*Candy*
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#328 [三ッ葉
]
………………………
…………………
「……おはよ」
「あ…れ?
大丈夫なの?」
起きて用意をしてからリビングに降りると、
飛鳥が目を丸くしながら私を迎えてくれた。
前の生活のように朝ご飯を作ってでかける。
前と違うのは
制服と自転車のペダルが、やたらと重く感じること………と、
自分の不安定な気持ち。
:07/09/02 02:28
:F904i
:JVWLRUig
#329 [三ッ葉
]
「あっ!
穂乃香ちゃん!」
視界の前方に恭也が真に求める人物、椎名先輩が手を振っているのがみえた。
神様は意地悪だ。
今、会いたくないのにどうして会わせるの?
「すみません。
今日は…先を急いでるんで――…。」
「え…穂乃香ちゃんっ?」
適当な理由をつけて、自転車の漕ぐスピードをあげて椎名先輩の前を
素早く通り過ぎた。
:07/09/02 02:36
:F904i
:JVWLRUig
#330 [三ッ葉
]
ガラッ…
「はっ……はぁッ…」
ずっとスピードを落とすことなく漕いできたために、荒々しい息をこぼしながら教室のドアを開けた。
「「…………」」
教室は途端に沈黙のベールに包まれた。
「おはよっ!
やっと顔見れて嬉しい。」
「遅いぞ、穂乃香。
待ってたんだからな。」
そんな中、普通にいつもの笑顔を向けてくれたのは、瑠衣と刹那だった。
:07/09/02 02:44
:F904i
:JVWLRUig
#331 [三ッ葉
]
「お…おはよう。」
ぎこちない笑顔しか作れない挨拶しかできなかった。
「っ……穂乃香?」
後ろからする声に振り向くと、竜樹が驚いている表情を見せていた。
「たつ――っ…!!」
竜樹の後ろから見える人物に動揺を隠しきれず、後ずさってしまう。
「ほの…」
「いっ…いや!
私具合悪いから、保健室いく。」
:07/09/02 02:50
:F904i
:JVWLRUig
#332 [三ッ葉
]
私は、慌てて教室から走り去った。
一目見ただけなのに
溢れ出してしまった。
好きという感情と
怖いと思う感情……。
「……っ…。」
私の目の残像。
あれは紛れもなく恭也だった。
向き合う為に来たつもりだったのに
逃げてしまった。
:07/09/02 02:54
:F904i
:JVWLRUig
#333 [三ッ葉
]
…………………
「先生、具合悪いから寝かせて……」
「どうぞ。」
先生の返答を聞いて
部屋の一番奥のカーテンを開けてベッドに体を寝かせた。
まだ心臓が落ち着かない。
シャッ…
「!?」
カーテンの開く音が耳に響いた。
ガタンッ
後ろを向く暇もない瞬間に私の体の上に何かがのっかって、身動きをとれなくさせた。
:07/09/02 03:01
:F904i
:JVWLRUig
#334 [三ッ葉
]
「逃げんなよ…。」
その声と共に、私の全体にこびり付く姿と声。
「……恭也。
何なのよっ…離してよっ………嫌だ!
いやいやいやっ!!」
ガシャガシャと煩い物音がたつくらいに私は、拘束された体を懸命に動かした。
「俺の話聞けよっ…!!」
声を張り上げる恭也に耳を傾けずに私は暴れ続けた。
「いっ…いやっ!!
はなしてぇえっ……イヤァアアッ!!!」
:07/09/02 03:07
:F904i
:JVWLRUig
#335 [三ッ葉
]
「こらっ!
瀬戸君、なにしてるのっ……やめなさい!!」
騒ぎを悟った保険の先生は、暴れ続ける私の体から恭也の体を剥ぎ取って引き離した。
「………っ!?」
恭也は顔を歪ませながら、そのまま先生にどこかに引っ張られていった。
「ハァハァッ…」
私は、体を丸めて叫び傷ついた喉を両手で覆いながら震えていた。
やっぱり怖い。
:07/09/02 03:13
:F904i
:JVWLRUig
#336 [三ッ葉
]
………………………
教室に戻る事も嫌な私は、屋上に向かった。
ガチャッ
「すごい…青空……。」
ドアを開けて視界の上一面に広がる青色。
雲も少なく、日差しがキラキラと輝いていた。
今の私には、この光景が眩しすぎてすぐに下を向いて外へと足を踏み入れた。
:07/09/02 11:55
:F904i
:JVWLRUig
#337 [三ッ葉
]
歩いていると、誰かが横たわっているのが分かった。
日差しで少し茶色に見える黒い髪が、サラサラとなびいていた。
「………」
体がビクンッと反応した。
「……穂乃香?」
恭也は泣きそうな表情をちらつかせながら
こちらに気付いた。
そんな表情を一瞬見ただけで、愛しさが溢れ出して胸がキュッとしまった。
:07/09/02 12:02
:F904i
:JVWLRUig
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