【Devils×Night】
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#121 [オッズ]
「ニャァ!」

泣き声と同時に真っ赤な猫が、私の横を通り抜け、キジの膝の上に飛び乗った。

「あ……」

ゴミ捨て場にいた猫だ。

真っ赤な毛の猫なんて、なかなかいるもんじゃない。

私が猫に気をとられていると、キジが陽気に猫に話し掛けた。

「いつまでその姿でいるつもり?」

猫はキジを見つめると、笑った。

笑ったのだ。

⏰:07/05/12 22:34 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#122 [オッズ]
そして猫はキジの膝の上から可憐に飛び降りたと同時に変身した。

猫だったのに、次の瞬間には人間になっていた。

目を丸くして驚いている私を見て、キジが意地悪く笑う。

背後でオッズが不気味な笑い声を出しているのも聞こえる。

「ありえない……!」

私はそう呟き、猫だった男の人を眺めた。

「ありえるさ。
彼の名はハインリッヒ。
もともと人間だったんだけど、わけありで普段は猫の姿。
僕の近くにいるときだけ人間の姿になれるってわけ」

⏰:07/05/14 21:46 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#123 [オッズ]
キジはそう説明して、私にわかった?と、解いたげな視線を送った。

私は更にポカーンとした。

なになに?
普段は猫だけど、本当は人間?
そんなのってあり?
こんなお伽話みたいなのあっていいわけ?

「まぁ、彼は僕の下部だね。彼のことはトラと呼んでやってくれ」

キジは満足そうにそう付け加えた。

「え?!」

はっ?!
トラ?なんで?
ハインリッヒっていう格好いい名前があるのに?
しかも下部って……。

「そう呼んでください」

⏰:07/05/14 21:53 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#124 [オッズ]
「……わかった」

私は納得いかないまま、一応うなずいた。

トラは悩ましげな笑みを浮かべている。

猫の時のような真っ赤な色をした髪が、彫刻のような美しい顔にかかっていた。

背はすらっと高く、黒いタキシードのような服がよく似合っている。

猫の姿より、人間の姿の方が素敵……。

そこで私はハッとした。

私、ここで何してるんだ?

美少年と美青年と気持ちの悪いウサギ男に囲まれて、談笑をしに来たわけじゃないことは確か。

⏰:07/05/14 22:00 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#125 [オッズ]
「そ、それより、なんで私をここに連れてきたのよっ?!」

私は強気な態度に出ることにした。

キジは冷たい目で私を一別して、ため息を吐いた。

「君の家に、人形が来ただろう?」

胸が苦しい。
来たなんて、生易しいもんじゃない。

キジは私を無視して話を続ける。

「人形の名前はリリー。
彼女は……僕の許婚だ」

⏰:07/05/14 22:04 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#126 [かナょ]
更新されてるぅー
がんばってください

⏰:07/05/14 22:13 📱:D902i 🆔:☆☆☆


#127 [ヒナ]
予想ができない展開ですねっ(≧ω≦)
楽しみです♪

⏰:07/05/15 01:06 📱:W44K 🆔:u9RLaD/A


#128 [Ayu]
更新してほしいです

⏰:07/05/19 00:01 📱:P902iS 🆔:n/8I3JN6


#129 [オッズ]

かナょさんヒナさん
Ayuさん
書きしてくださって
ありがとおございます
更新遅くなって
すいません(´;ω;`)
頑張ります

⏰:07/05/19 09:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#130 [オッズ]
「はっ?!」

許婚って……あの人形が?

ちょっと待って!
いくらキジが頭おかしいからって、人形が許婚なんてねぇ……。

私は疑るようにキジを見つめた。

キジはキョトンとした顔で私を見つめ返していたが、すぐに納得したようにうなずいた。

瞳がキラキラと金色に輝いている。

「君は愚かだな。
僕が人形と結婚するはずないだろう?
リリーが人間だった時だ。
僕の許婚だったのは」

⏰:07/05/19 09:24 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#131 [オッズ]
また出たよ……。

実は人間だったみたいな。

そのパターン、もううんざりなんだけど。

「ほぇー。
人食い人形のリリーちゃんは、実は人間だったの!」

皮肉を交えて言った。

それを聞いて、トラはクスクスと笑ったが、キジは気を悪くしたようだ。

「あぁ、そうだ!
彼女はとても美しい人間の少女だった!」

キジは怒ったように、けれどとてもゆっくりとリリーのことを話しだした。

⏰:07/05/19 09:29 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#132 [オッズ]
―――――――――…


リリーが初めて僕の前にあらわれたのは、とても寒い冬の日だった。

雪が降っていて、恐ろしいくらい静かだったのを覚えている。

リリーは召使に連れられて、僕の宮殿にやってきた。
幼いときから、許婚として決まっていたのだが、会うのは初めてだった。

クリーム色のドレスを来た彼女は、ひどく美しかった。

僕は一瞬で彼女に心をひかれた。

⏰:07/05/19 09:35 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#133 [オッズ]
彼女は美しいだけでなく、何か内に秘めたものを持っているような気がした。

深い青の瞳の奥に、なんともいえない強い力を感じたんだ。

そしてその予感はあたっていた―――…。


その後、何度もリリーと顔を会わせたが、特に変わった様子はなかった。

おとなしく、僕が言うことにただただ微笑むだけだった。

僕はそんな彼女にうんざりしてきて、他の女性と遊ぶようになっていった。

⏰:07/05/20 10:03 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#134 [オッズ]
僕が彼女と他の女性たちを同じように見るようになってから、彼女は変わった。

殺人鬼に変貌した。

欲望に狩られた瞳は隠す事無く、爛々と輝きだした。

リリーは当時、僕が一番親しくしていた女性を殺したのだ。

そしてその死骸を食らった。

僕はたまたまその光景を見ることができた。

僕は狂喜した。

おしとやかで、天使のような少女が、悪魔に変身してしまったのだ。

⏰:07/05/20 10:12 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#135 []
今日全部読みました
めっちゃおもろいです
頑張って下さい

⏰:07/05/21 13:09 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#136 [オッズ]

さん
読んでくださって
ありがとおございます
光栄です(´;ω;`)
ただ今、テスト期間中なので、終わりしだい更新
頑張ります

⏰:07/05/21 18:44 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#137 [かナょ]
オッズさんガンバー

⏰:07/05/21 20:56 📱:D902i 🆔:☆☆☆


#138 [Ayu]
待ってます
頑張って下さい

⏰:07/05/22 06:31 📱:P902iS 🆔:NGgwkKro


#139 [オッズ]

かナょさんAyuさん
ありがとおございます
嬉しいです(*´∪`*)
頑張りますね
まだテスト期間中なので
たくさんは書けませんが
少しだけ更新
したいと思います

⏰:07/05/23 19:19 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#140 [オッズ]
>>134から

僕は待っていたのだ。

彼女が行動するのを。

平凡な女たちにはあきあきしていた。

だから、返り血をあびながら、ただの肉片になってしまった女性を食べ続けるリリーに対して、なんの恐怖も感じなかった。



リリーはそれから、僕のまわりの女性をすべて殺していった。

僕には、以前どおりのおとなしい様子で接していたが、どこか妖艶になったように思った。

⏰:07/05/23 19:27 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#141 [オッズ]
リリーは犯罪を隠すことは無かった。

そのため、すぐにリリーの犯行だと言うことが周囲に知れ渡ってしまった。


そして、彼女はついに捕えられたのだ。

魔女だ人食い鬼だと罵られ、リリーはひどい拷問を受けたうえで、火やぶりにされた。

しかし、それでも彼女の僕に対する愛は途絶える事無く、殺人は彼女に快楽を与えた。

それらを忘れることができなかったリリーの魂は、現世にとどまった。

⏰:07/05/23 19:37 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#142 [オッズ]
―――――――――…

「そして、その魂を僕があの人形に閉じ込めたのさ」

最悪な話―――…。

私は鳥肌のたった腕を擦った。

リリーは生きていた頃から、人間を食べていたんだ。

……そういえば、話がかなり昔っぽかったけど、コイツは一体何歳?

「リリーはこの屋敷に居るかぎり、自由に動くことはできなかった。
ところが、数日前にリリーは盗まれてしまった。
盗んだ男はリリーに食われたらしがな」

キジは憎々しげに笑った。

「あ……」

公園で殺された人だ。

「……ねぇ?
私をなんでここに呼んだの?」

⏰:07/05/23 19:49 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#143 [オッズ]
キジは天使のような美しいほほ笑みを讃えながら、椅子から立ち上がった。

ゆっくりと優雅に私に近づいてくる少年は、何ていってよいかわからないが、人間ではないような気がした。

近くで見るキジは息が詰まるほど、綺麗だ。

「君を、助けてあげよう」

私はしっかりとキジが差し出した手を握り締めた。

ひんやりとした滑らかで陶器のような手。

……彼女は……リリーは、どれほどこの少年を愛していたんだろう。

⏰:07/05/23 19:55 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#144 [ヒナ]
久々にカキコしました☆毎日チェックしてます(*´▽`)
頑張って下さいね♪

⏰:07/05/23 21:01 📱:W44K 🆔:Riw/hv3k


#145 [Ayu]
あぁ〜おもろい
また更新されるのを
楽しみにしてます

⏰:07/05/24 07:39 📱:P902iS 🆔:RAfIDm/U


#146 [オッズ]

ヒナさん
かきしてくれて
ありがとおございます
毎日チェックしてて
くれたんですか(゚Д゚)
光栄です
めちゃ頑張ります

⏰:07/05/24 22:43 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#147 [オッズ]

Ayuさん
おもしろいって
言ってくれて
ありがとおございます
嬉しいです(*´∪`)
更新
明日、しに来れたらと
思います
すいません

⏰:07/05/24 22:46 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#148 [オッズ]
「……それで、助けるって具体的にどうしてくれるの?」

殺風景だった部屋にいつのまにか、豪華なテーブルと椅子があらわれた。
私はそっとその椅子に座ってみたけど、かなり嫌な感じだった。
椅子は不気味な唸り声をあげているし、時々ガタガタと震えた。

テーブルにはオッズがお菓子と紅茶みたいな飲み物を用意してくれてたけど、絶対口にするのはやめようと心に決めた。

キジは気にする事無く、手掴みでケーキのようなお菓子を頬張っていた。

トラはキジの後ろに姿勢良く立っている。

「あのさ……」

「何?」
キジは顔をこちらに向けたが、むしゃむしゃとお菓子を食べ続けている。

⏰:07/05/25 22:41 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#149 [オッズ]
「うん……。えっと、私の家族……お父さん、お母さん優太はどうなるの?」

キジの手がピタリととまった。
蜂蜜色の瞳に不審の色が広がった。

「どうなるもこうなるも死んでいるだろう?」

眉間にしわがよっている。

「そうだけど……」

私の頬に涙が伝った。

キジならなんとかしてくれるんじゃないかって……。

お父さんたちを殺したのは人形だし、人間じゃないんだし……。

だから―――…。

⏰:07/05/26 18:31 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#150 [オッズ]
でも、そんなはずないんだよね。

いくらキジだって、人間を生き返らせることなんてできるはずないし。
そもそも私はキジのことを何も知らないんだ。
偉そうにしてるけど、本当は大したことはできないガキかもしれない。

それに相手が誰であろうと家族が殺されたのは明らかなんだ。

なのに期待しちゃうなんてバカだよね……。

キジはそっと椅子から立ち上がると、次の瞬間には私の横に立っていた。

困ったように私を見つめている。

「わ、私だって……い、生き……返らせるられるって、本気で思ってた……わけじゃない!……けど」

私はわんわんと泣き声をあげた。

⏰:07/05/26 19:39 📱:N700i 🆔:☆☆☆


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