【Devils×Night】
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#51 [オッズ]
「優太、お母さんはここにいるの。……それからお父さんも」
私は引き出しを指差す。
「はぁ?」
優太は私を小馬鹿にしたようなしかめっつらで見てきた。
「お姉ちゃん、ふざけるなよ!俺、お腹すいたー!
お母さんはどこにいるんだよー」
普段なら、優太をマザコンと言ってからかうところだが、今はそれどころじゃない。
私は引き出しをガラッと開けた。
:07/05/02 16:44
:N700i
:☆☆☆
#52 [オッズ]
優太は吸い込まれるように引き出しの中を覗き込んだ。
優太は耳たぶと指を見てもなかなかピンと来ないらしい。
仕方なく私は言う。
「見たことあるでしょ?
こっちは耳たぶで、こっちが指。……人間のね」
優太は目玉が飛び出すんじゃないかってくらい、大きく目を見開いた。
「お、俺、これ知ってる?
俺……俺、これ」
声も体も震えている。
:07/05/02 16:49
:N700i
:☆☆☆
#53 [オッズ]
すいません

上の文の
「これ知ってる?」
は間違えで、
「これ知ってる!」
でした(・ωq`)

:07/05/02 16:51
:N700i
:☆☆☆
#54 [オッズ]
私は静かにうなずくと、お父さんたちに関する私の考えを優太に打ち明けた。
優太は黙って真剣に聞いてくれている。
「つまり、お父さんとお母さんは誰かに食べられちゃったの……。
だからもういない」
あえて殺されたと言う言葉は使わなかった。
「なんで?!
誰がそんなことしちゃったの?」
優太の目をうるうると輝きだす。
「知らない。
優太、泣かないで。
私たちがなんとかしなきゃいけないんだから」
:07/05/02 17:24
:N700i
:☆☆☆
#55 [オッズ]
私は優太を抱き締めた。
「早くなんとかしなきゃいけないの。
明日には……私と優太のどっちかしか生きていられないかもしれないし……」
『かも』ではなく、何か手を打たないかぎり、確実に私たちのどちらかは死ぬのだ。
「嫌だ!」
優太は泣き叫んだ。
「まだわからないけど……次に殺されるのは私だと思う」
優太は『嫌だ』と叫び続けたが、私は構わずに話した。
:07/05/02 17:29
:N700i
:☆☆☆
#56 [オッズ]
「年の順で、お父さん、お母さんときたら……」
私は自分で言っておきながら怯えてしまった。
「嫌だっ!」
優太は倒れそうになるくらい仰け反り大声で泣いた。
「嫌でしょう?
だったらなんとかしよう!
もしかしたら、お父さんとお母さんを助けられるかもしれないし」
万が一、両親が生きていて助けられたとしても、お父さんは片耳がなく、お母さんは左手の薬指がないんだ。
:07/05/02 21:33
:N700i
:☆☆☆
#57 [オッズ]
私は悲しくなった。
それでも優太は、両親を助けられると聞いて、ちょっぴり元気になった。
「俺、頑張る!
お父さんとお母さんを助けるし、お姉ちゃんを守ってやる」
優太は鼻水と涙でぐちゃぐちゃな顔で、偉そうにそう言った。
「優太……」
私は可笑しい気持ちと嬉しい気持ちでいっぱいだった。
小さな優太がとても頼もしく見える。
:07/05/02 21:37
:N700i
:☆☆☆
#58 [オッズ]
―――――――――…
時刻は午後の六時。
私と優太は放心状態に陥っていた。
私たちはどうするべきか真面目に考え続けたが、何も思い浮かばない。
相手が誰なのかもわからないのだから、どうしようもない。
警察に言おうかとも思ったが、話し合ったうえでやめることにした。
なんの解決にもならないと感じたからだ。
:07/05/02 21:41
:N700i
:☆☆☆
#59 [オッズ]
……そろそろ
来てるかもしれない。
私は決心したように、玄関へ向かい、外に出てポストに直行した。
あった。
絶望感が私を支配する。
ポストには白い紙がしっかりきっちりばっちりと入っていた。
犯人の目的が両親を殺すだけかもしれない、なんて甘いことを少しでも考えた私がバカだった。
:07/05/02 22:37
:N700i
:☆☆☆
#60 [オッズ]
私は殺人予告を乱暴に掴み取り、部屋に戻る。
優太は私の手に握られている手紙を見て、めそめそ泣きだした。
私まで泣けてきてしまったじゃないか。
私は小刻みに振動を繰り返す手を、必死に動かし、操り折り畳まれた紙を広げる。
『いただきます。1』
いつもの決まり文句。
心なしか、字が少しだけ上手くなったように見える。
:07/05/02 22:42
:N700i
:☆☆☆
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