【Devils×Night】
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#101 [オッズ]
「オッズ……」
私はつぶやいた。
「はい、私の名はオッズ。
オッズ以外の何者でもありません」
オッズは歌うように答える。
いくら歌声を出しても、オッズの声は陰欝で、かび臭いような気がした。
「それって……あんたがなんなのか教えてくれないってこと?」
「お教えしたはずですが?
私はオッズ。
それ以上でも以下でもございません」
「……そう」
:07/05/09 21:55
:N700i
:☆☆☆
#102 [オッズ]
人間なのかなんなのか。
人形を見た後だったから、オッズが人間じゃなくても納得できる。
私は質問を変えた。
「後程っていつ?」
オッズは私に向かって、長い腕を突き出した。
すごく大きな手。
私は身をひいた。
「ご一緒ください」
私が答えるまもなく、オッズは私の手を握り、歩きだしていた。
:07/05/09 21:59
:N700i
:☆☆☆
#103 [オッズ]
―――――――――…
先程は、オッズは歩きだしたと言ったが、実際のところはわからない。
オッズに触れられた途端、せっかく復活した脳みそがとろけたようになったしまったからだ。
ボーッとしていたら、あっというまに目的地に着いちゃった。
だけど時間が裁ったようには感じなかった。
私の目の前には、不思議な形をしたお屋敷が広がっている。
こんな屋敷、見たことがない。
:07/05/09 22:03
:N700i
:☆☆☆
#104 [オッズ]
「ねぇ……」
話し掛けてみる。
「何でしょう?」
オッズはそう言いながら、屋敷の入り口に向かっていく。
「ここ何?
お家の形、変じゃない?」
答えない。
オッズは私を無視して歩き続けている。
身長三メートルはあるウサギ男と、身長150あるかないかの私の歩調が合うはずがない。
着いていくのに必死で、私も黙った。
:07/05/09 22:08
:N700i
:☆☆☆
#105 [オッズ]
「入りますよ」
門から入り口までかなりの距離があり、私はすでに疲れていた。
屋敷は西洋風で、かなり古いらしい。
オッズは私を気遣う様子もなく、ドアを開け、中に入ってしまった。
「待って!」
私も慌てて中にはいる。
「うわぁ……!」
屋敷の中は真っ暗だった。
本当に真っ暗で、何も見えない。
前を歩いているはずのオッズの姿も見えない。
:07/05/09 22:12
:N700i
:☆☆☆
#106 [オッズ]
「オッズ」
小さな声で呼んでみたが返事が無い。
私は不安になった。
その時、何か声が聞こえてきた。
オッズ……?
耳をすますと、バサバサというような羽音と共に、嘆き声が聞こえた。
『ママ……助けて……』
『殺される!』
『助けて……助けて!』
な、何?!
声と羽音はいたるところから聞こえた。
:07/05/09 22:18
:N700i
:☆☆☆
#107 [オッズ]
私の顔に何かあたる。
「やだ……、ちょっと……なんなの?!
オッズ!オッズー!」
私は我慢できずに大声を出した。
「千鶴様!
何か悲鳴のような声は聞こえますか?」
オッズだ!
少し遠くにいるようで、声がこだましていた。
私はすっかりオッズに気を許していた。
「聞こえるよ!」
:07/05/09 22:22
:N700i
:☆☆☆
#108 [オッズ]
「声の主を掴みなさい」
オッズの堂々とした声が響き渡る。
「え?!無理だよっ!
オッズ、こっちに来てよ」
私は半ば泣きそうだった。
あちこちから聞こえる悲鳴は気を滅入らせた。
「いいから!掴むのです」
私は仕方なく、手をのばしてみる。
手に無数の何かがあたっている。
:07/05/09 22:26
:N700i
:☆☆☆
#109 [オッズ]
もう、しょうがない!
「えいっ!」
私は空を掴むように、手を握り締めた。
何かを掴んだような感じがする。
その途端、急に光があらわれ、辺りが見えるようになった。
光は私の手の付近から発されている。
恐る恐る手を見てみると、コウモリみたいな生きものが私の手の中で光っていた。
「ひっ!」
:07/05/09 22:30
:N700i
:☆☆☆
#110 [オッズ]
私はなんとか、手を離したくなる衝動を押さえた。
このコウモリ一匹だけでもかなり明るい。
まわりにはコウモリが大量に飛び回り、君の悪い呪文を唱え続けている。
気持ち悪っ!
「千鶴様!
こちらですよ」
やっとオッズの姿を見つけることができた。
「……はい」
コウモリのことは聞かないことにした。
:07/05/09 22:34
:N700i
:☆☆☆
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