淫ら
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#291 [あゆみ]
さちの肩が奮え始め
泣き崩れてしまった
「さち‥」
さちの肩はいつしかこんなに細くなっていた
前まであたしを包んでくれたさちが今ぢゃ
弱くて‥
頼りなくて‥
「あゆみ〜」
さちはあたしから離れ手で顔を覆った
「ごめん!!」
「いいんだよ」
あたしはさちに手をのばした
:07/06/17 22:15 :SH902iS :☆☆☆
#292 [あゆみ]
「違うのッ
違うんだよ
あたし‥‥」
さちは涙で上手く喋れなそうに
でも必死に何かを伝えようとしていた
「あたしたくみから薬貰ってて‥
ないとおかしくなっちゃって‥‥
あたし‥‥自分が怖い
どうすればいいかわかんないよ」
さちが
たくみから薬?
意味わかんない
何で?
どうして?
何がここまでさちを変えた?
誰がここまでさちを変えた?
:07/06/17 22:19 :SH902iS :☆☆☆
#293 [あゆみ]
「辛かったの‥
たくみに相談したら
ぢゃあ薬でもやれば?って言うから‥
あたし抜け出せなくなっちゃって」
たくみ先輩‥‥
さちを
こんなに変えたのは龍
ならたくみ先輩を変えたのは
あたしですか?
「さち‥
気付いてあげられなくてごめんね
あたし、さちの力になってみせるから
さちは幸せになって」
さちは潤んだ瞳であたしを見上げた
:07/06/17 22:25 :SH902iS :☆☆☆
#294 [あゆみ]
この頃から
全ては変わり始めていた
誰もが幸せになりたい
ただそれだけなのに
誰かを幸せにするには
誰かを犠牲にしなくてはいけないときがある
あたしはさちが落ち着いてから
久しぶりに家に帰った
あたしの知らないうちに
周りは変わっていた
あたしはあることを決意していた
:07/06/17 22:29 :SH902iS :☆☆☆
#295 [あゆみ]
この日からこうの家には
行かなくなった
こうはなぜか
連絡をしてこない
だけどあたしにとってはその方がよかった
あたしの決意が揺らぐ前に
どうか全てが上手く行きますように‥
夜中の11時
あたしは夜のまちに踏み出した
かかとの高いハイヒールに肩のでた丈の短い黒のワンピース
サングラスをかけ
反対側の道路から
ホストクラブ「ROSE」の入口を眺めていた
:07/06/17 22:35 :SH902iS :☆☆☆
#296 [あゆみ]
背の高い金髪のホストが女と一緒に店を出てきた
あたしはそれに気付くと
ゆっくりその場に近づいた
「こんばんは」
男に向かって話し掛ける
「‥‥‥」
男は少しの間あたしを眺めてから自信なさそうに聞いてきた
「あゆみサン?」
あたしはサングラスを外し男に笑顔を向けた
そう、男は龍だった
:07/06/17 22:39 :SH902iS :☆☆☆
#297 [あゆみ]
あたしは龍に仕事が上がる時間を聞き、
隣まちの喫茶店で待ち合わせをすることにした
少しねむくなってきた頃
龍は急いでやってきた
「あゆみサンごめん!!」
「大丈夫♪
龍ちゃん何飲む?」
あたしは龍にメニューを渡した
:07/06/17 22:43 :SH902iS :☆☆☆
#298 [あゆみ]
「龍ちゃんて‥笑
ちょうどよかった
俺もあゆみサンに話があったんだ」
龍は強い瞳であたしを見た
あたしから乗り込んだくせに
龍の自信に溢れた態度を目の前に
あたしは拍子抜けしてしまった
:07/06/17 22:45 :SH902iS :☆☆☆
#299 [あゆみ]
「単刀直入に言うけど‥‥
たくみサンと付き合ってくれませんか?」
は?
龍の作戦は
あたしの作戦とは大分異なるものだった
「俺らのホストクラブはさ、
プライベートて禁止なの
だから今こうしてあゆみサンと会ってるのも違反だし
俺がさちにあど聞いたりしたのも違反なわけ
だからあゆみサンに会うのはちゃんとした理由がある
1歩踏み出すのにリスクは付き物だからね」
:07/06/17 22:50 :SH902iS :☆☆☆
#300 [あゆみ]
龍はコーヒーを飲みながら続けた
「たくみサンだけが
俺の違法に気付てるってわけ
でも俺はホストを辞める気はないし
さちを諦めるつもりもない」
え?
「龍ちゃん、
さちのこと好きなの‥?」
あたしは目を見開いて
龍を見た
龍は顔を赤らさめ
「まーな」
とだけ言った
:07/06/17 22:53 :SH902iS :☆☆☆
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