淫ら
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#292 [あゆみ]
「違うのッ
違うんだよ
あたし‥‥」

さちは涙で上手く喋れなそうに
でも必死に何かを伝えようとしていた

「あたしたくみから薬貰ってて‥
ないとおかしくなっちゃって‥‥
あたし‥‥自分が怖い
どうすればいいかわかんないよ」


さちが
たくみから薬?


意味わかんない
何で?
どうして?
何がここまでさちを変えた?
誰がここまでさちを変えた?

⏰:07/06/17 22:19 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#293 [あゆみ]
「辛かったの‥
たくみに相談したら
ぢゃあ薬でもやれば?って言うから‥
あたし抜け出せなくなっちゃって」

たくみ先輩‥‥
さちを
こんなに変えたのは龍
ならたくみ先輩を変えたのは

あたしですか?

「さち‥
気付いてあげられなくてごめんね
あたし、さちの力になってみせるから
さちは幸せになって」

さちは潤んだ瞳であたしを見上げた

⏰:07/06/17 22:25 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#294 [あゆみ]
この頃から
全ては変わり始めていた

誰もが幸せになりたい

ただそれだけなのに
誰かを幸せにするには
誰かを犠牲にしなくてはいけないときがある

あたしはさちが落ち着いてから
久しぶりに家に帰った

あたしの知らないうちに
周りは変わっていた

あたしはあることを決意していた

⏰:07/06/17 22:29 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#295 [あゆみ]
この日からこうの家には
行かなくなった

こうはなぜか
連絡をしてこない

だけどあたしにとってはその方がよかった

あたしの決意が揺らぐ前に
どうか全てが上手く行きますように‥

夜中の11時
あたしは夜のまちに踏み出した
かかとの高いハイヒールに肩のでた丈の短い黒のワンピース
サングラスをかけ
反対側の道路から
ホストクラブ「ROSE」の入口を眺めていた

⏰:07/06/17 22:35 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#296 [あゆみ]
背の高い金髪のホストが女と一緒に店を出てきた

あたしはそれに気付くと
ゆっくりその場に近づいた

「こんばんは」

男に向かって話し掛ける

「‥‥‥」
男は少しの間あたしを眺めてから自信なさそうに聞いてきた

「あゆみサン?」

あたしはサングラスを外し男に笑顔を向けた

そう、男は龍だった

⏰:07/06/17 22:39 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#297 [あゆみ]
あたしは龍に仕事が上がる時間を聞き、
隣まちの喫茶店で待ち合わせをすることにした

少しねむくなってきた頃
龍は急いでやってきた

「あゆみサンごめん!!」

「大丈夫♪
龍ちゃん何飲む?」

あたしは龍にメニューを渡した

⏰:07/06/17 22:43 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#298 [あゆみ]
「龍ちゃんて‥笑
ちょうどよかった
俺もあゆみサンに話があったんだ」

龍は強い瞳であたしを見た

あたしから乗り込んだくせに
龍の自信に溢れた態度を目の前に
あたしは拍子抜けしてしまった

⏰:07/06/17 22:45 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#299 [あゆみ]
「単刀直入に言うけど‥‥
たくみサンと付き合ってくれませんか?」


は?


龍の作戦は
あたしの作戦とは大分異なるものだった

「俺らのホストクラブはさ、
プライベートて禁止なの
だから今こうしてあゆみサンと会ってるのも違反だし
俺がさちにあど聞いたりしたのも違反なわけ
だからあゆみサンに会うのはちゃんとした理由がある
1歩踏み出すのにリスクは付き物だからね」

⏰:07/06/17 22:50 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#300 [あゆみ]
龍はコーヒーを飲みながら続けた

「たくみサンだけが
俺の違法に気付てるってわけ
でも俺はホストを辞める気はないし
さちを諦めるつもりもない」


え?


「龍ちゃん、
さちのこと好きなの‥?」

あたしは目を見開いて
龍を見た

龍は顔を赤らさめ
「まーな」
とだけ言った

⏰:07/06/17 22:53 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#301 [あゆみ]
すごいッ!!!

あたしは自分のことのように嬉しかった

2人は両想いだったんだ!

さち!!
さちは幸せになれるんだよ!!
もう辛い想いをしなくてもいいんだよ!!

あたしは胸を高ぶらせながら龍をみた

「龍!!
さちを幸せにしてあげて!」

⏰:07/06/17 22:56 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


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