きみを送るA
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#711 []
「?」

俺とコウと翔は
不思議な表情で旬を見る。

旬は顔をあげ
ニッコリと笑った。

「やっぱりこれしかない」

「…なにが?」

「志乃さんを助ける方法」

⏰:07/06/15 04:04 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#712 []
え?

俺を助ける方法?

「なんですか!?」

興奮気味にコウが旬へかけよる。

旬はまたもポケットからボールを取り出した。
今度の色は

きれいな水色だ。

「兄ちゃんの手で、僕たちを送ってよ」

………僕たち?

⏰:07/06/15 04:06 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#713 []
「…僕たちとは…?」

「翔と僕」

「え………?」

翔と旬を…送る?

「…なぜ……?」

「このボールは特別なんだ。このボールで僕…本当は翔を救うつもりだったんだ。兄ちゃんは翔は悪魔じゃないって言ったけど、…翔は……生まれ変わる事ができない………」

⏰:07/06/15 04:12 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#714 []
旬の言葉に翔はぴくっと動いた。

「…なぜです?」

「僕と翔はもともとひとつだった。だから…僕と翔はずっとひとつなんだよ。わかる?」

わからん。

「魂が交ざり合わなければ僕たちは絶対に生まれ変わる事ができない。翔も…それに……僕も」

⏰:07/06/15 04:15 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#715 []
「だからこのボールで僕は翔だけを生まれ変わらせるつもりだった。このボールは何でも叶えてくれるから。でも…僕は志乃さんに使いたい……悪い…翔…」

そんな大事なボールを…

「俺はいい!翔に使え!」

俺はもう
そのキモチだけで充分だ

⏰:07/06/15 04:17 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#716 []
「いいよ」

背後から
翔が口を開く。

「………翔…」

振り返り翔を見ると

俺を見て微笑んだ。

翔のこんな表情は初めて見た。

「旬がそんな事考えてたなんて知らなかった。俺、今すごい嬉しかった」

⏰:07/06/15 04:20 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#717 []
「翔…ごめんね」

「いいよ。それより時間がない。志乃の身体が…」

俺の身体は

もう胸のあたりまで消えていた。

「兄ちゃん!早く!これを僕たちに投げて!!」

「わかりました。旬、翔、ありがとうございます」

⏰:07/06/15 04:22 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#718 []
コウはボールを手にとり、旬と翔に向かい勢いよく投げ付けた。

「ありがとう!」

俺は二人の姿が消える瞬間叫んだ。

二人は

最後の瞬間まで

微笑んだままだった。

⏰:07/06/15 04:23 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#719 []
「…見事だ…弟よ……」

コウは涙を流しながら
ラオウの台詞を呟き
身体から光をはなち消えてしまった。

「コウ!?コウ…うわぁぁぁあああ!!!」

眩しい光につつまれ、
俺は気を失った。

《俺…生まれたかったんだ……》

気を失う直前
翔の本当の気持ちが
聞こえた気がした。

⏰:07/06/15 04:26 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#720 []
 
―――――…‥

「それで、きみは目が覚めたんだね?」

「はい…信じてもらえないと思いますが…」

目の前の中年の男は
少し俯き、うーん…と喉を鳴らした。

「よしわかった。今日のところはこれまでにしよう」

⏰:07/06/15 04:28 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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