淫ら
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#256 [あゆみ]
「わりィあゆみ!!」
店を出たところで
振り返るとたくみが走ってきた

「客に捕まっちゃってさ
てかあゆみ来たけりゃいつでも来いよ」

「てか今日何であたしを呼んだの?」

「ただ‥
あゆみの元気な顔が見たくなっただけだよ
おまえも頑張れよ」

たくみ先輩が笑顔で答えた

「うん」
たくみ先輩は切ないくらい優しかった

⏰:07/06/17 17:34 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#257 [あゆみ]
さちはタクシーで帰ってった

あたしはまだ足もしっかりしていたので電車でかえることにした

たくみ先輩、
元気そうで安心したな

⏰:07/06/17 17:36 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#258 [あゆみ]
プルルルルル‥プルルルルル‥

たくみの携帯に電話がかかる

―着信:さち―

「はいはーい♪」

「たくみ例のあれどーした?」

「おまえ脳みそ大丈夫〜?
財布見てみろよ」

たくみはまだ営業中
夜の世界はまだまだこれからだった

電話を片手に女の髪を撫でる

「たくだあれ〜?」
女の甘い声がさちの耳に入る

⏰:07/06/17 17:42 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#259 [あゆみ]
「まだ店かよ?」
さちは頭痛がして不機嫌そうに聞く
携帯を耳と肩で挟んで財布を探した

「まーね
営業中♪」

「はッ」
さちは鼻で笑った

「あゆみ連れてけばまたこれくれる?」

さちは財布にあった透明の袋に入った白い粉を眺めた

⏰:07/06/17 17:47 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#260 [あゆみ]
1ヶ月前、さちはたまたまコンビニで出会った龍に恋をした

痩せて、キャバをはじた
そのお金で龍に貢ぐ
だけど頑張っても龍は振り向いてはくれない
寂しさと辛さから開放されたくて
さちはたくみから薬を買うようになった

「あゆみならもう誘ってもこねえよ」
たくみがたばこに火をつける

⏰:07/06/17 17:51 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#261 [あゆみ]
「‥‥いくらとんの?」

さちは金額を聞いた

「15」

たくみの返事にため息をつく

「わかった」

さちは電話を切り外を眺めた

⏰:07/06/17 17:53 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#262 [あゆみ]
―――――――――

「たくみサン‥」

「なんだよ」

女に手を握られてるたくみの前に龍が立つ

「帰り、話しませんか?」
真剣な顔でたくみに尋ねた
「わかった」

たくみは一瞬だけ龍をチラリと見ると女の顔に視線を戻した

⏰:07/06/17 17:57 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#263 [あゆみ]
「たくみサンッ!!」

たくみが控室でたばこを吸っていると龍がやってきた

「なーにまだいたの?」

たくみがだるそうに答える

「さちのこと、黙ってて貰えませんか?」

たくみはふーっと煙りをはいた

「おまえそんなにクビにされたいの?」

「‥‥‥」

龍はうつむいた

⏰:07/06/17 18:02 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#264 [あゆみ]
たくみの勤めるホストクラブは
客とプライベートで関係を持ったのがばれるとクビになる
だけど1ヶ月前さちが龍を尋ねてここにきたとき
龍がさちに連絡先を教えていたのを
たくみは見逃さなかった

そう、龍もさちが好きだった
けれどクビにされるわけにはいかなくて、さちに気持ちを伝えられずにいた

⏰:07/06/17 18:06 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#265 [あゆみ]
「たくみサンさえ黙っててくれたら―」

たくみの怒鳴り声が部屋に響く

「ふざけんな
俺がおまえにそこまでする義理はない」

龍はあることを思い付いた

「たくみサンはあゆみサンがほしいんですよね?」

たくみの動きが止まった

⏰:07/06/17 18:10 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


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