「好き」と言いたい。
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#230 [あんみつ]
 
「あー・・・と」

歩きながら洋平君が言った。

「ん??どしたの??」

私が聞くと、洋平君はこっちをチラッと見て、また前を向いた。

「えっと・・・浴衣、似合うね」

そう言うと、洋平君は照れ臭そうに、右手で自分の髪をクシャッとした。
 

⏰:07/08/23 16:47 📱:N901iC 🆔:d/x858V.


#231 [あんみつ]
 
そんな洋平君を見ると、私も照れ臭くなって、何だかドキドキする。

「あ、ありがと・・・」

私の言葉に、洋平君は照れたように笑った。

それにつられて、私も笑う。

(・・・あれ??)

何だか歩くのが楽だ。
 

⏰:07/08/23 16:48 📱:N901iC 🆔:d/x858V.


#232 [あんみつ]
 
「俺、今年の祭りこれが初だよ」

「あ、私もー」

洋平君は、ずっと私の隣を歩いている。

(・・・もしかして、歩調合わせてくれてる??)

洋平君と私とじゃ、歩幅が違いすぎる。

意識して歩かなきゃ、並んで歩けるはずがない。

気付いたら、顔がほてっていく気がした。
 

⏰:07/08/23 16:50 📱:N901iC 🆔:d/x858V.


#233 [あんみつ]
 
健二とは、また違う優しさ。

何か、こういうの、いいなって思った。

洋平君とメールをしても、直接話しても、純粋に楽しいと思った。

無理しなくていい、泣かなくていい。

幸せって、こんなのかなって思った。

 

⏰:07/08/23 16:51 📱:N901iC 🆔:d/x858V.


#234 [あんみつ]
――――――――


「うわー!!人すげーね」

屋台で賑わう川原は、すでに人でいっぱいだった。

「ねー!!お祭りって感じ」

ソース系の匂いが、食欲をそそる。

「とりあえず、回ってみる??」

「うん!!」

人込みの中を、屋台を見ながら進んで行く。
 

⏰:07/08/23 16:55 📱:N901iC 🆔:d/x858V.


#235 [あんみつ]
 
「ねこちゃん、何食べたい??」

「んー・・・わっすみません」

キョロキョロしながら歩いていると、すれ違う人にぶつかった。

「大丈夫??」

洋平君が聞いた。

「うん、平気」

笑って言うと、洋平君は突然私の手首を掴んだ。
 

⏰:07/08/23 16:56 📱:N901iC 🆔:d/x858V.


#236 [あんみつ]
 
そして、私に洋平君のTシャツの裾を掴ませた。

「俺の服、掴んどきなよ」

そう言って、洋平君は手を離した。

「・・・ありがと」

手には、かすかにまだ洋平君の体温が残っていて、ドキドキした。
 

⏰:07/08/23 16:57 📱:N901iC 🆔:d/x858V.


#237 [あんみつ]
 
「・・・あ、私!!お好み焼き食べたい!!」

ドキドキに耐えきれなくなった私は、とっさに、目についたお好み焼きの屋台を指差して言った。

「お、いいね。・・・混んでるな」

そう言うと、洋平君は、屋台とは逆方向に歩いていく。

洋平君の服を掴んだまま、私もついていく。
 

⏰:07/08/23 16:58 📱:N901iC 🆔:d/x858V.


#238 [あんみつ]
 
洋平君は、私を屋台が見える、木の所まで連れてきた。

「よし、ここで待ってて。俺、買ってくるから」

そう言うと、人込みの中へと消えていく。

軽く握っていた私の手から、洋平君の服がするりとぬけた。

私は、握っていた手を見つめる。
 

⏰:07/08/23 17:00 📱:N901iC 🆔:d/x858V.


#239 [あんみつ]
 
何だか、まだ温かい。

指も、心も。

心臓の鼓動が聞こえる。

私、洋平君の事、好きになっていってるのかな。

太鼓の音が聞こえる。

辺りは、暗くなってきた。
 

⏰:07/08/23 17:01 📱:N901iC 🆔:d/x858V.


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