の中そんなもんです。時の流れに身を任せましょうか」

テレサテン!?

⏰:07/05/19 03:43 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#331 []
「ただ問題が…」

コウは親指をくわえ、しかめた顔をした。

「なに?」

「志乃くんは僕の過去を見たんですよね…」

「おー…」

「僕、一人でいるといつも考えるんです」

「なにを?」

「自殺未遂した日と同じ…僕が死ねば旬は許してくれるんじゃないかと…」

⏰:07/05/19 03:47 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#332 []
「それは…」

まさか

「今でも…か?」

「はい、今でもずっと」

「…でも今旬は幻影ってわかったから大丈夫やろ?」

コウは俯きながらフッと微笑んだ。

「だといいんですけどね」

⏰:07/05/19 03:48 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#333 []
「それって信じてないんやん!結局、お前は幻影の旬の方を信じてるって事やんか!そんなんやったらいつまでたっても消えへん!」

「志乃くんにはわかりませんよ」

「はあ!?………コウ?」

コウは

震えていた。

⏰:07/05/19 03:52 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#334 []
「幻影でも…この旬が幻影で、僕の作り出したものでも……この旬は…旬なんです…同じ顔で、同じ声で……」

「…………違う…」

「旬なんです……」

「ちゃうわ!!目え覚ませや!!旬じゃない!そいつは旬とちゃうねん!」

「志乃くんにはわからないですよ!!」

⏰:07/05/19 03:55 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#335 []
「僕は…助けてあげられなかったんですよ……旬を……いえ、助けなかったんです……その罪悪感は…時が立っても消えません」

そんな………

「ですから旬の幻影はずっと僕の前から消えません」

これはコウの心の問題だ

コウが自分を許さない限り旬の幻影はコウの前から消える事はない。

⏰:07/05/19 04:01 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#336 []
「……………」

俺は
どうしたらいい?
何も思いつかない。

悪い…旬…
俺だけじゃ前のアニキを救えへん…

ん……?

「おい、今一人でおったら、って言うたか?」

「…はい」

⏰:07/05/19 04:45 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#337 []
なーんや、簡単な事やん!

「コウ!!」

「…なんですか」

俺がお前を救ったる!

「今日からうちに住め!」

「……はい?」

「一人でおったら考えてまうんやろ?ほな、俺と一緒におったらえーやん!」

⏰:07/05/19 04:47 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#338 []
>>336
訂正

俺だけじゃお前のアニキを…
です「お」が抜けてました

⏰:07/05/19 04:48 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#339 []
「…志乃くんと…?」

「おう!俺んちに住め!帰っても一人やねやろ?ちょーど夏休みやし、な?夏休みの間だけでも」

「…迷惑…じゃないですか?」

迷惑?あーはん?

「迷惑やけど旬と約束したからな!お前を救うって」

⏰:07/05/19 04:51 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#340 []
「…本当にいいんですか」

「いいともー!!」

コウは俺を見てニッコリ笑った。

「ありがとうございます志乃くん」

どーいたしまして!

「ですが僕がいたのでは夏休みの間幸子さんと会えませんよ?」

「…………え?」

幸子ーーーー!!!

⏰:07/05/19 04:53 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#341 []
【第20章 天使】

「志乃くん?」

幸子………

「志乃くーん」

幸子と………

「志乃くーーん?」

幸子と会えない…

「志乃くん返事を」

「幸子ーーーー!!!」

⏰:07/05/19 04:56 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#342 []
俺の叫びにコウは耳を塞いだ。

「鼓膜破れます…」

「ああ…幸子……」

「…やはりやめますか?幸子さんに会えないのは辛いでしょう?」

辛いけど…

「いや、いい…。俺は約束は破らへん男やから…」

⏰:07/05/19 04:59 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#343 []
「…童貞…夏休み中に捨てれませんね…」

泣きたい。

「…ほっといて」

「志乃くんがここまで僕想いだとは…感激しました」

テンションの低い俺に対し、コウはさっきまでの覇気のなさに比べニコニコしている。

コウが元気なら…
俺は…俺はじゅうぶんや!

⏰:07/05/19 05:02 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#344 []
「さっそくですが」

「……なんですか」

「今日は合コンがある、と言いましたよね?」

言ってましたね

「行きましょう。美女に癒されに行きましょう」

「……………」

こいつ…ほんまは旬の事あんまり気にしてないんちゃうか?

⏰:07/05/19 05:04 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#345 []
「志乃くん?」

「…合コン……ねぇ…」

さすがに合コンはマズイよな…幸子に悪いし…

「美女が揃ってますよ?行きましょうよ」

「…う〜ん……」

「そういえば、志乃くんのすきな芸能人に似ている人がくるみたいです」

「行きましょう!!!」

⏰:07/05/19 05:13 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#346 []
俺たちは準備をし、
合コンが開かれる会場へ向かった。

「…ここ…どこ…」

着いた先は何やらお洒落な店。いわゆる…

「フランス料理のお店ですよ」

フレンチー!?

俺には縁のない場所や!

⏰:07/05/19 05:17 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#347 []
「こここここんな店初めてききき…」

「初めてきたんですよね、志乃くんの様子を見てたらわかります」

「こ…ここって高いんちゃうん…」

「知りません」

知ってて下さい!!
俺財布の中身三千円なんですけど…

⏰:07/05/19 05:20 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#348 []
「中に入りましょう」

コウは颯爽と中に入って行った。
俺もあとにつづく。

「……………」

ま…まぶしい!!
きらびやかなドレスを身に纏う女性達。スーツを着こなす男性陣。

おいおい俺たち完ぺきに

「志乃くん場違いですね」

俺だけかい!!

⏰:07/05/19 05:23 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#349 []
「あ、コウ!!こっちこっち!」

コウを呼ぶ女の声…

ん………?
なんか…この声……

俺は声の主を振り返る。

勘違いであってくれ
たのむ…頼むから…

「志乃〜!こっちやで〜」

こ の は や〜!!!

⏰:07/05/19 05:27 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#350 []
「おい」

俺はコウの肩を掴む。

「なんですか」

「なんですかじゃないやろ!なんでこのはがおんねん!!」

「合コンですから」

合コンですから?

つまりこのはと合コン?

「はーーー!!?」

⏰:07/05/20 03:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#351 []
「志乃くん静かにして下さい。目立ってしまいますよ」

いやいやとっくに目立ってますから!

「なんでこのはと合コンやねん!!」

「…それは……」

コウは横目でこのはのいる席を見た。

俺も目線をそっちに向ける

⏰:07/05/20 03:41 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#352 []
「!!!」

あいつは…

このはの横に座ってるあいつは確か……

「僕の天使です」

テレビにうつっとったお笑い芸人みたいなアイドルやーー!!!

…………あれ?

「おいコウ」

「なんですか」

⏰:07/05/20 03:43 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#353 []
どう見てもこのはと芸人しかおらんよな…?

「俺のすきな芸能人似って…?」

「それはデタラメです。第一、僕は志乃くんの好きな芸能人など知りません」

確かに!!!
言ったことなかった!!

「嘘ついたんか!!」

「嘘も方便です。早く行きましょう」

⏰:07/05/20 03:47 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#354 []
こいつ……

「何が方便やねん!」

「嘘も、です」

ええい!

「俺が言いたいのは…」

「志乃くん静かにして下さい。ここは騒ぐような場所ではありませんよ」

それは承知ですけど…

「先に行きますよ」

⏰:07/05/20 03:49 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#355 []
コウは俺を無視し、颯爽とこのは達の席へ歩いて行った。
泣く泣く俺も着いていく。

「お待たせしました」

「待ってました!」

このはがニコニコしてコウの腕をとる。

「とりあえず座って!」

俺とコウは席についた。

⏰:07/05/20 03:54 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#356 []
「つーか、このはさんよ」

「なに?」

「お前ら伊豆にあと一泊するんやなかったん?」

「あ〜中止なってん!」

「なんで?」

このははチラッとコウの顔を見た。

「コウが会いたいって言ったからやで〜!」

⏰:07/05/20 03:56 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#357 []
俺もコウを見る。

「なんですか?」

「お前…このはの連絡先知ってたんか」

「ええ、まぁ」

「お前さっき俺に連絡取れゆーてたやないけ!!」

「それは単に自分で連絡するのが面倒だったからです」

はーー!?俺はお前の召し使いですか!!

⏰:07/05/20 03:59 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#358 []
「まぁまぁ、とりあえず自己紹介からしよ〜や」

このはがワインを片手に俺達に言った。

おい、未成年だよね?

「では僕から」

コウは芸人の顔をまじまじと見ながら話し出した。

「神谷コウといいます。歳は17歳です。好きなタイプはあなたです」

⏰:07/05/20 04:02 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#359 []
はーー!?

俺とこのはは固まった。

芸人は真っ赤な顔になる

「えっ…あたし?」

「はい。あなたがタイプです」

コウは照れる様子もなく
芸人をじいっと見つめながら言った。

おいおいおいおい。

⏰:07/05/20 04:04 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#360 []
「…あたしが……」

芸人は恥ずかしそうに俯いた。

「顔をあげて下さい。あなたの顔が見たいです」

コウは芸人の顔に手を伸ばし、あごをクイッとあげた

こいつは何や!?
よくぞこんなクサイ台詞&仕草ができるな…

⏰:07/05/20 04:06 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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