【Devils×Night】
最新 最初 🆕
#1 [オッズ]

書きたいと思います
へたくそだと思いますが
よかったら
読んでください

⏰:07/04/28 20:06 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#2 [オッズ]
ギィ――――…

古めかしいドアが呻き声のような音をたてて開いた。

少年がカツカツと足音を響かせながら部屋に入っていく。

部屋の中は真っ暗で何も見えない。

「……やっぱりね」

少年はぼやくようにつぶやいた。

「そうおっしゃいますと……いくなっているのですね?」

少年の背後から背の高い男が姿をあらわした。

⏰:07/04/28 20:14 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#3 [オッズ]
少年は鼻で笑った。

「ふざけた事を言うな。
わかっていたくせに」

男はクスクスと笑っただけで何も答えなかった。

窓から月光りが入り、少年と男の姿が一瞬だけ浮かび上がった。

少年の鈍く輝く金色の瞳と、男の燃えるような赤い髪が美しくも不気味に、暗やみの中に映える。

「昨日の晩、侵入者がおりましたが……まさかあの方を盗まれてしまうとは……。侮らずに始末しておけばよかったですね――…」

⏰:07/04/28 21:10 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#4 [オッズ]
―――――――――…


「おっはよー♪」

私は元気よくリビングに飛び込んでいき、家族に笑顔を見せる。

「おはよう。
……千鶴(チヅル)ってばまたそんな格好して!」

お母さんは不満げな顔をして、私をじろじろと恨めしそうに眺める。

「うるさいなー」

お母さんは私が金髪に染めたことも、大きなリボンで髪を二つに縛るのも、気に食わないのだ。

「まったく子供じゃあるまいし……」

これはお母さんの口癖。

⏰:07/04/28 21:19 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#5 [オッズ]
私は高校生になったばかりなんだけど、中学生くらいにしか見えない。
下手したら、小学生にも見えてしまうかも。

だから、お母さんのこの言葉にはカチンときちゃう!

私とお母さんが啀み合っていると、お父さんと弟の優太(ユウタ)が笑いながら止める。

私は家族といる時間が一番幸せだった。

学校に馴染めない私の唯一落ち着ける場所。

「千鶴、とっとと学校に行きなさいよ!
遅刻しちゃうわよ」

お母さんが私の背中をポンと叩いた。

「ふぁ〜い」

⏰:07/04/28 21:26 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#6 [オッズ]
私は玄関に向かおうとして、ふとテレビの前で足を止めた。

気になるニュースをやっていたのだ。

『男の死体には無数の噛み傷があり、体の半分は食い千切られて……』

うわー…
何このニュース……
噛み傷って何?
動物に噛まれたとか?

『何に噛まれたかは不明ですが、非常に小さな口を持ったものの仕業ということです。
歯は鋭くなく、力に任せて無理矢理食い千切ったと思われています』

私はボーッと画面を見ていたが、アナウンサーが事件現場を言うと、寒気がはしった。

事件が起きたのは、私の家から歩いて二十分ほどにある公園だったのだ。

⏰:07/04/28 21:37 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#7 [◆ILavUZNHMc]
楽しそう(*´艸`*)

⏰:07/04/29 01:05 📱:W51P 🆔:O9AZkW2w


#8 [オッズ]

>>7さん

ありがとおございます
楽しくなるように
頑張りますっ(`・ω・´)

⏰:07/04/29 07:59 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#9 [オッズ]
すぐ近くじゃん!
どうしよう?
襲われたりしたらっ!

私は口だけ、以上に小さい怪物のようなものを想像していた。

「千鶴!急ぎなさい」

お母さんは私を急き立てるようにテレビの前からどかせたがよかったが、お母さんの方がテレビに釘付けになっていた。

しきりに『怖いわ〜』とつぶやいている。

「……いってきます」

私は嫌々ながら家を出た。

⏰:07/04/29 08:04 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#10 [オッズ]
普段はあの公園の近くを通って学校に行くのだが、あんなニュースを見てしまったあとでは通れるはずがない。

恐ろしい怪獣が潜んでいるかもしれないのに、わざわざそっちの方に行くなんてバカだよ。

実際は現場の公園は警察やら報道陣が詰め掛けていて、そこまで危なくなかったんだけどね。
むしろ近辺の方が危なかったらしい……。

私は朝日を浴びてキラキラと光る、長いツインテールの髪をなびかせながら颯爽と歩いた。

ゴミ捨て場の横を通ろうとしたときだった。

「おいしそう……」

⏰:07/04/29 08:13 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#11 [オッズ]
という声が聞こえてきた。

聞こえてきたというよりは、頭のなかに響いてきたといったほうが正しいかもしれない。

何……?
誰か何か言った?

私は口だけ以上に小さい怪物のようなものをを思い出し、ぶるぶると震えた。

振り返ったら、怪物がいたりしちゃって!
それで食べられて……。

私は恐怖でなかなか体が動かなかったが、なんとか振り返った。

しかし、背後に何かいる様子はない。

⏰:07/04/29 08:17 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#12 [オッズ]
よかった……。

私は安心しつつ、辺りをキョロキョロと見渡したがやはり何もいないようだ。

じゃあ、あの声はなんだったんだろう?

不思議なことに声がしたということは覚えているが、なんと言っていたかは思い出すことができなかった。

まぁ、いっか。

私は再び歩きだそうとして、ふとゴミ捨て場に目が止まった。

ゴミ袋の山の上に、綺麗な人形が座っていたのだ。

すごく古そうなフランス人形のようだ。

⏰:07/04/29 08:34 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#13 [オッズ]
その人形を見たとたん、私は今までにない寒気と恐怖を感じた。

そして、それと同時にその人形にどうしても触りたいという欲求が私に襲い掛かったてきた。

私は欲求に勝つことができずに、鳥肌のたった手をそろそろとフランス人形の方にのばしていく。

『触りたい』ということ以外、何も考えられない。

心なしか人形は笑っているように見えたが、気にならなかった。

フランス人形まで数十センチと迫ったときだった。

「キャッ?!」

⏰:07/04/30 12:45 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#14 [オッズ]
一匹の赤い猫が、私と人形の間を飛ぶように横切ったのだ。

私はハッとして人形から手を遠ざける。

私……
なんで人形に触ろうとしてたんだろう?
頭が痛い……。

私は人形を見ないようにして、視線を猫の方に向けた。

猫はジッと私の方を見つめ、警戒しているようだ。
猫は私が今まで見た猫の中で一番可憐で、一番猫らしくないと思った。
普通の猫より一回りくらい大きくて、真っ赤な毛並みがなんとも美しい。

⏰:07/04/30 14:06 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#15 [オッズ]
私はそっと猫に触れる。

逃げてしまうかと思ったら、おとなしくしていてくれた。

驚くくらい毛並みはつややかで、ずっと触っていたいくらいだ。

「猫さん、ありがとう」

私はなんとなくお礼を言って、立ち上がった。

『助けてもらった』そんな気がしてならなかった。

私が立ち上がると、赤い猫は踊るような足取りで去っていく。

「ばーいばい!」

⏰:07/04/30 15:54 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#16 [オッズ]
猫を見送ってから、私もその場から離れる。

けっして人形を見ないようにして。

何故そうしたかはわからないけど……そうするべきだと感じた。


―――――――――…


放課後、私はまた同じゴミ捨て場の前を通ったが、人形はいなくなっていた。

回収されちゃった?

⏰:07/04/30 15:58 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#17 [オッズ]
私は人形がいなくなっていたことに安心していた。


「ただいまーっ!」

私はいろんな店をてんてんと回ったあと帰宅した。

「あれ…?どうかした?」

リビングに入った私は重苦しい空気にビックリした。

お父さん、お母さん、優太はテーブルを囲むように座っていて、黙ったまま、何かを見つめている。

テーブルのうえには白い紙が置かれていた。

⏰:07/04/30 16:04 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#18 [ヒナ]
気になる(・∀・)頑張って♪

⏰:07/04/30 16:09 📱:W44K 🆔:aqGdBM4o


#19 [オッズ]
どうやらみんなはその紙を見つめているようだ。

「お帰りなさい、千鶴」

お母さんはようやくそう言った。

「何?その紙」

私はテーブルのうえの紙を指差しながら聞いた。

「あぁ……、ちょっと変なことが書かれていてね。
ポストに入っていたんだ」

お父さんがそう答えた。
お父さんの顔は真っ青で、よくないことだということが安易にわかった。

⏰:07/04/30 16:09 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#20 [オッズ]

ヒナさん

ありがとう
ございます(*´ー`)
嬉しいです

⏰:07/04/30 16:11 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#21 [オッズ]
「ふぅん」

私は手紙をテーブルから引ったくるようにして取り、読んだ。

手紙には
『いただきます。3』
と、書かれていた。

何コレ?
意味がわかんないし。

字はとても汚くて、つい最近に字を覚えたといった様子。

「私は特になんとも思わないんだけど……」

お母さんはそう言ってお父さんの方を横目で見た。

⏰:07/04/30 16:16 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#22 [オッズ]
「私だって何の意味もない悪戯だと思ったさ。
ただ……すごく嫌な予感がするんだ」

お父さんはそう言って頭をポリポリとかいた。

お父さんの予感はよくあたる……。
そのことはみんなわかっている。
だから、お母さんと優太まで恐がっているのだ。

「僕……恐いな」

優太がつぶやいた。

優太はまだ小学生だ。
父親が不安がっていたら、恐がるのも当然。

⏰:07/04/30 16:21 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#23 [オッズ]
「お父さん、恐がらせないでくださいよ!」

お母さんが優太の頭を撫でながら言った。

「ハハ、悪い悪い」

お父さんはあからさまに元気よく答える。

私は手に持っていた手紙をテーブルに戻した。

「どういう意味だろうね。
いただきます……に数字の3……」

私は指を三本たてた。

「3って何かあったっけ?
うちは4人家族だし……」

⏰:07/04/30 16:26 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#24 [オッズ]
「この話はよしましょ。
悪戯に意味なんてあるわけないじゃない」

お母さんはピシャリとそう言った。

「……うん」
私は何かひらめきかけていたので、腑に落ちなかったが、考えるのはやめることにした。


…――そしてこの話はこのまま終わりになった。

私たち家族は誰も思いもしなかった。

この手紙がどんな意味を持っていたのか。

どんな恐ろしいことを招くことになるのかを――…。

⏰:07/04/30 16:31 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#25 [オッズ]
―――――――――…

次の日の朝、お父さんは姿を消していた。


私が朝起きて、リビングに下りていくとお母さんが優太を抱き締めながら目を赤くしていた。

「お母さん?!どうしたのよ?何かあった?」

私は事態が把握できずに何気なく聞いた。

「お父さんがいなくなってたのよ!」

お母さんはヒステリックに叫んだ。

⏰:07/04/30 19:16 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#26 [オッズ]
「朝起きたらお父さんのベッドが空になってて……でもお父さんの物は何もなくなってないのよ?!
靴だってあるのよ……」

お母さんはそう言って黙り込んでしまった。
今にも泣きだしそうだ。

優太もお母さんと同じような表情。

お母さん……。

私はかける言葉がみつからなかった。
お父さんにかぎって無断で家を空けることはない。

絶対になにかあったんだ。

昨日の手紙が頭を過る。

⏰:07/04/30 19:37 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#27 [オッズ]
私はとりあえず両親の寝室に行った。

ここでお父さんとお母さんは眠る。

私はお父さんのベッドを隅々まで調べたが特に異常は見当たらなかった。

……ん?
なんだ?
何か落ちてる……。

私が途方に暮れて寝室をさまよっていると、お父さんのベッドの近くの床に、何か落ちていることに気付いた。

私はそれを拾い上げた。

何だろうコレ……?

⏰:07/04/30 20:07 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#28 [オッズ]
しばらく私はそれが何であるかわからなかった。

私が拾ったそれは手の爪程の大きさしかなく、なんだかフニャフニャしていて肌ざわりがいい。
肌色をしているが、ところどころ赤黒く染まっている。

長い間、それを指で転がしていた。

その間、これがなんなのかを考える。

そして私の頭の中に、ある一つの答えが浮かんだ。

うそ……っ!
まさか……そんなはずないよね……。

⏰:07/04/30 20:14 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#29 [オッズ]
だけど、見れば見るほど、私の指を転がるそれは、
お父さんの耳たぶにしか見えなかった……。

「……耳たぶ……」

私は無意識のうちにそう口走っていた。

自分で言って自分で恐くなっていた。
ありえないと思う反面、絶対にそうだという確信もあった。

これは果たして本当にお父さんの耳たぶなのか?

数十分間、私は耳たぶらしきものを睨み続けた。

私はふとあることを思い出して、寝室を飛び出すと洗面所に駆け込んだ。

⏰:07/04/30 20:20 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#30 [オッズ]
そして、洗面台で耳たぶらしきものをきれいに洗う。

赤黒いものは簡単に落ちていった。

もしこれが耳たぶだったら、この赤黒いのは血なんだろうな……。

私は平常心を保とうと必死だった。

赤黒い模様を完璧に落とすと、黒い点のようなものが出てきた。

「……嘘……」

⏰:07/04/30 20:52 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#31 [オッズ]
お父さんの耳たぶの中心には大きめなホクロがあったんだ。

私と優太はよく『ピアスみたい』と言ってからかったものだ。

私は力が抜け、倒れるように床に座り込んだ。

赤黒い模様……いや、血の後から出てきた黒い点はホクロだ。

これはお父さんの耳たぶなんだ。

私にとってこれだけの証拠があれば、これはお父さんの耳たぶ以外にありえなかった。

⏰:07/04/30 20:57 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#32 [オッズ]
お父さんは殺されたんだ。

私はそう思った。

そして、耳たぶをそっと制服のスカートのポケットにしまう。

お母さんに言うのは、学校から帰ってきてからにしよう。
今、お母さんは動揺していて、私の言うことなんか信じてくれないはず。

私だって、バカみたいな話だって思うもん。
まったく現実味がない。


私はポケットに耳たぶを入れたまま、学校に向かった。

⏰:07/04/30 22:12 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#33 [オッズ]
「ただいま……」

私が家に帰ってくると、お母さんと優太はリビングでテーブルを囲むように座っていた。

テーブルには……
昨日の晩と同じように白い紙が置かれている。

「……それ」

私は震える声で言った。

「またポストに入ってたのよ……。
お父さんはまだ帰ってこないわ……。
連絡もないし!
ねぇ、千鶴。お父さんがいなくなったのはこの手紙と関係があると思う?!」

お母さんは完全に取り乱している。

⏰:07/04/30 22:17 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#34 [オッズ]
「警察には……?
警察に電話してみた」

私はお母さんの質問は無視してそう聞いた。

お父さんはもう死んだと思っているし、手紙と関係あると思ったが、言えなかった。

私はポケットに手を突っ込み耳たぶを撫でる。

「取り合ってもらえなかったわ」

お母さんは首を振った。

「そう……。
ねぇ、手紙、読んでもいいかな?」

⏰:07/04/30 22:21 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#35 [オッズ]
私は遠慮がちに尋ねる。

お母さんはうなずいた。
お母さんはほとんど泣きだしていた。
それにつられて優太も泣きだす。

手紙に書かれていたのは
『いただきます。2』
だった。

昨日と何ら変わらない汚い字に文章。

ただ数字の数が減っていた。

私はこの数字の意味がわかっていた。

⏰:07/04/30 22:27 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#36 [オッズ]
昨日は3と書かれていた。

お父さんがいなくなり、四人家族だった私たちは三人家族になった。

つまり3になった。

今度は2……。

また同じことが起こるんだ。

殺される―――…。
ううん、
『いただきます』……。


食べられてしまうのだ。

⏰:07/04/30 22:31 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#37 [オッズ]
私はお母さんを見つめた。

次に食べられてしまうのはお母さん……。

もしかしたら、優太かもしれないし私かもしれないけど。
一番可能性があるのはお母さんな気がする……。

涙で視界が曇る。

ニュースでやっていた公園で殺された人も、この手紙の主に食べられちゃったんだ。

このことに気付いたのはきっと私だけだ。

私が何とかしなきゃ……!

⏰:07/05/01 17:17 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#38 [オッズ]
しかし、私に何ができるというのか?

私はただの高校一年生。

外見は……中学生。

勉強も運動も人並み以下。

外見にはそれなりに自信があったけど、ここでそれはちっとも役立たないだろう。

私は結局何もできないまま眠りについた。

誰もいなくならないように祈りながら――…。

⏰:07/05/01 21:53 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#39 [オッズ]
私は鳥のさえずりで目を覚ました。

もう七時近かった。

あんなに不安だったのに以外と眠れるもんなんだな。

私は慎重にベッドから立ち上がった。

たぶん……私は助かったんだ。今日のところは。

部屋のドアを開けたら、誰かに襲い掛かられるってのはありかもしれないけど。

心臓が今までにないくらい速くなっている。

私は深呼吸し、ドアノブに手を掛けた。

⏰:07/05/01 21:58 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#40 [オッズ]
いち

にの

さん―――っ!

私は心の中でそう数えてからドアを開けた。

廊下はシーンとしていて、人の気配どころか、生きているものの気配すら感じられなかった。

「助かったんだ……」

少なくとも、今日一日は生きていられる。

一瞬安心したのち、新たな恐怖がやってきた。

お母さんと優太は無事なのか……?

お父さんの安否を考えている暇はない。

⏰:07/05/01 22:02 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#41 [オッズ]
私は、自分の部屋の隣にある優太の部屋に入った。

「……優太?」

優太はベッドの上で小さな寝息をたてて眠っていた。

優太は居た。


私はダッシュで階段を掛け下り、一階にある寝室へ向かった。

お母さん……!!

寝室へ行かなくてもわかっていた。

それでも―――…。

⏰:07/05/01 22:05 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#42 [オッズ]
私は乱暴にドアを開け、お母さんがいるはずのベッドに突進した。

「…お母さん…」

お母さんは居た。


しかし、私の望んでいる姿ではなかった。

「うぅ……っ」

嗚咽が漏れる。

お母さんは

ベッドの上に指を一本だけ
残して

いなくなっていた……。

⏰:07/05/01 22:10 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#43 [オッズ]
左手の薬指だ。

ベッドの上を転がっている指にはシルバーの指輪がはまっている。

これはお父さんがお母さんにプレゼントしたものだった。

指輪は半分以上が血で汚れてしまっている。

私はベッドシーツで血を綺麗に拭き取り、自分の部屋の引き出しにしまった。

そこにはお父さんの耳たぶも入れられている。

⏰:07/05/01 22:15 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#44 [オッズ]
悔しくて悔しくて悔しかった。

お父さんとお母さんをこんな目にしたやつが憎い。

私の涙は枯れはてていた。


「優太」

私はしばらくしてから優太を起こしに行った。

優太には全てを話すつもりだ。

そして二人でお父さんたちの仇を討つ。

優太なら協力してくれるはず。

⏰:07/05/01 22:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#45 [オッズ]

今日はここまでに
します(´;ω;`)
もし読んでいるかた
いましたら感想ください

⏰:07/05/01 22:19 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#46 [ヒナ]
読んでます☆
すんごい恐いけど続きが気になります(*´▽`)頑張って下さいね♪

⏰:07/05/02 00:17 📱:W44K 🆔:99yURsdA


#47 [オッズ]

ヒナさん
読んでくださって
嬉しいです(w。_。)
ありがとおございます
頑張ります

⏰:07/05/02 06:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#48 [かナょ]
怖いけどめっちゃハマりましたぁ
頑張ってください

⏰:07/05/02 11:10 📱:D902i 🆔:zpliMVuY


#49 [オッズ]

かナょさん
かきしてくれて
ありがとおございます
頑張ります(*´ω`*)
もっとちゃんと怖くなるよおに
できたらと
思いますっ

⏰:07/05/02 16:34 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#50 [オッズ]
「お姉ちゃん……。
あれ?……お母さんは?」

優太は眠そうに目を擦りながら起き上がった。

いつも優太が起きないと、起こしにくるのはお母さんなのだ。

優太は本当になにも知らないんだよね――…。

私は黙ったまま、優太の手を握り、私の部屋に連れていった。

「お姉ちゃん……?」

優太は戸惑いを隠せずに、おどおどとしながら、私の顔色を伺う。

⏰:07/05/02 16:40 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#51 [オッズ]
「優太、お母さんはここにいるの。……それからお父さんも」

私は引き出しを指差す。

「はぁ?」

優太は私を小馬鹿にしたようなしかめっつらで見てきた。

「お姉ちゃん、ふざけるなよ!俺、お腹すいたー!
お母さんはどこにいるんだよー」

普段なら、優太をマザコンと言ってからかうところだが、今はそれどころじゃない。

私は引き出しをガラッと開けた。

⏰:07/05/02 16:44 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#52 [オッズ]
優太は吸い込まれるように引き出しの中を覗き込んだ。

優太は耳たぶと指を見てもなかなかピンと来ないらしい。

仕方なく私は言う。

「見たことあるでしょ?
こっちは耳たぶで、こっちが指。……人間のね」

優太は目玉が飛び出すんじゃないかってくらい、大きく目を見開いた。

「お、俺、これ知ってる?
俺……俺、これ」

声も体も震えている。

⏰:07/05/02 16:49 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#53 [オッズ]
すいません
上の文の
「これ知ってる?」
は間違えで、
「これ知ってる!」
でした(・ωq`)

⏰:07/05/02 16:51 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#54 [オッズ]
私は静かにうなずくと、お父さんたちに関する私の考えを優太に打ち明けた。

優太は黙って真剣に聞いてくれている。

「つまり、お父さんとお母さんは誰かに食べられちゃったの……。
だからもういない」

あえて殺されたと言う言葉は使わなかった。

「なんで?!
誰がそんなことしちゃったの?」

優太の目をうるうると輝きだす。

「知らない。
優太、泣かないで。
私たちがなんとかしなきゃいけないんだから」

⏰:07/05/02 17:24 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#55 [オッズ]
私は優太を抱き締めた。

「早くなんとかしなきゃいけないの。
明日には……私と優太のどっちかしか生きていられないかもしれないし……」

『かも』ではなく、何か手を打たないかぎり、確実に私たちのどちらかは死ぬのだ。

「嫌だ!」

優太は泣き叫んだ。

「まだわからないけど……次に殺されるのは私だと思う」

優太は『嫌だ』と叫び続けたが、私は構わずに話した。

⏰:07/05/02 17:29 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#56 [オッズ]
「年の順で、お父さん、お母さんときたら……」

私は自分で言っておきながら怯えてしまった。

「嫌だっ!」

優太は倒れそうになるくらい仰け反り大声で泣いた。

「嫌でしょう?
だったらなんとかしよう!
もしかしたら、お父さんとお母さんを助けられるかもしれないし」

万が一、両親が生きていて助けられたとしても、お父さんは片耳がなく、お母さんは左手の薬指がないんだ。

⏰:07/05/02 21:33 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#57 [オッズ]
私は悲しくなった。

それでも優太は、両親を助けられると聞いて、ちょっぴり元気になった。

「俺、頑張る!
お父さんとお母さんを助けるし、お姉ちゃんを守ってやる」

優太は鼻水と涙でぐちゃぐちゃな顔で、偉そうにそう言った。

「優太……」

私は可笑しい気持ちと嬉しい気持ちでいっぱいだった。

小さな優太がとても頼もしく見える。

⏰:07/05/02 21:37 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#58 [オッズ]
―――――――――…


時刻は午後の六時。

私と優太は放心状態に陥っていた。

私たちはどうするべきか真面目に考え続けたが、何も思い浮かばない。

相手が誰なのかもわからないのだから、どうしようもない。

警察に言おうかとも思ったが、話し合ったうえでやめることにした。

なんの解決にもならないと感じたからだ。

⏰:07/05/02 21:41 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#59 [オッズ]
……そろそろ
来てるかもしれない。

私は決心したように、玄関へ向かい、外に出てポストに直行した。


あった。


絶望感が私を支配する。

ポストには白い紙がしっかりきっちりばっちりと入っていた。

犯人の目的が両親を殺すだけかもしれない、なんて甘いことを少しでも考えた私がバカだった。

⏰:07/05/02 22:37 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#60 [オッズ]
私は殺人予告を乱暴に掴み取り、部屋に戻る。

優太は私の手に握られている手紙を見て、めそめそ泣きだした。

私まで泣けてきてしまったじゃないか。

私は小刻みに振動を繰り返す手を、必死に動かし、操り折り畳まれた紙を広げる。

『いただきます。1』

いつもの決まり文句。

心なしか、字が少しだけ上手くなったように見える。

⏰:07/05/02 22:42 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#61 [オッズ]
「どこか……お友達の家に行かせてもらう?」

優太はブンブンと頭を振った。

「どこに逃げたって見つかっちゃうよ……」


―――――――――…


  P.M 11:50

私たちは私の部屋の隅に固まって怯えていた。

私たちはなんとなく十二時に敵が表れるような気がしていた。

⏰:07/05/03 09:57 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#62 [ヒナ]
頑張ってo(^-^)o見てます☆

⏰:07/05/03 11:41 📱:W44K 🆔:hUSev2Qs


#63 [オッズ]

ヒナさん
ありがとおございます
嬉しいです(*≧∀≦*)
ちょっと
出かけなきゃいけないので
また夕方くらいに
書きに来ます

⏰:07/05/03 13:07 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#64 [ヒナ]
はぁ〜い☆待ってます(≧ω≦)

⏰:07/05/03 14:11 📱:W44K 🆔:hUSev2Qs


#65 [かナょ]
頑張ってくださぁい

⏰:07/05/03 14:35 📱:D902i 🆔:V32/3BGo


#66 [オッズ]

ヒナさんかナょさん
遅くなりました
何回もかきして
いただいて、
ほんとに嬉しいです(;_;)
ありがとおございます
頑張りますね

⏰:07/05/03 19:51 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#67 [オッズ]
「怖いね……」

優太は囁く。
手には金属バッドを握り締めて。

「うん……」

私の声は擦れていた。

私の手には家の中で一番大きい包丁がしっかりおさまっている。

バッドと包丁があれば、相手を傷つけることくらいはできるはず。

捨て身の作戦だ。

すでに手は汗でベトベトになっていて気持ち悪い。

⏰:07/05/03 20:09 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#68 [かナょ]
めっちゃ続き気になるぅ
あげ

⏰:07/05/04 13:44 📱:D902i 🆔:VoHFDcBw


#69 [オッズ]

かナょさん
いつもありがとお
ございます
かきますね

⏰:07/05/04 21:52 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#70 [オッズ]
時刻が十二時を回ったときだった。

床が軋む音が聞こえてきたのだ。
その音はどんどん近づいてくる。

やっぱり……。

私と優太は恐怖におののきながら、ゆっくりと立ち上がった。

優太の顔は引きつっている。
私もきっと同じような顔をしているんだろうな。

「優太……」

私は囁くように言った。

⏰:07/05/04 21:56 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#71 [オッズ]
その間にも、音は一層大きくなっていく。

ミシ……

ミシ……

ミシ……


優太は私の方に顔を向けた。
泣かないように、必死に頑張っているようだ。

「優太、私、あんたのお姉ちゃんでよかった」

やさしい声が出て、私は安心した。

優太は私の言葉を聞くと、うつむいてしまった。

⏰:07/05/04 22:00 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#72 [オッズ]
「……俺も」

優太が小さな声で、そう言ったと同時に、床が軋む音がしなくなった。

「来た」

私は声をおさえながら、うなるように言う。

優太はバッドを握る手にしっかり力をこめてから、頷いた。

ドアが開いていく。

私は思っていたより、怖くなくなっていた。

憎しみと怒りのほうが強くなっていく。

⏰:07/05/04 22:04 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#73 [ヒナ]
怖いっ('pq'*)更新されるの楽しみにしてます↑↑頑張ってね(≧ω≦)b

⏰:07/05/04 22:55 📱:W44K 🆔:t7HSv7vk


#74 [オッズ]

ヒナさん
いつも
ありがとおございます
頑張りますね(ノV`)

⏰:07/05/06 11:56 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#75 [オッズ]
「……ひっ」

私は息を呑んだ。

犯人はてっきり危ない感じの男だと思った。

人肉を食べなきゃ生きていけないような。


―――だけど違った。

半分ほど開いたドアから覗いていたのは

あの日……

あの日ゴミ捨て場で見た、フランス人形だった。

⏰:07/05/06 12:01 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#76 [オッズ]
外見はだいぶ変わっていた。

所々に赤黒い染みがついているし、金髪の巻き髪は乱れに乱れている。

そして一番不気味だったのが、手や足が不自然にのびていることだった。

つるりとした陶器のような肌のいたるところから、付け足されたように、人間の肌のような肉のようなものがついている。

そのおかげで、手も足も長さがばらばらだし、首が異常に長かった。

私はその恐ろしい人形の影に、人が潜んでいるのではないかと思い、目を凝らした。

⏰:07/05/06 12:07 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#77 [オッズ]
しかし誰もいるようには見えない。

人形は歩きづらそうに、トテトテと変な足音をたてながら部屋に入ってきて、器用にドアをしめた。

優太は口をだらしなく開けて、今にも気絶しそうな顔をしている。

「……優太!」

私は優太を守ろうという気持ちでいっぱいだった。

もちろんすごく怖かった。

怖いどころじゃない。
悪夢としか思えないし。

吐きそう……。

⏰:07/05/06 12:14 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#78 [オッズ]
「はぁ……」

優太は喘いだ。

でも、目には力強さが戻っている。


人形が笑った。

実際には笑えるように作られていないんだけど……笑っているように見えた。

『…ぐ…ぐぐ……』

すぐになんの音だかわからなかった。

「お姉ちゃん……、人形が喋ろうとしてる……!
なんなんだよ、あいつ!」

⏰:07/05/06 12:19 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#79 [かナょ]
更新されてるぅぅ
あげです

⏰:07/05/07 18:23 📱:D902i 🆔:cSZHLm7A


#80 [オッズ]

かナょさん
あげありがとお
ございます(*´∪`*)
すごく
励まされます

⏰:07/05/07 20:32 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#81 [オッズ]
『キャハハハハ!!』

人形が突如として笑いだした。

狂ったとしか言いようがない。
ブルーのガラスの瞳がいやらしくキラキラと輝く。

『キャハハ!
怯えている姿って大好きよっ!
なんて素敵なの!』

人形の声は異様に甲高かったけど、年齢も性別もわかりずらい声だった。

『うふふ……。
恐くて何も喋れないのね?
そうでしょ?
……さあ……。
どちらからいただこうかしらぁー……?』

⏰:07/05/07 20:38 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#82 [オッズ]
人形は私を見つめた。


―――…来るっ!!!


私は包丁を振りかざした。
優太もそれにつられて、バッドを振り上げる。

人形はさっきまでとは打って変わって素早かった。

あっというまに私の目の前にあらわれる。

やばい……!!

私はもうダメだと思い目を瞑ってしまった。

⏰:07/05/07 21:48 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#83 [オッズ]
『……ちっ』

人形が舌打ちをしたのが聞こえた。

「痛っ!……あ!」

そして私の腕に、激しい痛みがはしった。

人形が私の腕を叩いたのだ。

包丁が私の腕から落ち、遠くにすべるように転がっていく。

どうしよう!

パニックになった私は素手で人形を叩こうとしたが、かわされてしまう。

人形は方向を変え、私の隣にいた優太に襲い掛かった。

「うわぁ!」

優太がバッドを振り回した。

⏰:07/05/07 21:56 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#84 [オッズ]
しかし、人形はまたしてもすべてをかわし、優太の足首に噛み付いた。

「ギャーーー!」

耳をつんざくような優太の悲鳴。

優太は倒れこみ、必死で人形を振りほどこうとするが離れない。

一瞬のうちに優太はどんどんと人形に飲み込まれていく。

人形の小さい口は裂け、口の中には大小様々な歯がうごめいている。

「いやぁ!
ちょっと……!優太を離してよっ!」

⏰:07/05/07 22:00 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#85 [オッズ]
私は叫んだが、優太の悲鳴に打ち消される。

優太はすでに腰の辺りまで食べられ、人形の口のまわりには肉片がこびりついている。

生臭い匂いと、血が部屋を満たす。

私は優太の両腕を握り、引っ張った。

優太を取らないで!

それしか考えられない。

優太は耐えず、苦痛の声をあげ続けた。

「やめてっ!
やめてったら!」

⏰:07/05/07 22:06 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#86 [オッズ]
私は優太のバッドを拾い、それで人形を思い切り殴ったが、びくともしない。

優太の悲鳴は聞こえなくなった。

もう喉も口も食べられてしまったのだ。

床に優太の両手だけが不気味に残っていた。

「…ひっ…あ…」

私は呻いた。

両手は血の海に浸っている。

人形がクスクスと笑いだした。

⏰:07/05/07 22:11 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#87 [オッズ]
私は放心状態で人形を見つめた。

頭のなかでは、優太の悲鳴が今だに聞こえる。

『両手は返してあげる』

私の目からどっと涙があふれた。

それと同時に、堪え難い吐き気も感じた。

気持ち悪い……。
気持ち悪い気持ち悪い。

『それでは……
また明日、お会いしましょうね』

人形は猫なで声でそういうと、ぎこちない足取りで部屋から去っていった。

⏰:07/05/07 22:15 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#88 [オッズ]
人形がいなくなった途端、私は吐いた。

ほとんど食事をとってなかったため、胃液しかでなかった。

「……優太」

やっぱり食べられてたんだ。

お父さんも、お母さんも。
それに優太も。

なんで優太が先に食べられちゃったんだろう?

辛い。

生きていたくない。

⏰:07/05/07 22:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#89 [オッズ]
あ……、
でも私も明日の今頃には死んでるんだ。

食べられてるんだ。


―――――――――…


ピンポーン……


私はびくっとした。

誰か来た……?

私は時計を見る。

午前三時。
一時間以上、私は血と嘔吐物のなかに座り込んでいたらしい。

⏰:07/05/07 22:22 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#90 [オッズ]
もしかして
人形が戻ってきた?

私を
食べにきた?

私は立ち上がり、玄関へと向かった。


すべてを受け入れる覚悟はできていた。

愛する家族を失った今、私は生きることになんの価値も見いだせなかった。

恐怖はない。

ただ苦しいだけ。

生きていることが苦しい。

⏰:07/05/07 22:25 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#91 [オッズ]

今日はここまでに
します
少なくてすいません(´;ω;`)

⏰:07/05/07 22:27 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#92 [ヒナ]
とっても怖かった(∋_∈)
誰が来たんだろ((||゚Д゚)気になります☆
頑張って下さいね(*´▽`)

⏰:07/05/07 22:53 📱:W44K 🆔:dW6avckg


#93 [かナょ]
優太クンがぁぁぁ
めちぁ怖いです
頑張ってください

⏰:07/05/08 09:08 📱:D902i 🆔:qyvM/1Tc


#94 [オッズ]

ヒナさんかナょさん

いつもありがとお
ございます(*´ー`)
かきしていただけて
とっても嬉しいです
頑張りますね

⏰:07/05/09 21:21 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#95 [オッズ]
ガチャ―――


私はやってきた相手が人形だと思い込んでいたため、ひどく驚いた。

尋ねてきたのは人形ではなかった。

「……」

私は無言のまま、訪問者を凝視する。

失望で機能してなかった私の脳みそが徐々に復活していくのを感じた。

「千鶴……様でいらっしゃいますね?」

⏰:07/05/09 21:25 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#96 [オッズ]
低く抑揚のない声。

生気を吸い取られてしまいそう。

ここで私の脳みそはようやく完全に復活し、恐怖というものを思い出した。

「キ……、キャーーー!!!」

私はありったけの大声で叫んだ。

頭の中を優太や両親の顔が横切っていく。

訪問者に対する恐怖と、孤独への恐怖が入り交じっていた。

すでに死にたいなんて思えなくなっていた。

⏰:07/05/09 21:29 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#97 [オッズ]
訪問者は私をギロリと睨み付けた。
心外だ、とでも言いたげ。

「千鶴様ですね?」

再び同じ質問を言う。
さっきより乱暴な口調になっていた。

訪問者は顔が真っ白だった。
顔だけでなく、タキシードから出ている手も真っ白。
たぶん全身真っ白なんだろう。
しかし、目だけは真っ赤で、今まであった誰よりも小さな目だった。

まるでウサギ。
顔つきもウサギのようだったが、耳は長くない。
長くないというよりは、無いに近いかもしれない。
目の横辺りに、ぽっかりと黒い穴が開いているだけ。

⏰:07/05/09 21:35 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#98 [オッズ]
それに身長がかなり高い。
三メートルはあるんじゃないかと思う。

痩せているから、マッチ棒のように見える。

「……はい」

私は小さな声で返事をした。

こいつなんなの?
人形の仲間?

「優太様は?」

訪問者は首を傾げた。

なんでもない動作もひどく不気味に見えてしまう。

⏰:07/05/09 21:39 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#99 [オッズ]
私は首を振った。

声を出したら泣く。
絶対泣く。

訪問者はため息をついた。

「やはり間に合いませんでしたね……」

今度は私が訪問者を睨んだ。

「どういう意味?
っていうかあんた誰よ?
私と優太のことなんで知ってんの?」

訪問者はクックと笑った。

歯がむき出しになっているし、引きつったような笑顔が気持ち悪い。

⏰:07/05/09 21:43 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#100 [オッズ]
訪問者は頭にちょこんと乗っていたシルクハットを取ると、頭を下げた。

「ご挨拶が遅れまして申し訳ありません。
不躾な私めにどうかお許しを」

あきらかにからかっているような言い方だ。

シルクハットの下からあらわれた、真っ白で、毛の生えていない頭を私は見つめていた。

「私の名前はオッズと申します。
後のご質問には後程お答えいたします」

訪問者……いや、オッズはそう言って、また醜い笑顔を作った。

⏰:07/05/09 21:50 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#101 [オッズ]
「オッズ……」

私はつぶやいた。

「はい、私の名はオッズ。
オッズ以外の何者でもありません」

オッズは歌うように答える。
いくら歌声を出しても、オッズの声は陰欝で、かび臭いような気がした。

「それって……あんたがなんなのか教えてくれないってこと?」

「お教えしたはずですが?
私はオッズ。
それ以上でも以下でもございません」

「……そう」

⏰:07/05/09 21:55 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#102 [オッズ]
人間なのかなんなのか。

人形を見た後だったから、オッズが人間じゃなくても納得できる。

私は質問を変えた。

「後程っていつ?」

オッズは私に向かって、長い腕を突き出した。

すごく大きな手。

私は身をひいた。

「ご一緒ください」

私が答えるまもなく、オッズは私の手を握り、歩きだしていた。

⏰:07/05/09 21:59 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#103 [オッズ]
―――――――――…


先程は、オッズは歩きだしたと言ったが、実際のところはわからない。

オッズに触れられた途端、せっかく復活した脳みそがとろけたようになったしまったからだ。

ボーッとしていたら、あっというまに目的地に着いちゃった。

だけど時間が裁ったようには感じなかった。


私の目の前には、不思議な形をしたお屋敷が広がっている。

こんな屋敷、見たことがない。

⏰:07/05/09 22:03 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#104 [オッズ]
「ねぇ……」

話し掛けてみる。

「何でしょう?」

オッズはそう言いながら、屋敷の入り口に向かっていく。

「ここ何?
お家の形、変じゃない?」

答えない。

オッズは私を無視して歩き続けている。

身長三メートルはあるウサギ男と、身長150あるかないかの私の歩調が合うはずがない。

着いていくのに必死で、私も黙った。

⏰:07/05/09 22:08 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#105 [オッズ]
「入りますよ」

門から入り口までかなりの距離があり、私はすでに疲れていた。

屋敷は西洋風で、かなり古いらしい。

オッズは私を気遣う様子もなく、ドアを開け、中に入ってしまった。

「待って!」

私も慌てて中にはいる。

「うわぁ……!」

屋敷の中は真っ暗だった。

本当に真っ暗で、何も見えない。
前を歩いているはずのオッズの姿も見えない。

⏰:07/05/09 22:12 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#106 [オッズ]
「オッズ」

小さな声で呼んでみたが返事が無い。

私は不安になった。

その時、何か声が聞こえてきた。

オッズ……?

耳をすますと、バサバサというような羽音と共に、嘆き声が聞こえた。

『ママ……助けて……』
『殺される!』
『助けて……助けて!』

な、何?!

声と羽音はいたるところから聞こえた。

⏰:07/05/09 22:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#107 [オッズ]
私の顔に何かあたる。

「やだ……、ちょっと……なんなの?!
オッズ!オッズー!」

私は我慢できずに大声を出した。

「千鶴様!
何か悲鳴のような声は聞こえますか?」

オッズだ!

少し遠くにいるようで、声がこだましていた。

私はすっかりオッズに気を許していた。

「聞こえるよ!」

⏰:07/05/09 22:22 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#108 [オッズ]
「声の主を掴みなさい」

オッズの堂々とした声が響き渡る。

「え?!無理だよっ!
オッズ、こっちに来てよ」

私は半ば泣きそうだった。

あちこちから聞こえる悲鳴は気を滅入らせた。

「いいから!掴むのです」

私は仕方なく、手をのばしてみる。

手に無数の何かがあたっている。

⏰:07/05/09 22:26 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#109 [オッズ]
もう、しょうがない!

「えいっ!」

私は空を掴むように、手を握り締めた。

何かを掴んだような感じがする。

その途端、急に光があらわれ、辺りが見えるようになった。

光は私の手の付近から発されている。

恐る恐る手を見てみると、コウモリみたいな生きものが私の手の中で光っていた。

「ひっ!」

⏰:07/05/09 22:30 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#110 [オッズ]
私はなんとか、手を離したくなる衝動を押さえた。

このコウモリ一匹だけでもかなり明るい。

まわりにはコウモリが大量に飛び回り、君の悪い呪文を唱え続けている。

気持ち悪っ!

「千鶴様!
こちらですよ」

やっとオッズの姿を見つけることができた。

「……はい」

コウモリのことは聞かないことにした。

⏰:07/05/09 22:34 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#111 [オッズ]
―――――――――…


オッズは散々歩き回った後、一つのドアの前でとまった。

私はその間、ずっとコウモリを握り続けなければいけなかった。

「ここですよ」

ドアはすごく大きな両開きなもので、彫刻が施されている。


ギィー……


ドアはうめき声をたてて、ゆっくりと開いていく。

⏰:07/05/09 22:37 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#112 [オッズ]
部屋の中は廊下とは違い明るかった。

私はすかさず、握り締めていたコウモリを離す。

部屋はただっ広く、家具などはとくになかった。

しかし中央に豪華な装飾された豪華な椅子が置かれ、そこには男の子が座っていた。

「遅かったじゃないか」

男の子はにんまりしながらそう言った。

からかうような口調だったが、厳しい威厳も感じられた。

⏰:07/05/10 06:57 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#113 [かナょ]
あげ

⏰:07/05/11 22:54 📱:D902i 🆔:LAE9.bT2


#114 [オッズ]

かナょさん
あげてくれて
ありがとおございます

⏰:07/05/12 15:06 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#115 [オッズ]
支配者―――…

私はそう感じた。

それと同時にかっこいい!とも叫びたかった。

だって椅子に座っている男の子は素晴らしいくらいかっこよかったから。

漆黒の黒髪はウェーブがかかり、瞳は蜂蜜のような色をしている。
肌は青白く、大理石みたいにしなやかだ。

私はこんなときに最悪だと思いながらも、美少年を前にして心踊らせた。

⏰:07/05/12 15:11 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#116 [かナょ]
私この話好きやから
あげ
当然ですよぉ

⏰:07/05/12 19:51 📱:D902i 🆔:/gd4Yexs


#117 [リカ]

すっごい面白いです
ハマりました
怖いんですけど、どん続きが気になりますッ
主サン文才ありすぎですよ-
これからも頑張って下さいね

⏰:07/05/12 21:20 📱:P903iTV 🆔:☆☆☆


#118 [オッズ]

かナょさん
そう言ってもらえて
感激です(´;ω;`)
かナょさんのためにも
頑張りますっ

⏰:07/05/12 22:17 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#119 [オッズ]

リカさん
おもしろいって
言っていただけて
すごく嬉しいです(*´∨`)
文才なんて
ちっともないですよ
頑張るので
よかったら、これからも
読んでください

⏰:07/05/12 22:19 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#120 [オッズ]
男の子が私を見つめた。

いたずらな笑顔をしていたが、私は威圧感に押し潰されそうだった。

金色の瞳は爛々と光を放っている。

「初めましてお嬢さん。
僕はキジ。
その様子だと……弟さんは食べられちゃったみたいねぇ……」

キジと名乗った少年は、そこでクスクスと笑った。

再び怒りと悲しみが私を押し寄せる。

驚きの連続で、私は家族の死を完璧に受け入れられてなかったらしい。

私は悪趣味な少年に怒鳴ろうとしたときだった。

⏰:07/05/12 22:27 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#121 [オッズ]
「ニャァ!」

泣き声と同時に真っ赤な猫が、私の横を通り抜け、キジの膝の上に飛び乗った。

「あ……」

ゴミ捨て場にいた猫だ。

真っ赤な毛の猫なんて、なかなかいるもんじゃない。

私が猫に気をとられていると、キジが陽気に猫に話し掛けた。

「いつまでその姿でいるつもり?」

猫はキジを見つめると、笑った。

笑ったのだ。

⏰:07/05/12 22:34 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#122 [オッズ]
そして猫はキジの膝の上から可憐に飛び降りたと同時に変身した。

猫だったのに、次の瞬間には人間になっていた。

目を丸くして驚いている私を見て、キジが意地悪く笑う。

背後でオッズが不気味な笑い声を出しているのも聞こえる。

「ありえない……!」

私はそう呟き、猫だった男の人を眺めた。

「ありえるさ。
彼の名はハインリッヒ。
もともと人間だったんだけど、わけありで普段は猫の姿。
僕の近くにいるときだけ人間の姿になれるってわけ」

⏰:07/05/14 21:46 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#123 [オッズ]
キジはそう説明して、私にわかった?と、解いたげな視線を送った。

私は更にポカーンとした。

なになに?
普段は猫だけど、本当は人間?
そんなのってあり?
こんなお伽話みたいなのあっていいわけ?

「まぁ、彼は僕の下部だね。彼のことはトラと呼んでやってくれ」

キジは満足そうにそう付け加えた。

「え?!」

はっ?!
トラ?なんで?
ハインリッヒっていう格好いい名前があるのに?
しかも下部って……。

「そう呼んでください」

⏰:07/05/14 21:53 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#124 [オッズ]
「……わかった」

私は納得いかないまま、一応うなずいた。

トラは悩ましげな笑みを浮かべている。

猫の時のような真っ赤な色をした髪が、彫刻のような美しい顔にかかっていた。

背はすらっと高く、黒いタキシードのような服がよく似合っている。

猫の姿より、人間の姿の方が素敵……。

そこで私はハッとした。

私、ここで何してるんだ?

美少年と美青年と気持ちの悪いウサギ男に囲まれて、談笑をしに来たわけじゃないことは確か。

⏰:07/05/14 22:00 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#125 [オッズ]
「そ、それより、なんで私をここに連れてきたのよっ?!」

私は強気な態度に出ることにした。

キジは冷たい目で私を一別して、ため息を吐いた。

「君の家に、人形が来ただろう?」

胸が苦しい。
来たなんて、生易しいもんじゃない。

キジは私を無視して話を続ける。

「人形の名前はリリー。
彼女は……僕の許婚だ」

⏰:07/05/14 22:04 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#126 [かナょ]
更新されてるぅー
がんばってください

⏰:07/05/14 22:13 📱:D902i 🆔:☆☆☆


#127 [ヒナ]
予想ができない展開ですねっ(≧ω≦)
楽しみです♪

⏰:07/05/15 01:06 📱:W44K 🆔:u9RLaD/A


#128 [Ayu]
更新してほしいです

⏰:07/05/19 00:01 📱:P902iS 🆔:n/8I3JN6


#129 [オッズ]

かナょさんヒナさん
Ayuさん
書きしてくださって
ありがとおございます
更新遅くなって
すいません(´;ω;`)
頑張ります

⏰:07/05/19 09:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#130 [オッズ]
「はっ?!」

許婚って……あの人形が?

ちょっと待って!
いくらキジが頭おかしいからって、人形が許婚なんてねぇ……。

私は疑るようにキジを見つめた。

キジはキョトンとした顔で私を見つめ返していたが、すぐに納得したようにうなずいた。

瞳がキラキラと金色に輝いている。

「君は愚かだな。
僕が人形と結婚するはずないだろう?
リリーが人間だった時だ。
僕の許婚だったのは」

⏰:07/05/19 09:24 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#131 [オッズ]
また出たよ……。

実は人間だったみたいな。

そのパターン、もううんざりなんだけど。

「ほぇー。
人食い人形のリリーちゃんは、実は人間だったの!」

皮肉を交えて言った。

それを聞いて、トラはクスクスと笑ったが、キジは気を悪くしたようだ。

「あぁ、そうだ!
彼女はとても美しい人間の少女だった!」

キジは怒ったように、けれどとてもゆっくりとリリーのことを話しだした。

⏰:07/05/19 09:29 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#132 [オッズ]
―――――――――…


リリーが初めて僕の前にあらわれたのは、とても寒い冬の日だった。

雪が降っていて、恐ろしいくらい静かだったのを覚えている。

リリーは召使に連れられて、僕の宮殿にやってきた。
幼いときから、許婚として決まっていたのだが、会うのは初めてだった。

クリーム色のドレスを来た彼女は、ひどく美しかった。

僕は一瞬で彼女に心をひかれた。

⏰:07/05/19 09:35 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#133 [オッズ]
彼女は美しいだけでなく、何か内に秘めたものを持っているような気がした。

深い青の瞳の奥に、なんともいえない強い力を感じたんだ。

そしてその予感はあたっていた―――…。


その後、何度もリリーと顔を会わせたが、特に変わった様子はなかった。

おとなしく、僕が言うことにただただ微笑むだけだった。

僕はそんな彼女にうんざりしてきて、他の女性と遊ぶようになっていった。

⏰:07/05/20 10:03 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#134 [オッズ]
僕が彼女と他の女性たちを同じように見るようになってから、彼女は変わった。

殺人鬼に変貌した。

欲望に狩られた瞳は隠す事無く、爛々と輝きだした。

リリーは当時、僕が一番親しくしていた女性を殺したのだ。

そしてその死骸を食らった。

僕はたまたまその光景を見ることができた。

僕は狂喜した。

おしとやかで、天使のような少女が、悪魔に変身してしまったのだ。

⏰:07/05/20 10:12 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#135 []
今日全部読みました
めっちゃおもろいです
頑張って下さい

⏰:07/05/21 13:09 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#136 [オッズ]

さん
読んでくださって
ありがとおございます
光栄です(´;ω;`)
ただ今、テスト期間中なので、終わりしだい更新
頑張ります

⏰:07/05/21 18:44 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#137 [かナょ]
オッズさんガンバー

⏰:07/05/21 20:56 📱:D902i 🆔:☆☆☆


#138 [Ayu]
待ってます
頑張って下さい

⏰:07/05/22 06:31 📱:P902iS 🆔:NGgwkKro


#139 [オッズ]

かナょさんAyuさん
ありがとおございます
嬉しいです(*´∪`*)
頑張りますね
まだテスト期間中なので
たくさんは書けませんが
少しだけ更新
したいと思います

⏰:07/05/23 19:19 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#140 [オッズ]
>>134から

僕は待っていたのだ。

彼女が行動するのを。

平凡な女たちにはあきあきしていた。

だから、返り血をあびながら、ただの肉片になってしまった女性を食べ続けるリリーに対して、なんの恐怖も感じなかった。



リリーはそれから、僕のまわりの女性をすべて殺していった。

僕には、以前どおりのおとなしい様子で接していたが、どこか妖艶になったように思った。

⏰:07/05/23 19:27 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#141 [オッズ]
リリーは犯罪を隠すことは無かった。

そのため、すぐにリリーの犯行だと言うことが周囲に知れ渡ってしまった。


そして、彼女はついに捕えられたのだ。

魔女だ人食い鬼だと罵られ、リリーはひどい拷問を受けたうえで、火やぶりにされた。

しかし、それでも彼女の僕に対する愛は途絶える事無く、殺人は彼女に快楽を与えた。

それらを忘れることができなかったリリーの魂は、現世にとどまった。

⏰:07/05/23 19:37 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#142 [オッズ]
―――――――――…

「そして、その魂を僕があの人形に閉じ込めたのさ」

最悪な話―――…。

私は鳥肌のたった腕を擦った。

リリーは生きていた頃から、人間を食べていたんだ。

……そういえば、話がかなり昔っぽかったけど、コイツは一体何歳?

「リリーはこの屋敷に居るかぎり、自由に動くことはできなかった。
ところが、数日前にリリーは盗まれてしまった。
盗んだ男はリリーに食われたらしがな」

キジは憎々しげに笑った。

「あ……」

公園で殺された人だ。

「……ねぇ?
私をなんでここに呼んだの?」

⏰:07/05/23 19:49 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#143 [オッズ]
キジは天使のような美しいほほ笑みを讃えながら、椅子から立ち上がった。

ゆっくりと優雅に私に近づいてくる少年は、何ていってよいかわからないが、人間ではないような気がした。

近くで見るキジは息が詰まるほど、綺麗だ。

「君を、助けてあげよう」

私はしっかりとキジが差し出した手を握り締めた。

ひんやりとした滑らかで陶器のような手。

……彼女は……リリーは、どれほどこの少年を愛していたんだろう。

⏰:07/05/23 19:55 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#144 [ヒナ]
久々にカキコしました☆毎日チェックしてます(*´▽`)
頑張って下さいね♪

⏰:07/05/23 21:01 📱:W44K 🆔:Riw/hv3k


#145 [Ayu]
あぁ〜おもろい
また更新されるのを
楽しみにしてます

⏰:07/05/24 07:39 📱:P902iS 🆔:RAfIDm/U


#146 [オッズ]

ヒナさん
かきしてくれて
ありがとおございます
毎日チェックしてて
くれたんですか(゚Д゚)
光栄です
めちゃ頑張ります

⏰:07/05/24 22:43 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#147 [オッズ]

Ayuさん
おもしろいって
言ってくれて
ありがとおございます
嬉しいです(*´∪`)
更新
明日、しに来れたらと
思います
すいません

⏰:07/05/24 22:46 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#148 [オッズ]
「……それで、助けるって具体的にどうしてくれるの?」

殺風景だった部屋にいつのまにか、豪華なテーブルと椅子があらわれた。
私はそっとその椅子に座ってみたけど、かなり嫌な感じだった。
椅子は不気味な唸り声をあげているし、時々ガタガタと震えた。

テーブルにはオッズがお菓子と紅茶みたいな飲み物を用意してくれてたけど、絶対口にするのはやめようと心に決めた。

キジは気にする事無く、手掴みでケーキのようなお菓子を頬張っていた。

トラはキジの後ろに姿勢良く立っている。

「あのさ……」

「何?」
キジは顔をこちらに向けたが、むしゃむしゃとお菓子を食べ続けている。

⏰:07/05/25 22:41 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#149 [オッズ]
「うん……。えっと、私の家族……お父さん、お母さん優太はどうなるの?」

キジの手がピタリととまった。
蜂蜜色の瞳に不審の色が広がった。

「どうなるもこうなるも死んでいるだろう?」

眉間にしわがよっている。

「そうだけど……」

私の頬に涙が伝った。

キジならなんとかしてくれるんじゃないかって……。

お父さんたちを殺したのは人形だし、人間じゃないんだし……。

だから―――…。

⏰:07/05/26 18:31 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#150 [オッズ]
でも、そんなはずないんだよね。

いくらキジだって、人間を生き返らせることなんてできるはずないし。
そもそも私はキジのことを何も知らないんだ。
偉そうにしてるけど、本当は大したことはできないガキかもしれない。

それに相手が誰であろうと家族が殺されたのは明らかなんだ。

なのに期待しちゃうなんてバカだよね……。

キジはそっと椅子から立ち上がると、次の瞬間には私の横に立っていた。

困ったように私を見つめている。

「わ、私だって……い、生き……返らせるられるって、本気で思ってた……わけじゃない!……けど」

私はわんわんと泣き声をあげた。

⏰:07/05/26 19:39 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#151 [オッズ]
お父さんたちを誰も助けられないんだ。

私は完全に独りぼっちになっちゃったんだ。

独りぼっちになってまで、わざわざ助けてもらって生きている意味ある?

「私……帰る!
た、助けなんて……いらないから……」

私は涙と鼻水だらだらの顔で、キジを思いっきり睨み付けた。

キジはせめるような視線を返し、私の涙をケーキでべとべとになった手で拭き取った。

「……できる」

「え……?」

⏰:07/05/26 19:55 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#152 [オッズ]
キジは私から顔をそらして、トラの方を見つめた。

トラの表情は厳しかった。

「僕なら千鶴の家族を蘇らせられる。
千鶴、確か君は家族の一部を保存していたね?」

家族の一部……?
って耳たぶとか指とか?

「そうそれだ」

キジは、すかさずそう言った。

「え?!」

私、まだ何も言ってないよ?
てゆーか、なんで私がお父さんたちの一部を取っておいてるの知ってるわけ?
話してなかったよね……?

⏰:07/05/26 20:01 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#153 [オッズ]
「それがあれば生き返らせる。
僕ならできる」

キジの声は堂々としていたが、瞳は不安げだった。

キジが不安げにしてるなんて……。

今日初めて会ったばかりだけど、自信満々でこそキジって感じがする。

「……何か問題があるの?」

私は疑るように聞いた。

気付いたらオッズが私の隣に居て、布巾で私のケーキと涙と鼻水だらけの顔を拭きだした。

ここの屋敷の住人は、人に気付かれずに移動するのが好きみたいね。

⏰:07/05/26 20:09 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#154 [オッズ]
オッズの拭き方は血が出るんじゃないかっていうくらい乱暴で痛かった。

「ちょっとオッズ!
痛いよ!拭いてくれなくて大丈夫だから」

「すいませんねぇ……」

私の耳元でそう囁いた。
不気味で抑揚のない声。

思わず鳥肌がたつ。

オッズは背が高すぎるから、私の顔に顔を近付けるには、かがみこまないといけない。

体を曲げたり伸ばしたりすると、ボキボキと骨が折れているんじゃないかっていう音がしている。

近くで見るオッズってほんとに気持ち悪い。

「フフフ……」

キジが可愛らしい笑顔を見せた。

⏰:07/05/26 20:19 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#155 [オッズ]
「オッズ……おまえは本当に気持ち悪いねぇ」

キジは気持ち悪いというのが、最高の誉め言葉であるかのように言った。

オッズは、黒いぽっかりとした穴だけの耳に、指を突っ込み、意味不明なことを呟くと、血相を変えて部屋から出ていった。

「何あれ……」

キジは楽しそうにキャッキャッと笑いだした。

「照れてるんだ。オッズは愉快なやつだ」

トラがため息をついた。

⏰:07/05/26 20:25 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#156 [オッズ]
あれって照れてるの?

「それより千鶴。
問題は……無いというわけではない」

可愛らしい笑顔は消え、キジは真面目な顔になった。

「たとえばどんな問題があるの?」

私は心配になった。

キジはできるって言ってるけど、死んだ人を生き返らせるなんてたやすいはずがない。

キジにだって人を生き返らせるなんてできないと思ってたくらいだし。

「大した問題じゃないさ。
ただ、完全じゃない……それだけ」

「完全じゃないって……」

「黙って。
とにかく、僕は君の家族を蘇らせられるんだ。
このことは後で考えればいい」

⏰:07/05/26 21:07 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#157 [オッズ]
後でなんて……。
家族より大事なことなんて他にないのに!

キジは艶やかな黒髪をかきあげた。

「今考えるべきことは……君をリリーから助けだすことだ」

「でも!」

私は食い下がった。

なんとしてでも早く家族を生き返らせて欲しい。

「言うことを聞け。
僕は千鶴が助かったのを確認しないかぎり、君の家族は助けない」

キジは悩ましげに微笑んだ。

……可愛すぎる。
「わかった」

⏰:07/05/26 21:12 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#158 [オッズ]
「それでいい。
では……なぜ君でなくて、先に弟が殺されたかわかるかい?」

え……?
どういう意味?
やっぱり先に殺されるはずだったのは私だった?

私は首を振った。

キジは不敵な笑みを浮かべた。

「千鶴には微量ながら魔力が宿っている」

「はぁ?!魔力?」

ちょっと待ってよ!
私に魔力?
ありえないって。
キジに魔力があるとしたら頷ける。
たぶんあると思うし。
でも……私に?!

⏰:07/05/26 21:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#159 [オッズ]
「リリーは魔力に弱いんだ。だから、君に魔力が宿っていると知って、標的を弟に変えたのだ」

私に魔力……。

私に魔力なんかがあったから先に優太がやられた。

「ねぇ、私に魔力があるなら、優太たちを生き返らせることができる?」

キジは首を横に振った。

「魔力が弱すぎる。
しかし、僅かな魔力しかなくてもリリーには効果てきめんだ。
リリーは君に触れることはできない」

それってマジ?!

じゃあ、私は殺されないじゃん。

⏰:07/05/26 21:23 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#160 [オッズ]
「殺されないわけではない。
生きているまま君を食べることはできないが、例えば包丁で君を刺し殺した後なら、君を食べることはできる」

キジは私の心の中を読み取ったらしく、そう答えた。

「つまり……、刃物とかそういうものを使えば、リリーも私を殺すことができて、私は死んじゃったら食べられちゃう?」

「そういうことだ」

げげ……。
刃物使えば殺されちゃうんだ。

「だけど、キジなら簡単にリリーをやつけられるでしょ?
私が弱くても問題ないよね?」

⏰:07/05/26 21:28 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#161 [オッズ]
キジは私の質問には答えずにそっぽをむいた。

「残念ですが……キジ様はこの屋敷から出られないのです」

トラが申し訳なさそうに口を挟んだ。

うそ……。
うそでしょ?!
私一人でリリーと戦わなきゃいけないの?
無理……!絶対無理!

リリーの前に立ったら、身動きできなくなりそう。

「心配するな」

キジがぶっきら棒に言った。
「リリーはどんどん進化していっているが、まだ道具をうまく使うことはできないだろう。
殺される心配はない」

⏰:07/05/26 21:33 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#162 [オッズ]
そんなの憶測でしょう?!

一人なんてやだよぉ!

私はトラを見たが、素早く目をそらされてしまった。

キジは私の心の声が聞こえているはずなのに、平然と無視している。

「それから、秘密道具をやろう」

キジはにんまりとして、私に向かって何かを投げた。

私は必死でそれをキャッチした。

「秘密道具って……」

キャッチしたものを見ると、それはすごく綺麗なネックレスだった。

⏰:07/05/26 21:39 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#163 [オッズ]
古そうなものだけど、ネックレスに付いている宝石の輝きは素晴らしい。

「これ……?」

「それは僕が、人間だった頃のリリーに送ったものだ」

キジは愛しそうに私が手にしているネックレスを見つめた。

キジが……リリーに?

「ネックレスには膨大な魔力を入れておいた。
それをリリーの首にかければ、魂も人形もぼろぼろに崩れるはずだ」

ネックレスをリリーの首に……。

私にそんなことができるのかな?

⏰:07/05/26 21:45 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#164 [オッズ]
でもやるしかない。

お父さん、お母さん、それに優太のためにも。

「わたかった。やる」

私は堂々とそう言った。

キジは静かにうなずく。

「……ねぇ、キジ?」

キジは金色に輝く美しい瞳で私を見つめた。

「あんたって何者っ?」

私はそう言ってにっこり笑った。
キジもにんまりと笑う。

「……魔法使いさ」

⏰:07/05/26 21:50 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#165 [オッズ]

>>149-164
今日わここまでにします

⏰:07/05/26 21:52 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#166 [かナょ]
やっぱおもろーい
頑張ってください
あげ

⏰:07/05/26 22:37 📱:D902i 🆔:☆☆☆


#167 [奈菜]
はまった…゜凵Kx
やばい文才ですね~
続きが楽しみですフ

⏰:07/05/27 02:03 📱:W43H 🆔:HjoWSds.


#168 [オッズ]

かナょさん
いつもかきしてくださって
本当にありがとお
ございます(・ωq`)
すごくすごく嬉しいです
おもしろいだなんて
光栄です(*。_。)
後少しなので
頑張りますね

⏰:07/05/27 13:24 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#169 [オッズ]

奈菜さん
読んでくださって
ありがとおございます
文才なんて
ちっともないです(・ω・)
でもそう言っていただけて
嬉しいです
続き、頑張って書きます

⏰:07/05/27 13:27 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#170 [オッズ]
―――――――――…


私はオッズに手を引かれ、家に帰った。

やっぱり、どの道を通って帰ってきたのか思い出せない。

「それではお気を付けて」

オッズは早口でそう言うと、瞬きをしている間に消えてしまった。

キジにからかわれたのが堪えているのか、白い肌が青っぽくなっていて、調子が悪そうだった。

「……ふぅ」

家に入ろうとした時、ポストに白い紙が入っているのに気付いた。

⏰:07/05/27 13:34 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#171 [オッズ]
紙を取り出して広げる。

『いただきます。0』

0……。
0になんて絶対ならない。

私はリリーを壊して、キジに家族を助けてもらう。

4になるんだ。

唯一気掛かりなのは、文字がとても上手くなっていたことだ。

リリーは予想以上に進化しているんじゃないか?
私は易々と殺されるのではないか?

……そんなこと考えてもしょうがない。

私は手紙を破り捨て、家に入った。

⏰:07/05/27 13:51 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#172 [オッズ]
―――――――――…

PM.11:50

12時まで後少し。

昨日は私の隣には優太が居た。

私はボーッとそんなことを考えていた。

心臓は物凄い勢いで脈打っていたが、頭は空っぽだった。

右手には包丁を持ち、左手にはネックレスを持つ。

大丈夫……。

リリーは道具をうまく使えない。
リリーは私に触れない。
私は殺されない。

⏰:07/05/27 13:57 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#173 [オッズ]
……あれ?

私はふと思い出した。

私と優太がリリーと戦ったとき……私、リリーに腕を叩かれなかったっけ?

叩かれた……。

なんで?!
私に触れないんだよね?

でもほんの一瞬触られただけだし。

どうなってるの?

その時、時計の針が12時をさした。

来る……。

私は自分の部屋のドアを見つめる。

⏰:07/05/27 14:02 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#174 [オッズ]
ガッシャーン!

ひどい騒音と共に、私の背後にあった窓が割れた。

ガラスの破片が飛び散る。

私は咄嗟に振り替えった。

「リリー……」

リリーは窓からするりと私の部屋に入ってきた。

リリーの外見は更に変貌していた。

人形だった部分が減り、人間の肌の部分が大半をしめている。

リリーは人間になろうとしてるんだ……。

⏰:07/05/27 14:10 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#175 [オッズ]
なんてグロテスクなんだろう。

『なんで私の名前……。……匂う……』

リリーはすぐにでも飛び掛かってきそうな姿勢だったが、ぴたりと動きを止めて呟いた。

匂う……?

『あの人の……匂いがする……あの人の……』

あの人ってキジのことだ。

リリーのガラスの瞳がキラリと光る。

『あんた……あの人に何をしたの?!』

「はっ?!」

⏰:07/05/27 14:24 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#176 [オッズ]
何言っちゃってるの?

私が言葉を発する間もなく、リリーが飛び掛かってきた。

「キャッ」

私は小さな悲鳴をあげて、ネックレスを守るようにリリーから背を向けた。

右腕に痛みがはしる。

思わず握っていた包丁を手放してしまった。

再び私は手を叩かれたのだ。

キジの嘘つき!

フツウに触られちゃってるんですけと!

⏰:07/05/27 14:29 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#177 [オッズ]
私は落としてしまった包丁を拾おうとしたが、リリーが先に拾い上げてしまった。

リリーは不器用そうに、包丁を両手で握る。

「ひゃぁ……」

恐怖で声が漏れてしまった。

『キャハハ!』

リリーが甲高い笑い声をあげる。
口が張り裂け、ボロボロと皮膚が剥がれ落ちた。

『あんたももう終わりよ』

リリーは囁くように言うと、私に襲い掛かった。

⏰:07/05/27 14:36 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#178 [オッズ]
もうダメだ。

もう助からないよ……。

お父さん、お母さん、優太、本当にごめんね。

こんなやつに殺されるなんて悔しい。

私はネックレスだけはしっかりと握り締め、かがみこんだ。

あんな女にネックレスは渡さない。

私は包丁でズタズタにされる覚悟をした。

「ニャア!」

私の悲鳴の代わりに、猫の唸り声が部屋中に響いた。

⏰:07/05/27 14:41 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#179 [オッズ]
私は顔をあげた。

一匹の真っ赤な猫がリリーに飛び掛かっていた。

リリーが慌てて包丁を振り回している。

「うそ……。トラ……?」

なんで……?
なんでトラがここに居るの?

包丁が猫の体を掠める。

トラの体から血が流れた。

「トラッ!!」

トラは私の呼び声に答えるかのように、叫び声をあげるとリリーを押し倒した。

⏰:07/05/27 14:49 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#180 [オッズ]
トラは『今だ』というように私の顔を見る。

私はリリーに向かって走りだした。

ガラスの破片が、グサグサと足の裏に突き刺さっていくが、気にしてなんかいられない。

『やめてぇー!!』

耳を塞ぎたくなるほどの絶叫。
リリーの目からは真っ赤な涙が流れている。


そして、
私はリリーの首にネックレスをかけた―――…。

⏰:07/05/27 14:55 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#181 [オッズ]
―――――――――…

気が付くと、私はトラを抱き締め、殺風景な部屋に座り込んでいた。

ここはキジの屋敷……。

私の頭は混乱していた。
どうしてまたここにいるのかもわからない。

「千鶴……よくやった」

いつのまにか、私の目の前にキジがいた。

切なそうな笑みを浮かべ、私の手からトラを受け取ると抱き上げる。

「まったく。君もむちゃなことをやるねぇ、ハインリッヒ?」

⏰:07/05/27 15:22 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#182 [オッズ]
キジの声音はとても優しく、心地よかった。


―――思い出した。

ネックレスをかけられたリリーは、崩れた。

皮膚が爛れ、乾燥しポロポロと床に零れる。

この世のものとは思えない悲鳴をあげていた。

それに、キジの名前を呼び続けてたんだ。

とても恐ろしい光景。

それから私は、怪我をしたトラを抱いて彷徨った。

私、帰ってこれたんだ……。

⏰:07/05/27 15:28 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#183 [オッズ]
安心感と疲労感が一気に込み上げてきて、
私は気を失ってしまった。

―――――――――…

次の日、私は清々しい朝を迎えた。

ガラスが刺さった足の裏が痛かったが、それが逆に誇らしく感じた。

「ねぇ、キジ!」

私は上機嫌でキジに話し掛けた。

「なあに?」

キジは欠伸をして、なかなか真面目に話を聞こうとしない。

⏰:07/05/27 15:34 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#184 [オッズ]
「もう!
約束はどうしたの?」

「約束ぅ?」

キジはけだるげに私を見つめた。

まさか本当に忘れてないわよね?

「キジ様、千鶴様のご家族を生き返らせてあげられるのでは?」

トラがゆったりとした足取りで部屋に入ってきた。

猫の姿ではなく人間の姿で。

「トラ!昨日はありがとう!怪我は?大丈夫?」

トラは微笑んだ。

「当然のことです。
怪我はご心配なく」

⏰:07/05/27 15:43 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#185 [オッズ]
爽やかなトラの笑顔に、私は思わず見とれてしまう。

「痛っ!」

キジが私の肩を思いっきりつかんだ。

「思い出した。
望みどおり、お前の家族を蘇らせてやる」

「本当に?」

キジが不満げな様子なので、私はめちゃくちゃ不安になってきた。

「あぁ、もちろん。
千鶴、ポケットの中を見てみろ」

ポケット?

私はごそごそとスカートのポケットの中を探った。

⏰:07/05/27 15:47 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#186 [オッズ]
「あ……」

ポケットの中から、お父さんの耳たぶとお母さんの薬指が出てきた。

「それから、これは君の弟だ」

キジは優太の小さな両手を持っている。

「なんであんたが持ってるの?!」

てゆーか、なんで私も耳たぶと指を持ってるの?

ポケットに入れた覚えはないのに……。

「細かいことは気にするな。さぁ、それを床に置くんだ」

⏰:07/05/27 15:53 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#187 [オッズ]
私は反論したい気持ちを押さえ、キジに従った。

キジも弟の両手を床に置く。

「トラ」

キジがトラを呼ぶと、トラは可愛らしいダックスフントを抱えてあらわれた。

「犬……?」

なんで犬なんて連れてくるの?

何に使うの?

「千鶴、黙っていろ」

キジが厳しい口調で言った。
一心に床を見つめ、集中しきっている。

⏰:07/05/27 16:02 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#188 [オッズ]
キジが静かに呪文のようなものを唱えだした。

今まで聞いたことないような言葉……。

しばらく唱え続けると、耳たぶたちに変化が訪れた。

だらしなく床に置かれていた耳たぶは、元気よく飛び跳ねだす。

指も起き上がり、くるくると回転しだした。

そして弟の両手は……なんと、ダックスフントの前脚があった場所にいた。

⏰:07/05/27 16:08 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#189 [オッズ]
つまり、ダックスフントの前足は、優太の両手になってしまったのだ。

顔も体も後ろ足も列記としたダックスフントなのに、前足だけは人間の子供の手。

なんとも不気味だ。

「ちょ……何?コレ」

「何って、お前の家族だろう?」

キジは悪戯な笑顔で、不気味な犬たちを眺めた。

マジ……?

その時、優太の前足を持った犬が吠えた。

⏰:07/05/27 16:16 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#190 [オッズ]
『ワン』と吠えたのではない。

いや、性格に言えば吠えたのではなく、喋ったのだ。

「お姉ちゃん!」

犬は私のまわりを走りながら、『お姉ちゃん』と言い続ける。

すごく走りずらそうだ。

犬に続いて、指と耳たぶも『千鶴』と言いだした。

キジが鼻で笑った。

「ほら、千鶴の望みどおり蘇らせてやったぞ。
外見は少しばかり変わったが、中身は以前と同じだ。
ちゃんと話もできる」

⏰:07/05/27 16:21 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#191 [オッズ]
信じらんないっ!

「キージー!ちゃんともとに戻してよ!」

私はキジを勢い良く殴ろうとしたが、簡単に避けられてしまった。

キジの笑い声が屋敷中に響き渡った。



―――――――――…
END
―――――――――…

⏰:07/05/27 16:26 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#192 [オッズ]

>>170-192

【Devils×Night】わ
これで終わりです(・ω・)
今まで読んでくださった方、
ありがとおございました

⏰:07/05/27 16:29 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#193 [奈菜]
これって続きとか
書いたりするんですか?

⏰:07/05/27 17:44 📱:W43H 🆔:HjoWSds.


#194 [オッズ]

奈菜さん
続きですか
書こうかとも思っていたんですが……微妙です
まだ未定な感じです

⏰:07/05/27 19:16 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#195 [奈菜]
そうですかー
 
とりあえず
お疲れ様でしたx
怖かったけど凄く
楽しかったです
主さん文才あるので
凄く読みやすかった
ですしっ印。~

⏰:07/05/27 20:28 📱:W43H 🆔:HjoWSds.


#196 [かナょ]
完結お疲れさまでぇす

⏰:07/05/27 22:47 📱:D902i 🆔:☆☆☆


#197 [オッズ]

奈菜さん
ありがとおございます
そう言ってもらえて
本当に光栄です(´;ω;`)
相変わらず
文才はないですが……
続きを書いた時わ
是非読んでください

⏰:07/05/27 22:49 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#198 [オッズ]

かナょさん
今まで読んでくださって
本当にありがとお
ございました(・_・`)
かナょさんがたくさん
かきしてくださったので
すごく励みになりました
感謝してます

⏰:07/05/27 22:51 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#199 [かナょ]
励みやなんて
んまにお疲れさまです

⏰:07/05/27 23:02 📱:D902i 🆔:☆☆☆


#200 [あIナみ]
>>001-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200

⏰:07/05/28 02:18 📱:N903i 🆔:1cCT2fOA


#201 [オッズ]

かナょさん
すごく励みになったんですよ
こちらこそ
本当にありがとお
ございました(*´∀`)

⏰:07/05/28 21:26 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#202 [オッズ]

あIナみさん
アンカー
ありがとおございます

⏰:07/05/28 21:27 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#203 [Ayu]
「完結」って感じは
しないけど、
とりあえず、
お疲れ様です
でも、ちょっと消化不良

⏰:07/06/02 03:58 📱:P902iS 🆔:0k1bs49s


#204 [オッズ]

Ayuさん
消化不良ですか(´;ω;`)
力不足ですいません
近々続編でも書こうかと
思ってたんですが……
書いたとしても
また中途半端に終わりそうなのでやめようと思います
読んでくださって
ありがとおございました

⏰:07/06/02 21:23 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#205 [我輩は匿名である]
失礼しますm(_ _)m
>>1-30
>>31-60
>>61-90
>>91-120
>>121-150
>>151-180
>>181-210
>>211-240

⏰:07/06/08 10:31 📱:W44T 🆔:O1z.4FOc


#206 [Ayu]
いえいえ
諦めないで下さい
文才やストーリー展開は
数を重ねる事に
上達するモノだと
思います
上達するにはムチも
必要ですよネ
Ayuがムチになるので
次の作品は
今回の作品よりも
満足させて下さい
次回も期待しています

⏰:07/06/08 13:36 📱:P902iS 🆔:TLM4j0t6


#207 [オッズ]

匿名さん
アンカーありがとお
ございます(*´∪`*)

⏰:07/06/08 21:34 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#208 [オッズ]

Ayuさん
そおですね
次わ満足してもらえるよおに
頑張ります(´・□・)
Ayuさんがムチになってくれるなんて
光栄です
黙ってたんですが、同時進行で
書いてた小説があるので
よかったら
読んでください
ホラー?要素わないですけど
bbs1.ryne.jp/r.php/novel-f/3928/

⏰:07/06/08 21:38 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#209 [我輩は匿名である]
Ayuって奴うざ
誰もおまえのムチなんていれねえだろワラ
評論家きどりけ?

⏰:07/06/27 11:31 📱:D903i 🆔:t5iNxmcc


#210 [ゅぅ]
おもしろかったです

⏰:08/04/12 23:11 📱:F705i 🆔:☆☆☆


#211 [オッズ]

ゅぅさん

読んでくださって
ありがとうございます
面白いといっていただけて
嬉しいです

⏰:08/04/28 23:19 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#212 [りな]
あげます

⏰:09/09/22 02:41 📱:F08A3 🆔:☆☆☆


#213 []

⏰:10/08/01 14:41 📱:F08A3 🆔:☆☆☆


#214 [○○&◆.x/9qDRof2]
↑(*゚∀゚*)↑

⏰:22/10/18 20:04 📱:Android 🆔:h3l12Mig


#215 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>1-30

⏰:22/10/18 20:05 📱:Android 🆔:h3l12Mig


#216 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>170-200

⏰:22/10/18 20:06 📱:Android 🆔:h3l12Mig


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