【Devils×Night】
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#97 [オッズ]
訪問者は私をギロリと睨み付けた。
心外だ、とでも言いたげ。

「千鶴様ですね?」

再び同じ質問を言う。
さっきより乱暴な口調になっていた。

訪問者は顔が真っ白だった。
顔だけでなく、タキシードから出ている手も真っ白。
たぶん全身真っ白なんだろう。
しかし、目だけは真っ赤で、今まであった誰よりも小さな目だった。

まるでウサギ。
顔つきもウサギのようだったが、耳は長くない。
長くないというよりは、無いに近いかもしれない。
目の横辺りに、ぽっかりと黒い穴が開いているだけ。

⏰:07/05/09 21:35 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#98 [オッズ]
それに身長がかなり高い。
三メートルはあるんじゃないかと思う。

痩せているから、マッチ棒のように見える。

「……はい」

私は小さな声で返事をした。

こいつなんなの?
人形の仲間?

「優太様は?」

訪問者は首を傾げた。

なんでもない動作もひどく不気味に見えてしまう。

⏰:07/05/09 21:39 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#99 [オッズ]
私は首を振った。

声を出したら泣く。
絶対泣く。

訪問者はため息をついた。

「やはり間に合いませんでしたね……」

今度は私が訪問者を睨んだ。

「どういう意味?
っていうかあんた誰よ?
私と優太のことなんで知ってんの?」

訪問者はクックと笑った。

歯がむき出しになっているし、引きつったような笑顔が気持ち悪い。

⏰:07/05/09 21:43 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#100 [オッズ]
訪問者は頭にちょこんと乗っていたシルクハットを取ると、頭を下げた。

「ご挨拶が遅れまして申し訳ありません。
不躾な私めにどうかお許しを」

あきらかにからかっているような言い方だ。

シルクハットの下からあらわれた、真っ白で、毛の生えていない頭を私は見つめていた。

「私の名前はオッズと申します。
後のご質問には後程お答えいたします」

訪問者……いや、オッズはそう言って、また醜い笑顔を作った。

⏰:07/05/09 21:50 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#101 [オッズ]
「オッズ……」

私はつぶやいた。

「はい、私の名はオッズ。
オッズ以外の何者でもありません」

オッズは歌うように答える。
いくら歌声を出しても、オッズの声は陰欝で、かび臭いような気がした。

「それって……あんたがなんなのか教えてくれないってこと?」

「お教えしたはずですが?
私はオッズ。
それ以上でも以下でもございません」

「……そう」

⏰:07/05/09 21:55 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#102 [オッズ]
人間なのかなんなのか。

人形を見た後だったから、オッズが人間じゃなくても納得できる。

私は質問を変えた。

「後程っていつ?」

オッズは私に向かって、長い腕を突き出した。

すごく大きな手。

私は身をひいた。

「ご一緒ください」

私が答えるまもなく、オッズは私の手を握り、歩きだしていた。

⏰:07/05/09 21:59 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#103 [オッズ]
―――――――――…


先程は、オッズは歩きだしたと言ったが、実際のところはわからない。

オッズに触れられた途端、せっかく復活した脳みそがとろけたようになったしまったからだ。

ボーッとしていたら、あっというまに目的地に着いちゃった。

だけど時間が裁ったようには感じなかった。


私の目の前には、不思議な形をしたお屋敷が広がっている。

こんな屋敷、見たことがない。

⏰:07/05/09 22:03 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#104 [オッズ]
「ねぇ……」

話し掛けてみる。

「何でしょう?」

オッズはそう言いながら、屋敷の入り口に向かっていく。

「ここ何?
お家の形、変じゃない?」

答えない。

オッズは私を無視して歩き続けている。

身長三メートルはあるウサギ男と、身長150あるかないかの私の歩調が合うはずがない。

着いていくのに必死で、私も黙った。

⏰:07/05/09 22:08 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#105 [オッズ]
「入りますよ」

門から入り口までかなりの距離があり、私はすでに疲れていた。

屋敷は西洋風で、かなり古いらしい。

オッズは私を気遣う様子もなく、ドアを開け、中に入ってしまった。

「待って!」

私も慌てて中にはいる。

「うわぁ……!」

屋敷の中は真っ暗だった。

本当に真っ暗で、何も見えない。
前を歩いているはずのオッズの姿も見えない。

⏰:07/05/09 22:12 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#106 [オッズ]
「オッズ」

小さな声で呼んでみたが返事が無い。

私は不安になった。

その時、何か声が聞こえてきた。

オッズ……?

耳をすますと、バサバサというような羽音と共に、嘆き声が聞こえた。

『ママ……助けて……』
『殺される!』
『助けて……助けて!』

な、何?!

声と羽音はいたるところから聞こえた。

⏰:07/05/09 22:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


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