淫ら
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#320 [あゆみ]
朝起きるとたくみ先輩は
隣で寝ていた
あたしはそのままそっとたくみ先輩の家をあとにした
「ふふっ笑」
変な感じ
いつもならあたしが置いてかれていたのに
今度はあたしが置いてくんだね
こうを思い出したら涙が出た
周りは奇妙に思ったに違いない
だけどあたしは電車の中でわんわん泣いた
涙を枯らすように‥
もう泣かないと決めて
:07/06/17 23:57 :SH902iS :☆☆☆
#321 [あゆみ]
ありがとう
頑張ります
あたしは家に帰り制服に着替えると
急いで家をでた
いつもと同じ朝
学校にいけばきっと幸せな気持ちになれる
あたしは早くさちに会いたかった
:07/06/17 23:59 :SH902iS :☆☆☆
#322 [あゆみ]
学校に着くと予想外なことにさちが廊下にいた
さちはあたしに気付くと涙を浮かべて走って来た
「あゆみッ
昨日龍から電話があって‥何がどうなってるかよくわからないんだけど
あたしのこと好きだって‥
あゆみ、これ夢ぢゃないよね?
あたしはこんなに幸せになっていいのかな」
さちはあたしにしがみつきながら話してくれた
:07/06/18 00:03 :SH902iS :☆☆☆
#323 [あゆみ]
「いいんだよ」
さちに言った言葉が
自分にも向けられてる気がした
これでいいんだよ
さちは笑顔であたしを見た
お幸せに‥
あたしの分まで
少女のようなさちの瞳を見て素直にそう思えたんだ
:07/06/18 00:06 :SH902iS :☆☆☆
#324 [あゆみ]
授業が終わりあたしは電車にのった
永谷駅で降り、こうの家に足を運ぶ
なかなか進まない
気持ちのせいか
いつもなら駆け足で10分かからないで歩けるのに
気付けば20分以上してやっとこうの部屋の前に着いた
:07/06/18 00:09 :SH902iS :☆☆☆
#325 [あゆみ]
鍵はある
けれどあたしは部屋には入らずドアの前に座り込んだ
目をつぶっても寝れなかった
しんとする中
エレベーターの音がした
みなくてもわかる
これはこうの足音
:07/06/18 00:12 :SH902iS :☆☆☆
#326 []
あけ
:07/06/18 00:14 :P903i :☆☆☆
#327 [あゆみ]
こうは不思議そうにあたしを見た
「あゆみ!!
鍵忘れたの?!
今開けるからまって!!」
こうは焦ってポケットに手を入れた
「いいッ」
あたしは下を向いたままこうの手を止めた
「ここでいい」
こうは何かを察したのか
黙ってしまった
:07/06/18 00:15 :SH902iS :☆☆☆
#328 [あゆみ]
あたしは深く深呼吸をして言った
「こう‥別れよう」
こうは何も答えない
「ごめんね‥
ずっと一緒にはいられない」
あたしははっきり言い放った
こうはどんな顔をしてる?
何を思ってる?
知りたい‥
だけど見る勇気がない
見たらまた泣いてしまいそうだから
:07/06/18 00:18 :SH902iS :☆☆☆
#329 [あゆみ]
あたしはそのままゆっくり立ち上がると
こうを避けるようにしてエレベーターに向かった
エレベーターに乗り1Fを押す
その時、
ドアが閉まる直前に見たんだ
あの、泣き出しそうなこうの横顔と
地面に落ちてたセブンスターのたばこ
こうは「CHERRY」というタバコを吸っていたから
それはあたしのためのものなんだね
エレベーターが閉まった瞬間、あたしは地面に座り込んで泣いた
声を上げ泣いた
涙はまだ枯れてはいなかったんだね
:07/06/18 00:23 :SH902iS :☆☆☆
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