「好き」と言いたい。
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#1 [あんみつ]
初めて書きます

下手ですがよかったら読んでみて下さい


アドバイスがあったり、読みにくかったら、言ってくれると嬉しいです

:07/07/14 20:43
:N901iC
:Xfc5m/PQ
#2 [あんみつ]
どうしても手放したくなくて、逃げて。
傷つけて、傷ついて。
追いかけて、立ち止まって、迷って。
・・・それでも最後には君に辿り着く。
今、君に
「好き」と言いたい。
:07/07/14 20:45
:N901iC
:Xfc5m/PQ
#3 [あんみつ]
01、弱虫
7月7日。今日は七夕。空はあいにくの曇り空。
私は窓を開けて空を見上げた。
一面雲に覆われた空の一部、月のある所だけがぼんやりと黄色く光っている。
(あーあ、ほんとついてないな、私)
昔からそうだった。小学校の運動会も遠足も、中学の修学旅行も決まって天気が悪かった。
今日だって、せっかくの私の決心が台無しだ。
「はぁー・・・(あっやば!!ため息ついちゃった)スウゥー!!」
私は吐き出した幸せを慌てて吸い込んだ。
:07/07/14 20:48
:N901iC
:Xfc5m/PQ
#4 [あんみつ]
「ぶはっ!!何やってんだよ」
「ふえっ!!?」
突然聞こえた声にびっくりして下を見ると、道でビニール袋を片手に健二が立っていた。
「びっくりしたー!!急に声掛けないでよ」
「ねこが気付かんかっただけ。俺ずっとここ居たんだけど。てか、お前傍から見ると怪しい」
ねこは私のあだ名。根宮奈子(ねみやなこ)、縮めて「ねこ」。
「・・・ほっといてよ。それよりどしたの??何か用??」
「んー、ちょっと出て来いよ。公園まで。花火しよう!!」
:07/07/14 21:00
:N901iC
:Xfc5m/PQ
#5 [あんみつ]
――――――――
一大決心。
7月7日。七夕。
今日、私は幼なじみに告白する。
「うおっ蚊ー来た。刺されるぞ」
公園に行く途中。
平然を装いながらも心臓バクバクの私の隣には、そんな事知る由もない幼なじみが蚊と奮闘している。
「ねー、何で健二花火なんか持ってたの??自分で買ったの??」
精一杯、いつもの調子(のつもり)で話し掛けた。
・・・パンッ!!
「おっし!!仕留めた!!買うわけねーじゃん。クラスのビンゴ大会の景品。1等!!」
手を払いながら健二は笑った。
私の大好きな笑顔。
:07/07/14 21:16
:N901iC
:Xfc5m/PQ
#6 [あんみつ]
――――――――
今日告白しようって、決心したのは1週間前。
健二が後輩に告られた日。
その日学校で、ずっと私は心此処にあらずって感じだった。
OKしたらどうしよう。
どうしよう、どうしよう。そればっかり考えてた。
帰り道、健二から断ったって聞いて、家に帰った途端、涙が溢れた。
健二の返事にほっとして。それと、焦って不安がることしかできなかった自分が情けなくて。
:07/07/14 21:20
:N901iC
:Xfc5m/PQ
#7 [あんみつ]
本当は告白するのが怖い。今まで16年間、幼なじみやってきた。
けど、告白してダメだったら、きっともう、こんな風に並んで歩くことも、笑い掛けてもらえることも無くなってしまう。
この関係が壊れてしまうのが怖い。すごく怖い。
けど・・・
もう、あんな思いはしたくないの。
:07/07/14 21:22
:N901iC
:Xfc5m/PQ
#8 [あんみつ]
――――――――
パチパチッ
「きれー!!花火とか久しぶり!!」
「俺のお陰。感謝しろよー」
「あーはいはい、ありがとー」
「気持ち込もってねー!!」
私は花火を見ながら笑って、健二は両手に1本ずつ持って火を点けた。
電灯の明るさだけの夜の公園には誰もいなくて、パチパチと燃える花火の音だけが2人の間を流れる。
「あーあ、消えた」
私は新しい花火を取ろうと立ち上がった。
小さめの花火セットの中から、なるべくゆっくり選ぶ。
(まだ嫌だ。もっと、ずっとこのままがいいよ・・・)
:07/07/14 21:36
:N901iC
:Xfc5m/PQ
#9 [あんみつ]
――――――――
ほんとは今日、私から呼び出すつもりだった。
1週間の間、何度も頭の中でシミュレーションした。
「ねー今日めっちゃ月綺麗だよ。散歩したいから一緒に来てー」
とかって。
けど、実際は曇って月なんか見えないし、誘いに行こうにも、いざとなったら自分の部屋からさえ出れなかった。
健二が来たのは予想外。
他の誰でもなく、私を誘ってくれてすごく嬉しかった。
けどその反面、来なきゃよかったのに、なんて思ってる自分がいた。
:07/07/14 21:40
:N901iC
:Xfc5m/PQ
#10 [あんみつ]
多分私は、あのまま健二が来なくても、結局は誘いに行けなかったと思う。
一大決心とか言ってても、だって曇ってたし、とかって天気のせいにして。
それでまた、幼なじみって立場に安住して、1週間前と同じ事を繰り返してたんだ。
:07/07/14 21:42
:N901iC
:Xfc5m/PQ
#11 [あんみつ]
――――――――
「ほい。最後」
健二は残り2本になった花火の1本を私に渡して、もう1本に火を点けた。
私も自分のに火を点ける。最後は2本共線香花火。
小さく火花を散らす丸い光をぼーっと見つめる。
(・・・終わっちゃう。嫌だ。嫌だよ)
「なぁ、ねこ」
不意に健二が言った。
「ん??」
「お前、何かあった??何かいつもと違うくね??」
「・・・え??」
「16年の付き合いなめんなよ」
:07/07/14 21:55
:N901iC
:Xfc5m/PQ
#12 [あんみつ]
線香花火の光が消えた。
健二は16年間ずっと変わらない、優しい瞳で私を見つめる。
(・・・健二、私が好きって言ったらどうなるの??私たちの過ごした時間、まるで無かったみたいになっちゃうの??・・・怖いよ)
「・・・ねこ」
私は泣いていた。
何かが切れたみたいに、溢れてくる涙は止まらない。
健二は黙って私の言葉を待っている。
(健二を手放したくない。・・・告白なんかしたくない!!)
私は立ち上がって、逃げ出した。
:07/07/14 21:58
:N901iC
:Xfc5m/PQ
#13 [あんみつ]
「ねこ!!」
健二の呼ぶ声が聞こえたけど、止まらなかった。
走って、走って走って。泣きながら走って。
気が付いたら自分の部屋にいて、布団かぶって泣いてたら、いつの間にか眠っていた。
――――――――
明日会ったら、またいつもみたいに笑いかけて。
ねぇ、健二。
私って弱虫だね。
ずっと一緒にいたいから、私は・・・この気持ちにウソをつくよ。
:07/07/14 22:05
:N901iC
:Xfc5m/PQ
#14 [あんみつ]
今日は以上です

感想くれると嬉しいです

何か他の小説より字詰め過ぎかも

読みにくくないかな

??
:07/07/14 22:12
:N901iC
:Xfc5m/PQ
#15 [あず]
あーせつない

でも続き楽しみです

:07/07/14 22:47
:SH902iS
:☆☆☆
#16 [ゆ]
同じ状況でした。
あたしはコクって
OKもらえて
舞い上がってたら
すぐ降られて
全く話せない
連絡もとれない
そんな状況です。
小説頑張って下さい。
:07/07/14 22:57
:W51P
:zUiJbr7.
#17 [あんみつ]
:07/07/15 00:08
:N901iC
:Tj9VDg4E
#18 [ゆ]
大丈夫ですよI
更新楽しみにしてます
:07/07/15 00:16
:W51P
:23EBN7Y6
#19 [あんみつ]
ゆさん


有り難ぃぉ言葉

ぁりがとぅござぃます


嬉しぃです(

´凵`圉)
:07/07/15 08:36
:N901iC
:Tj9VDg4E
#20 [あんみつ]
02、「幼なじみ」
次の日は快晴だった。
寝ている間に降ったらしい雨で濡れた道路に、朝日が反射して眩しい。
私は、学校に行くのにいつもより早く家を出た。
健二とは、何となく顔を合わせたくない。
多分、まだ上手く笑えないだろうから。
朝起きて、携帯を見たら健二からメールがきてた。
:07/07/15 08:39
:N901iC
:Tj9VDg4E
#21 [あんみつ]
――――――――

7/7 22:36
From 竹本健二
Sub ごめん
何か余計な事言ってごめん。
けど、俺で良かったらいつでも話聞くから。
――――――――
:07/07/15 08:47
:N901iC
:Tj9VDg4E
#22 [あんみつ]
――――――――

7/8 7:28
To 竹本健二
Sub 無題
私こそごめんね。心配してくれてぁりがとう。けど、大丈夫!!
あと、花火楽しかったょ。ぁりがとう♪
――――――――
:07/07/15 08:51
:N901iC
:Tj9VDg4E
#23 [あんみつ]
これが今の私の精一杯。
ありがとう、ごめんね。
すぐいつもの私に戻るから。
そしたら、またいろいろ話そうね。
いつもみたいに笑いかけてね。
健二、・・・大好きだよ。
言わないけど。
失わないために、私は「幼なじみ」でいることを選んだ。
:07/07/15 08:53
:N901iC
:Tj9VDg4E
#24 [あや]
この話すごく好きです

がんばってくださ-い

★
:07/07/15 10:21
:SH903i
:r0k/5Vtw
#25 [あんみつ]
あやさん


好きだなんて

すごく嬉しぃです

ゃる気でました


:07/07/15 12:06
:N901iC
:Tj9VDg4E
#26 [あんみつ]
――――――――
「ねこ、目赤いよ??・・・どしたの??」
会ってすぐに、小声で奈津美が言った。
奈津美は、高校に入ってすぐに仲良くなった1番の友達。
私たちの高校はクラス替えがないから、2年になった今も同じクラスで大の仲良し。
「あー・・・まだ赤い??いちおう冷やして来たんだけど・・・」
私が弱々しく笑うと、奈津美は教室から出て行った。
と思ったらすぐに戻って来て、濡れたハンカチを渡してくれた。
:07/07/15 13:18
:N901iC
:Tj9VDg4E
#27 [あんみつ]
「もう1回冷やしときなよ。授業始まるまでにちょっとはマシになるよ」
「・・・ありがと」
何も言わない奈津美の優しさが嬉しかった。
奈津美には、私が健二を好きな事は話したけど、決心の事は話していない。
誰かに話したら、もう後には引けないと思ったから。
弱虫な私は、逃げ道を作っておきたかったんだ。
けど、もう逃げた後だし、本気で心配してくれる奈津美を見たら、全部話したい、聞いてほしいって、そう思った。
:07/07/15 13:20
:N901iC
:Tj9VDg4E
#28 [あんみつ]
――――――――
「・・・そっか」
昼休み、屋上。
私は奈津美に全部話した。
この気持ちを、上手く言葉にできる自信はなかった。
けど、たどたどしい私の話を、頷きながら真剣に聞いてくれた奈津美は分かってくれたと思う。
「うん。・・・ま、結局は何にも変わってないんだけどね」
お弁当を片付けながら、私は言った。
(・・・変わらなくて良かったんだよ)
:07/07/15 15:24
:N901iC
:Tj9VDg4E
#29 [あんみつ]
恋人になれなくても、幼なじみとして、ずっと側にいれたら、それでいい。
もし、健二に彼女ができても、私の事を幼なじみとして大切に思ってくれる気持ちは、きっと変わらない。
あの笑顔も優しさも変わらない。
それなら、いっそこのまま・・・。
その方が、失うよりもずっと、ずっといいよ。
:07/07/15 15:27
:N901iC
:Tj9VDg4E
#30 [あんみつ]
奈津美がそっと私の手を握った。泣きそうな目で私を見つめる。
「・・・奈津美??」
「何か・・・全然いい言葉浮かばなくて・・・。ごめん、ねこ」
私は奈津美の手を握り返した。
「・・・ありがと。奈津美は、聞いてくれるだけで十分!!何か楽になったし!!」
私の言葉に、奈津美は顔をほころばせた。
「まぁ、言葉が浮かばないのは仕方ないね。奈津美、日本語弱いし」
私が笑って言うと、奈津美も笑った。
「そんな事ないしー!!」
奈津美がいてくれて良かった。
大丈夫。私、ちゃんと笑える。
:07/07/15 15:30
:N901iC
:Tj9VDg4E
#31 [あんみつ]
――――――――
放課後。
私は2年2組、健二のクラスに向かった。
(・・・私から避けてちゃ意味ないもんね)
健二、一緒に帰ろう。一緒に・・・。
頭の中で何度も繰り返す。
この間まで何のためらいもなく言っていた言葉が、今の私には、まるで何年も言ってないかのように難しいものに感じた。
(・・・よしっ!!)
2組の前に着くと、私は1人立ち止まって気合いを入れた。
開けっ放しの後ろのドアから、教室を覗いてみる。
:07/07/15 21:57
:N901iC
:Tj9VDg4E
#32 [あんみつ]
(あ、・・・いた)
健二は窓際で、友達と楽しそうに話していた。
その時、健二と話していた友達の1人、洋平君がこっちを向いて、私と目が合った。
洋平君とは、健二繋がりで何度が話した事がある。
「おい、健・・・」
「竹本先輩!!」
洋平君は、健二に私がいるのを教えようとした。
けど、それは聞き覚えのある女の子の声に遮られてしまった。
(あっ・・・あの子)
前のドアの方を見ると、活発そうな女の子が健二に向かって手を振っている。
忘れもしない。
・・・健二に告白した子だ。
:07/07/15 22:01
:N901iC
:Tj9VDg4E
#33 [あんみつ]
――――――――
その日、私は健二と一緒に登校してた。
一緒に行こうって口約束した訳じゃないけど、いつの間にか、時間が合う日は必ず一緒に行くようになってた。
そして、学校が近くなってきた時、あの子が来た。
「あっあの!!・・・先輩達は付き合ってるんですか!??」
友達からは何度か聞かれた事もあったけど、これは明らかにそれとは違う空気だった。
嫌な予感がしたんだ。
:07/07/15 22:10
:N901iC
:Tj9VDg4E
#34 [あんみつ]
「へ??いや、俺等はただの幼なじみで・・・」
知らない子に急にそんな事聞かれて、唖然としながらも健二は答えた。
いつものお決まりのセリフ。
これを聞いて、女の子の顔は見るからに華やいだ。
「私っ、1年の佐古泉って言います!!あの・・・これ読んで下さい!!」
佐古さんは、健二に白い封筒を押しつけて行ってしまった。
もちろん、それはラブレター。
私はその時頭がクラクラしててよく覚えてないけど、ずっと前から見てて・・・とか、そんな内容だった。
そして、最後には、
『好きです。付き合ってください。』
:07/07/15 22:14
:N901iC
:Tj9VDg4E
#35 [あんみつ]
――――――――
(え、何で??健二断ったって言ったよね??)
私は何が何だか分からなくて、パニックになった。
健二が立ち上がって佐古さんの方に歩いていく。
私は思わずドアの影に隠れた。
洋平君がこっちを見てた気がしたけど、もう話し掛ける勇気は湧いてこなくて、私は静かにその場を去った。
:07/07/15 22:18
:N901iC
:Tj9VDg4E
#36 [あんみつ]
今日は以上にします

感想くれると嬉しぃです

:07/07/15 22:23
:N901iC
:Tj9VDg4E
#37 [くま]
楽しいです
また次の更新楽しみにしてます
失礼しましたーっ
:07/07/15 22:26
:W44K
:Z7PGcSEY
#38 [あや]
すごい良すぎ


主さん天才だあ


早く続きが見たぁ-い

応援してます


!
:07/07/16 00:31
:SH903i
:8nrSR0cE
#39 [あんみつ]
:07/07/16 09:49
:N901iC
:JYOC4P6M
#40 [あや]
うん

あんみつちャんとA度目まして

笑
ファンになっちゃったぁ

今までもほかで小説読んでて感動した作品もたくさんあったけど、カキコ

したのは、初めてで


そのぐらい、あやの心を鷲掴みにしました

これからも頑張ってね


:07/07/16 11:37
:SH903i
:8nrSR0cE
#41 [あんみつ]
:07/07/16 21:35
:N901iC
:JYOC4P6M
#42 [あい]
頑張ッて〜

気になる

:07/07/16 21:44
:SH902i
:D6AeYboU
#43 [あんみつ]
:07/07/16 22:16
:N901iC
:JYOC4P6M
#44 [あんみつ]
03、嫉妬
初め早歩きだった足は、次第にスピードを増してゆき、最後にはもう走っていた。
3階から1階まで階段を駆け降りて、下駄箱の所で、私はやっと立ち止まった。
「・・・はぁ・・・はぁ」
知らない男子生徒が、私を横目に通り過ぎたけど、今は恥ずかしいなんて感情は湧いてこなかった。
それどころじゃなかった。
(・・・なんか、昨日から逃げてばっかり)
『竹本先輩!!』
健二を呼ぶ、嬉しそうなあの子の姿が頭をよぎる。
:07/07/16 22:19
:N901iC
:JYOC4P6M
#45 [あんみつ]
私は左右に軽く頭を振った。
(「幼なじみ」でいいって言っときながら、何この独占欲・・・しっかりしなきゃ!!)
私は靴を履き変えて帰ろうとした。
「・・・ねこちゃん!!」
呼ばれて振り返ると洋平君がいた。
急いで追いかけてきたらしく、息が少しあがっている。
「洋平君・・・」
「あいつ・・・健二、呼ばなくて良かったの??」
洋平君が控えめに聞いてきた。
:07/07/16 22:24
:N901iC
:JYOC4P6M
#46 [あんみつ]
「あー・・・うん、たいした用じゃないから」
「・・・そ??」
「うん、大丈夫」
私の言葉を聞いた洋平君は、何か言いたそうな顔をした。
「じゃ、ばいばい!!わざわざありがとね」
私は洋平君に手を振って帰ろうとした。
このままだと、聞かなくていい事を聞いちゃいそうだったから。
「ねこちゃん!!」
洋平君が私を呼び止めた。
「・・・え??何??」
多分、この時の私の顔は歪んでいたと思う。
聞きたくない、聞きたくない。
健二とあの子の事なんて。
:07/07/16 22:28
:N901iC
:JYOC4P6M
#47 [あんみつ]
「あ、えっと・・・やっぱ何でもない。・・・てか、健二にはねこちゃんが来てた事、言わない方がいい??」
「あっ・・・うん」
「分かった。じゃ、またな!!」
洋平君は笑顔で言って、また階段を上がって行った。
何もかも見透かされたような気がした。
私のあの子への嫉妬心、真実を知るのを恐れる臆病な心、そして、私の健二への想い。
:07/07/16 22:32
:N901iC
:JYOC4P6M
#48 [あんみつ]
けど、洋平君があぁ言ってくれて良かった。
健二に、私が避けて帰ったって知られたら、今でさえ話し掛けにくいのに、もっと話し掛けにくくなってしまう。
健二だって、昨日の事もあるし、私が自分から話し掛けてくるまで、そっとしとこうって思うはず。
健二は、昔からそういう奴。
健二の甘すぎない優しさが、心地よくて好き。
けど、その優しさがあの子にも向けられているかもしれないと考えると、胸が締め付けられる思いがした。
:07/07/16 22:36
:N901iC
:JYOC4P6M
#49 [あんみつ]
少なぃですが、今日は以上にします


:07/07/16 22:45
:N901iC
:JYOC4P6M
#50 [
舞菜美
]
初めましてm(__)m
一気に読みました


メッチャ面白くて
切ないです

更新待ってます


頑張ってください


:07/07/17 20:38
:N903i
:qEqZYIC6
#51 [あんみつ]
:07/07/17 22:25
:N901iC
:ylHBvOdo
#52 [あんみつ]
:07/07/17 22:29
:N901iC
:ylHBvOdo
#53 [あや]
:07/07/18 01:00
:SH903i
:2KvTFBx6
#54 [あんみつ]
:07/07/18 07:04
:N901iC
:ZNZ7GtjE
#55 [あんみつ]
――――――――
いつからだろう。
私が、健二をただの幼なじみだと思えなくなったのは。
いつの間にか、健二と仲良さそうに話す女の子に、嫉妬するようになってた。
健二の言葉1つで、落ち込んだり、浮かれたりする自分に気付いた。
:07/07/18 21:49
:N901iC
:ZNZ7GtjE
#56 [あんみつ]
(・・・健二、佐古さんと付き合ってんのかな)
健二を呼ぶあの子の声が耳について離れない。
さっきから、ずっと同じ事ばかり考えてる。
考えても、どうにもならないって分かってる。
きっと、健二に聞くのが1番いい。
健二は、きっと答えてくれる。
けど、私は、ちゃんと「幼なじみ」として聞けるのかな??
真実を聞いた時、私はどんな顔をするだろう。
:07/07/18 21:51
:N901iC
:ZNZ7GtjE
#57 [あんみつ]
「はぁー・・・」
私は深くため息をついた。
何で、大好きなだけじゃいられないんだろう。
付き合うとか別れるとか、両思いとか片思いとか。
恋人とか友達とか、・・・幼なじみ。
いろんな言葉が頭をぐるぐる回ったけど、私達にふさわしいのは、やっぱり「幼なじみ」。
きっとそれが、ずっと一緒にいるための、私達の適当な距離。
健二にとって、私はただの幼なじみ。
なのに、私は・・・。
:07/07/18 21:54
:N901iC
:ZNZ7GtjE
#58 [あんみつ]
「・・・子、奈子!!」
1階からのお母さんの声で、私は現実に引き戻された。
私は、ベットから体を起こす。
体が、まるで自分のじゃないみたいに重く感じた。
「何ー??」
1階に降りると、お母さんが台所で漬物をタッパーに詰めていた。
:07/07/18 21:58
:N901iC
:ZNZ7GtjE
#59 [あんみつ]
「これ。健二君の家に持って行ってあげて」
「あー、うん」
(・・・って、え!?)
「じゃなくて、やっぱ無理!!今、忙しいし!!」
私は、慌てて首を振った。
「はい。落とさないようにね」
私の言葉に、お母さんはお構いなしだ。
さっさと洗い物を始めてしまった。
:07/07/18 22:01
:N901iC
:ZNZ7GtjE
#60 [あんみつ]
「今日朝、健二君迎えに来たよ」
私がタッパーを持って突っ立っていると、お母さんが、私に背を向けたまま言った。
「喧嘩か何か知らないけど、気まずいまま時間が経つと、どんどん話し掛けにくくなっちゃうんだからね」
(・・・母は偉大だ)
:07/07/18 22:03
:N901iC
:ZNZ7GtjE
#61 [あんみつ]
確かに、お母さんの言う事は正しい。
まだ、話さなくなって丸1日も経ってないけど、ただ1日話してないのとは訳が違う。
このままだと、「幼なじみ」って関係まで失ってしまいそうな気がする。
(・・・しっかりしなきゃ)
「・・・うん」
私はお母さんの背中に頭を下げて、家を出た。
:07/07/18 22:05
:N901iC
:ZNZ7GtjE
#62 [あんみつ]
――――――――
健二の家まで徒歩10秒。
時間をかけて歩く私の努力も虚しく、1分もかからない内に着いてしまった。
(いつも通り、いつも通り・・・)
何度も心の中で繰り返す。
私は大きく深呼吸した。
(・・・よしっ!!)
チャイムを鳴らそうと手を伸ばす。
・・・ガチャ!!
「あ、ねこ」
突然、健二が玄関から出て来た。
私の指は、まだインターホンに触れていない。
「わ!?・・・えっ何で!?」
びっくりして、漬物のタッパーを落としそうになった。
:07/07/20 20:52
:N901iC
:so0Q/TJ6
#63 [あんみつ]
「今、ねこん家に赤飯届けに行こうと思って・・・。ねこは??」
健二は、手に持った入れ物を私に見せる。
「私も・・・漬物持って来たんだけど」
私もタッパーを健二に見せた。
「「・・・」」
少しの間、沈黙が流れる。
「・・・ははっ!!マジかよ、すげータイミング!!」
先に沈黙を破ったのは、健二の笑い声だった。
片手でお腹を押さえて笑っている。
「・・・ふっ・・・きゃはは!!」
私も耐え切れなくなって笑った。
しばらくの間、2人してバカみたいに笑い続けた。
:07/07/20 20:54
:N901iC
:so0Q/TJ6
#64 [あんみつ]
ここまで心の底から笑ったのは、久しぶりな気がする。
何かよく分かんないけど、とにかく楽しくて。
それに、健二が笑ってくれたのが嬉しくて。
私が、普通に笑えたのが嬉しくて。
私、こんなに笑える。
ちゃんと笑える。
・・・大丈夫。
私、ただの「幼なじみ」に戻れるよ。
:07/07/20 20:56
:N901iC
:so0Q/TJ6
#65 [あんみつ]
「ははっ・・・はぁーめっちゃ笑った、笑った!!てか、絶対近所迷惑だよな」
「ははっ!!だねー。何か笑い過ぎて暑いし!!」
言いながら私達は、漬物と赤飯を交換した。
出来たてなのか、入れ物の底がほんのり温かい。
「ふはっ!!お前たこ!!」
健二が私を見て言った。
「はい??何、たこって」
「あれだよ。赤くて、足が8本・・・いや、10本のやつ」
「それは分かってるー」
「だって、お前顔真っ赤」
「だからー笑いすぎて、暑いの!!」
私が言うと、健二は「ちょっと待ってて」と言って家に入って行った。
:07/07/20 20:59
:N901iC
:so0Q/TJ6
#66 [あんみつ]
再び出て来た健二は、手にパピコを持っていた。
「これやるよ、たこ」
そう言って、片方を私の頬に押しあてる。
熱い頬に、冷たいパピコがすごく気持ち良い。
「・・・あっありが」
ピーピピピーピー♪
私が言い終わらない内に、健二の携帯が鳴った。
「あっ、ちょっと悪い」
健二は私に背を向けて、ポケットから取り出した携帯を見ると、止まった。
「どしたの??」
「いや・・・別に」
そう言うと、健二は私から少し離れて電話に出た。
:07/07/20 21:01
:N901iC
:so0Q/TJ6
#67 [あんみつ]
「もしもし??・・・あのさ、俺は前言った通りだから。・・・切るぞ」
健二はすぐに電話を切った。
「悪い。あーおい、さっさと食べんと溶けてるぞ」
「あ、うん」
私は慌ててパピコを食べた。
(何か・・・さっきの感じって・・・)
「・・・佐古さん??」
私は思わず口に出してしまっていた。
「え??」
私の言葉に、健二はびっくりしたみたいだ。
「あー・・・うん」
:07/07/20 21:04
:N901iC
:so0Q/TJ6
#68 [あんみつ]
(・・・やっぱり)
「・・・断ったんじゃなかったの??」
「断ったよ。けど何か・・・諦めませんって言われた」
『諦めません』
あの子の言いそうな事だ。
活発そうだし。
けど、健二はどんな気持ちでそれを聞いて、何を考えたんだろう。
「・・・そうなんだ」
そう言った自分の声が、何だか暗い気がして焦った。(明るくしなきゃ・・・)
「一途だねー!!可愛いじゃん。・・・あっ、そろそろ帰るね。ばいばい!!」
:07/07/20 21:06
:N901iC
:so0Q/TJ6
#69 [あんみつ]
明るい調子で言えたと思う。
ただ、顔に出てるんじゃないかと心配で、私は急いで健二に背を向けた。
「おう、じゃあな」
後ろから聞こえた健二の声は、いたって普通だった。
:07/07/20 21:08
:N901iC
:so0Q/TJ6
#70 [あんみつ]
健二は、昨日の私の事には、1度も触れなかった。
蒸し返されたい訳じゃないけど、あの子の方が、私より健二の関心を引いてるのかと思うと、淋しかった。
私の前でのいつも通りの健二。
あの子に告白された時、諦めないって言われた時、健二、いつも通りだった??
あの子が、私の知らない健二を知ってるみたいで、何だか悔しかった。
:07/07/20 21:10
:N901iC
:so0Q/TJ6
#71 [あんみつ]
けど、それらが幼なじみとしての気持ちなのか、恋する女の子としての気持ちなのか、もう自分でもよく分からなかった。
ただ、胸がもやもやして、その後食べた赤飯の味も、よく分からなかった。
:07/07/20 21:16
:N901iC
:so0Q/TJ6
#72 [あんみつ]
:07/07/20 21:25
:N901iC
:so0Q/TJ6
#73 [あや]
今、一気に読みました

おもしろい

この後の展開が気になる

ハッピ-エンドだといいな

これからも頑張ってね


更新楽しみにしてるね

:07/07/22 00:52
:SH903i
:zfT/zPc6
#74 [あんみつ]
:07/07/22 13:47
:N901iC
:tTi4V9HA
#75 [あんみつ]
04、告白
あの子が諦めないって言ったって事を聞いた日。
あれから1週間。
時は、穏やかに過ぎていった。
いつも通り、時間が合えば一緒に登校したり、一緒に帰った。
佐古さんの事が話題に上ることもなくて、健二と一緒にいるのを見かけることもなかった。
だけど、胸のもやもやだけはいつまでたっても消えなかった。
:07/07/22 14:45
:N901iC
:tTi4V9HA
#76 [あんみつ]
それでも、私は安心していたのかもしれない。
健二は変わらないって、根拠もなく心のどこかで信じてて、自分で確かめようともしなかった。
それと、このまま幼なじみに戻れるとも・・・いや、もう戻れたかもしれないとも思ってた。
:07/07/22 14:47
:N901iC
:tTi4V9HA
#77 [あんみつ]
――――――――
「ねこー、私そろそろ帰るけど」
「あ、待って。私も行く」
私は、慌てて荷物をかばんに入れる。
「今日も健二君のとこ??」
「うん、そー」
「そっか、良かったね。元通りになれて」
私の言葉に、奈津美は本当に嬉しそうに笑った。
「うん!!」
自分の事を本気で心配して、考えてくれる人がいるのは、すごく励みになる。
奈津美といると、素直にそう思える。
「よし、帰ろー!!」
「うん!!」
私達は教室を出た。
:07/07/22 14:48
:N901iC
:tTi4V9HA
#78 [あんみつ]
「ねぇ、奈津美」
「んー??」
「奈津美はさ・・・好きな人いないの??」
廊下を歩きながら、私は気になっていた事を聞いてみた。
半年ぐらい前に同じ質問をした事があった。
その時、奈津美は「何か、なかなかできないんだよねー」と言っていた。
けど、半年経つし、気になる人ぐらいできてないかな??
いつも私ばっか励ましてもらってるから、もしいるなら絶対協力してあげたい。
:07/07/22 14:52
:N901iC
:tTi4V9HA
#79 [あんみつ]
「私??・・・んー、私は・・・」
・・・ドンッ!!
「きゃ!!」
廊下の曲がり角から突然現われた人にぶつかって、私はよろけた。
「わっ、ごめん!!大丈夫??」
(あれ、この声・・・)
「あー、やっぱり洋平君」
上を見上げると、思った通りの顔が、心配そうに私を見ていた。
「あれ??ねこちゃん。ごめん、大丈夫??」
「うん、全然平気。どしたの??急いで」
:07/07/22 15:11
:N901iC
:tTi4V9HA
#80 [あんみつ]
「あー、ちょっとねこちゃんに用があって」
「私??」
「健二が・・・何か用できたから先帰っててって」
「そうなんだ・・・分かった。ありがと」
「うん。・・・ねこちゃん、もう、すぐ帰る??」
「うん、帰るけど??何??」
「いや、別に。お気を付けて!!」
そう言うと、洋平君は走って行ってしまった。
:07/07/22 15:12
:N901iC
:tTi4V9HA
#81 [あんみつ]
「ごめんね、奈津美」
私は奈津美の方に向き直り、手を合わせた。
「いいよいいよ。健二君いないなら、途中まで一緒に帰ろ」
「うん!!・・・健二、朝は一緒に帰れるって言ってたのになー。用って何だろ??ねぇ奈津美」
「・・・」
奈津美は何かぼーっとしていた。
私の声が聞こえてないみたいだ。
「・・・奈津美??」
「へ!?ごめん、何??」
「いや・・・どしたの??奈津美がぼーっとしてるの珍しい」
「そう??どうも英語の時から眠くて」
:07/07/22 15:14
:N901iC
:tTi4V9HA
#82 [あんみつ]
奈津美は目をこすりながら言って、笑った。
(・・・何でもないかな)
けど、どうもいつもの笑顔と違う気がする。
「あの先生の授業眠いもんねー。・・・あっ!!」
「えっどしたの??」
「教室に英語の教科書忘れた!!取ってくる!!奈津美、電車でしょ??先帰ってていいよ!!」
「分かったー。じゃ、ばいばーい」
奈津美と別れて、私は階段を上がっていった。
:07/07/22 15:15
:N901iC
:tTi4V9HA
#83 [あんみつ]
――――――――
(・・・ふぅー、あったあった)
英語の教科書を、今度こそ忘れずにかばんに入れる。
(奈津美の好きな人、聞きそびれちゃったな・・・)
教室にはもう誰もいなかった。
私は教室を出てドアを閉めた。
テニス部の掛け声や、ボールを打つ音が聞こえる。
(・・・健二、まだ用済んでないかな)
考えながらも、私の足は、すでに2組に向かって動いていた。
(ちょっと覗いてみるだけ・・・)
そう思いながらも、私は多分健二がいるのを期待してたんだ。
:07/07/22 15:18
:N901iC
:tTi4V9HA
#84 [あんみつ]
「・・・で、何??」
2組の少し手前に差し掛かった時、健二の声が聞こえた。
(あっ健二いるじゃん)
「・・・何で、メール返してくれないんですか??」
ドアから覗こうとした時、別の声が聞こえて私は固まった。
(・・・あの子だ・・・)
自分の体がだんだん重くなっていく気がした。
足は棒になったみたいに動かない。
:07/07/22 15:20
:N901iC
:tTi4V9HA
#85 [あんみつ]
「だから・・・前言った通り。悪いけど」
「先輩・・・好きな人いるんですか??」
「・・・」
健二は何も答えない。
「あの人とは、ただの幼なじみなんでしょう??」
「・・・ああ」
健二は確かにそう言った。
:07/07/22 15:22
:N901iC
:tTi4V9HA
#86 [あんみつ]
今まで何度も聞いてきた。健二が私の事を、ただの幼なじみにしか思ってないのも、痛いほど分かってる。
私がそれを望んだのも。
けど、私は胸にぽっかり穴があいたみたいに、何も考えられなくなった。
:07/07/22 15:24
:N901iC
:tTi4V9HA
#87 [あんみつ]
「だったらっ・・・私の事、少しぐらい考えてみて下さい!!友達からでもいいです。まず、私の事知って下さい・・・」
私が聞いているのを、知る由もない佐古さんは必死に続ける。
健二は何も言わない。
「迷惑がられてるのは分かってます。・・・でも、止められないんです」
佐古さんは、心を落ち着かせているのか、少し間をおいた。
:07/07/22 15:26
:N901iC
:tTi4V9HA
#88 [あんみつ]
「・・・好きなんです」
頭を何かで叩かれたような衝撃が走った。
クラクラする。
息がしにくい。
その時、後ろから誰かに手首を捕まれ、引っ張られた。
それにつられて私の足も動く。
(あ、・・・洋平君)
前を向くと、背の高い洋平君の後ろ姿があった。
私は引っ張られるままに走った。
2組がだんだん遠ざかってゆく。
:07/07/22 15:28
:N901iC
:tTi4V9HA
#89 [あんみつ]
――――――――
・・・バタン!!
階段を上がって、私達は屋上に出た。
「・・・はぁ、はぁ・・・はぁ」
苦しい。
頭がガンガンする。
『・・・好きなんです』
あの子の声が、頭の中でこだまする。
私はその場にしゃがみこんだ。
:07/07/22 15:38
:N901iC
:tTi4V9HA
#90 [あんみつ]
「・・・すぐ帰るって言ってたのに。・・・何で戻って来ちゃったんだよ」
そう言って、洋平君も、私の隣に腰を下ろす。
そして、私の頭にぽんと手を置いて、優しく撫でた。
「・・・うっ・・・ひっく・・・」
涙が溢れてきた。
:07/07/22 15:39
:N901iC
:tTi4V9HA
#91 [あんみつ]
振られても諦めずに、2度目の告白をしたあの子。
私は、羨ましかったのかもしれない。
失う事を恐れずに、進んで行けるあの子の強さ。
『好き』
私がずっと、健二に言いたかった言葉。
私も健二に「好き」と言いたい。
言いたい、言いたい。
けど・・・言いたくない。
矛盾してるよ、私。
:07/07/22 15:41
:N901iC
:tTi4V9HA
#92 [あんみつ]
溢れてくる涙が、もうこの気持ちをごまかす事はできないんだと、私に教えた。
同時に、私の中で、けんじがただの幼なじみに戻る事は、もうないと気付かされた。
(・・・もう戻れない。・・・戻れないんだ)
そう思うとまた涙が溢れた。
:07/07/22 15:44
:N901iC
:tTi4V9HA
#93 [あんみつ]
――――――――
どのくらい泣いていたのだろう。
そっと目を開けると、沈みかけの夕日が見えた。
「・・・落ち着いた??」
洋平君が聞いた。
「・・・うん。・・・ありがとう」
洋平君は、ずっと側で頭を撫でてくれていた。
大きくて無骨そうな手は、意外なほど優しくて、暖かだった。
:07/07/22 15:46
:N901iC
:tTi4V9HA
#94 [あんみつ]
帰り道、洋平君は私を送ってくれた。
私の家まで、徒歩10分。
アスファルトに、並んで歩く2つの影がのびる。
「・・・あのっ、もうこの辺でいいよ」
私は、家が見えてくる前に言った。
何となく、健二に見られたくなかった。
私の腫れた目も、洋平君の姿も。
それと、洋平君に、私の健二への気持ちを気付かれていた事が恥ずかしかった。
:07/07/22 15:49
:N901iC
:tTi4V9HA
#95 [あんみつ]
「・・・そう??」
「うん。・・・今日は、本当にありがとう」
私は、笑顔を作って言った。
「うん・・・」
洋平君は、自転車カゴにのせてくれていた私のかばんを取る。
私はそれを受け取ろうとした。
けど、洋平君はそれを離そうとしない。
私達は、かばんの取っ手を1本ずつ持つ形になった。
:07/07/22 15:51
:N901iC
:tTi4V9HA
#96 [あんみつ]
「・・・洋平君??」
洋平君は地面を見つめていた。
「・・・もう、健二のために泣くなよ」
下を向いたまま一息ついて、洋平君は言った。
「・・・え??」
(何・・・)
「ねこちゃんに泣いてほしくないんだ」
そう言うと、洋平君は私の方を向いた。
:07/07/22 15:53
:N901iC
:tTi4V9HA
#97 [あんみつ]
洋平君の顔は、夕日のせいか赤く染まっている。
洋平君の目があまりにも真剣で、私は何も言えなくなった。
「・・・好きなんだ」
私の目をじっと見て、洋平君が言った。
「俺は、ねこちゃんの事が好きだ」
私の手から、かばんの取っ手がするりと落ちた。
:07/07/22 15:54
:N901iC
:tTi4V9HA
#98 [あんみつ]
早ぃですが、今日は以上にします

よかったら読んでみて下さぃ

:07/07/22 15:58
:N901iC
:tTi4V9HA
#99 [あや]
あやは前と同じあやだよ

笑
ここの小説見るのが、あやの習慣になってて

そのくらい大好き

これからも頑張ってね


:07/07/22 23:32
:SH903i
:zfT/zPc6
#100 [我輩は匿名である]
:07/07/22 23:36
:N701i
:EupP4lUs
#101 [あんみつ]
:07/07/23 07:36
:N901iC
:CkR90zko
#102 [あんみつ]
05、亀裂
この頃の私は、自分の事で精一杯で、変わってゆく周りの人達の様子に、気付く事ができなかった。
そんな私だから、自分の事でさえ、よく分かっていなかったんだと思う。
それでも、自分の涙によって、私は嫌でも自分の気持ちと正面から向き合わなきゃいけなくなった。
けど、それさえも恐れた私は、同じ事ばかり考える無限ループから、抜け出そうと必死だった。
:07/07/28 16:31
:N901iC
:lVLMhbPg
#103 [あんみつ]
――――――――
「俺は、ねこちゃんの事が好きだ」
洋平君は、真剣な瞳で私を見つめる。
顔が熱い。
背中が汗ばむ。
いくら私でも分かる。
洋平君は、本当に私の事・・・。
:07/07/28 16:33
:N901iC
:lVLMhbPg
#104 [あんみつ]
「あっあの・・・けど私は」
「健二の事!!・・・まだ、好きでもいいよ」
私の言葉は、洋平君に遮られた。
「・・・俺が、言いたかっただけだから。・・・ほっとけなかっただけだから」
洋平君は、私の手にかばんを持たせた。
「今すぐ付き合ってって言ってる訳じゃないから。・・・心に余裕ができたら、俺の事ちゃんと考えてみて欲しい。返事はそれからでいいから」
そう言って、洋平君は自転車をUターンさせる。
:07/07/28 16:38
:N901iC
:lVLMhbPg
#105 [あんみつ]
「・・・じゃ」
自転車を漕ぎ始めた。
「・・・洋平君!!」
私は何故か呼び止めていた。
ただ、何か言わなきゃと思って。
洋平君は、止まって私を見る。
「・・・ありがとう」
ぎりぎり洋平君に聞こえるぐらいの、小さい声で私は言った。
「・・・またな!!」
洋平君は笑顔で言って、再び自転車を漕ぎ始めた。
私はしばらく、その後ろ姿を見ていた。
:07/07/28 16:40
:N901iC
:lVLMhbPg
#106 [あんみつ]
素直に嬉しかった。
告白なんてされたのは生まれて初めてで、自分の事を見てくれる人がちゃんといるって、実感できたみたいで、嬉しかった。
『俺は、ねこちゃんの事が好きだ』
『・・・好きなんです』
不覚にも私は、洋平君とあの子の姿を重ねてしまった。
:07/07/28 16:49
:N901iC
:lVLMhbPg
#107 [あんみつ]
(・・・健二、何て答えたんだろ・・・付き合っちゃうのかな・・・)
私はベットに転がって天井を見た。
目から涙がつたい、布団に吸い込まれる。
『・・・もう、健二のために泣くなよ』
泣きながらも、洋平君の想いに少し救われてる自分がいるのを、私は否定できなかった。
:07/07/28 16:51
:N901iC
:lVLMhbPg
#108 [あんみつ]
――――――――
次の日は雨だった。
静かに降り注ぐ雨の音が、町を埋め尽くす。
私は健二を待たずに、重い足で学校に向かう。
真実を知るのが怖かった。
私が変わっても、健二は変わらないって、信じていたかった。
その内、顔を合わす事になるのは分かってた。
けど私は、少しでもそれを先延ばしにしたかったんだ。
:07/07/28 19:40
:N901iC
:lVLMhbPg
#109 [あんみつ]
――――――――
「・・・ねこ」
「あ、奈津美おは」
言い終わる前に、私は奈津美に手を引っ張られた。
私は黙ってついて行く。
階段を上がって、着いたのは屋上。
昨日の洋平君の暖かい手が思い出される。
雨が降る朝の屋上には、誰もいなかった。
:07/07/28 20:33
:N901iC
:lVLMhbPg
#110 [あんみつ]
「また、そんな目して・・・。学校休めば良かったのに」
ドアの所にある屋根の下で、奈津美は手を離した。
屋根から落ちた大きな水滴が、足元に水を散らした。
「だって・・・私、皆勤賞狙ってるし」
皆勤賞を狙ってるのは本当。
私の言葉に、奈津美は少し微笑んだ。
「話したくなったら、話してね。たいした事言えないけど、聞くならできるから」
「・・・うん」
:07/07/28 20:35
:N901iC
:lVLMhbPg
#111 [あんみつ]
まだ、奈津美に話す訳にはいかない。
自分の中で、何もまとまっていない。
幼なじみに戻れないと分かって、自分がこれからどうしたいのか。
どうするべきなのか。
「・・・教室戻ろっか」
私がまだ話さないと分かったのか、奈津美が言った。「・・・うん」
(ありがと、奈津美)
私のペースを守ってくれる奈津美の優しさが、有り難かった。
:07/07/28 20:37
:N901iC
:lVLMhbPg
#112 [あんみつ]
――――――――
「1時間目何だっけ??」
教室に戻る途中、廊下を歩きながら、奈津美が聞いた。
「んーと・・・英語!!」
「あー。また、眠いやつか」
「ははっ!!・・・あ」
(・・・健二だ)
廊下の向こう側から、友達と話しながら、健二が歩いてくる。
今来たところらしく、手にはかばんを持っている。
まだ、私には気付いていない。
:07/07/28 20:40
:N901iC
:lVLMhbPg
#113 [あんみつ]
奈津美が心配そうに私を見る。
距離がだんだん縮まってゆく。
(どうしよう・・・私、こんな目・・・)
その時、健二が前を向いて、私と目が合った。
何か言おうと口を開く。
(・・・やばっ!!)
私は思わず、下を向いてしまった。
(あ・・・私、思いっきり・・・)
後悔しても遅い。
私は、固まって顔を上げる事ができなかった。
下を向いたまま健二とすれ違う。
・・・健二は何も言ってこなかった。
:07/07/28 20:42
:N901iC
:lVLMhbPg
#114 [あんみつ]
「あれ??お前の幼なじみじゃねーの??」
「あー、・・・別にいいよ」
後ろから聞こえた健二の声は、怒っているのか、悲しんでいるのか、気にしていないのか、よく分からなかった。
角を曲がって、私は立ち止まった。
「・・・ねこ」
奈津美が私の顔を覗き込む。
:07/07/28 20:44
:N901iC
:lVLMhbPg
#115 [あんみつ]
私、思いっきり目逸らしちゃった・・・。
健二は、私に避けられたと思ったかもしれない。
いつもと違う私に、気付いたかもしれない。
健二は、私に話し掛けてこなくなるかもしれない。
健二まで、変わってしまうかもしれない・・・。
その日、私は学校が終わるとすぐに帰った。
健二に避けられるのが怖くて。
私は、先に自分から避けた。
:07/07/28 20:46
:N901iC
:lVLMhbPg
#116 [あんみつ]
――――――――
健二、・・・ごめんね。
私、もう健二を、ただの「幼なじみ」として見れないよ。
ずっと一緒にいたいけど、健二にとって私がただの「幼なじみ」なら、私のこの気持ちは、邪魔なだけだよね。
:07/07/28 20:47
:N901iC
:lVLMhbPg
#117 [あんみつ]
ねぇ、健二。
お願いだから、私が変わっても、健二は変わらないで。
私が幼なじみに戻れないなら、健二が変わらないでいてくれる事が、一緒にいられる手段なの。
私の気持ちを口に出せなくても、健二が変わらないでいてくれる事が、私にとっては救いなの。
:07/07/28 20:49
:N901iC
:lVLMhbPg
#118 [あんみつ]
『健二が変わりませんように』
流れ星に願いをかけたかったけど、雨の降る、雲に覆われた夜空に、星なんか見えるはずがなかった。
:07/07/28 20:50
:N901iC
:lVLMhbPg
#119 [あんみつ]
今日は以上にします

更新遅くてすみません


良かったら読んでみて下さぃ

:07/07/28 20:53
:N901iC
:lVLMhbPg
#120 [あや]
:07/07/29 22:21
:SH903i
:H8kOEf0g
#121 [あんみつ]
:07/07/30 07:35
:N901iC
:AL91VBkk
#122 [あや]
いえいえ


ニマ

行き当たりばったりぐらいが調子いいよ

笑
:07/07/30 21:07
:SH903i
:GZeEirEA
#123 [あや]
あげ


:07/08/03 15:45
:SH903i
:HDD902tA
#124 [あんみつ]
:07/08/03 18:36
:N901iC
:8vLPYpHI
#125 [あんみつ]
06、嘘
きっと、すべての原因は、私の心の弱さだったんだ。
:07/08/03 18:37
:N901iC
:8vLPYpHI
#126 [あんみつ]
――――――――
ミーンミーンミー・・・
「・・・あっつ」
夏だ。
蝉がうるさい。
床の仰向けになっていた部分が熱くなったので、私は転がって少し移動した。
健二を避けて帰ってしまった次の日は、土曜日だった。
話さない時間が増える事が、今の私にとって、いい事ではないのは分かっていた。
けど、健二に、何と言って、どんな顔をして話し掛けたらいいのかも、分からなかった。
:07/08/03 18:39
:N901iC
:8vLPYpHI
#127 [あんみつ]
(・・・私から話し掛けなきゃダメなんだよね)
今日は日曜日。
昨日は結局、何も行動に移せなかった。
私は立ち上がって、窓から健二の家を見た。
(健二、出かけてるんだ・・・)
いつもの場所に、健二のシルバーの自転車はなかった。
どこからか、子供の笑い声が聞こえる。
:07/08/03 18:41
:N901iC
:8vLPYpHI
#128 [あんみつ]
(・・・このままじゃダメだ)
このままだと、考えすぎて、気持ちばかりが参ってしまう。
(ちょっと・・・気分変えなきゃ)
そう思い、私は目的もなく家を出た。
:07/08/03 18:42
:N901iC
:8vLPYpHI
#129 [あんみつ]
――――――――
電車に乗って2駅。
私は1人で街を歩いていた。
街で遊ぶ時は、いつも奈津美や他の友達、それに・・・健二、誰かが一緒だったから、何だか慣れない。
店に入って、服などを眺めていても、落ち着かなくてすぐ出てしまう。
「・・・はぁー」
私は、駅前の広場のベンチに腰掛けた。
:07/08/03 18:44
:N901iC
:8vLPYpHI
#130 [あんみつ]
私、こんなんじゃなかった。
前はこんなに悩まずに、すぐ行動できてた。
いつからこんなになったんだろ。
怖がって、悩んでばっかりで、自分から一個も動けない。
・・・いや、違う。
私、健二の事に関しては、前からこうだった。
健二が私の中で、ただの幼なじみじゃなくなってから、ずっと。
:07/08/03 18:45
:N901iC
:8vLPYpHI
#131 [あんみつ]
時計を見ると、もう5時前だった。
(・・・帰ろっかな)
私は、立ち上がって前を見た。
「・・・えっ」
瞬間、目を疑った。
向こうの方を、笑いながら歩く健二。
その隣には・・・あの子がいた。
私は、その場に立ちすくんで動けなかった。
私服姿の2人は、ただの先輩と後輩には見えない。
幸いにも、2人は私に気付かないまま、私がいる方とは逆の方向に歩いて行った。
2人の姿は、駅の改札へと消えた。
:07/08/03 18:47
:N901iC
:8vLPYpHI
#132 [あんみつ]
――――――――
多分、心のどこかで、こんな日が来るの分かってた。
私なんかより、確実に前へ進んでたのは、あの子。
分かってた、・・・分かってる。
地元の駅から、家までの道。
私は必死で自分に言い聞かせる。
私は、2人が改札に入って行った、しばらく後に電車に乗った。
間近で2人の姿を見るのだけは、どうしても避けたかった。
:07/08/03 18:48
:N901iC
:8vLPYpHI
#133 [あんみつ]
2人は、きっと付き合い始めたんだ。
そうだよ。
あの子、あんなに頑張ってたもん。
私は、今度健二に会ったら、「おめでとう」って。
笑いながら、「何で言ってくれなかったのー!!」とかって。
それで・・・終わりにする。
上辺だけでも「幼なじみ」に戻る。
もう、悩まない、迷わない、泣かない。
私は、好きな人の幸せを祈る。
前を向くんだ。
:07/08/03 18:50
:N901iC
:8vLPYpHI
#134 [あんみつ]
時間はかかるかもしれないけど、健二を好きな気持ちは変わらないけど、きっと、健二以上に好きになれる人に出会える。
恋人として思えなくても、特別な幼なじみとして思おう。
幸せを祈ろう。
それが当たり前になる日が、きっと来る。
私は唇を噛み締めた。
(・・・泣くもんか)
喉の辺りが熱くなってくる。
私は、唾を飲み込んで、思い切り深呼吸した。
:07/08/03 18:52
:N901iC
:8vLPYpHI
#135 [あんみつ]
曲がり角を曲がると、私の家の前に健二の姿が見えた。
(・・・何で)
私は止まりそうになる足を、必死で動かした。
ここで逃げたらダメだ。
「幼なじみ」に戻るんだ。
笑顔で「おめでとう」って。
それと、・・・「この前は無視してごめん」。
それで元通りだ。
:07/08/03 18:55
:N901iC
:8vLPYpHI
#136 [あんみつ]
「・・・よっ」
健二が、私に気付いて手を上げた。
「・・・よっ」
私も軽く手を上げる。
そして、健二と向かい合って止まった。
「・・・どこ行ってたん??」
健二が聞いてきた。
「んー・・・ちょっとフラフラとね」
「・・・1人で??」
「あーうん」
「ははっ!!淋しいやつー」
そう言って、健二は笑った。
:07/08/03 18:57
:N901iC
:8vLPYpHI
#137 [あんみつ]
(よし・・・聞こう)
「ほっといてよー!!・・・健二は??どっか行ってたんでしょ??」
・・・大丈夫、言える。
笑顔で「おめでとう」。
健二、良かったね。
:07/08/03 18:58
:N901iC
:8vLPYpHI
#138 [あんみつ]
「俺は・・・洋平と街行ってた」
私は、唾と一緒に、言おうとしていた言葉を飲み込んだ。
(え・・・何で)
「・・・嘘つくの??」
思わず口に出してしまった。
「・・・え??」
健二が、驚いた顔で私を見る。
私は、慌てて口を押さえた。
が、もう遅かった。
:07/08/03 19:00
:N901iC
:8vLPYpHI
#139 [あんみつ]
「は??嘘って??」
健二の声色が変わった。
(何で・・・言ってくれないの)
私、「おめでとう」って言うんだよ??
なのに・・・何で教えてくれないの??
何で言わせてくれないの??
私は健二の目を見た。
けど、健二の目からは、焦りも怒りも感じられなかった。
:07/08/03 19:01
:N901iC
:8vLPYpHI
#140 [あんみつ]
「・・・街で、見たの。健二が佐古さんといるところ」
たまらなくなった私は、一気に言った。
健二は、少し目を見開いた。
「・・・知ってて、聞いたの??」
健二の目がきつくなって、私は思わず目をそらした。
「だって・・・健二は教えてくれると思ったから!!なのに・・・何で嘘つくの??」
私は、地面を見つめながら言った。
:07/08/03 19:03
:N901iC
:8vLPYpHI
#141 [あんみつ]
「・・・ねこには関係ねーじゃん」
健二は、冷たく言い放った。
(・・・関係ないって)
「何・・・それ」
声が震える。
私は、涙がこぼれそうになるのを必死で堪えていた。
「お前だって・・・俺に何も言わねーだろ!!俺のこと避けて・・・訳わかんねー。俺、何かしたかよ!!」
健二が声を荒げた。
:07/08/03 19:05
:N901iC
:8vLPYpHI
#142 [あんみつ]
(そんなの・・・言える訳ないじゃん)
健二が、好きなんだよ??
(・・・ダメ・・・もう限界)
「健二には・・・関係ない!!」
健二の顔を見ないまま言って、私は家に駆け込んだ。
「奈子ー??」
お母さんに呼ばれたけど、私は答えずに、階段を駆け上がった。
部屋に入って、ドアを勢いよく閉め、私はその場に力なく座り込んだ。
「うっ・・・ひっく」
泣かないって決めたのに、涙が出てきた。
止められなかった。
:07/08/03 19:07
:N901iC
:8vLPYpHI
#143 [あんみつ]
――――――――
何で、あんな事言っちゃったの??
何で、こんなになっちゃったの??
私、どこで間違えたの??
私は、幼なじみという立場すら無くしてしまった。
変わってしまった。
私も、・・・健二も。
言いたい事も言えない、聞きたい事も聞けない。
健二・・・。
「幼なじみ」じゃなくなったら、私達、どうなっちゃうの??
:07/08/03 19:10
:N901iC
:8vLPYpHI
#144 [あんみつ]
:07/08/03 19:11
:N901iC
:8vLPYpHI
#145 [あや]
:07/08/04 00:15
:SH903i
:gu8.gs1Y
#146 [はじめまして]
最初から全部読ましてもらいました

マジ、切ないですね


続きが、かなり気になります

頑張って下さい

:07/08/04 03:55
:SH903i
:RzpEI1X2
#147 [あんみつ]
:07/08/04 13:08
:N901iC
:S8cl37Uw
#148 [いちご]
とても読みやすくて
はまりました★
応援しているので
頑張って下さいね


:07/08/04 15:08
:D902i
:3am.EuV6
#149 [あんみつ]
:07/08/04 20:25
:N901iC
:S8cl37Uw
#150 [(・ω・)]
この話スゴク引き込まれます。
応援してるんで、主さんのペースでの更新を期待してます(・ω・)
:07/08/07 18:06
:SO903i
:JT158WHQ
#151 [あんみつ]
(・ω・)さん


そう言ってもらぇると嬉しぃです(

´∀`圉)

ぁりがとうござぃます


更新遅すぎですみません(´;ω;`)
出来る時にまとめてするつもりです


:07/08/08 17:30
:N901iC
:hQ.FOuTY
#152 [あんみつ]
07、別々の道
時間を戻せたらいいのに。
そんな事できないと分かっていても、思わずにはいられない。
けど、いつまで時間をさかのぼれば、いつからやり直せば、私達は元に戻れるのかな・・・。
私達、これからどうなっちゃうのかな・・・??
:07/08/09 07:58
:N901iC
:a0neEoZA
#153 [あんみつ]
――――――――
あれから、健二と話さない日々は、着実に過ぎていった。
学校ですれ違っても、声も掛けない、目も合わせない。
・・・私が、壊したんだ。
:07/08/09 08:00
:N901iC
:a0neEoZA
#154 [あんみつ]
「・・・や、根宮!!」
「は、はいっ!?」
目を開けると、先生が私の前に立っていた。
周りを見ると、クラスの人達が私を見ている。
「・・・大掃除の分担、根宮は3班だな。どこだ??」
私は慌てて黒板を見た。
掃除の分担表が書いてある。
(えーと、3班は・・・)
「化学室、です」
「の、予定だったが・・・」
そう言って、先生はニヤリと笑った。
:07/08/09 08:02
:N901iC
:a0neEoZA
#155 [あんみつ]
「・・・何ですか??」
「根宮は、裏庭で花壇の水やりな」
「えー!!」
私の声をよそに、先生はさっさと教卓に戻って、明日の終業式の予定を説明し始めた。
(・・・あーあ)
抵抗は無駄だと悟った私は、机の上にうなだれる。
斜め前の席の奈津美が、小声で「ドンマイ」と言ってくれた。
:07/08/09 08:04
:N901iC
:a0neEoZA
#156 [あんみつ]
――――――――
ガラッ
「失礼しましたー」
職員室でジョウロを借りた私は、重い足取りで裏庭に向かった。
太陽が照りつける裏庭は、午前中とは言っても、立ってるだけで汗が出てくる。
(暑い・・・早く済ませよ)
私はジョウロに水をくんで、花壇の1番端から水やりを始めた。
色とりどりの花や、葉についた水滴が、キラキラして綺麗。
:07/08/09 08:06
:N901iC
:a0neEoZA
#157 [あんみつ]
「あっつ・・・」
私は前を向いて、手の甲で額の汗を拭った。
(・・・あっ)
健二だ。
渡り廊下を健二が歩いて行く。
私に気付いているのかいないのか、こっちを見ようとしない。
(声掛けたら・・・返事してくれるかな)
そう思うだけで、言葉はでない。
(・・・どうしたいんだろ、私)
私は再び水やりを始めた。
:07/08/09 08:09
:N901iC
:a0neEoZA
#158 [あんみつ]
(・・・??)
バッ!!
誰かに見られている気がして、振り向いた。
けど、相変わらず健二は前を向いて歩いてて、そのまま校舎に吸い込まれて行った。
(・・・気のせい、か)
暑くて、顔がほてってきた。
汗が首筋をつたう。
私はふと目を閉じた。
:07/08/09 08:11
:N901iC
:a0neEoZA
#159 [あんみつ]
『これやるよ、たこ』
パピコを差し出す健二の笑顔が、瞼の裏に映し出される。
『ねこ!!』
私を呼ぶ健二の声が、頭の中によみがえる。
:07/08/09 08:12
:N901iC
:a0neEoZA
#160 [あんみつ]
戻りたい、戻りたいよ。
「幼なじみ」に戻りたい。
特別になれなくても、健二は私の事、大切に思ってくれてる。
・・・そう思ってた。
けど、そうじゃないのかな??
健二は、戻りたくないのかな??
「特別」なあの子がいたら、「幼なじみ」の私はいらないの・・・??
:07/08/09 08:14
:N901iC
:a0neEoZA
#161 [あんみつ]
胸が痛い。
のどの奥が熱くなる。
私は左右に頭を振った。
そして再び、水やりに没頭する。
(・・・あと少し)
長かった花壇も、やっと終わりが見えてきた。
「・・・よし、終了!!」
私は、ジョウロを持ったまま両手を広げた。
ボコッ!!
「・・・ん??」
何かにあたった感触。
私は、恐る恐る後ろを振り向いた。
:07/08/09 08:17
:N901iC
:a0neEoZA
#162 [あんみつ]
「・・・おつかれ」
「わっ洋平君!!」
後ろには、ごみ箱を片手に洋平君が立っていた。
ジョウロについていた土で、洋平君のカッターシャツの胸の辺りが、少し汚れている。
「あっごめん!!ごめ・・・ん」
慌てて手で払って、上を見ると、洋平君と目が合った。
顔が近い。
(う・・・わ・・・私、何を)
「あ、本当・・・ごめんね」
私は下を向いて、洋平君から離れた。
:07/08/09 08:19
:N901iC
:a0neEoZA
#163 [あんみつ]
「う、うん」
ぎこちない空気が、私と洋平君の間を流れる。
相手が自分に好意を持っていると分かると、何だかこそばいい。
そっと視線を上げると、洋平君がほんのり赤くなっている気がした。
(何か・・・照れるかも)
よく考えると、こうして2人で向かい合うのは、あの日以来だ。
何度か廊下ですれ違っても、挨拶をする程度だった。
しかも、洋平君と一緒に健二がいない時だけ。
:07/08/09 08:21
:N901iC
:a0neEoZA
#164 [あんみつ]
私、健二の事でいっぱいで、洋平君の事、真剣に考えれてないよ。
洋平君は、余裕ができたらでいいって言ってくれたけど・・・。
このままでいいのかな。
私、ちゃんと考えれるのかな。
待たせてていいのかな??
:07/08/09 08:22
:N901iC
:a0neEoZA
#165 [あんみつ]
「「あの!!」」
私達は、同時に口を開いた。
「・・・あのさ、ちょっと話さない??ジュース買って。俺もこれで掃除終わりだし・・・」
私が戸惑っていると、洋平君が日陰にあるベンチを指差して言った。
時計を見ると、まだ大掃除終了の20分前だった。
黙々とやっていたら、意外と早く済んでしまったらしい。
「・・・うん」
断る理由が見つからなかった。
:07/08/09 08:24
:N901iC
:a0neEoZA
#166 [あんみつ]
―――――――
プシッ
「はい」
洋平君は缶ジュースを開けてから、私に手渡した。
「ありがと」
冷たいオレンジジュースが、乾いたのどを通り、潤っていく感じが気持ちいい。
私は一気に半分ほど飲んで、前を向いた。
「洋平君、私・・・」
:07/08/09 08:27
:N901iC
:a0neEoZA
#167 [あんみつ]
ごめんなさい。
私、健二の事大切なの。
大好きなの。
ずっと一緒にいたい。
だから・・・
『・・・ねこには関係ねーじゃん』
冷たく言い放った健二の声がよみがえる。
楽しそうに2人で歩く健二とあの子の姿が、頭をよぎる。
:07/08/09 08:29
:N901iC
:a0neEoZA
#168 [あんみつ]
私は口をつぐんだ。
洋平君は、黙って私の言葉を待っている。
(だから・・・)
「洋平君の事・・・ちゃんと考える」
「・・・え??」
洋平君が、驚いたように私を見た。
私も洋平君を見る。
:07/08/09 08:31
:N901iC
:a0neEoZA
#169 [あんみつ]
「考えるから・・・だから・・・」
(・・・待ってて)
「分かった、待ってる」
洋平君の言葉に、今度は私が驚いた。
洋平君はそんな私を見て、ふっと笑った。
本当に優しい笑顔。
それにつられて私も笑う。
:07/08/09 08:32
:N901iC
:a0neEoZA
#170 [あんみつ]
――――――――
洋平君といると、安心できる。
焦ったり、泣いたりもしなくていい。
本気で、洋平君の事だけを考えてみよう。
前を向かなきゃ。
:07/08/09 08:34
:N901iC
:a0neEoZA
#171 [あんみつ]
進む道が別々でも、お互い幸せであれば、健二以上に大切に思える人ができれば、きっと元に戻れるよ。
お互いの幸せを、笑って話せるよ。
幸せを祈れるよ。
時間は戻らない。
だから・・・
前を、向くんだ。
:07/08/09 08:36
:N901iC
:a0neEoZA
#172 [あんみつ]
:07/08/09 08:39
:N901iC
:a0neEoZA
#173 [我輩は匿名である]
続きが気になりすぎる

:07/08/09 21:24
:SH702iD
:hhFX4zRE
#174 [あんみつ]
:07/08/10 15:09
:N901iC
:VUXEcue.
#175 [あや]
:07/08/10 23:22
:SH903i
:hbcUn27w
#176 [あんみつ]
:07/08/11 14:01
:N901iC
:xEc9i2Fg
#177 [あんみつ]
08、正しい選択
『あ、健二の幼なじみ・・・だっけ??』
『うん、健二いる??』
洋平君と初めて話したのは、多分この時。
高1の夏。
あれから、約1年。
友達の幼なじみと、幼なじみの友達の関係は、遠くもなく、近くもなかった。
:07/08/14 11:31
:N901iC
:ygQ9hxEg
#178 [あんみつ]
『ねこちゃん!!』
『あいつ・・・健二、呼ばなくて良かったの??』
『ねこちゃんに泣いてほしくないんだ』
洋平君の言葉が、顔が、頭に浮かんでは、私の胸に温かい何かを残して、消えていく。
『俺は、ねこちゃんが好きだ』
:07/08/14 11:33
:N901iC
:ygQ9hxEg
#179 [あんみつ]
洋平君は、温かい。
あの時も、あの時も、きっと私の事、心配してくれてたんだ。
考えても、嫌いな所なんて、1つもない。
けど・・・
『ねこ!!』
・・・私の中では、まだ健二が大きすぎるよ。
私は、洋平君の事、健二以上に好きになれるのかな。
・・・なりたいな。
:07/08/14 11:35
:N901iC
:ygQ9hxEg
#180 [あんみつ]
――――――――
「・・・えー、夏休みに入りますがー」
(・・・長い)
校長先生が話し始めて、ただ今6分経過。
(・・・けど、夏休み、か)
夏休みと言っても、いちおう進学校であるうちの高校は、8月23日から全員参加の補習が始まる。
今日が7月30日だから、夏休みは実質約3週間。
(・・・3週間)
去年は短く感じた夏休みが、今年はやけに長いものに感じた。
:07/08/14 11:36
:N901iC
:ygQ9hxEg
#181 [あんみつ]
このまま夏休みに入ったら、どうなるんだろう。
こんな状態になって、初めて気付いた。
健二とは家が近くても、会おうと思わなければ、本当に会わずに済んでしまう。
3週間、ずっとこのままなのかな。
:07/08/14 11:38
:N901iC
:ygQ9hxEg
#182 [あんみつ]
(・・・佐古さんとは会ったりするんだろうな)
私は、体育館の時計を見ながら考える。
洋平君とは??
夏休みに入ったら、会う事ないのかな。
だったら、言うなら・・・今日。
・・・言っても、いいんだよね。
:07/08/14 11:39
:N901iC
:ygQ9hxEg
#183 [あんみつ]
――――――――
放課後、私は2組に向かった。
洋平君のクラス、・・・健二のクラス。
2組に行くのは、あの日以来だ。
あの子の、健二への告白を見た日。
私の足は、2組の手前の曲がり角で止まった。
(・・・健二は、もう帰ったかな)
:07/08/14 11:41
:N901iC
:ygQ9hxEg
#184 [あんみつ]
今会っても、何て言えばいいのか分からない。
また、避けてしまうと思う。
仲直りするどころか、また溝が深くなるかもしれない。
(・・・健二に会いにきた訳じゃないのに)
私は、曲がり角の向こうを見る事ができない。
:07/08/14 11:42
:N901iC
:ygQ9hxEg
#185 [あんみつ]
(・・・下駄箱で待っとこうかな)
「・・・あ」
思わず、声が出てしまった。
私が、Uターンすると、そこには佐古さんの姿があった。
佐古さんも私に気付いたみたいだ。
「あ・・・こんにちは」
佐古さんは、それだけ言って頭を軽く下げた。
私も、慌てて頭を下げる。
私の横を通って、佐古さんは曲がり角を曲がって行った。
:07/08/14 11:44
:N901iC
:ygQ9hxEg
#186 [あんみつ]
何だか気が抜けた。
もっと、何か言われると思った。
けど・・・そっか。
きっと、もう私なんか関係ないんだ。
私は少しの間、曲がり角を見つめていた。
(・・・多分、佐古さんは健二に・・・)
ゆっくりと重い足を動かして、私は2組の前を見た。
:07/08/14 11:46
:N901iC
:ygQ9hxEg
#187 [あんみつ]
(・・・やっぱり)
佐古さんと健二は、2人で廊下の壁にもたれて話している。
こっちからじゃ健二の顔は見えないけど、佐古さんは満面の笑みを浮かべている。
私は再びUターンして、階段を下り始めた。
きっと、前まで佐古さんの場所には、私がいた。
健二の隣は、私の場所だった。
けど・・・もう、私じゃない。
佐古さんの場所だ。
:07/08/14 11:47
:N901iC
:ygQ9hxEg
#188 [あんみつ]
慣れなきゃ。
これから先も、2人のあんな姿を見る事になる。
早く、早く。
早く・・・慣れなきゃ。
「・・・はぁ」
私は下駄箱にもたれて、ため息をついた。
洋平君は、まだ来ない。
そう言えば、健二は洋平君の気持ち知ってるのかな。
洋平君は、私と健二の事知ってるのかな。
・・・知ってるよね、友達だもん。
:07/08/14 11:49
:N901iC
:ygQ9hxEg
#189 [あんみつ]
そんな事を考えていると、「友達」の所で奈津美の顔が浮かんだ。
(・・・奈津美にも、話さなきゃな)
奈津美は、深く聞かないでいてくれる。
けど、私の事を心配してくれているのは、すごく伝わってくる。
洋平君に言ったら、その後、奈津美にもちゃんと話そう。
:07/08/14 11:51
:N901iC
:ygQ9hxEg
#190 [あんみつ]
「ねこちゃん??」
はっとして横を見ると、洋平君がいた。
「洋平君・・・」
「どしたの??」
「・・・ちょっと、洋平君に・・・話があって」
私が言うと、洋平君は少し驚いた顔をした。
けど、すぐに笑顔になった。
「分かった。じゃあ、歩きながらでいい??家まで送る」
「・・・うん」
:07/08/14 11:53
:N901iC
:ygQ9hxEg
#191 [あんみつ]
優しい人。
強い人。
好きな人に「好き」って言って、はっきりしない私なんかに、今までと変わらず優しくしてくれる。
私には、絶対にできないや。
洋平君みたいになれたら、少しは何か、変わってたのかな。
:07/08/14 11:55
:N901iC
:ygQ9hxEg
#192 [あんみつ]
――――――――
真夏の太陽が、肌をジリジリと照りつける。
「あっちーねー」
「だねー」
洋平君は、徒歩の私に合わせて、自転車を押して歩く。
(・・・前の事、思い出すな)
:07/08/14 11:57
:N901iC
:ygQ9hxEg
#193 [あんみつ]
佐古さんの告白を見た日。
あの時も、泣いた私をこんな風に、送ってくれた。
それで私に・・・真剣に気持ちをぶつけてくれた。
だから、私も真剣に返したい。
上手く言えないかもしれないけど、せめて、正直に。
:07/08/14 11:59
:N901iC
:ygQ9hxEg
#194 [あんみつ]
「・・・洋平君!!」
私は、立ち止まって言った。
洋平君も、足を止める。
私は顔を上げて、洋平君の目を見た。
「・・・ねこちゃん」
私より先に、洋平君が口を開いた。
「健二の事、・・・まだ想っててもいい。俺はその想いごと、ねこちゃんを大事にしていける」
:07/08/14 12:27
:N901iC
:ygQ9hxEg
#195 [あんみつ]
洋平君は、1度目を閉じて、開いた。
「時間はかかるかもしれないけど、ねこちゃんの中で、俺の存在が健二を越えてみせるよ」
洋平君は私の目を見て、黙って私の言葉を待っている。
洋平君の真剣な目を見たら、嬉しくて、のどが熱くなった。
:07/08/14 12:29
:N901iC
:ygQ9hxEg
#196 [あんみつ]
「私・・・」
次の言葉を、なかなか出せない。
私は、1度大きく息を吐いて、また吸った。
「私・・・洋平君の事、好きになりたいの」
洋平君は、目を丸くして私を見る。
「だから・・・もっと洋平君の事、知りたいの」
洋平君は、私を見つめる。
:07/08/14 12:31
:N901iC
:ygQ9hxEg
#197 [あんみつ]
「それは、前向きに考えてくれる・・・って事??」
洋平君の言葉に、私は頷いた。
それを見て、洋平君はパッと笑顔になった。
「じゃあ、知ってもらえるように頑張るよ!!」
(・・・頑張るのは、私だよ)
「ありがと、洋平君」
:07/08/14 12:33
:N901iC
:ygQ9hxEg
#198 [あんみつ]
――――――――
私は、ずるい。
洋平君を好きになって、健二を忘れるんじゃなくて、健二を忘れるために、洋平君を好きになろうとしてる。
嬉しかった。
洋平君の言葉が。
私は、甘えてしまった。
健二への想いごと、私を受け入れてくれる、洋平君の優しさに。
:07/08/14 12:34
:N901iC
:ygQ9hxEg
#199 [あんみつ]
けど、そんな洋平君の事、好きになれたら幸せだろうなって、思ったんだ。
もっと知れば、好きになれるって、思ったんだ。
私のこの選択が、正しいのかどうか、分からない。
けど、私は、進むために必死だった。
前を向こうと、必死だったんだ。
:07/08/14 12:36
:N901iC
:ygQ9hxEg
#200 [あんみつ]
:07/08/14 12:53
:N901iC
:ygQ9hxEg
#201 [あんみつ]
:07/08/14 13:05
:N901iC
:ygQ9hxEg
#202 [我輩は匿名である]
:07/08/14 13:09
:N903i
:kKpIHO.w
#203 [あんみつ]
匿名さん


ん(゜∀。?)
よかったら読んでみて下さぃね


:07/08/15 06:15
:N901iC
:x81TabjI
#204 [あんみつ]
09、友達
――――――――

7/31 19:27
To 木原奈津美
Sub 無題
明日、暇??
話したい事あるよ。
――――――――
――――――――

7/31 19:35
From 木原奈津美
Sub Re:
暇だよー☆
じゃあ、うちにでも来る??
――――――――
:07/08/17 08:32
:N901iC
:3H5O1myQ
#205 [あんみつ]
――――――――

7/31 19:42
To 木原奈津美
Sub Re:Re:
そうするー!!
何時頃行けばいい??
――――――――
――――――――

7/31 19:45
From 木原奈津美
Sub Re2:Re:
いつでもいいよ。
来る前にメールしてね!!
――――――――
:07/08/17 08:34
:N901iC
:3H5O1myQ
#206 [あんみつ]
カチカチッ
「りょうかい・・・っと」
メールを送信して、私はベットに寝転がった。
奈津美に、全部話そう。
話したい、聞いてほしい。
健二の事も、あの子の事も、洋平君の事も。
私の気持ちも。
けど、上手く言葉にできるかな。
ピピーピーピー♪
携帯が鳴った。
私は、ベット脇の机の上に置いていた携帯を、寝たまま手を伸ばして取った。
:07/08/17 08:36
:N901iC
:3H5O1myQ
#207 [あんみつ]
――――――――

7/31 19:53
From 田村洋平
Sub Re:Re2:Re2:Re2:Re:
ねこちゃんって、猫飼ってんだ(笑)
今度、写メ見して!!
俺ん家は犬飼ってるよ。
――――――――
昨日、あれから洋平君とは、たわいもないメールのやり取りが続いている。
少しずつでも、知っていこうと思って。
:07/08/17 08:37
:N901iC
:3H5O1myQ
#208 [あんみつ]
――――――――

7/31 19:58
To 田村洋平
Sub Re2:Re2:Re2:Re2:Re:
いいよー☆
洋平君も、犬見してね!!
――――――――
今は、こんな何気ないメールのやり取りでも、何だか新鮮で、楽しい。
相手の事を知っていけるのが、何だか嬉しい。
・・・私、進めてるよね。
:07/08/17 08:38
:N901iC
:3H5O1myQ
#209 [あんみつ]
――――――――
ピーンポーン
お昼過ぎ、私は、奈津美の家のチャイムを鳴らした。
ガチャッ
ドアが開いて、奈津美が顔を出した。
「いらっしゃい!!入って入って」
そう言って、私を手招きする。
「おじゃましまーす!!」
私は玄関に入って、サンダルを脱いだ。
「飲み物持ってくから、先部屋行ってて」
「分かったー」
:07/08/17 08:40
:N901iC
:3H5O1myQ
#210 [あんみつ]
階段を上がっていって、奈津美の部屋のドアを開ける。
ぬいぐるみがいっぱい飾ってあって、女の子って感じの可愛らしい部屋。
(・・・何か久しぶりかも)
部屋を見渡していると、棚に飾ってある写真立てが目についた。
(あ・・・これ)
飾ってある写真は、1年の文化祭の時に撮った、奈津美と私が一緒に映っているやつ。
:07/08/17 08:41
:N901iC
:3H5O1myQ
#211 [あんみつ]
「おまたせー。オレンジジュースでいい??」
奈津美が、両手にオレンジジュースを持って入ってきた。
「うん、ありがと」
部屋の真ん中の丸テーブルに、奈津美と向かい合って座る。
私は、ジュースを1口飲んだ。
:07/08/17 08:43
:N901iC
:3H5O1myQ
#212 [あんみつ]
「何か、ねこがうち来るの久しぶりじゃない??」
奈津美も1口飲んで、言った。
「そう、私もさっき思った」
(前来たときは、写真飾ってなかったし)
私は、横目であの写真を見た。
自分と映っている写真が飾られているのは、少し照れ臭いけど、すごく嬉しい。
:07/08/17 08:44
:N901iC
:3H5O1myQ
#213 [あんみつ]
時間が経って、だいぶ暑さも落ち着いてきた。
奈津美は、自分からは話を切り出そうとしない。
私が、話し始めるのを待ってるんだ。
「・・・奈津美」
私は、ジュースを置いて口を開いた。
「うん??」
奈津美が、私の顔を見る。
:07/08/17 08:46
:N901iC
:3H5O1myQ
#214 [あんみつ]
「私、健二の事・・・」
私は、テーブルに置いた自分の手を見ながら続ける。
「・・・もうどうにもならないの。私、健二と喧嘩しちゃったし。健二は、佐古さんと付き合ってるし」
「うん・・・」
健二が佐古さんと一緒にいるのを、見た事があるのだろう。
奈津美は驚かなかった。
私はそこで、ジュースを飲んだ。
:07/08/17 08:48
:N901iC
:3H5O1myQ
#215 [あんみつ]
「・・・私・・・洋平君に告白されたの」
そして、一息ついた後に言った。
「・・・え??」
奈津美が、驚きの声を出す。
「・・・前に進みたいの。洋平君の事、好きになりたいの。だから・・・洋平君の事、もっと知りたいって、好きになりたいって。洋平君にもそう言った」
私は、自分の気持ちを言葉にするのに、必死だった。
奈津美は、何も言わない。
:07/08/17 08:49
:N901iC
:3H5O1myQ
#216 [あんみつ]
「健二の事以上に、洋平君の事、好きになれる気がするの。健二とは、・・・普通の幼なじみに戻れたらいいなって思う」
私は、言葉にできる限り、自分の気持ちを話した。
「・・・洋平君と付き合うの??」
私が話し終え、少しの沈黙の後、奈津美がやっと口を開いた。
:07/08/17 08:50
:N901iC
:3H5O1myQ
#217 [あんみつ]
「・・・前向きに考えるって、言ったから」
私の言葉に、奈津美は静かに「そっか」と言って、私の肩を叩いた。
「ねこが決めたなら・・・応援するよ!!」
そう言った奈津美の顔を見ると、笑顔だった。
だけど、どこかいつもと違う笑顔。
「ありがとう」
それを深く気に留めなかった私は、笑顔で言った。
:07/08/17 08:52
:N901iC
:3H5O1myQ
#218 [あんみつ]
――――――――
ピピーピーピー♪
地元の駅から家に帰る途中、メールが来た。
――――――――

8/1 16:28
From 田村洋平
Sub 無題
7日の夜って暇??
よかったら祭り行かない??
できれば2人で。
――――――――
:07/08/17 08:53
:N901iC
:3H5O1myQ
#219 [あんみつ]
7日の夜の祭りと言ったら、多分、高校の近くの川原である花火大会だ。
・・・去年は、健二と行った。
(・・・できれば2人で)
携帯の画面のその7文字が、私の頭に、照れたように笑う洋平君の顔を思い起こさせる。
胸が、小さくキュンと鳴った気がした。
:07/08/17 08:54
:N901iC
:3H5O1myQ
#220 [あんみつ]
カチカチッ
「送信・・・っと」
――――――――

8/1 16:36
To 田村洋平
Sub Re:
行けるよ☆
何時に待ち合わす??
2人でもいいよ。
――――――――
前を見る。
振り返らない。
・・・これでいいんだ。
:07/08/17 08:56
:N901iC
:3H5O1myQ
#221 [あんみつ]
:07/08/17 09:01
:N901iC
:3H5O1myQ
#222 [あんみつ]
10、手と手
「奈子、今日お祭り行くんでしょ??」
お母さんが、庭で水やりをしながら聞いてきた。
「うん、行くけど??」
私は、リビングで漫画を読みながら答える。
「浴衣着なくていいの??」
ページをめくる手が止まった。
「浴衣・・・」
:07/08/23 16:34
:N901iC
:d/x858V.
#223 [あんみつ]
「あんた、去年は着たじゃない」
お母さんは水やりを終えて、今度は草を抜き始めた。
「去年は・・・」
私は、口を閉じた。
(・・・健二と一緒だったから)
:07/08/23 16:36
:N901iC
:d/x858V.
#224 [あんみつ]
「別にいいけど、せっかくあるんだから・・・」
「・・・着る」
「へ??」
呟いた私の言葉を、聞き取れなかったお母さんが聞き返す。
「着て行く!!」
今度ははっきりと言って、私は浴衣を探しに、2階へ駆け上がった。
:07/08/23 16:37
:N901iC
:d/x858V.
#225 [あんみつ]
――――――――
携帯を開くと6時25分だった。
浴衣に手間取って、遅れるかと思って急いできたけど、まだ待ち合わせの5分前だった。
「ふぅー・・・」
私は、学校の校門にもたれた。
前を、祭りに向かう浴衣の人達が通っていく。
:07/08/23 16:41
:N901iC
:d/x858V.
#226 [あんみつ]
『ねこ、歩くの遅せー』
『だって!!下駄とかめったに履かないし』
こんな会話をしながら、去年は、健二とこの道を通った。
何だかんだ文句言いながらも、健二は歩く速度をゆるめてくれた。
時々、振り向いて私を見てくれた。
:07/08/23 16:42
:N901iC
:d/x858V.
#227 [あんみつ]
私は下駄を、カランと鳴らした。
携帯を見ると、丁度29分から30分へと変わった。
「ごめん!!待った??」
それと同時に、洋平君が来た。
「・・・ふ、きゃはは!!」
「えっ、どしたの??」
突然笑いだした私を見て、洋平君が不思議そうに聞く。
:07/08/23 16:43
:N901iC
:d/x858V.
#228 [あんみつ]
「だって!!洋平君、30分なった瞬間に来るんだもん」
私は、携帯の画面を見せた。
「あー、ほんとだ。けど・・・」
洋平君は、自分の携帯を開いて、私に見せる。
「俺のはまだ29分」
洋平君が言った瞬間、30分に変わった。
:07/08/23 16:45
:N901iC
:d/x858V.
#229 [あんみつ]
「「・・・」」
私と洋平君は、顔を見合わせる。
「洋平君、めっちゃ時間通りー!!」
「ははっ!!・・・行こっか??」
洋平君は笑顔で言った。
「うん!!」
私達は、川原に向かって歩き始めた。
:07/08/23 16:46
:N901iC
:d/x858V.
#230 [あんみつ]
「あー・・・と」
歩きながら洋平君が言った。
「ん??どしたの??」
私が聞くと、洋平君はこっちをチラッと見て、また前を向いた。
「えっと・・・浴衣、似合うね」
そう言うと、洋平君は照れ臭そうに、右手で自分の髪をクシャッとした。
:07/08/23 16:47
:N901iC
:d/x858V.
#231 [あんみつ]
そんな洋平君を見ると、私も照れ臭くなって、何だかドキドキする。
「あ、ありがと・・・」
私の言葉に、洋平君は照れたように笑った。
それにつられて、私も笑う。
(・・・あれ??)
何だか歩くのが楽だ。
:07/08/23 16:48
:N901iC
:d/x858V.
#232 [あんみつ]
「俺、今年の祭りこれが初だよ」
「あ、私もー」
洋平君は、ずっと私の隣を歩いている。
(・・・もしかして、歩調合わせてくれてる??)
洋平君と私とじゃ、歩幅が違いすぎる。
意識して歩かなきゃ、並んで歩けるはずがない。
気付いたら、顔がほてっていく気がした。
:07/08/23 16:50
:N901iC
:d/x858V.
#233 [あんみつ]
健二とは、また違う優しさ。
何か、こういうの、いいなって思った。
洋平君とメールをしても、直接話しても、純粋に楽しいと思った。
無理しなくていい、泣かなくていい。
幸せって、こんなのかなって思った。
:07/08/23 16:51
:N901iC
:d/x858V.
#234 [あんみつ]
――――――――
「うわー!!人すげーね」
屋台で賑わう川原は、すでに人でいっぱいだった。
「ねー!!お祭りって感じ」
ソース系の匂いが、食欲をそそる。
「とりあえず、回ってみる??」
「うん!!」
人込みの中を、屋台を見ながら進んで行く。
:07/08/23 16:55
:N901iC
:d/x858V.
#235 [あんみつ]
「ねこちゃん、何食べたい??」
「んー・・・わっすみません」
キョロキョロしながら歩いていると、すれ違う人にぶつかった。
「大丈夫??」
洋平君が聞いた。
「うん、平気」
笑って言うと、洋平君は突然私の手首を掴んだ。
:07/08/23 16:56
:N901iC
:d/x858V.
#236 [あんみつ]
そして、私に洋平君のTシャツの裾を掴ませた。
「俺の服、掴んどきなよ」
そう言って、洋平君は手を離した。
「・・・ありがと」
手には、かすかにまだ洋平君の体温が残っていて、ドキドキした。
:07/08/23 16:57
:N901iC
:d/x858V.
#237 [あんみつ]
「・・・あ、私!!お好み焼き食べたい!!」
ドキドキに耐えきれなくなった私は、とっさに、目についたお好み焼きの屋台を指差して言った。
「お、いいね。・・・混んでるな」
そう言うと、洋平君は、屋台とは逆方向に歩いていく。
洋平君の服を掴んだまま、私もついていく。
:07/08/23 16:58
:N901iC
:d/x858V.
#238 [あんみつ]
洋平君は、私を屋台が見える、木の所まで連れてきた。
「よし、ここで待ってて。俺、買ってくるから」
そう言うと、人込みの中へと消えていく。
軽く握っていた私の手から、洋平君の服がするりとぬけた。
私は、握っていた手を見つめる。
:07/08/23 17:00
:N901iC
:d/x858V.
#239 [あんみつ]
何だか、まだ温かい。
指も、心も。
心臓の鼓動が聞こえる。
私、洋平君の事、好きになっていってるのかな。
太鼓の音が聞こえる。
辺りは、暗くなってきた。
:07/08/23 17:01
:N901iC
:d/x858V.
#240 [あんみつ]
『ぎゃー!!綿飴で手ベタベタするー』
『ちょっ、俺に付けんな!!』
去年、私がベタベタの手で、健二の手を触ろうとしたら、逃げられたっけ。
「あ、ねこじゃん。やっほー」
クラスの女子が通って、私も手を振り返した。
ここの祭りは、地元の人だけでなく、うちの高校の生徒がけっこう来る。
:07/08/23 17:02
:N901iC
:d/x858V.
#241 [あんみつ]
(・・・健二も来てるのかな)
誰と来てるんだろう。
やっぱり・・・
考えて前を向くと、私の予想通りの光景があった。
向こうを健二と、浴衣姿の佐古さんが歩いていく。
見たくないのに。
何で見つけてしまうんだろう。
2人は、手を繋いでいた。
:07/08/23 17:05
:N901iC
:d/x858V.
#242 [あんみつ]
そのまま2人は、人込みで見えなくなった。
「おまたせ!!」
ハッと横を見ると、洋平君がお好み焼きを持って、立っていた。
「あ・・・ありがと」
私は、お好み焼きを受け取る。
「・・・何かあった??」
「え、別に??向こうで食べよー!!」
私は笑顔で言って、洋平君に背を向けて歩きだす。
:07/08/23 17:07
:N901iC
:d/x858V.
#243 [あんみつ]
嘘だ。
このもやもやする気持ちは、嘘だ。
私には関係ないんだ。
私たちは、土手の斜面に腰を下ろした。
食べながら、洋平君と、いろいろ話した。
笑いながら話した。
:07/08/23 17:08
:N901iC
:d/x858V.
#244 [あんみつ]
一緒にいると楽しいし、安心するし、心が温かくなる。
この気持ちは、嘘じゃない。
だから、私は・・・
:07/08/23 17:09
:N901iC
:d/x858V.
#245 [あんみつ]
――――――――
お好み焼きを食べた後、また屋台を回って、綿飴とかき氷を食べた。
ベタベタする手はちゃんと洗って、家で食べようと林檎飴を1本買った。
あの2人を見かけることは、もうなかった。
「あ、そろそろ花火始まるかな??」
洋平君が、携帯を開いて言った。
:07/08/23 17:13
:N901iC
:d/x858V.
#246 [あんみつ]
「じゃあ、土手行こっか??」
私の右手には、林檎飴。
左手には、洋平君の服。
私たちは、人の流れに乗って土手に向かう。
土手には、すでに人が大勢いた。
:07/08/23 17:14
:N901iC
:d/x858V.
#247 [あんみつ]
私は、洋平君の服を離した。
花火は、まだあがらない。
「・・・洋平君」
「ん??」
「私・・・洋平君と付き合う」
:07/08/23 17:16
:N901iC
:d/x858V.
#248 [あんみつ]
「・・・へ??」
ドンッ!!
花火があがった。
私は洋平君を見る。
花火の光に照らされた顔は、驚きから、だんだんと笑顔に変わっていく。
私は、恥ずかしさでいっぱいだった。
けど、洋平君の笑顔を見たら、私も自然に笑えて、嬉しかった。
:07/08/23 17:17
:N901iC
:d/x858V.
#249 [あんみつ]
洋平君が、そっと、私の左手を握った。
何か言ったのだろう。
洋平君の口が動いたけど、花火の音と歓声で聞き取れなかった。
私がぽかんとしていると、洋平君が、私の耳に口を近付け、そして離した。
耳元で聞こえた言葉。
『大事にする』
:07/08/23 17:20
:N901iC
:d/x858V.
#250 [あんみつ]
私の耳だけでなく、全身を熱くしたその言葉は、私は進んでるという、確かな確信をくれた。
きっと、もっと好きになる。
洋平君の手を、ギュッと握り返し、私は上を見上げた。
:07/08/23 17:21
:N901iC
:d/x858V.
#251 [あんみつ]
どうか、私の選んだ言葉が、行動が、進む道が、間違っていませんように。
流れ星の代わりに、夜空に咲く花に祈った。
:07/08/23 17:22
:N901iC
:d/x858V.
#252 [あんみつ]
:07/08/23 17:27
:N901iC
:d/x858V.
#253 [あんみつ]
11、祭りの後に
私が健二に告白しようとした、あの七夕の日。
あれから、丁度1ヵ月。
8月7日。
私は、洋平君と付き合うことを決めた。
:07/08/30 10:22
:N901iC
:cFsPMBtA
#254 [あんみつ]
――――――――
「送ってくれて、ありがとね」
「うん・・・連絡する」
洋平君は、握った手をなかなか離そうとしない。
「・・・うん」
私が答えると、洋平君は手を離した。
:07/08/30 10:25
:N901iC
:cFsPMBtA
#255 [あんみつ]
「じゃーな!!」
そう言って、私に背を向ける。
「バイバイ!!」
背中に向かって言うと、洋平君は振り向いて、笑顔で右手を軽く挙げた。
私は、洋平君が曲がり角を曲がるまで、その後ろ姿を見ていた。
:07/08/30 10:26
:N901iC
:cFsPMBtA
#256 [あんみつ]
何だか、不思議な感じ。
私、洋平君と付き合うんだなぁって、あらためて思った。
こうやって、前に進むんだなぁって。
(・・・家入ろっかな)
私は、家の門に手を掛けて、ふと上を見た。
:07/08/30 10:28
:N901iC
:cFsPMBtA
#257 [あんみつ]
「・・・わー」
思わず声が出た。
今日は、月がきれいだ。
私は、門の所の段差に座って、月を見上げた。
(・・・あの日は、曇ってたな)
:07/08/30 10:30
:N901iC
:cFsPMBtA
#258 [あんみつ]
『16年の付き合いなめんなよ』
そう言ったのは、健二。
・・・16年だよ??
16年も一緒にいて、今まで、1ヵ月近く話さないなんて事なかった。
こんなになるなんて、思ってなかった。
・・・私が悪いんだけど。
:07/08/30 10:32
:N901iC
:cFsPMBtA
#259 [あんみつ]
けど、やっぱり、戻りたい。
邪魔な気持ち、全部捨てて、ただの「幼なじみ」に。
私、もう迷わないから。
このままは嫌だよ。
:07/08/30 10:33
:N901iC
:cFsPMBtA
#260 [あんみつ]
ザッザッ
誰かの足音が聞こえる。
私は、音のする方を見た。
(・・・あ)
健二だ。
向こうから、健二が歩いてくる。
佐古さんは、いない。
:07/08/30 10:34
:N901iC
:cFsPMBtA
#261 [あんみつ]
(え・・・うそ)
私は、下を向いた。
足音が、だんだん近づいてくる。
(どうしよ・・・)
ドクドクと、自分の心臓の音が聞こえる。
・・・そのまま、健二は私の前を通り過ぎた。
:07/08/30 10:36
:N901iC
:cFsPMBtA
#262 [あんみつ]
足音が遠ざかっていく。
私はそっと顔を上げて、健二の後ろ姿を見た。
行ってしまう。
・・・いいの??
このままでいいの??
何も言わなくていいの??
:07/08/30 10:39
:N901iC
:cFsPMBtA
#263 [あんみつ]
私、前に進んでるよ。
健二の幸せを、祈れるよ。
邪魔な気持ちは、捨てる。
だから、戻りたい。
「幼なじみ」に戻りたい。
・・・ねぇ、健二は??
:07/08/30 10:41
:N901iC
:cFsPMBtA
#264 [あんみつ]
私は、立ち上がった。
(・・・健・・・二)
「っ・・・健二!!」
呼び止めた。
健二が、前を向いたまま止まった。
そして、ゆっくりと振り向く。
:07/08/30 10:43
:N901iC
:cFsPMBtA
#265 [あんみつ]
(あ、どうしよ・・・何て言おう)
顔が熱い。
健二が、完全に私の方を向いた。
足が震える。
健二の顔を正面から見るのも、久しぶりだ。
月と電灯の明かりの下、健二は無表情で私を見る。
:07/08/30 10:44
:N901iC
:cFsPMBtA
#266 [あんみつ]
私は何か言おうと口を開くが、言葉がでない。
視界がにじむ。
今、泣いたらダメだ。
ダメなのに・・・。
私は、目をギュッとつむり、手を握り締めた。
(何で・・・)
:07/08/30 10:47
:N901iC
:cFsPMBtA
#267 [あんみつ]
「・・・おせーんだよ、たこ」
健二の声だ。
私が驚いて目を見開くと、健二は優しく微笑んだ。
変わらない笑顔。
:07/08/30 10:50
:N901iC
:cFsPMBtA
#268 [あんみつ]
あぁ、健二だ。
話してくれた。
私を、ちゃんと見てくれてる。
「・・・うぇ」
泣いたらダメだと思うのに、健二の笑顔を見ると、涙がこぼれた。
:07/08/30 10:51
:N901iC
:cFsPMBtA
#269 [あんみつ]
「おい、何泣いてんだよ」
そう言って、健二が私に近づく。
「ひっ・・・健・・・二」
「ん??」
「・・・ごめん、ね」
:07/08/30 10:52
:N901iC
:cFsPMBtA
#270 [あんみつ]
健二、ごめんね。
こんな風に、泣いちゃって。
避けて、向き合えなくて、ごめんね。
健二、ありがとう。
こんな私を、見離さないでくれて。
:07/08/30 10:55
:N901iC
:cFsPMBtA
#271 [あんみつ]
伝えたい事は、たくさんあるんだよ。
上手く言葉にできないけど。
ねぇ、健二。
私たち、幼なじみに戻れるの??
:07/08/30 10:56
:N901iC
:cFsPMBtA
#272 [あんみつ]
「・・・俺も、ごめんな」
(違う・・・健二が悪いんじゃない)
私は、首を横に振った。
健二が、ゆっくり右手をあげる。
バチッ!!
「いったー!!?」
私は、おでこを押さえた。
:07/08/30 10:58
:N901iC
:cFsPMBtA
#273 [あんみつ]
頭を撫でられるかと思ったら、デコピンされた。
「いつまで泣いてんだよ!!」
笑いながら、健二は門の前に座る。
・・・そっか、佐古さんがいるんだもん。
私の頭なんか、撫でちゃダメだよね。
:07/08/30 10:59
:N901iC
:cFsPMBtA
#274 [あんみつ]
私も健二の横に座る。
痛みのお陰で、涙は止まったみたいだ。
私は、また月を見上げる。
もう、大丈夫。
「・・・健二、佐古さんと付き合ってんだよね??」
:07/08/30 11:01
:N901iC
:cFsPMBtA
#275 [あんみつ]
ずっと、健二に聞きたかった事。
聞けなかった事。
だけど、今なら大丈夫。
だから・・・答えて、健二。
健二も、私と同じように上を見ている。
「・・・あぁ」
健二がうなずいた。
:07/08/30 11:04
:N901iC
:cFsPMBtA
#276 [あんみつ]
・・・今度は、ごまかさずに言ってくれたね。
ちゃんと、健二の口から聞けた。
きっと、洋平君と付き合う前の私だったら、受けとめられなかった。
けど、今なら、受け入れられるよ。
:07/08/30 11:06
:N901iC
:cFsPMBtA
#277 [あんみつ]
「ねこは・・・洋平と付き合ってんだろ??」
健二が聞いてきた。
隠すことはない。
私も、真っすぐ返さなきゃ。
:07/08/30 11:07
:N901iC
:cFsPMBtA
#278 [あんみつ]
「・・・うん」
私が答えると、健二は私の肩を軽く叩いた。
「洋平、いい奴だからな!!」
笑顔で言う健二の手を、私は押し返した。
「分かってるよー。・・・健二も!!佐古さん大事にしてあげなよ!!」
私も、笑って言えた。
:07/08/30 11:09
:N901iC
:cFsPMBtA
#279 [あんみつ]
「おう!!・・・なぁ、ねこ」
「ん??」
私は、健二の方を見る。
「俺・・・ねこには、幸せになってほしいって、思ってるから」
言い切ると、健二は立ち上がった。
:07/08/30 11:10
:N901iC
:cFsPMBtA
#280 [あんみつ]
(・・・健二)
まぶたの裏が、熱くなった。
けど、それ以上に胸が熱くなった。
「・・・私もだよ!!」
:07/08/30 11:11
:N901iC
:cFsPMBtA
#281 [あんみつ]
――――――――
健二の想いが、すごく嬉しかった。
私と同じだったから。
もう、迷わない。
私たちは「幼なじみ」。
:07/08/30 11:14
:N901iC
:cFsPMBtA
#282 [あんみつ]
別々の道を行くけど、繋がってられる。
お互いの幸せを祈れる。
そんな関係。
これからも、続けていこうね。
これからも、ずっと・・・。
:07/08/30 11:15
:N901iC
:cFsPMBtA
#283 [あんみつ]
:07/08/30 11:19
:N901iC
:cFsPMBtA
#284 [あんみつ]
12、日常
「いってきまーす!!」
外に出て、私は門の前に立った。
朝日が眩しい。
8月も、もうすぐ終わりだというのに、暑さは和らぐどころか、厳しさを増した気がする。
:07/09/17 16:51
:N901iC
:r..DyAZc
#285 [あんみつ]
(・・・待ってていいよね)
私は、健二の家の方を見た。
まだ、出て来る気配はない。
私は、門の前に座った。
『俺・・・ねこには、幸せになってほしいって、思ってるから』
・・・私もだよ。
私も、健二に幸せになってほしい。
:07/09/17 16:53
:N901iC
:r..DyAZc
#286 [あんみつ]
バシッ!!
「・・・ったぁー!!」
上を見上げると、健二が立っていた。
「行くぞ、ねこ」
睨み付ける私を横目に、健二は笑って歩きだす。
何だか、懐かしいこの感じ。
:07/09/17 16:55
:N901iC
:r..DyAZc
#287 [あんみつ]
バンッ!!
私は立ち上がって、勢いをつけて健二の背中を叩いた。
「いてーよ!!」
健二が振り向く。
「ばーかっ!!」
私は、そのまま健二を追い越して笑った。
:07/09/17 16:56
:N901iC
:r..DyAZc
#288 [あんみつ]
あの時、勇気を出して呼んで良かった。
元に戻れて良かった。
『幼なじみ』
これが、私たちの適当な距離。
・・・変わらない日常が戻ってきた。
:07/09/17 16:58
:N901iC
:r..DyAZc
#289 [あんみつ]
――――――――
「じゃあ、これで決まりで。自分の出る種目、覚えといてくださーい」
体育委員の言葉に返事をして、みんな帰り支度を始める。
「なーつみっ!!一緒の種目にできて良かったねー」
私は、奈津美の腕に飛び付いた。
:07/09/17 16:59
:N901iC
:r..DyAZc
#290 [あんみつ]
「ねー!!しかも、綱引きと玉入れって。めっちゃ楽だし!!」
奈津美も、私の手を取って飛び跳ねる。
9月10日にある体育祭。
リレー系に出ずにすんで、私はとにかく嬉しかった。
:07/09/17 17:01
:N901iC
:r..DyAZc
#291 [あんみつ]
笑い合っていると、急に奈津美の動きが止まった。
振り向いて奈津美の目線の先を見ると、教室のドアの所に洋平君がいた。
私を見て手招きをする。
「あ、ちょっとごめんね」
奈津美に一言言って、私は洋平君の元に行った。
:07/09/17 17:05
:N901iC
:r..DyAZc
#292 [あんみつ]
あのお祭りの次の日。
奈津美に電話をして、洋平君と付き合うことにした事、それと、健二と仲直りした事を話した。
奈津美は黙って私の話を聞いて、「そっか・・・良かったね!!」って言ってくれた。
:07/09/17 17:06
:N901iC
:r..DyAZc
#293 [あんみつ]
「洋平君、どしたの??」
付き合い始めてから、学校で会うのは初めてだ。
何だか照れ臭い。
「いや・・・一緒に帰らん??」
一瞬、健二の顔が頭をよぎった。
(・・・健二も佐古さんと帰るかな)
:07/09/17 17:08
:N901iC
:r..DyAZc
#294 [あんみつ]
「・・・うん、いいよ!!ちょっと待ってて」
私は荷物を取りに、再び教室に入った。
「ごめん、奈津美!!私、帰るね」
カバンを持って奈津美に言った。
「うん、バイバイ!!」
そう言って、奈津美は笑顔で私の背中を押した。
:07/09/17 17:09
:N901iC
:r..DyAZc
#295 [あんみつ]
――――――――
洋平君と付き合い始めて、2回、2人で出かけた。
1回目は映画を見て、2回目は街を歩いた。
2回共、途中手をつないだ。
:07/09/17 17:10
:N901iC
:r..DyAZc
#296 [あんみつ]
「ねこちゃん、体育祭何出るん??」
洋平君は自転車を押しながら、車道側を歩く。
「綱引きと玉入れ!!」
「えー、めっちゃ楽じゃん!!」
本気で羨ましそうな洋平君がおかしくて、私は笑った。
:07/09/17 17:12
:N901iC
:r..DyAZc
#297 [あんみつ]
「洋平君は??何出るの??」
「俺は、借り物競争と100mリレー」
「うわ、頑張ってー!!借り物とか、お題引くの怖くない??」
「こえー!!あれ、人が出たりするし」
「去年、健二なんか校長先生借りてたしねー!!」
:07/09/17 17:14
:N901iC
:r..DyAZc
#298 [あんみつ]
(・・・あ)
健二の名前を出した後、しまったと思った。
今まで、健二の話題を出すのを、避けていた訳じゃないけど、出ることはなかった。
「校長と手つないでゴールしたの、うけたよなー!!健二、今年も出ることになってたよ」
私の心配をよそに、洋平君は会話を続ける。
(・・・大丈夫だったかな)
:07/09/17 17:15
:N901iC
:r..DyAZc
#299 [あんみつ]
いろいろ話していたら、いつのまにか私の家の前だった。
洋平君は、自転車かごからカバンを取って、私に渡す。
「ありがと」
「うん・・・あのさ!!」
洋平君は、片手で頭をかいた。
私は黙って、次の言葉を待つ。
:07/09/17 17:17
:N901iC
:r..DyAZc
#300 [あんみつ]
「・・・借り物競争、健二も出るけど・・・ねこちゃんは俺の事、応援してほしい・・・」
言い終わって、洋平君は頭をかいていた手で顔をおおった。
そんな洋平君が、すごく可愛くて、いとおしく感じた。
「・・・もちろん!!」
私の言葉に、洋平君は照れ臭そうに笑った。
「・・・じゃ、また!!」
「うん、ばいばい!!」
:07/09/17 17:18
:N901iC
:r..DyAZc
#301 [あんみつ]
――――――――
やっぱり気にしてたんだ。
健二は私の幼なじみで、洋平君の友達でもあるから、その内、話題にはなったと思う。
それでも、洋平君からならともかく、私の口から健二の話題を出したのは、無神経だったかもしれない。
洋平君は、私が健二を好きだった事、知ってる訳だし。
:07/09/17 17:20
:N901iC
:r..DyAZc
#302 [あんみつ]
けど、私は洋平君と付き合ってるんだよ。
それが、私の答え。
健二とは、もうただの幼なじみだし。
話すたび、洋平君の良い所を知って、好きになってる。
付き合ってるっていう、実感も湧いてきた。
きっと、これからは洋平君といる事が、日常になっていくんだ。
:07/09/17 17:21
:N901iC
:r..DyAZc
#303 [あんみつ]
私は立ち上がって、机の上のカレンダーをめくり、9月10日の所に赤ペンで丸をした。
もうすぐ、体育祭だ。
:07/09/17 17:22
:N901iC
:r..DyAZc
#304 [あんみつ]
:07/09/17 17:27
:N901iC
:r..DyAZc
#305 [あんみつ]
13、体育祭
ピンポンパンポーン
{100mリレーと二人三脚に出る選手は、入場門に集合して下さい}
太陽の照りつけるグラウンドに、今日何度目かの放送が流れた。
:07/09/24 17:13
:N901iC
:E6Bwt1vM
#306 [あんみつ]
「洋平君出るんだっけ??」
頭にタオルをかぶった奈津美が聞く。
「うん、100mリレー」
答えながら、私は日焼け跡防止のために、半袖の体操服を更にまくった。
「あ、前空いたよ。行く??」
応援テントの1番前を陣取っていた集団が、どこかに行ったみたいだ。
:07/09/24 17:15
:N901iC
:E6Bwt1vM
#307 [あんみつ]
「うん、やった!!」
2人で空いた所に移動して、座りなおす。
やっぱり、前がいなかったらよく見える。
が、代わりに影が何もなくなったので、すごく暑い。
太陽の光が、容赦なくジリジリと肌を刺す。
奈津美と同様に、私も頭にタオルをかぶった。
:07/09/24 17:17
:N901iC
:E6Bwt1vM
#308 [あんみつ]
前の種目の選手が、退場門から出ていく。
それと入れ代わりに、100mリレーに出る選手が、入場門から駆け足で入ってきた。
「あ、洋平君いたよ」
奈津美が早々と見つけて、指差した。
:07/09/24 17:19
:N901iC
:E6Bwt1vM
#309 [あんみつ]
1番後ろに並んだ洋平君は、アンカーらしい。
2組のクラスカラーの、黄色いたすきを付けている。
色黒の肌に引き締まった筋肉、おまけに背の高い洋平君。
(何か・・・格好いい)
思った後、片手で頬を押さえると、ただでさえ熱いのに、私の顔はさらに熱さを増していた。
:07/09/24 17:20
:N901iC
:E6Bwt1vM
#310 [あんみつ]
「あ、始まるよ」
パンッ!!
奈津美が言い終わるのとほぼ同時に、ピストルがなった。
各クラス1番手の選手が、一斉に走りだす。
途端にグラウンドは、応援や歓声に包まれた。
:07/09/24 17:22
:N901iC
:E6Bwt1vM
#311 [あんみつ]
1人100mずつ走って、次の人にバトンをつなげていく。
応援席はクラスごとなので、後ろは「7組行けー!!」とか、声を張り上げて叫んでいる。
そんな中で、違うクラスの応援をしてたら、反感を買ってしまいそう。
(・・・声出して応援はできないな)
:07/09/24 17:24
:N901iC
:E6Bwt1vM
#312 [あんみつ]
考えてるうちに、それぞれのクラス、走っているのはすでに4人目の走者になっていた。
走るのは5人なので、次がアンカー。
洋平君の番だ。
アンカーの選手たちは、立ってバトンを待っている。
今のところ、2組は2位。
1位は・・・あ、うちのクラスだ。
:07/09/24 17:27
:N901iC
:E6Bwt1vM
#313 [あんみつ]
差がなかなか縮まらない。
変わらないまま、洋平君にバトンが渡った。
「わ・・・はや」
速い。
洋平君はぐんぐんスピードを上げて、うちのクラスのアンカーと並んだ。
競り合いながら、私たちの応援席の前を通過する。
:07/09/24 17:28
:N901iC
:E6Bwt1vM
#314 [あんみつ]
「洋平君、速いじゃん!!」
奈津美が私の肩を叩いてくる。
私はうなずきながら、洋平君を目で追う。
わずかに洋平君がリードして、そのままゴールした。
:07/09/24 17:31
:N901iC
:E6Bwt1vM
#315 [あんみつ]
「すごい!!1位だー!!」
私は、肩に置かれっぱなしだった奈津美の手を取った。
「ねー!!すごい速かった!!」
奈津美も私の手を持って、ぶんぶんと振り回す。
「うん!!めっちゃすご・・・い」
:07/09/24 19:38
:N901iC
:E6Bwt1vM
#316 [あんみつ]
(・・・やば)
私たちに向けられているのは、7組一同の冷たい眼差し。
私の様子を見て、奈津美もそれに気付いたらしい。
私の手を離して、へへっと苦笑いをしながら、そっと立ち上がって応援席から出ようとする。
私もそれに続いて、応援席から抜け出した。
:07/09/24 20:53
:N901iC
:E6Bwt1vM
#317 [あんみつ]
「あー、失敗したー」
応援席から離れて、私は言った。
けど、本当は口で言うほど気にしてない。
みんなの冷たい眼差しより、走る洋平君の姿が目に焼き付いて離れない。
思い出すと、また顔がほてってきた。
「やっちゃったよねー。けど、ほんと速かった!!」
奈津美もたいして気にしてなさそう。
:07/09/24 20:55
:N901iC
:E6Bwt1vM
#318 [あんみつ]
ピンポンパンポーン
{これで午前の部を終了します。12時40分まで休憩なので、各自お昼をとって下さい}
「もう昼なんだ。お弁当取り行こー」
「うん」
:07/09/24 20:56
:N901iC
:E6Bwt1vM
#319 [あんみつ]
――――――――
昇降口に着いて、朝クラスごとにお弁当を集めた段ボール箱から、自分のを探す。
「あ、あった!!」
他の人のお弁当をひっくり返さないように、私は自分のを取り出した。
「どうする??この辺で食べる??影だし」
「だねー。あ、あそこは??」
そう言って、奈津美は昇降口前に植えてある木の下を指差した。
:07/09/24 20:58
:N901iC
:E6Bwt1vM
#320 [あんみつ]
私たちは木の下に移動して、囲いのわずかな段差に座った。
「いただきまーす」
お茶で喉を潤した後、私はお弁当を広げて、手をあわせた。
「お、旨そうじゃん」
卵焼きを食べようとすると、上から声がした。
:07/09/24 20:59
:N901iC
:E6Bwt1vM
#321 [あんみつ]
上を向くと、案の定、健二が立っていた。
日に焼けたのか、何となく朝会った時より、鼻が赤くなっている気がする。
「健二、自分のあるでしょー」
私は止まっていた箸を動かして、卵焼きを口に入れた。
「うちの、冷凍食品ばっかだし」
健二は言いながら、私の前にしゃがむ。
:07/09/24 21:01
:N901iC
:E6Bwt1vM
#322 [あんみつ]
「うわ、おばさんに言ってやろーっと」
私は笑いながら、唐揚げに箸を伸ばす。
「どーぞ、ご自由に」
私の箸が唐揚げを取る前に、健二の指が唐揚げをさらっていった。
「あー!!ちょっと!!」
「うめー!!じゃあな」
健二は唐揚げを口に入れると、さっさと友達の元に戻っていった。
:07/09/24 21:02
:N901iC
:E6Bwt1vM
#323 [あんみつ]
「あーあ、唐揚げ・・・」
「ははっ!!相変わらずだねー」
横でやりとりを見ていた奈津美が笑う。
:07/09/24 21:03
:N901iC
:E6Bwt1vM
#324 [あんみつ]
「ほんとに!!全然成長しないよね」
「ねこもねー」
奈津美の言葉に、私はうなった。
ふと奈津美のお弁当を見ると、いつのまにかだいぶ食べ進んでいる。
それを見て私は、慌ててご飯を口に運んだ。
:07/09/24 21:04
:N901iC
:E6Bwt1vM
#325 [あんみつ]
――――――――
私が食べ終わった時には、もう12時半で、午後1番の綱引きにでる私たちは、早足でグラウンドに向かう。
「あ、ねこちゃん!!」
呼ばれて立ち止まると、洋平君が駆け寄ってきた。
「洋平君、1位おめでとー!!すごい速かった!!ね、奈津美!!」
:07/09/24 21:28
:N901iC
:E6Bwt1vM
#326 [あんみつ]
「あ、うん!!」
急に話をふったからか、奈津美は慌てて何度もうなずいた。
「そ??ありがとう」
洋平君は、私と奈津美の顔を交互に見て言った。
「ねこちゃんは??あと綱引きだっけ??」
「うん、そう。洋平君、借り物頑張ってね!!」
「おう、綱引きもな!!」
:07/09/24 21:29
:N901iC
:E6Bwt1vM
#327 [あんみつ]
「うん!!ごめん、行こ、奈津美」
再び早足で入場門に向かう。
「・・・ねぇ、ねこ」
「ん??」
ピンポンパンポーン
{綱引きと障害物競走に出る選手は、入場門に集まって下さい}
:07/09/24 21:30
:N901iC
:E6Bwt1vM
#328 [あんみつ]
「やば、急ご!!あ、ごめん、何??」
「いや・・・何か2人、付き合ってるって感じしてきたなーって!!」
そう言って、奈津美は私の肩をこづく。
「へ??そう??」
改めて言われると、少し照れ臭かった。
:07/09/24 21:31
:N901iC
:E6Bwt1vM
#329 [あんみつ]
――――――――
「あー、手の皮むけた」
綱引きを終えて、私たちは応援席に戻った。
手の皮がむけるまで頑張った甲斐あって、結果はなんと1位。
これで100mリレーで、うちのクラスを応援しなかったことは、許してほしい。
まぁ、もうみんな忘れてるみたいだけど。
:07/09/30 21:16
:N901iC
:t6MEvR6Q
#330 [あんみつ]
何となく、前に行きにくい私たちは、応援席の後ろの方に座っていた。
「借り物っていつだっけ??」
奈津美に聞かれて、私はポケットからプログラムを取り出す。
「えっと・・・あ、もう次だ」
「えー。前、行けるかなー」
:07/09/30 21:17
:N901iC
:t6MEvR6Q
#331 [あんみつ]
前には、すでに自分の競技に出終わって、動かなさそうな人たち。
「・・・ちゃんと見たいんだけどなー」
(・・・健二も出るし)
・・・
(・・・いや、私が応援するのは洋平君だし)
思った後、すぐに思い直した。
:07/09/30 21:19
:N901iC
:t6MEvR6Q
#332 [あんみつ]
『・・・借り物競走、健二も出るけど・・・ねこちゃんには俺の事、応援してほしい・・・』
そう。
私が付き合ってるのは、洋平君だもん。
健二より、洋平君を応援するのは当たり前だ。
:07/09/30 21:20
:N901iC
:t6MEvR6Q
#333 [あんみつ]
{次は借り物競走です。選手が入場します}
アナウンスがかかって、私はハッとした。
借り物競走は、わが校の体育祭の中で、盛り上がる種目の1つ。
前にいる人たちがすでに立ち上がっているので、よく見えない。
「もー!!見えないー」
奈津美もいつのまにか立ち上がって、私の横で飛び跳ねている。
:07/09/30 21:21
:N901iC
:t6MEvR6Q
#334 [あんみつ]
私も遅れて立ち上がった。
パンッ!!
ピストルが鳴った。
始まったみたいだ。
歓声が一層大きくなる。
私も奈津美同様、飛び跳ねてみるが、やっぱり見えない。
(・・・え??)
こりずに飛び跳ねていると、急に、前に見える人の頭が、私のいる所を境に、だんだん両側に分かれていく。
:07/09/30 21:22
:N901iC
:t6MEvR6Q
#335 [あんみつ]
(何??まさか、私が見えるように??)
バカなことを考えていると、私のすぐ前にいた背の高い男子が、私の方を振り向く。
そして右によけた。
「ねこ!!」
私の前の視界が開けたのと同時に、声がした。
人と人の間をぬって、声の主が私に向かって走ってくる。
:07/09/30 21:24
:N901iC
:t6MEvR6Q
#336 [あんみつ]
「ねこ、来い!!」
声の主、健二は、私の手首をつかんで引っ張った。
「え??ちょっと、何!?」
私の質問には答えずに、健二は私を、リレーのコースに連れ出した。
「走れ、ねこ!!」
健二は、私の手首を引いて走りだす。
それにつられて、私の足も動く。
:07/09/30 21:25
:N901iC
:t6MEvR6Q
#337 [あんみつ]
応援席からは、キャーとかワーとか、歓声がさらに激しさを増す。
(・・・何なの??)
走るスピードが上がった。
私は、健二に引かれるままに全速力で走る。
「・・・はぁ・・・はぁ」
必死で走るが、足が速い方でない私が、健二のスピードについていけるわけがない。
:07/09/30 21:26
:N901iC
:t6MEvR6Q
#338 [あんみつ]
健二の手が、私の手首から離れた。
それに気付いた健二は振り向いて、今度は私の手をしっかりと握る。
「大丈夫か??あとちょっとだから、頑張れ!!」
そう言って健二は、ゆっくりと走りだす。
今度は、駆け足程度のスピードで。
:07/09/30 21:27
:N901iC
:t6MEvR6Q
#339 [あんみつ]
前方に、白いテープが見えた。
ゴールだ。
あと少し・・・。
・・・3m、2m、1m。
パンッ!!
健二と、2人で並んでゴールした。
途端、私は健二の手を放して、その場にしゃがみこんだ。
:07/09/30 21:28
:N901iC
:t6MEvR6Q
#340 [あんみつ]
「・・・はぁ・・・はぁ」
久しぶりに走ったせいか、かなりしんどい。
その時、健二も隣にしゃがんで、私の頭に手を置いた。
「よく頑張りました。ありがとな!!」
そう言って、ぽんぽんと叩く。
だんだんと落ち着いてくる。
:07/09/30 21:29
:N901iC
:t6MEvR6Q
#341 [あんみつ]
私は、大きく深呼吸した。
「はぁ・・・何??私が借り物だったの??」
私が聞くと、健二はニヤーっと笑いながら、手に持っていた紙を見せる。
「そう!!お題は"猫目の女子"」
そう言うと健二は、私の目元を指差した。
:07/09/30 21:30
:N901iC
:t6MEvR6Q
#342 [あんみつ]
「はぁ!?何、猫目って!!」
「ほんとのことじゃん」
そう言って笑う健二の指先を、私は払った。
「1位の人、こっちに並んでくださーい!!」
1位の旗を持った体育委員が、私たちを呼んだ。
:07/09/30 21:31
:N901iC
:t6MEvR6Q
#343 [あんみつ]
「ほら、行くぞ」
健二は立ち上がって、私に手を差し出す。
私はそれを掴んで、勢いをつけて立ち上がった。
:07/09/30 21:32
:N901iC
:t6MEvR6Q
#344 [あんみつ]
「・・・ふ」
「何だよ??」
「健二の手、汗かいてるー」
私は手を放して、ひらひらと振ってみせた。
「は??ねこの汗だろ!!」
健二に頭をこずかれて、私は笑った。
:07/09/30 21:33
:N901iC
:t6MEvR6Q
#345 [あんみつ]
――――――――
ねぇ、健二。
猫目の女の子なんて、他にもいるでしょ??
なのに、私の所に来たって事は、健二にとって私の存在は、けっこう大きなものなんだって、思ってもいい??
彼女じゃなくても、特別な存在なんだって、うぬぼれてもいい??
:07/09/30 21:43
:N901iC
:t6MEvR6Q
#346 [あんみつ]
健二の手の温もりや、優しさ。
ずっと、ずっと変わらないでね。
:07/09/30 21:44
:N901iC
:t6MEvR6Q
#347 [あんみつ]
:07/09/30 21:48
:N901iC
:t6MEvR6Q
#348 [あんみつ]
14、想い
私は、まわりが見えていなかった。
健二といると、あまりに楽しかったから。
健二の手が、あまりに温かかったから。
・・・私にとって、健二の存在は絶対だった。
:07/10/08 14:19
:N901iC
:cPjKM5TQ
#349 [あんみつ]
――――――――
私は、間違っていたのかもしれない。
健二と一緒に、素直に走るべきじゃなかったのかもしれない。
後からゴールしてきた洋平君と、目が合って思った。
:07/10/08 14:26
:N901iC
:cPjKM5TQ
#350 [あんみつ]
風が吹いて、グラウンドの砂を舞い上げる。
私は思わず目を閉じ、風が止むのを待って、また開いた。
(・・・あ)
洋平君は、私からすっと目をそらした。
そして、4位の旗の前に並ぶ。
:07/10/08 14:32
:N901iC
:cPjKM5TQ
#351 [あんみつ]
気付いた健二が、心配そうに私の方を振り向いた。
「・・・ねこ、俺」
「ん??大丈夫だよ」
私は、健二の言葉をさえぎって言った。
:07/10/08 14:34
:N901iC
:cPjKM5TQ
#352 [あんみつ]
健二は、きっと「ごめん」って言おうとしたんだ。
「ごめん」なんて言わないで。
健二は悪くない。
私、嬉しかった。
健二が、私の所に来てくれて。
:07/10/08 14:36
:N901iC
:cPjKM5TQ
#353 [あんみつ]
楽しかった。
健二と笑い合えて。
けど、私は・・・間違っていたのかもしれない。
私を見た洋平君の目は、悲しそうだった。
:07/10/08 14:37
:N901iC
:cPjKM5TQ
#354 [あんみつ]
――――――――
「えーみんな、おつかれ!!7組、総合3位を祝って!!乾杯!!」
「「かんぱーい!!」」
みんな口々に言って、近くの人と缶をぶつけ合う。
小さめの缶ジュースは、担任から、生徒38人への差し入れ。
:07/10/08 14:39
:N901iC
:cPjKM5TQ
#355 [あんみつ]
「おつかれー!!」
「おつかれ!!」
私も近くの人たちと乾杯し、最後に奈津美と缶をぶつけて1口飲んだ。
オレンジの甘酸っぱさが、口の中に広がる。
:07/10/08 14:41
:N901iC
:cPjKM5TQ
#356 [あんみつ]
借り物が終わって、すぐ応援席に戻った。
何か、洋平君に言うべきかと思ったけど、何を言えば良いのか分からなかった。
「ねこ、すごかったねー!!」
応援席に戻ると、みんな口々に言った。
:07/10/08 14:46
:N901iC
:cPjKM5TQ
#357 [あんみつ]
「ねぇ、やっぱねこと竹本君って付き合ってるの??」
今まで何度もされてきた質問。
私は、洋平君と付き合っていることを、奈津美と健二以外に言っていない。
言わなくても、その内気付かれると思ったし、言う気にもなれなかった。
:07/10/08 16:21
:N901iC
:cPjKM5TQ
#358 [あんみつ]
洋平君と付き合ってても、健二を手放そうとしない自分が、ずるいのは分かってるから。
健二を手放せない自分が、臆病なのも分かってるから。
だから私は、ただいつも通りの言葉を返す。
「ただの幼なじみだよー」
言い慣れたはずの言葉が、何となく重くて、痛かった。
:07/10/08 16:23
:N901iC
:cPjKM5TQ
#359 [あんみつ]
「・・・こ、ねこ!!」
奈津美が私の顔を覗き込んでいた。
「あ、ごめん。何??」
教室は盛り上がって、そこら中でカメラのシャッター音が響いていた。
:07/10/08 21:24
:N901iC
:cPjKM5TQ
#360 [あんみつ]
「いや、別に何でもないけど・・・疲れた??」
奈津美が心配そうに聞く。
「んー・・・ちょっとね」
私は、両手で缶を握り締めた。
:07/10/08 21:25
:N901iC
:cPjKM5TQ
#361 [あんみつ]
私は、間違っていたのかな??
きっと私は、これからも健二を手放せない。
絶対に失いたくない存在。
大切な人。
私は、この気持ちを、誰に伝えればいいんだろう。
誰に・・・。
:07/10/08 21:27
:N901iC
:cPjKM5TQ
#362 [あんみつ]
ガタッ
私は残りのジュースを一気に飲んで、立ち上がった。
「ねこ??」
「ごめん、奈津美・・・私帰るね!!」
荷物を引っ掴んで、私は教室を出た。
:07/10/08 21:28
:N901iC
:cPjKM5TQ
#363 [真帆]
:07/10/08 21:30
:F902i
:7aA1iCdQ
#364 [あんみつ]
――――――――
うまく言えるか分からない。
けど、伝えなきゃならない。
じゃないと、また私は、あの人を傷つける。
傷つけたくない。
傷つけてはいけない。
私のことを想ってくれる気持ちを、裏切ることになるから。
だから・・・
:07/10/08 21:51
:N901iC
:cPjKM5TQ
#365 [あんみつ]
:07/10/08 21:53
:N901iC
:cPjKM5TQ
#366 [あんみつ]
ドンッ!!
廊下の曲がり角で、誰かにぶつかってよろけた。
「わっごめん!!・・・て、ねこちゃん??」
「・・・洋平君」
「ごめん、大丈夫??」
洋平君は、借り物の前と変わらない、優しい目で私を覗き込む。
その目を見て、私はほっとした。
:07/10/08 21:59
:N901iC
:cPjKM5TQ
#367 [あんみつ]
「あ、うん。大丈夫」
(・・・前もこんなことあったな)
「そっか。どしたの急いで??」
「洋平君のとこ・・・行こうと思って」
私が言うと、洋平君は驚いた顔をした。
:07/10/08 22:01
:N901iC
:cPjKM5TQ
#368 [あんみつ]
「俺も、ねこちゃんのクラス行くところだった」
そう言って、洋平君はふっと笑った。
洋平君が笑うから、私も笑えた。
(・・・よかった)
:07/10/08 22:02
:N901iC
:cPjKM5TQ
#369 [あんみつ]
「じゃぁ・・・」
「一緒に帰ろっか」
私が言う前に、洋平君が言った。
「・・・うん」
この人に、伝える。
:07/10/08 22:03
:N901iC
:cPjKM5TQ
#370 [あんみつ]
――――――――
グラウンドに、私と、自転車を押す洋平君の影が伸びる。
みんなまだそれぞれの教室で騒いでいるのか、外にいる生徒は少なく、静かだった。
「あーなんか疲れたな」
そう言うと、洋平君は首を回した。
:07/10/19 22:13
:N901iC
:L5RMhy3k
#371 [あんみつ]
「洋平君、100mすごかったしねー!!」
私の言葉に、洋平君は照れ臭そうに「まーな」と言った。
校門を出ると、洋平君はさり気なく車道側に行く。
いつも通りの優しさが、今の私の心にひしひしと伝わってくる。
:07/10/19 22:16
:N901iC
:L5RMhy3k
#372 [あんみつ]
(・・・言わなきゃ)
「・・・洋」
チリンチリーン
後ろで自転車のベルが鳴った。
洋平君が私の前に来て、1列になる。
2人乗りをした他校の学生が、私たちの横を通り抜けた。
:07/10/19 22:17
:N901iC
:L5RMhy3k
#373 [あんみつ]
後ろに乗った小柄な女の子が、前の男子の大きな背中にしがみついている。
自転車が通り過ぎて、洋平君は再び私の横に並んだ。
タイミングを逃した私は、口をつぐむ。
「・・・俺が」
洋平君が口を開いた。
:07/10/19 22:18
:N901iC
:L5RMhy3k
#374 [あんみつ]
私は、洋平君の方を見た。
「・・・俺が、後ろにねこちゃんを乗せないのは・・・歩いて帰って、少しでも長く、ねこちゃんと話していたいから」
洋平君は前を見据えている。
夕日に照らされて、その横顔はオレンジ色だった。
:07/10/19 22:20
:N901iC
:L5RMhy3k
#375 [あんみつ]
「・・・健二よりも長く、ねこちゃんと一緒にいたいって思うから」
(・・・あ)
「・・・洋平君、健二は」
「分かってる」
洋平君は、私の言葉をさえぎった。
「・・・分かってるよ。ねこちゃんにとっても、健二にとっても・・・お互いが大事なのは」
洋平君は、片手で軽く頭を押さえた。
:07/10/19 22:23
:N901iC
:L5RMhy3k
#376 [あんみつ]
「けど・・・ねこちゃんの1番って誰??俺は、健二以上になれないの??」
歩くスピードを落とすことなく、洋平君は続ける。
「・・・そんな」
口の中が乾く。
(そんなこと・・・)
言葉がでない。
:07/10/19 22:25
:N901iC
:L5RMhy3k
#377 [あんみつ]
「・・・ごめん、意地悪言った」
洋平君が、やっと私の方を向いた。
「ごめんな。・・・ただ、健二に嫉妬してるだけだから」
立ち止まって、私の頭を撫でる。
「あとちょっとだけど・・・後ろ乗る??」
そう言って、洋平君は自転車の後ろを手で叩いた。
:07/10/19 22:29
:N901iC
:L5RMhy3k
#378 [あんみつ]
「・・・うん」
私は頷いた。
洋平君の後ろに乗って、両手で座っている荷台を掴む。
私が乗ったのを確認して、洋平君は自転車を漕ぎ始めた。
ゆっくりと進む。
お互い何も言わない。
:07/10/19 22:31
:N901iC
:L5RMhy3k
#379 [あんみつ]
あまり、顔を見られたくなかった。
多分、今私は、泣きそうな顔してる。
何も言えなかった。
きっと、また傷つけた。
『ごめん』って。
言うのは私の方だよ。
洋平君の広い背中を見ると、胸が締め付けられる思いがした。
:07/10/19 22:32
:N901iC
:L5RMhy3k
#380 [あんみつ]
――――――――
洋平君は、私の家のすぐ前で自転車を止めた。
私は降りて、洋平君からカバンを受け取る。
上手く目を見れない。
けど、このままじゃダメだ。
何か言わなきゃ。
「・・・私」
口を開いたけど、言葉が見つからない。
:07/10/19 22:43
:N901iC
:L5RMhy3k
#381 [あんみつ]
(なんで・・・)
喉が熱い。
洋平君の顔を見れずに、私はうつむいた。
すると、頭を2度、優しく叩かれた。
:07/10/19 22:45
:N901iC
:L5RMhy3k
#382 [あんみつ]
「ありがとう・・・じゃ」
洋平君が言い終わると同時に、頭から手が離れた。
私がそっと前を向くと、洋平君はすでにだいぶ進んでいた。
後ろ姿を見ていたら、また泣きそうになった。
:07/10/19 22:51
:N901iC
:L5RMhy3k
#383 [あんみつ]
あの手に私は、何度救われただろう。
なのに、私は傷つけてばかり。
「ごめん」も「ありがとう」も、みんな私のセリフだよ。
:07/10/19 23:04
:N901iC
:L5RMhy3k
#384 [あんみつ]
『ねこちゃんの1番って誰??』
あの時、何も言えなかったのは、洋平君の顔を見れなかったのは・・・。
私は門の前に座り込んだ。
「・・・なんで」
:07/10/19 23:07
:N901iC
:L5RMhy3k
#385 [あんみつ]
あの時、1番に頭に浮かんだのは・・・健二の顔だった。
私には洋平君がいるのに。
私、洋平君のこと好きだよ??
なのに、まだまだ「好き」が足りないの??
:07/10/19 23:09
:N901iC
:L5RMhy3k
#386 [あんみつ]
考えても考えても、自分の想いの深さは分からなくて。
けど、確かに言えるのは、健二を手放すっていう選択肢は、私の中になかったということ。
ねぇ、健二。
私は・・・ずるい。
:07/10/19 23:12
:N901iC
:L5RMhy3k
#387 [あんみつ]
:07/10/19 23:15
:N901iC
:L5RMhy3k
#388 [我輩は匿名である]
:07/10/20 10:18
:P903i
:LFsXw3nI
#389 [あんみつ]
:07/10/28 21:28
:N901iC
:G7bXKkWg
#390 [あんみつ]
15、明後日
体育祭から1週間たった。
洋平君とは一緒に帰ったりもしたけど、当たり障りのない会話しかしていない。
不自然なのは分かってる。
けど私は、どうすればいいのか、自分がどうしたいのか、分からなかった。
:07/10/28 21:33
:N901iC
:G7bXKkWg
#391 [あんみつ]
――――――――
「なぁ、ねこ日曜暇??」
「へ??日曜??」
間抜けな声が出て、健二に笑われた。
「はっ!!・・・久しぶりに2人でどっか行こー」
健二は靴を履きかえながら、平然と言った。
(・・・健二と2人で)
:07/10/28 21:40
:N901iC
:G7bXKkWg
#392 [あんみつ]
「・・・おい、何止まってんの」
靴を持って止まったままの私の手を、健二がはたく。
「あ、えーと・・・」
私は、靴を下駄箱にしまいながら考える。
「何か用事ある??」
(ないけど・・・)
:07/10/28 21:42
:N901iC
:G7bXKkWg
#393 [あんみつ]
「おっす、健二!!1時間目体育だよな??」
がっちりした感じの男子が、健二の肩を叩いた。
「あ、やべ!!ねこ、ごめん先行くわ。メールしろよ!!」
「あ、うん」
私がうなずいたのを確認して、健二は友達と階段を駆け上がっていった。
:07/10/28 21:49
:N901iC
:G7bXKkWg
#394 [あんみつ]
何で誘ってくれたんだろう。
ただの気紛れ??
けど、理由はどうであれ・・・嬉しい。
健二と2人で出かけるのなんて、ほんと久しぶり。
:07/10/28 21:51
:N901iC
:G7bXKkWg
#395 [あんみつ]
けど・・・
今、健二と2人で出かけてる場合じゃない。
分かってる。
分かってるのに。
・・・胸が高鳴る自分がいるのを、私は否定できなかった。
:07/10/28 21:54
:N901iC
:G7bXKkWg
#396 [あんみつ]
――――――――
(・・・どうしよ)
みんながだんだんと帰り始める中、私はまだ自分の席に座ったままでいた。
何だかんだで、洋平君は放課後、いつも私を迎えにきてくれる。
だけど、待ってるだけじゃダメな気がする。
私からも動かなきゃ。
:07/10/28 21:58
:N901iC
:G7bXKkWg
#397 [あんみつ]
(・・・よし!!)
「ねこー!!呼んでるよー」
私が立ち上がった時、ドアの所にいる友達に呼ばれた。
(え、洋平君かな??出遅れちゃった・・・)
かばんを持って、足早にドアの所へ向かう。
「・・・あ」
驚きを、思わず声に出してしまった。
:07/10/28 21:59
:N901iC
:G7bXKkWg
#398 [あんみつ]
「こんにちは。あの・・・ちょっといいですか??」
目の前にいるのは・・・佐古さん。
健二の・・・彼女。
:07/10/28 22:01
:N901iC
:G7bXKkWg
#399 [あんみつ]
――――――――
カチカチッ
――――――――

9/17 16:02
To 田村洋平
Sub 無題
ごめん!!
今日用事できたから、先帰ってて(pω・`)
――――――――
:07/10/29 16:14
:N901iC
:N8JyO4Pk
#400 [あんみつ]
パコンッ
携帯を閉じて、私は前を向いた。
それに気付いて、佐古さんが振り向く。
「ごめんね。・・・で、話って・・・??」
私は、恐る恐る聞いた。
けど、本当は何を言われるか、何となく分かる。
:07/10/29 16:16
:N901iC
:N8JyO4Pk
#401 [あんみつ]
佐古さんは、私と正面から向き合った。
だいぶ前に、洋平君と話した裏庭。
今はあの時より、何となく花も色褪せて見える。
佐古さんは1度下を向いて、顔を上げると口を開いた。
「・・・不安なんです」
活発そうな佐古さんが、消えそうな声で言った。
:07/10/29 16:17
:N901iC
:N8JyO4Pk
#402 [あんみつ]
風が吹いて、お互い前より伸びた髪がなびく。
「・・・根宮先輩のことは聞いてます。大事な幼なじみだって。私も、それで納得しようとしました。けどっ・・・」
・・・あぁ、やっぱり。
ほんとは、こんなことを言われる日が、くるんじゃないかって思ってた。
:07/10/29 16:19
:N901iC
:N8JyO4Pk
#403 [あんみつ]
『・・・分かってるよ。ねこちゃんにとっても、健二にとっても・・・お互いが大事なのは』
佐古さんの姿に、洋平君の姿が重なって見える。
:07/10/29 16:21
:N901iC
:N8JyO4Pk
#404 [あんみつ]
「・・・不安なんです。健二先輩にとって、私は・・・根宮先輩以下の存在なんじゃないかって」
佐古さんは、泣きそうな顔をして続ける。
私は、何も言えなかった。
:07/10/29 16:22
:N901iC
:N8JyO4Pk
#405 [あんみつ]
『ねこちゃんの1番って誰??俺は、健二以上になれないの??』
・・・あぁ、一緒だ。
佐古さんも、洋平君と。
私のせいで、傷ついてる。
:07/10/29 16:23
:N901iC
:N8JyO4Pk
#406 [あんみつ]
ぼーっとする頭で、私は佐古さんの次の言葉を待つ。
佐古さんは言いにくそうに、目をつむる。
そして、一息つくと、目を開いて私を真っすぐ見た。
「だから・・・健二先輩と、離れてください」
:07/10/29 16:25
:N901iC
:N8JyO4Pk
#407 [あんみつ]
予想していたといっても、佐古さんの言葉は、私に重くのしかかった。
体の横に握り締めた佐古さんの手は、かすかに震えていた。
「・・・私のわがままだって分かってます。・・・けど、このままじゃ・・・」
言葉をつまらせて、佐古さんはうつむいた。
:07/10/29 16:28
:N901iC
:N8JyO4Pk
#408 [あんみつ]
・・・ねぇ、健二。
佐古さん・・・健二の彼女。
健二のこと、本当に好きなんだね。
こんなこと言うの、きっとすごい勇気がいるよ。
なのに、泣きそうになりながら。
何、つらい思いさせてんの。
・・・私もか。
:07/10/29 16:30
:N901iC
:N8JyO4Pk
#409 [あんみつ]
佐古さんは、うつむいたまま何も言わない。
『ねこ!!』
(・・・健二・・・私は)
もう、傷つけたくないよ。
:07/10/29 16:32
:N901iC
:N8JyO4Pk
#410 [あんみつ]
「・・・分かった」
私は、重い口をゆっくり開いて、言った。
佐古さんが、涙のたまった目で私を見る。
私も、真っすぐ見返す。
そして、もう1度、口を開いた。
「・・・分かったから。・・・その代わり・・・」
:07/10/29 16:33
:N901iC
:N8JyO4Pk
#411 [あんみつ]
・・・ねぇ、健二。
私・・・
間違ってないよね??
:07/10/29 16:34
:N901iC
:N8JyO4Pk
#412 [あんみつ]
――――――――
――――――――

9/17 22:03
To 竹本健二
Sub 遅くなってごめん
日曜、大丈夫だよ☆
どこ行くの??
――――――――
メールを送ると、私はベットに座って、携帯を握り締めた。
少したって開いて、閉じてはまた開いてを繰り返す。
:07/11/03 15:27
:N901iC
:KS7POwTM
#413 [あんみつ]
私はベットに仰向けになって、天井を見た。
『・・・その代わり・・・もう1度、健二と2人で出かけたい。ちゃんと話がしたいの。・・・明後日、それで最後にするから・・・』
私は佐古さんに、確かにそう言った。
佐古さんはゆっくりうなずいて、私に頭を下げた。
:07/11/03 15:29
:N901iC
:KS7POwTM
#414 [あんみつ]
このままじゃダメだと思った。
洋平君や佐古さんを傷つけてまで、健二と一緒にいたいと思うのは、私のわがまま。
・・・いい加減、健二から離れなきゃ。
しっかりしなきゃ。
健二なしでも、大丈夫なように。
強くなれるように。
:07/11/03 15:30
:N901iC
:KS7POwTM
#415 [あんみつ]
ピーピピーピー♪
私は飛び起きて、携帯を開いた。
――――――――

9/17 22:08
From 竹本健二
Sub 無題
よし!!
じゃぁ、俺午前は用事あるから1時に駅前でいい??
行く場所は・・・まぁぶらぶらしながら考えよう。
――――――――
:07/11/03 15:33
:N901iC
:KS7POwTM
#416 [あんみつ]
(・・・健二)
メールを見た途端、胸が苦しくなった。
カチ・・・カチッ
打ちながら、だんだん視界が滲んでくる。
:07/11/03 15:34
:N901iC
:KS7POwTM
#417 [あんみつ]
――――――――

9/17 22:13
To 竹本健二
Sub Re:
分かった☆
じゃぁ、明後日ね!!
――――――――
短い文章に、言葉では言い表わせない気持ちをこめて。
私は、ボタンを押した。
:07/11/03 15:36
:N901iC
:KS7POwTM
#418 [あんみつ]
ほんとはね、自信ないんだ。
健二なしで、これから笑っていける自信。
握り締めたままの携帯に、涙が落ちた。
(・・・健二)
:07/11/03 15:38
:N901iC
:KS7POwTM
#419 [あんみつ]
一緒にいるのが、当たり前だった。
健二は、私の世界の一部だった。
だけど、健二と必要以上に一緒にいることは、他の人を傷つける。
・・・だから、終わりにしよう。
日曜・・・明後日が最後。
:07/11/03 15:40
:N901iC
:KS7POwTM
#420 [あんみつ]
大丈夫、会えないわけじゃない。
「幼なじみ」じゃなくなるわけじゃない。
なのに・・・
ねぇ、健二。
なんで、こんなに涙があふれるのかな??
理由のよく分からない涙は、なかなか止まってはくれなかった。
:07/11/03 15:41
:N901iC
:KS7POwTM
#421 [あんみつ]
:07/11/03 15:45
:N901iC
:KS7POwTM
#422 [め ぐ]
:07/11/03 17:57
:F703i
:38tfxjn2
#423 [れな]
一気に読みました

すごい良いです

切ないです

ハッピーエンドがいいな


更新
頑張って下さい

!
:07/11/03 21:11
:D903i
:bxL3g9vE
#424 [あんみつ]
めぐさん

アンカーありがとうござぃます

れなさん

応援ぁりがとうございます

今から更新します

よかったら感想板にも来てくださぃ
:07/11/11 20:51
:N901iC
:yRk1fCsw
#425 [あんみつ]
16、1番
ずっと、ずっと健二がいた。
私の隣には健二がいて、健二の隣には私がいた。
それだけのことで、私は安心できたんだ。
:07/11/11 20:55
:N901iC
:yRk1fCsw
#426 [あんみつ]
――――――――
――――――――

9/18 20:28
From 竹本健二
Sub 無題
悪いけど、明日やっぱり地元の駅じゃなくて、街の駅前の広場で待っといて!!
――――――――
パコンッ
昨日の夜に健二からきたメールを確認して、私は携帯を閉じた。
:07/11/11 20:56
:N901iC
:yRk1fCsw
#427 [あんみつ]
広場を見回して、空いているベンチに座る。
広場の中央にある時計を見ると、まだ待ち合わせの15分前だった。
(・・・早かったな)
私はぼんやりと、街ゆく人を眺めた。
(・・・健二、用事って何なんだろ)
もう一度時計を見たけど、さっきからまだ2分ぐらいしかたってない。
:07/11/11 20:58
:N901iC
:yRk1fCsw
#428 [あんみつ]
一昨日、健二と離れるって決めた日。
その日の夜は、泣いた。
泣きたくないのに涙が出てきて、止まらなかった。
なのに、今、私の心は穏やかだった。
あの日に泣きすぎて、もう私の中に涙は残っていないのか。
理由は分からないけど、今日健二の前では、絶対に泣きたくなかったから助かった。
:07/11/11 21:00
:N901iC
:yRk1fCsw
#429 [あんみつ]
(・・・あと10分)
今日は、風がない。
9月も半分を過ぎたというのに、まだ日が当たると暑い。
私はなるべく木の日陰に入ろうと、少し体をそらせてベンチにもたれた。
その時、駅の方に歩いていく見知らぬカップルの姿が目に入った。
(・・・あ)
以前見た光景が、頭をよぎる。
:07/11/11 21:03
:N901iC
:yRk1fCsw
#430 [あんみつ]
確かあの時は、まだ7月だった。
・・・ここで、健二と佐古さんが一緒にいるのを見た。
あの後、健二と喧嘩しちゃったんだ。
健二が私に、本当のことを言ってくれなかったのが悲しくて。
:07/11/11 21:05
:N901iC
:yRk1fCsw
#431 [あんみつ]
・・・あの頃は、私も余裕なかったけど。
もっと余裕持ててたら、あんな風に喧嘩しなくて済んだのかな。
『お前だって・・・俺に何も言わねーだろ!!』
あの時の、健二の言葉がよみがえる。
(・・・言わないんじゃなくて、言えなかったんだよ)
:07/11/11 21:07
:N901iC
:yRk1fCsw
#432 [あんみつ]
健二と話さなくなって、本当に辛かった。
けど、奈津美がいて、洋平君がいて、落ち着いて考えて、心に余裕を持ったら、きちんと周りが見えたんだ。
それで、洋平君と付き合おうって決めて、健二とも仲直りできたんだ。
:07/11/11 21:09
:N901iC
:yRk1fCsw
#433 [あんみつ]
・・・私、あの頃より成長したよね??
大丈夫。
前とは違う。
喧嘩して離れるわけじゃない。
・・・大丈夫。
:07/11/11 21:53
:N901iC
:yRk1fCsw
#434 [あんみつ]
時計を見ると、丁度針が動いて1時をさした。
『だから・・・健二先輩と、離れてください』
目を閉じるとまぶたの裏に、泣きそうな佐古さんの姿が浮かんだ。
:07/11/11 21:57
:N901iC
:yRk1fCsw
#435 [あんみつ]
・・・話すのは、最後にしよう。
それまでは、楽しみたい。
久しぶりに健二と2人で、楽しい時間を過ごしたい。
・・・いいよね??
1時を5分過ぎた。
(・・・健二、早く来て)
私は手をぎゅっと握り締めた。
:07/11/11 21:59
:N901iC
:yRk1fCsw
#436 [あんみつ]
――――――――
また、時計の長針が動いた。
祈っても、虚しく時間は過ぎていく。
・・・健二が、来ない。
1時半を過ぎた。
メールを送ったけど、返ってこない。
:07/11/11 22:00
:N901iC
:yRk1fCsw
#437 [あんみつ]
(・・・どうしたの、健二)
妙な胸騒ぎがする。
今まで、こんなことなかった。
遅れることさえ滅多になかったけど、遅れるときはちゃんと連絡くれた。
(・・・怖い)
私は握り締めていた携帯を開いて、健二に電話をかけた。
:07/11/11 22:03
:N901iC
:yRk1fCsw
#438 [あんみつ]
プルルル・・・プルルル・・・
(・・・健二・・・出て)
携帯を握り締める手に、力が入る。
プルルル・・・プルルル・・・
(・・・お願い、健二)
プルルル・・・・・・
長い呼び出し音が、止まった。
:07/11/11 22:04
:N901iC
:yRk1fCsw
#439 [あんみつ]
私は、耳に携帯を押しつける。
が、何も聞こえない。
「・・・健二・・・??」
名前を呼んだ。
{・・・ねこ}
健二だ。
電話の向こうから聞こえた声は、紛れもなく健二の声だ。
:07/11/11 22:06
:N901iC
:yRk1fCsw
#440 [あんみつ]
(・・・良かった)
「健二、どうしたの??今どこ??」
{・・・・・・}
沈黙ばかりで、言葉が返ってこない。
健二が無事だと分かったのに、まだ胸が騒ぐ。
「・・・健二??」
{・・・ねこ、悪い。・・・今日、行けない}
やっと聞こえた健二の声は、何だか暗かった。
:07/11/11 22:07
:N901iC
:yRk1fCsw
#441 [あんみつ]
「・・・え・・・な、何で??」
{・・・・・・}
胸が苦しい。
ドクドクする。
(・・・健二・・・答えて)
{・・・健二先輩}
(・・・え・・・??)
体の中を、何か冷たいものが通った気がした。
:07/11/11 22:09
:N901iC
:yRk1fCsw
#442 [あんみつ]
かすかに聞こえた・・・佐古さんの声。
(・・・なん、で・・・)
{・・・ごめん、ねこ}
ピッ・・・プープー・・・
健二の言葉を最後に、電話が切れた。
:07/11/11 22:11
:N901iC
:yRk1fCsw
#443 [あんみつ]
何で??
ねぇ、健二。
ちゃんと答えてよ。
何で来れないの??
何で佐古さんと一緒なの??
何で答えてくれないの??
たくさんの「何で??」が頭に浮かんだけど、本当のことは何1つ分からない。
:07/11/11 22:12
:N901iC
:yRk1fCsw
#444 [あんみつ]
ただ分かっているのは、今、私の隣に健二はいない。
健二の隣に私はいない。
今、健二の隣にいるのは・・・佐古さん。
・・・私じゃない。
:07/11/11 22:14
:N901iC
:yRk1fCsw
#445 [あんみつ]
私は力なく手をおろすと、そこから動けなかった。
開きっぱなしの携帯を見つめる。
視界が、にじむ。
枯れたと思った涙が、また頬をつたった。
:07/11/11 22:15
:N901iC
:yRk1fCsw
#446 [あんみつ]
ねぇ・・・来てよ、健二。
私の隣に、来てよ。
佐古さんは彼女で、私は幼なじみ。
分かってるのに・・・。
:07/11/11 22:21
:N901iC
:yRk1fCsw
#447 [あんみつ]
健二は私より佐古さんを選んだ。
そう思ったら、苦しかった。
健二が大事なのは、私より佐古さん。
それを実感させられて、悲しかった。
:07/11/11 22:23
:N901iC
:yRk1fCsw
#448 [あんみつ]
「・・・ひっ・・・く」
止めようとしても止まらない。
この感じ、一昨日と一緒。
:07/11/11 22:24
:N901iC
:yRk1fCsw
#449 [あんみつ]
私は、健二が佐古さんと付き合い始めても、変わらず私の隣にいてくれることに、安心してたんだ。
何だかんだ言っても、私が健二を必要なように、健二にも私が必要なんだ、って。
心の底では、健二の1番は私なんだ、って。
自惚れてたんだ。
:07/11/11 22:32
:N901iC
:yRk1fCsw
#450 [あんみつ]
けど、違う。
違うんだ。
健二の1番は・・・私じゃない。
佐古さんなんだ。
:07/11/11 22:33
:N901iC
:yRk1fCsw
#451 [あんみつ]
「・・・っ・・・ひっ」
ぬぐってもぬぐっても、涙が落ちる。
周りの視線を感じたけど、それどころじゃなかった。
(・・・だって・・・分かった)
:07/11/11 22:40
:N901iC
:yRk1fCsw
#452 [あんみつ]
・・・ねぇ、健二。
やっと分かったよ。
私は・・・健二の1番になりたかったんだ。
ずっと、ずっと健二の1番でいたかったんだ。
:07/11/11 22:42
:N901iC
:yRk1fCsw
#453 [あんみつ]
『ねこちゃんの1番って誰??』
・・・ごめん、洋平君。
私にとっての1番は・・・健二なんだ。
健二の1番になりたいって思うのは、私にとって、健二が1番だから。
この涙の訳は、健二の隣にいられないのが、健二が隣にいないのが、つらいから。
:07/11/11 22:44
:N901iC
:yRk1fCsw
#454 [あんみつ]
・・・健二。
私、やっぱり・・・
・・・健二が・・・
「・・・好き」
小さく呟いた気持ちは、涙と共に流れて、地面に溶けた。
・・・健二には、届かない。
:07/11/11 22:50
:N901iC
:yRk1fCsw
#455 [あんみつ]
:07/11/11 22:56
:N901iC
:yRk1fCsw
#456 [あんみつ]
17、言えない気持ち
健二、大好きだよ。
・・・今更、言えないけど。
けど、もしも、時間が戻せたら。
あの七夕の夜に戻れたら。
私は、今度こそ健二に「好き」って言うのかな??
健二にとって私は、「幼なじみ」だと知っていながら・・・。
:07/11/24 22:35
:N901iC
:6PaKTvn2
#457 [あんみつ]
――――――――
あれから、どのくらいたったのだろう。
辺りはすっかり薄暗くなっていた。
涙はもう枯れてしまった。
風が涙の跡を、優しく消していく。
私は、かすむ目をこすって立ち上がった。
:07/11/24 22:37
:N901iC
:6PaKTvn2
#458 [あんみつ]
・・・健二は来なかった。
もう来ないって、分かってた。
けど、あんな電話がきても、それでも今まで待っていたのは、心の奥では期待してたんだ。
信じてたんだ。
健二は来てくれるって。
:07/11/24 22:39
:N901iC
:6PaKTvn2
#459 [あんみつ]
――――――――
地元の駅に着いた時には、辺りは真っ暗になっていた。
私は、重い足を何とか前に出して家に向かう。
電灯の少ない道を、月が明るく照らしている。
:07/11/24 22:40
:N901iC
:6PaKTvn2
#460 [あんみつ]
次の曲がり角を曲がったら、私の家が見える。
少し離れたところに、健二の家も。
あの日は健二、私の家の前で待ってたね。
・・・結局、喧嘩しちゃったけど。
:07/11/24 22:41
:N901iC
:6PaKTvn2
#461 [あんみつ]
健二はいない。
そう、自分に言い聞かせながら。
けど、どこか期待しながら。
私は、曲がり角を曲がった。
・・・健二は、いない。
:07/11/24 22:43
:N901iC
:6PaKTvn2
#462 [あんみつ]
『ねこ!!』
私を呼ぶ、笑顔の健二が頭に浮かぶ。
私は、家の門に手を掛けて、ゆっくりと振り向いた。
見慣れた健二の家。
道路に面した、2階の西側の部屋。
健二の部屋には、灯りがついている。
:07/11/24 22:44
:N901iC
:6PaKTvn2
#463 [あんみつ]
(・・・健二、帰ってるんだ)
私は門を開けて、家に入った。
ガチャッ
「・・・ただいま」
「おかえりー。遅かったねぇ。ご飯は??」
靴を脱いでいると、リビングからお母さんが顔を出した。
「・・・いいや。お腹空いてない」
顔を上げずにそれだけ言って、私は階段を上がった。
:07/11/24 22:47
:N901iC
:6PaKTvn2
#464 [あんみつ]
――――――――
『・・・ごめん、ねこ』
健二は、佐古さんと一緒にいた。
『・・・健二先輩と、離れてください』
ねぇ、健二。
あの「ごめん」は、どういう意味??
健二は・・・私を切ったの??
佐古さんのために。
:07/11/24 22:52
:N901iC
:6PaKTvn2
#465 [あんみつ]
・・・健二から、連絡がない。
考えたくなくても、これは、きっと、そういうことなんだろう。
健二は、私から離れた。
だとしたら、健二は私に話し掛けて来ない。
:07/11/24 22:54
:N901iC
:6PaKTvn2
#466 [あんみつ]
周りを傷つけないために、健二と離れようと思ってた。
思ってたけど・・・こんなのを望んでいた訳じゃない。
私は・・・ちゃんと健二と話がしたかった。
だけど・・・
『・・・明後日、それで最後にするから・・・』
・・・私からは、動けない。
:07/11/24 22:55
:N901iC
:6PaKTvn2
#467 [あんみつ]
本当は、離れずにすむなら、そうしたかった。
本当は、健二に話して、反対してほしかった。
けど・・・健二から先に離れられた。
いっぱい悩んでくれたよね??
簡単に離れたわけじゃないよね??
それで決めたなら、私は何も言えないよ。
:07/11/24 22:56
:N901iC
:6PaKTvn2
#468 [あんみつ]
「離れないで」なんて言えない。
「離れたくない」とも。
・・・「好き」とも。
言ってはいけない、絶対に。
それは、佐古さんの想いを、健二の想いを、踏みにじることになるから。
私は、健二に、「好き」と言えない。
:07/11/24 22:58
:N901iC
:6PaKTvn2
#469 [あんみつ]
けど・・・私には、この気持ちを、正直に伝えなきゃいけない人もいる。
傷つけてばかりだったけど。
また傷つけてしまうけど。
・・・このままではいけないんだ。
:07/11/24 22:59
:N901iC
:6PaKTvn2
#470 [あんみつ]
――――――――
その日の夜は、泣かなかった。
涙がもう、出てこなかった。
馬鹿な私は懲りずに、明日健二がいつも通り、笑って話し掛けてくれることを、期待して眠った。
:07/11/24 23:01
:N901iC
:6PaKTvn2
#471 [あんみつ]
健二が好き。
健二の1番になりたい。
自覚してしまった気持ちは、どんどん大きくなって、私の心を埋め尽くしていった。
:07/11/24 23:02
:N901iC
:6PaKTvn2
#472 [あんみつ]
:07/11/24 23:10
:N901iC
:6PaKTvn2
#473 [め ぐ]
:07/11/26 22:50
:F703i
:dVV6Bg2I
#474 [あんみつ]
:07/11/28 17:35
:N901iC
:4YhyEWsw
#475 [あんみつ]
18、洋平君
この気持ちを、伝えなきゃならない人がいる。
うまく言葉にできるか分からない。
けど、正直に。
それが私にできる、せめてもの償い。
:07/11/28 20:37
:N901iC
:4YhyEWsw
#476 [あんみつ]
――――――――
どんなにつらくても、朝はくる。
今日は、いつもより早く家を出よう。
健二に会わないように。
私を見た時の、健二の態度が怖いから。
予想が、確信に変わるのが怖いから。
:07/11/28 20:39
:N901iC
:4YhyEWsw
#477 [あんみつ]
「・・・いってきまーす」
ドアノブに手を掛けて、ゆっくりと開ける。
私の気持ちとは裏腹に、眩しいくらいのいい天気。
私はドアを片手で押さえたまま、大きく息を吸った。
(・・・行くか)
そう思って、ドアから手を離そうとした時、私は無意識に健二の家の方を見た。
:07/11/28 20:41
:N901iC
:4YhyEWsw
#478 [あんみつ]
(・・・えっ)
そこには、ちょうど家から出てくる健二の姿。
私は思わず、もう一度家に入り、ドアを閉めた。
(・・・え、何で??何でこんな早く・・・)
私は恐る恐る、覗き穴から外を見た。
まだ健二は通らない。
気付かれないと分かっていても、なぜか息を潜めてしまう。
:07/11/28 20:42
:N901iC
:4YhyEWsw
#479 [あんみつ]
(・・・あ)
健二が私の家の前を通り過ぎる・・・と思ったら、立ち止まってこっちを見た。
(何・・・)
健二からこっちが見えるはずないのに、私は目が合っているような気がしてならない。
:07/11/28 20:45
:N901iC
:4YhyEWsw
#480 [あんみつ]
瞬きができない。
正面から見る健二の顔。
いつもの明るい健二じゃない。
何か言いたそうな・・・そんな顔。
少しして、健二はまた前を向いて歩きだし、私の視界から消えた。
:07/11/28 20:46
:N901iC
:4YhyEWsw
#481 [あんみつ]
何、健二??
何か言いたいことがあるの??
あるなら私は、言ってほしいよ。
私だって、言いたいことある。
・・・けど、健二は何も言ってくれないんだね。
:07/11/28 20:53
:N901iC
:4YhyEWsw
#482 [あんみつ]
それに・・・こんな早くに、学校に行く健二。
・・・ねぇ、健二。
健二も、私を避けたんだね。
・・・予想が、確信に変わっていく。
健二は・・・私から離れたんだね。
:07/11/28 20:54
:N901iC
:4YhyEWsw
#483 [あんみつ]
――――――――
結局私は、いつも通りの時間に家を出た。
ちゃんと歩いていたつもりなのに、学校に着いたのがぎりぎりでびっくりした。
「ねこ、今日遅かったね。どしたの??」
1時間目が終わり、奈津美が私のところに来る。
:07/11/28 20:59
:N901iC
:4YhyEWsw
#484 [あんみつ]
「んー、ちょっとね」
それだけ言うと、奈津美は「ふーん」と言って、前の空いている席に座った。
それから奈津美は、何も言わない。
私は、何も言えない。
:07/11/28 21:00
:N901iC
:4YhyEWsw
#485 [あんみつ]
奈津美に言いたいこと、聞いてほしいことは、たくさんある。
でも今は、言葉がでない。
それに、奈津美より先に、言わなきゃいけない人がいる。
:07/11/28 21:02
:N901iC
:4YhyEWsw
#486 [あんみつ]
少しの沈黙のあと、奈津美は私の頭を優しく叩いた。
「言えるようになったら、聞くからね??」
そう言って笑う。
「・・・ありがと」
私が言うと、奈津美は自分の席に帰っていった。
:07/11/28 21:03
:N901iC
:4YhyEWsw
#487 [あんみつ]
ありがとう。
何度言っても足りないよ。
言える時がきたら、奈津美にもちゃんと話すよ。
奈津美にも、聞いてほしいんだ。
どうしようもない、私の気持ち。
:07/11/28 21:05
:N901iC
:4YhyEWsw
#488 [あんみつ]
奈津美がいなくなって、私は携帯を取り出した。
カチッカチッ
――――――――

9/20 9:22
To 田村洋平
Sub 無題
話したいことがあるの。
今日の放課後、裏庭に来てほしい。
――――――――
:07/11/28 21:06
:N901iC
:4YhyEWsw
#489 [む〜み〜]
更新待ってます(´・ω・`)
:07/12/07 13:49
:SO903iTV
:Es2Qr2l.
#490 [あんみつ]
む〜み〜さん

ぁりがとうございます

今テスト中で、ただでさえ遅い更新が、ストップしてました

すみません

まだテスト終わってませんが、時間ができたので今から少し更新しますね

:07/12/08 08:41
:N901iC
:YQl3TXec
#491 [あんみつ]
――――――――
私、洋平君に支えられたこと、いっぱいあったよ。
けど私は、洋平君に何かしてあげれたかな??
:07/12/08 08:43
:N901iC
:YQl3TXec
#492 [あんみつ]
裏庭に着いて、辺りを見回す。
洋平君は、まだ来ていない。
私はベンチに腰を下ろして、静かに目を閉じた。
遠くで、生徒達の笑い声が聞こえる。
:07/12/08 08:44
:N901iC
:YQl3TXec
#493 [あんみつ]
『洋平君の事・・・ちゃんと考える』
『・・・健二先輩と、離れてください』
・・・いろいろあった。
いろいろあったよ。
:07/12/08 08:46
:N901iC
:YQl3TXec
#494 [あんみつ]
洋平君のことちゃんと考えて、付き合うって決めた。
私の選択は、間違ってたのかな。
結局私は、自分のことしか考えてなかったんじゃないかな。
私は・・・洋平君の優しさに逃げたんじゃないかな。
:07/12/08 08:47
:N901iC
:YQl3TXec
#495 [あんみつ]
「ごめん、待った??」
目を開けて上を見ると、洋平君が立っていた。
「・・・ううん、全然」
「そっか。なら良かった」
そう言うと洋平君は、私の隣に腰を下ろした。
洋平君は何も言わない。
雰囲気で分かる。
私の言葉を待ってくれている。
:07/12/08 08:49
:N901iC
:YQl3TXec
#496 [あんみつ]
温かい人、優しい人。
この人に・・・嘘はつけない。
「・・・洋平君」
私は、振り絞るように言った。
自分の心臓の音が、やけに大きく聞こえる。
洋平君の方を見ると、洋平君も私を見ていた。
真っすぐな瞳で見られると、胸が苦しくなった。
:07/12/08 08:50
:N901iC
:YQl3TXec
#497 [あんみつ]
けど、言わなきゃいけない。
このままじゃいけない。
(・・・洋平君)
『ねこ!!』
(・・・健二)
:07/12/08 08:52
:N901iC
:YQl3TXec
#498 [あんみつ]
私は、ゆっくり口を開く。
「・・・洋平君」
私はもう一度言って、息を吸った。
大丈夫、言える。
「・・・私、健二が好きなの」
:07/12/08 08:54
:N901iC
:YQl3TXec
#499 [あんみつ]
吐き出すように、言った。
これが、どうしようもない私の気持ち。
「・・・洋平君のこと、好きだよ。けど・・・私にとっての1番は・・・やっぱり健二なの」
少しずつ、少しずつ。
言葉をつなげる。
:07/12/08 08:56
:N901iC
:YQl3TXec
#500 [あんみつ]
洋平君は、まっすぐ私を見ている。
怒りとも、悲しみともとれない表情で。
少しも目をそらさない。
「・・・ごめんなさい」
私は頭を下げた。
たまらなく、胸が苦しくなった。
洋平君の真っすぐな瞳から逃げた。
私はやっぱり、弱虫だ。
:07/12/08 08:58
:N901iC
:YQl3TXec
#501 [あんみつ]
「・・・謝るなよ」
洋平君が言った。
頭に温もりを感じる。
洋平君の手だ。
私は、そっと顔を上げた。
:07/12/08 08:59
:N901iC
:YQl3TXec
#502 [あんみつ]
「俺・・・ねこちゃんが、ちゃんと俺と向き合ってくれて、嬉しかったよ」
洋平君は、優しく笑う。
「・・・ねこちゃんといれて、楽しかったし」
言いながら洋平君は、私の頭をわしゃわしゃと撫でた。
(・・・何でこんなに)
:07/12/08 09:00
:N901iC
:YQl3TXec
#503 [あんみつ]
「・・・て、こら泣くなよ」
洋平君に言われて、自分が泣いてることに気付いた。
洋平君は、袖で涙を拭ってくれる。
「・・・洋平君、優しすぎだよー・・・」
温かい。
洋平君の優しさに、また救われた。
:07/12/08 09:02
:N901iC
:YQl3TXec
#504 [あんみつ]
「泣くなって・・・また、ほっとけなくなるから」
洋平君の言葉に、私は目を見開いた。
照れ臭そうに笑う洋平君。
「ほら、笑え!!」
後悔も、不安も吹き飛ばす、洋平君の笑顔。
傷つけてないはずない。
けど、それでも笑ってくれる。
優しい人、強い人。
:07/12/08 09:05
:N901iC
:YQl3TXec
#505 [あんみつ]
たくさん傷つけてごめん。
1番じゃなくてごめん。
支えてくれて、ありがとう。
この気持ちに気付かせてくれて、ありがとう。
:07/12/08 09:07
:N901iC
:YQl3TXec
#506 [あんみつ]
「・・・ありがと」
私は涙を拭うと、笑った。
それを見て洋平君は、私の頭をぽんぽんと叩く。
「・・・どうしてもつらくなったら、言いなよ。聞くからさ」
そう言うと、洋平君は立ち上がった。
「・・・じゃ、またな!!」
私が返事をしないうちに、洋平君は校舎に向かって走って行った。
:07/12/08 09:09
:N901iC
:YQl3TXec
#507 [あんみつ]
(・・・ありがとう)
本当に、本当にありがとう。
「・・・ありがとう」
洋平君の背中に向かって、もう一度つぶやいた。
:07/12/08 09:10
:N901iC
:YQl3TXec
#508 [あんみつ]
:07/12/08 09:21
:N901iC
:YQl3TXec
#509 [あんみつ]
19、どうすることも
洋平君が笑ってくれるから、私も笑えた。
『健二が好き』
言葉にしたら、気持ちがまた大きくなった気がした。
届かない想いが、苦しくて、切なくて、泣きそうになった。
:07/12/16 16:01
:D904i
:vTqJY5Nc
#510 [あんみつ]
・・・届かない。
分かってる。
けど、それでも誤魔化せなかった、止められなかった。
自覚して、どんどん大きくなるこの気持ち。
届かない。
なのに、優しい人を傷付けて、私はこれから、どうすればいいんだろう。
どうしたいんだろう。
.
:07/12/16 16:14
:D904i
:vTqJY5Nc
#511 [あんみつ]
――――――――
「私・・・洋平君と別れた」
「・・・え」
放課後の屋上。
私の言葉に、奈津美は目を丸くした。
「・・・いつ??」
「昨日の、放課後」
奈津美の質問に短く返して、私は奈津美の横に座った。
:07/12/16 16:16
:D904i
:vTqJY5Nc
#512 [あんみつ]
フェンス越しに見下ろすグラウンドに、帰って行く生徒や部活の準備をする野球部が見える。
奈津美が隣に座った私を見る。
「・・・何か、ね」
奈津美が何か言う前に、私は口を開いた。
:07/12/16 16:19
:D904i
:vTqJY5Nc
#513 [あんみつ]
佐古さんに言われたこと、健二と待ち合わせたこと、健二が来なかったこと。
それと、自覚した私の気持ち。
どうしようもない、私の気持ち。
たどたどしい私の話を、奈津美は黙って聞いてくれた。
話し終えると、私は再び立ち上がった。
:07/12/16 16:21
:D904i
:vTqJY5Nc
#514 [あんみつ]
野球部のかけ声が聞こえる。
「・・・ねぇ」
奈津美も立ち上がる。
私を見る奈津美は、泣きそうな目をしていた。
「ねこ・・・これからどうするの??」
.
:07/12/16 19:42
:D904i
:vTqJY5Nc
#515 [あんみつ]
『どうするの??』
『どうしたいの??』
気持ちを自覚した日から、何度も何度も、自分に聞いた。
けど・・・
.
:07/12/16 19:54
:D904i
:vTqJY5Nc
#516 [あんみつ]
「・・・どうしようもない、かな」
泣きそうな奈津美に、私はへらっと笑って見せた。
「佐古さんとも約束したし・・・健二にも離れられちゃったし」
.
:07/12/16 19:56
:D904i
:vTqJY5Nc
#517 [あんみつ]
そう。
私は動けない。
健二に「好き」と言えない。
言ってはいけない。
言ったところで・・・健二にとって私は幼なじみ。
.
:07/12/16 20:00
:D904i
:vTqJY5Nc
#518 [あんみつ]
「・・・けど、こんな気持ちのまま、洋平君と付き合えないから」
きっとこの先も、健二を1番に思う気持ちは変わらないから。
むくわれなくても。
離れても。
.
:07/12/16 20:05
:D904i
:vTqJY5Nc
#519 [あんみつ]
「・・・うん」
奈津美はうつむいた。
光に透けて茶色っぽい奈津美の髪が、横顔をおおう。
「・・・ねこ、バカだよ」
「・・・うん、バカかも」
カキンッ
バットにボールが当たる金属音が響いた。
:07/12/16 20:29
:D904i
:vTqJY5Nc
#520 [あんみつ]
「・・・ふっ」
奈津美の体が揺れた。
そして、うつむいていた顔が上がる。
「バカでも好きだよー、ねこ!!」
奈津美の顔は、笑顔だった。
(・・・奈津美)
:07/12/16 20:30
:D904i
:vTqJY5Nc
#521 [あんみつ]
「私もバカな奈津美が好きー!!」
私は奈津美の腕をとった。
「じゃぁ付き合っちゃう!?」
「きゃはは!!」
ありがとう、奈津美。
奈津美がいてくれて良かった。
.
:07/12/16 20:32
:D904i
:vTqJY5Nc
#522 [あんみつ]
――――――――
どうしようもない。
どうすることもできない。
佐古さんの幸せを壊す権利、私にはない。
健二の決心を無駄にすること、私にはできない。
:07/12/16 21:45
:D904i
:vTqJY5Nc
#523 [あんみつ]
ただ・・・ただ想っているだけ。
それだけ。
・・・健二、大好きだよ。
.
:07/12/16 21:46
:D904i
:vTqJY5Nc
#524 [あんみつ]
:07/12/16 21:51
:D904i
:vTqJY5Nc
#525 [かず]
:07/12/18 22:43
:D703i
:GWjWcVmk
#526 [サト]
:07/12/18 23:48
:D903i
:N1auFjoI
#527 [あっちゃん
]
がんばてください

:07/12/23 01:32
:SO903i
:WsU9zKcQ
#528 [あんみつ]
:07/12/23 16:16
:D904i
:6H/vLUkE
#529 [あんみつ]
:07/12/23 16:18
:D904i
:6H/vLUkE
#530 [あんみつ]
あっちゃん

さん


ぁりがとうございます


よかったら感想板にも来てみてくださいね

あとで更新します

:07/12/23 16:20
:D904i
:6H/vLUkE
#531 [あんみつ]
20、「好き」と言ったら。
「健二!!」
今日もあの子が教室に来た。
けど、あの子が会いに来たのは俺じゃない。
「おー、ねこ。ちょっと待って」
あの子が会いに来たのは、竹本健二。
俺の親友。
……………洋平's side…
.
:07/12/23 16:36
:D904i
:6H/vLUkE
#532 [あんみつ]
「あー洋平。こいつ幼なじみのねこ」
「よろしくー!!」
「あ、どーも」
初めて会ったのは高1の春。
笑顔がかわいい子だなって思った。
今思えば、この時からすでに惹かれていたのかもしれない。
.
:07/12/23 16:38
:D904i
:6H/vLUkE
#533 [あんみつ]
「洋平君、健二いる??」
今日もねこちゃんが教室に来た。
「あ、健二今職員室行ってる。すぐ帰ってくると思うよ」
初めて名前を呼ばれて内心ドキドキな俺は、平静を装って答えた。
「じゃあ待っとくや。ありがと!!」
そう言って、ねこちゃんは廊下の壁にもたれる。
.
:07/12/23 16:40
:D904i
:6H/vLUkE
#534 [あんみつ]
・・・見つめてしまった。
俺は、彼女を。
肩より少し長い髪。
長いまつげに、小さな泣きボクロまで。
カバンを持ち直し、前髪を整える仕草一つ一つも。
なぜだか、目が離せなくて。
・・・恋に、落ちた。
.
:07/12/23 16:44
:D904i
:6H/vLUkE
#535 [あんみつ]
「ねぇ健二と洋平君って、どうやって仲良くなったの??」
俺の視線に気づいてかねこちゃんが話しかけてきて、俺ははっとした。
(うわ、やば・・・)
「あーえっと、初めの宿泊研修の時に同じ班だったからかな」
話してる間ねこちゃんがじっと見てくるから、俺は顔が赤くなっていないか心配だった。
:07/12/23 16:47
:D904i
:6H/vLUkE
#536 [あんみつ]
「へー。あ、健二あれで道間違えたらしいね」
「そう!!オリエンテーションで。健二が絶対あっちだって言い張るから行ったら、見事迷った」
「ははっ!!」
笑うねこちゃんを見て俺は、やっぱり笑顔かわいいな、なんて思ったりした。
「ま、楽しかったけどな」
話していると思い出して、おかしくてまた笑えた。
:07/12/23 16:53
:D904i
:6H/vLUkE
#537 [あんみつ]
「洋平君」
ねこちゃんが、俺を手招きする。
俺はドキドキしながら、ねこちゃんの隣で同じように壁にもたれた。
「何??」
「いや、通りたそうにしてたから」
そう言ってねこちゃんは、教室のドアの方を指差す。
見ると、クラスの女子が何人か出てきていた。
ドアの前に立っていた俺は、相当邪魔になっていたらしい。
:07/12/23 16:56
:D904i
:6H/vLUkE
#538 [あんみつ]
(・・・なんだ)
「・・・健二、昔も同じようなことしてたよ」
がっかりする俺の気持ちなんか、知る由もないねこちゃんが続ける。
「へー??」
「小2の時にね。何でか忘れたけど、学校の帰りに突然海に行こうってことになって」
「2人で??」
「うん。で、健二が南に行けば着くって言うから、川沿いに歩いて行ってたの。ひたすら」
ねこちゃんは、懐かしそうに話す。
:07/12/23 17:01
:D904i
:6H/vLUkE
#539 [あんみつ]
そんなねこちゃんを見ながら俺は、ねこちゃんに着いてきてもらえる小2の健二を羨ましく思ったりした。
遠い昔のことに、バカみたいだけど。
「けど、海なんか着かないし夜になっちゃって、結局探しにきた親に連れ戻されたの。しかも後から知ったけど、南じゃなくて北に向かってたらしいし」
:07/12/23 17:04
:D904i
:6H/vLUkE
#540 [あんみつ]
「ははっ!!健二って昔から人のこと振り回してたのか」
「ねー!!・・・けど、憎めないんだよね」
そう言ってねこちゃんは、今までで1番かわいく笑った。
・・・ように見えた。
.
:07/12/23 17:07
:D904i
:6H/vLUkE
#541 [あんみつ]
俺の感は当てにならない。
けど、嫌な予感がする。
もし、もしも俺の感が当たっていたら・・・もしかしたら、ねこちゃんは・・・
「あ、健二!!」
「悪い、ねこ。遅くなった」
健二が帰ってきた。
ねこちゃんは、嬉しそうに健二に歩み寄る。
.
:07/12/23 17:09
:D904i
:6H/vLUkE
#542 [ァリ]
失礼します

<<1-100
<<101-200
<<201-300
<<301-400
<<401-500
<<501-600
<<601-700
<<701-800
<<801-900
<<901-1000
:07/12/23 17:10
:P702iD
:m8g6Q5a6
#543 [あんみつ]
・・・つらい恋を予感した、高1の夏。
あれから約1年たった。
何度も気になることはあった。
けど、それでも俺は、違うかもしれない、「幼なじみ」としてかもしれない、と甘い期待を抱いていた。
.
:07/12/23 17:11
:D904i
:6H/vLUkE
#544 [あんみつ]
:07/12/23 19:49
:D904i
:6H/vLUkE
#545 [あんみつ]
――――――――
高2の夏。
健二が後輩に告白された。
「健二、振ったんだって??」
放課後、健二と俺が話しているところに割り込んできたのは、同じクラスの岡崎。
多分、佐古さんのことだろう。
確かに健二は先週、告白されたその日に振った。
:07/12/23 21:06
:D904i
:6H/vLUkE
#546 [あんみつ]
「あぁ。・・・てか、何で知ってんの??」
健二が、不思議そうに聞き返す。
「その子、俺の知り合い」
「あー、そうなん??」
「あぁ。俺の部活の後輩と同じクラスの子」
岡崎は真顔で答える。
(・・・知り合い、か??)
「で、どうしても付き合えない??」
突っ込む暇も与えず、岡崎が言った。
:07/12/23 21:08
:D904i
:6H/vLUkE
#547 [あんみつ]
「あぁ」
そっけない健二の返事に、岡崎は小さくため息をつく。
「やっぱ無理か。・・・けど健二、あの子はただの幼なじみだろ??」
あの子は、ねこちゃんのことだろう。
しつこい岡崎に、だんだんと健二の顔が険しくなってくる。
:07/12/23 21:14
:D904i
:6H/vLUkE
#548 [あんみつ]
「・・・ねこは関係ねーよ??」
健二が答える。
無理に作った笑顔が逆に怖い。
確かに岡崎もうるさいが、何があったのか今日の健二は機嫌が悪い。
このまま続けさせるわけにはいかない。
そう思って止めようとすると、後ろのドアのところからねこちゃんが覗いているのが見えた。
:07/12/23 21:19
:D904i
:6H/vLUkE
#549 [あんみつ]
(あ、いいところに)
「おい、健・・・」
「竹本先輩!!」
俺の言葉は、健二を呼ぶ声に遮られた。
声のした方を見ると、前のドアのところで活発そうな女の子が、健二に向かって手を振っている。
「は??何で・・・」
言いながら、健二は岡崎を睨む。
:07/12/23 21:24
:D904i
:6H/vLUkE
#550 [あんみつ]
「俺じゃねーよ!!」
睨まれた岡崎は、慌てて首を横に振る。
(・・・あの子が佐古さんか)
健二の性格からして、いくら機嫌が悪くても無視はできないだろう。
思った通り、ため息をつきながらも、健二は佐古さんの方に向かった。
ねこちゃんには、気づいていない。
:07/12/23 21:48
:D904i
:6H/vLUkE
#551 [あんみつ]
俺が再び後ろのドアのところを見ると、ねこちゃんと目があった。
と思ったら、さっとドアの陰に隠れてしまった。
一瞬見えた顔は、泣きそうだった。
(・・・あ)
俺は立ち上がった。
けど、そこから足が動かない。
.
:07/12/23 21:53
:D904i
:6H/vLUkE
#552 [あんみつ]
追いかけて、俺は何を言うつもりなんだ??
どうするつもりなんだ??
・・・分からない。
けど・・・
(・・・ほっとけない)
俺は教室を飛び出した。
:07/12/23 22:00
:D904i
:6H/vLUkE
#553 [あんみつ]
ねこちゃんは、もう廊下にいない。
俺は廊下を走って、1段飛ばしで階段を駆け下りる。
1階まで下りて、ようやく下駄箱のところに後ろ姿を見つけた。
(・・・あ)
「・・・ねこちゃん!!」
呼んだ。
ねこちゃんが振り向く。
:07/12/23 22:03
:D904i
:6H/vLUkE
#554 [あんみつ]
「・・・洋平君」
声にいつもの元気がない。
(えっと・・・)
「あいつ・・・健二、呼ばなくて良かったの??」
何か言わなきゃと思って出た言葉は、こんなものだった。
「あー・・・うん、たいした用じゃないから」
ねこちゃんが答える。
.
:07/12/23 22:05
:D904i
:6H/vLUkE
#555 [あんみつ]
嘘つくなよ。
いっつも用なくても、一緒に帰ってるじゃん。
「・・・そ??」
けど、これ以上は言えない。
「うん、大丈夫」
どこがだよ。
無理して笑ってんのばればれなんだよ。
.
:07/12/23 22:13
:D904i
:6H/vLUkE
#556 [あんみつ]
「じゃ、ばいばい!!わざわざありがとね」
ねこちゃんが、後ろを向いて帰ろうとする。
「ねこちゃん!!」
俺は無意識のうちに、また呼び止めていた。
ねこちゃんが、ゆっくりと振り返る。
「・・・え??何??」
・・・泣きそうな顔をしていた。
.
:07/12/23 22:14
:D904i
:6H/vLUkE
#557 [あんみつ]
俺は、彼女に何を言おうとしたのだろう。
佐古さん、まだ諦めてないみたいだよ。
・・・言ったらねこちゃんは、健二を諦める??
俺のことを好きになる??
・・・いや、そんなことを言っても、傷つけるだけだ。
悩ませるだけだ。
:07/12/23 22:17
:D904i
:6H/vLUkE
#558 [あんみつ]
健二より、自分のことを好きになってほしい。
けど、ねこちゃんを傷つけたいわけじゃない。
悩ませたいわけじゃない。
それに・・・泣きそうな彼女に、言えるわけがない。
.
:07/12/23 22:18
:D904i
:6H/vLUkE
#559 [あんみつ]
「あ、えっと・・・やっぱ何でもない。・・・てか、健二にはねこちゃんが来てた事、言わない方がいい??」
何でこんなこと言ったのか、自分でも分からない。
ただ、何となくその方がいい気がした。
「あっ・・・うん」
「分かった。じゃ、またな!!」
笑顔で言えた。
:07/12/23 22:20
:D904i
:6H/vLUkE
#560 [あんみつ]
俺はねこちゃんに背を向けて、再び階段を上がっていく。
下駄箱から見えない所まで上がって、俺は立ち止まった。
頭に浮かぶのは、ねこちゃんの泣きそうな顔ばかり。
.
:07/12/23 22:22
:D904i
:6H/vLUkE
#561 [あんみつ]
高2、7月の初め。
確信する。
好きな人の好きな人は、俺の親友。
幼なじみとしてじゃない。
ねこちゃんは・・・健二が好きだ。
.
:07/12/23 22:23
:D904i
:6H/vLUkE
#562 [南雲]
:07/12/24 00:42
:SH905i
:LPbMPAms
#563 [(´;ω;`)]
:07/12/26 00:23
:SH905i
:kh3mttDE
#564 [健二]
自分の名前が出てきてビックリした(笑)
:07/12/30 01:55
:PC
:tJ6JJp3U
#565 [あんみつ]
:07/12/30 20:48
:D904i
:IvjMyUfk
#566 [あんみつ]
――――――――
「・・・はぁー」
「幸せ逃げるぞ」
ねこちゃんが健二のことを好きだと、確信してから1週間。
無意識のうちに出た俺のため息に対して、健二が言った。
(この・・・鈍感)
ガンッ!!
俺は、健二が座っている俺の前の席のイスを、下から蹴った。
:07/12/31 08:51
:D904i
:iTVZMdxU
#567 [あんみつ]
「・・・おい、どした??」
怒るかと思った。
けど健二は、怒るどころか心配そうに言うから、自分のしたことがひどく後ろめたくなった。
「・・・悪い、何でもない」
今のは、ただのやつあたりだ。
健二は悪くない。
・・・分かってる。
けど、心の奥では健二に嫉妬してる自分がいる。
.
:07/12/31 08:53
:D904i
:iTVZMdxU
#568 [あんみつ]
「・・・ふーん??」
それだけ言うと、健二は読んでいた漫画に目を戻した。
健二の機嫌が悪かったのは結局あの日だけで、次の日からはいたって普通の健二だった。
ねこちゃんとも、いつも通り一緒に来て、一緒に帰ったりしている。
.
:07/12/31 08:55
:D904i
:iTVZMdxU
#569 [あんみつ]
「・・・なぁ」
「んー??」
健二は、漫画を読みながら答える。
「佐古さんのこと、どうなった??」
俺は、気になっていたことを聞いた。
.
:07/12/31 08:57
:D904i
:iTVZMdxU
#570 [あんみつ]
あの日、ねこちゃんを追いかけていった後教室に戻ったら、すでに佐古さんはいなかった。
まだ教室にいた健二に聞いたところ、どうやら「諦めません」と言われたらしい。
が、それ以降、佐古さんについての話は何も聞いていない。
俺の問いに、健二の目線がぴたりと止まった。
ゆっくりと漫画を閉じて、俺と向かい合う。
:07/12/31 08:59
:D904i
:iTVZMdxU
#571 [あんみつ]
「・・・それがさ」
いきなり小声で話し出す健二。
「メールやら電話やら来るんだよ」
言いながら健二は、いかにもうんざりという顔をした。
「は??健二、教えたん??」
「教えてねーよ。・・・多分、あいつだろ」
そう言って健二は、黒板の前の辺にいる岡崎に目線をやる。
:07/12/31 09:01
:D904i
:iTVZMdxU
#572 [あんみつ]
(・・・あぁ)
俺は静かに頷く。
健二の様子からして、もう岡崎に問いただすのも面倒らしい。
「初めの内は返事してた・・・つっても、すぐ切ってたんだけど。もうめんどくせー・・・」
健二は、片手で頭を押さえた。
.
:07/12/31 09:03
:D904i
:iTVZMdxU
#573 [あんみつ]
健二が佐古さんになびく様子は、全くない。
少なくとも、今のところは。
健二にとってねこちゃんは幼なじみ。
今までも、今も、多分これからもずっと。
.
:07/12/31 09:05
:D904i
:iTVZMdxU
#574 [あんみつ]
健二とねこちゃんを初めて見た時、他の奴と同じように俺も聞いた。
『ただの幼なじみ??好きとかは全くねーの??』
ねこちゃんのことが気になったから。
それもある。
けど、ただ単に不思議に思う気持ちもあった。
ずっと一緒にいて、すごく仲良くて、女として見たことはないのか。
:07/12/31 09:06
:D904i
:iTVZMdxU
#575 [あんみつ]
『好きだよ。大事な幼なじみとしてな』
そう言って健二は、照れくさそうに笑った。
あの健二の笑顔に、嘘はない。
けど、それは、ねこちゃんの想いは叶わないってことで。
多分、ねこちゃんもそれを分かってるから。
だから、健二に気持ちを伝えれないんだろう。
「好き」と言ったら、関係が壊れてしまう気がして。
:07/12/31 09:08
:D904i
:iTVZMdxU
#576 [あんみつ]
・・・じゃあ、俺は??
俺は、ねこちゃんが好きだ。
ねこちゃんは、健二が好きだ。
俺の想いは叶わない。
・・・だけど、本当にそれだけなのか??
.
:07/12/31 13:34
:D904i
:iTVZMdxU
#577 [あんみつ]
「・・・でさ、さっき、今日の放課後、話があるから残っててってメール来たんだけど」
健二の言葉で、俺は一気に現実に引き戻された。
「・・・は??て、佐古さんから??」
間の抜けた声が出た。
「あぁ。・・・まぁ俺も、このままなわけにもいかねーし」
健二は、声のことには触れずに言う。
:07/12/31 13:37
:D904i
:iTVZMdxU
#578 [あんみつ]
(・・・まぁな。・・・てか)
「・・・それ、ねこちゃんには??」
「・・・あぁ、先帰っといてって言わねーとな」
健二の答えは、俺が聞いた内容とは多少ずれている。
が、分かった。
ねこちゃんにはまだ言ってないらしい。
俺は心の中で、胸をなで下ろした。
:07/12/31 13:39
:D904i
:iTVZMdxU
#579 [あんみつ]
(それなら・・・)
「俺が言っといてやるよ」
「は??何で洋平が・・・」
「いーから!!言っといてやるって」
半ば無理矢理、健二をうなずかせた。
・・・何、必死になってんだ俺。
.
:07/12/31 13:40
:D904i
:iTVZMdxU
#580 [あんみつ]
――――――――
放課後。
俺は急いで、ねこちゃんのクラスに向かう。
ねこちゃんが健二の所に行かないうちに、早く。
健二ははっきり言うつもりらしい。
けど、話の内容どーこーより、健二と佐古さんが一緒にいるのを見せたくなかった。
傷つく顔を見たくなかった。
.
:07/12/31 14:42
:D904i
:iTVZMdxU
#581 [あんみつ]
ドンッ!!
「きゃ!!」
「わっ、ごめん!!大丈夫??」
廊下の曲がり角の所で誰かにぶつかって、俺はとっさに言った。
「あー、やっぱり洋平君」
聞くだけで鼓動が速くなる、この声。
下を向くと、思った通り、そしてタイミング良くねこちゃんがいた。
隣にねこちゃんの友達もいる。
:07/12/31 14:45
:D904i
:iTVZMdxU
#582 [あんみつ]
「あれ??ねこちゃん。ごめん、大丈夫??」
平静を装って聞く俺。
「うん、全然平気。どしたの??急いで」
「あー、ちょっとねこちゃんに用があって」
「私??」
「健二が・・・何か用できたから先帰っててって」
俺は、何度も頭の中で練習した言葉を言う。
「そうなんだ・・・分かった。ありがと」
ねこちゃんは一瞬残念そうな顔をしたが、すぐ笑顔で言った。
.
:07/12/31 15:01
:D904i
:iTVZMdxU
#583 [あんみつ]
・・・嘘は言ってない。
が、隠し事はしてる。
何だか罪悪感がある。
「うん。・・・ねこちゃん、もう、すぐ帰る??」
「うん、帰るけど??何??」
「いや、別に。お気を付けて!!」
俺は、隠し事がばれないうちに立ち去った。
:07/12/31 15:03
:D904i
:iTVZMdxU
#584 [あんみつ]
これで、とりあえずは安心だ。
そう思いながら、俺は少し遠回りして下駄箱に向かう。
下駄箱に着いた時、ちょうどそこから出て行こうとする、見覚えのある後ろ姿があった。
(あれ・・・)
「・・・ねぇ!!」
声をかけて、その子が振り向く。
「あれ??えっと、洋平君??」
.
:07/12/31 15:08
:D904i
:iTVZMdxU
#585 [あんみつ]
やっぱり。
さっき、ねこちゃんの隣にいた友達だ。
以前、少しだけ話をしたことがある。
どうして・・・
「1人??ねこちゃんは??」
隣にねこちゃんは、いない。
「あー、何か忘れ物したから先に帰ってって」
(・・・まじかよ)
「ありがと!!」
俺はそう言って、急いで戻ろうとした。
:07/12/31 16:04
:D904i
:iTVZMdxU
#586 [あんみつ]
(・・・あ)
「えっと、木原さんばいばい!!」
思い出した名前を言って、俺は走り出した。
嫌な予感がする。
早く、早く。
どうか、間に合いますように。
.
:07/12/31 16:10
:D904i
:iTVZMdxU
#587 [あんみつ]
階段を駆け上がって、廊下の曲がり角を曲がる。
「・・・はぁ」
俺の願いも虚しく、見えたのは、避けたかった光景。
2組のドアの所に立つ、ねこちゃんの後ろ姿だった。
(・・・くそっ)
小さく舌打ちをして、俺は素早く、けど静かにねこちゃんに近づく。
:07/12/31 16:41
:D904i
:iTVZMdxU
#588 [あんみつ]
ねこちゃんは少しも動かない。
近くまできて、俺はねこちゃんの手首を掴んで引っ張った。
その時かすかに聞こえたのは、佐古さんの声。
俺は、ねこちゃんの手を引いて走った。
.
:07/12/31 16:43
:D904i
:iTVZMdxU
#589 [あんみつ]
――――――――
走って、階段を上がって屋上に出た。
「・・・はぁ・・・はぁ」
俺に合わせて無理に走らせたから、ねこちゃんは息が上がっている。
俺は掴んでいた手首を放して、初めてねこちゃんの方を見た。
が、顔を見る前にねこちゃんはしゃがみこんでしまった。
:07/12/31 21:45
:D904i
:iTVZMdxU
#590 [あんみつ]
「・・・すぐ帰るって言ってたのに。・・・何で戻って来ちゃったんだよ」
そう言って俺も、隣に腰を下ろす。
そして、自分の腕に顔をうずめているねこちゃんの頭を撫でた。
「・・・うっ・・・ひっく・・・」
ねこちゃんの体が震える。
.
:07/12/31 21:47
:D904i
:iTVZMdxU
#591 [あんみつ]
悲しんでる顔を見たくなかった。
もちろん、泣いている顔も。
けど、君は泣いてる。
俺じゃない。
健二のために。
俺は、ずっとねこちゃんの頭を撫でていた。
「・・・家まで送るよ」
日が沈みかけた頃、俺は落ち着いたねこちゃんに言った。
.
:07/12/31 21:49
:D904i
:iTVZMdxU
#592 [あんみつ]
アスファルトに並んで伸びる、2つの影。
ねこちゃんと並んで歩くことに、すごくドキドキしてる。
けど、ねこちゃんの腫れた目を見る度に、胸が締め付けられた。
.
:07/12/31 21:50
:D904i
:iTVZMdxU
#593 [あんみつ]
・・・何でだよ。
「幼なじみ」だから??
だから、「好き」と言えない??
「好き」と言ったら、壊れてしまうから??
ずっと、気持ちを心の中に隠したまま??
・・・そんなのやめちゃえよ。
そんなつらい恋、やめちゃえよ。
.
:07/12/31 21:52
:D904i
:iTVZMdxU
#594 [あんみつ]
・・・じゃあ、俺は??
好きな人には、好きな人がいるから??
だから、「好き」と言わない??
このまま・・・やめれるのか??
.
:07/12/31 21:54
:D904i
:iTVZMdxU
#595 [あんみつ]
「・・・あのっ、もうこの辺でいいよ」
沈黙を破って、ねこちゃんが言った。
「・・・そう??」
「うん。・・・今日は、本当にありがとう」
そう言って、力なく笑う。
「うん・・・」
俺はしぶしぶ、自転車カゴからねこちゃんのかばんを取る。
.
:07/12/31 21:55
:D904i
:iTVZMdxU
#596 [あんみつ]
・・・やめれるわけがない。
そんな簡単な気持ちじゃない。
好きなんだ。
大好きなんだ。
笑っていてほしい。
笑わせてあげたい。
.
:07/12/31 21:57
:D904i
:iTVZMdxU
#597 [あんみつ]
「・・・洋平君??」
なかなかかばんを離さない俺に、ねこちゃんが不思議そうな顔で言った。
俺は、地面を見た。
「好き」と言ったら、それで終わりかもしれない。
けど、俺は・・・
.
:07/12/31 21:59
:D904i
:iTVZMdxU
#598 [あんみつ]
「・・・もう、健二のために泣くなよ」
「・・・え??」
俺は顔を上げて、ねこちゃんを見た。
「ねこちゃんに泣いてほしくないんだ」
.
:07/12/31 22:01
:D904i
:iTVZMdxU
#599 [あんみつ]
「好き」と言ったら、終わってしまうかもしれない。
けど・・・「好き」と言わないまま、終われない。
もう、放っておけない。
だったら・・・
「・・・好きなんだ」
.
:07/12/31 22:02
:D904i
:iTVZMdxU
#600 [あんみつ]
言わないままじゃ、終われない。
だったら、賭けてみようと思ったんだ。
「俺は、ねこちゃんの事が好きだ」
・・・「好き」と言ったら、その先に「終わり」じゃない何かがあるって、信じたかった。
.
:07/12/31 22:04
:D904i
:iTVZMdxU
#601 [かず]
:08/01/01 21:58
:D703i
:ktLkzclY
#602 [あんみつ]
:08/01/06 14:14
:D904i
:oazS//9U
#603 [あんみつ]
――――――――
ねこちゃんに、「好き」と言った。
俺はねこちゃんの言葉を遮って、返事を聞くのを先延ばしにした。
終わらせたくなかった。
必死だったんだ。
.
:08/01/06 14:18
:D904i
:oazS//9U
#604 [あんみつ]
「好き」と言ったことに、後悔はない。
けど、一方的すぎる俺の告白のせいで、ねこちゃんが余計に悩んでやしないか不安だった。
だから、ねこちゃんが俺のことを真剣に考えるって、好きになりたいって言ってきてくれた時、本当に嬉しかったんだ。
.
:08/01/06 14:20
:D904i
:oazS//9U
#605 [あんみつ]
――――――――
7月31日、夏休み1日目。
俺は部屋で、昨日のことを思い出していた。
『私・・・洋平君のこと、好きになりたいの。だから・・・もっと洋平君のこと、知りたいの』
『それは、前向きに考えてくれる・・・って事??』
俺の言葉に、ねこちゃんはうなずいてくれた。
.
:08/01/06 22:26
:D904i
:oazS//9U
#606 [あんみつ]
本当に、本当に嬉しかった。
「好き」と言ったら、終わりじゃなかった。
大丈夫。
まだ、頑張れる。
これからだ。
ピーピピーピー♪
携帯が鳴った。
ベットに寝転んでいた俺は、その体勢のまま机の上の携帯に手を伸ばしたが、取れなかったので仕方なく起き上がる。
:08/01/06 22:28
:D904i
:oazS//9U
#607 [あんみつ]
――――――――

7/31 19:08
From 竹本健二
Sub 無題
明日暇??
話あるんだけど。
――――――――
(・・・やっと来たか)
メールを見て、俺は思った。
.
:08/01/06 22:29
:D904i
:oazS//9U
#608 [あんみつ]
ここんとこずっと、健二はおかしかった。
話をしてても上の空で、1人で何か考え事をすることが多くなった。
けど、健二が俺に対してそうするように、俺も健二が自分から話すまで、何も言わないことにした。
まぁ原因は、佐古さん。
それか・・・ねこちゃんだろうと思う。
.
:08/01/06 22:31
:D904i
:oazS//9U
#609 [あんみつ]
昨日、健二と佐古さんが一緒にいるのを見た。
佐古さんは相変わらず嬉しそうで、健二は前ほど迷惑がってなさそうに見えた。
健二も、まんざらではないんじゃないか。
佐古さんの頑張りは、報われてきてるんじゃないか。
そんな気がする。
・・・けどきっと、健二の話したいことは、それだけじゃない。
ねこちゃんのことも、何かあるはずだ。
.
:08/01/06 22:32
:D904i
:oazS//9U
#610 [あんみつ]
俺がねこちゃんに告白した頃から、ねこちゃんはうちのクラスに来なくなった。
初めのうちは、俺を避けてるのかと思って、だいぶへこんだ。
けど、違った。
ねこちゃんは、俺があいさつをすると普通に返してくれる。
ただ1つ、俺と健二が一緒にいる時を除いては。
健二とすれ違う時、ねこちゃんはうつむくようにして歩く。
・・・ねこちゃんが避けてるのは、健二だ。
.
:08/01/06 22:34
:D904i
:oazS//9U
#611 [あんみつ]
ねこちゃんが健二と、うまくいってほしいわけじゃない。
けど、お互いに目も合わせない2人を見て、俺は目を覆いたくなった。
矛盾している。
うまくいってほしくない。
けど、仲が悪くなってほしくもない。
俺は、お人好しなのかもしれない。
ねこちゃんと健二の仲が悪くなったら、俺の恋にとっては、その方がいいはずなのに。
:08/01/06 22:36
:D904i
:oazS//9U
#612 [あんみつ]
俺は喜ぶどころか、悲しくなってくる。
それはきっと、2人にとってお互いが、大切な存在なのが分かってるから。
1年ちょっと見てきて、「好き」とか以前に2人には固い絆みたいなのがあるって。
だから・・・こんな風に終わってほしくない。
なくならないものがあるって、信じたいんだ。
.
:08/01/06 22:37
:D904i
:oazS//9U
#613 [あんみつ]
カチカチッ
――――――――

7/31 19:15
To 竹本健二
Sub Re:
いいよ、暇。
てか俺も話したいことあるし。
うちにでも来る??
――――――――
メールを返した後、今度は枕元に携帯を置いて、俺は再びベッドに寝転んだ。
(・・・話したいことが、ある)
:08/01/06 22:39
:D904i
:oazS//9U
#614 [あんみつ]
ピーピピーピー♪
やけに返ってくるの早いな、と思いつつ携帯を開く。
――――――――

7/31 19:16
From 根宮奈子
Sub Re:Re2:Re2:Re2:
うち、ねこ飼ってるよー!!
洋平君の家は??
――――――――
健二からかと思ったメールは、ねこちゃんからだった。
.
:08/01/06 22:41
:D904i
:oazS//9U
#615 [あんみつ]
ねこちゃんとは、昨日からたわいもないメールのやり取りが続いている。
それだけでも俺は、ねこちゃんのことを知るのが楽しくて、俺のことを知ってもらえるのが嬉しかった。
距離が縮まっていく気がして、嬉しかった。
.
:08/01/06 22:42
:D904i
:oazS//9U
#616 [あんみつ]
ピーピピーピー♪
返事を打とうとした時、また携帯が鳴った。
――――――――

7/31 19:18
From 竹本健二
Sub Re:Re:
そうする。
何時頃行けばいい??
――――――――
今度こそ、健二からだった。
俺は、ねこちゃんにメールを打つのを途中で止めて、健二とねこちゃんから来たメールを見比べた。
:08/01/06 22:43
:D904i
:oazS//9U
#617 [あんみつ]
頭に浮かぶのは、楽しそうに話す2人の姿。
俺は、頭を左右に振った。
(・・・何でこうなんだ、俺は)
「・・・はぁー」
俺は、携帯を置いて目を閉じた。
俺も、話したいことがある。
話さなくちゃいけないことがある。
.
:08/01/06 22:44
:D904i
:oazS//9U
#618 [あんみつ]
:08/01/06 22:47
:D904i
:oazS//9U
#619 [あんみつ]
――――――――
俺が健二に、ねこちゃんのことが好きだと言ったら、健二は勇んで協力しようとしただろう。
ねこちゃんの気も知らずに。
そうなったら、気持ちの言えないねこちゃんは、つらいだろう。
だから俺は、言わなかった。
けど、ねこちゃんに「好き」と言った今。
もう、言ってもいいんじゃないか??
.
:08/01/07 13:39
:D904i
:G8vxcjfk
#620 [あんみつ]
ピンポーン
チャイムが鳴って、俺は玄関に向かう。
「おっす」
ドアを開けると、健二がいた。
ついて来た俺の家の犬が、健二の足に飛び付く。
:08/01/07 13:41
:D904i
:G8vxcjfk
#621 [あんみつ]
「お、ユンタ。俺のこと覚えてんのか??」
嬉しそうにしっぽを振るユンタ。
健二はしゃがんで、ふさふさの毛を撫で回す。
「ま、入れよ」
俺の言葉に健二は、ユンタを抱えて立ち上がった。
.
:08/01/07 13:42
:D904i
:G8vxcjfk
#622 [あんみつ]
ジュースの缶を2本持って、階段を上がる。
部屋のドアを開けると、先に上がらせた健二がユンタとじゃれていた。
「お前も犬だな」
言いながら俺は缶を開けて、1口飲む。
「うるせー」
仰向けになっていた健二は、笑いながら自分の上のユンタをどかして起き上がった。
そして、同じようにジュースを飲む。
:08/01/07 13:44
:D904i
:G8vxcjfk
#623 [あんみつ]
懲りずにじゃれつくユンタを、健二は片手で相手をする。
「・・・あのさー」
健二が口を開いた。
俺は、缶を机に置く。
「俺、佐古と付き合うわ」
いきなりだった。
好きかもとか、好きになるかもとか、そんな言葉を予想していた俺は、すぐに言葉が出なかった。
.
:08/01/07 13:46
:D904i
:G8vxcjfk
#624 [あんみつ]
沈黙に耐えられなくなった健二は、ジュースを飲む。
「・・・ゴホッ!!」
飲んだ途端、健二は吹き出した。
ユンタがびっくりして飛び退く。
「うわ、きたねー!!」
俺は、慌ててティッシュを渡す。
健二は、苦しそうに咳き込む。
「ゴホッ・・・ゲホッ・・・てか洋平!!何か言えよ!!」
口と机を拭きながら健二が言う。
:08/01/07 13:47
:D904i
:G8vxcjfk
#625 [あんみつ]
「・・・わりー。・・・佐古さんのこと、好きなの??」
俺は聞いた。
本当は、聞かなくても分かる。
照れを隠すようにジュースなんか飲んで、咳き込む健二。
緊張していたのだろう。
それに何より健二は、何とも思ってない子と付き合うようなやつじゃない。
.
:08/01/07 13:49
:D904i
:G8vxcjfk
#626 [あんみつ]
健二は照れたように頭をかいて、下を向いた。
「・・・話してて、けっこうかわいいとこあるなって思って、もっと話したいって思って・・・好きかな、と」
言ってから健二は、再びユンタを撫で回す。
俺はそんな健二を見ながら、こいつかわいいな、なんて思ったりした。
変な意味じゃなくて、素直に。
:08/01/07 13:52
:D904i
:G8vxcjfk
#627 [あんみつ]
きっと、いっぱい考えたんだろう。
それで出した答えなら、俺は文句言わない。
「・・・佐古さんには??」
「・・・まだ。・・・明日言う」
「・・・そっか」
「・・・おう」
・・・再び沈黙。
:08/01/07 13:53
:D904i
:G8vxcjfk
#628 [あんみつ]
ドカッ
俺は机の下から、健二の足を蹴った。
「何だよ!!」
「ははっ!!・・・よかったな」
健二の友達として言って、俺は笑った。
健二も照れ臭そうに笑う。
「・・・ありがとな」
.
:08/01/07 13:54
:D904i
:G8vxcjfk
#629 [あんみつ]
友達として、本当に嬉しかった。
心から祝ってやりたかった。
けど、ねこちゃんの気持ちを考えたら、少しだけ心が陰った。
屈託なく笑う健二に対してか、ねこちゃんに対してかは分からないが、俺は少しの罪悪感を覚えた。
「・・・で??洋平の話は??」
健二が言う。
:08/01/07 13:57
:D904i
:G8vxcjfk
#630 [あんみつ]
「俺は・・・」
健二がねこちゃんのことを話したら言おうと思っていた俺は、口をつぐんだ。
健二は、ねこちゃんのことは話さないのか??
けど、何もないわけがない。
「・・・健二、ねこちゃんと何かあった??」
思い切って、聞いた。
:08/01/07 13:58
:D904i
:G8vxcjfk
#631 [あんみつ]
ユンタをじゃれつかしていた健二の手が、ぴたりと止まる。
その手で頭を押さえた。
「・・・やっぱそれか」
健二はそう言って、力なく笑う。
「・・・何か、幼なじみって言ってもさ。お互いの全部を知ってるわけじゃないし、言いたくないこともあるし。・・・分かってんだけど・・・」
健二はそこで、一度息を吐いた。
俺は、黙って聞く。
:08/01/07 14:00
:D904i
:G8vxcjfk
#632 [あんみつ]
「・・・最近のねこの態度見てたら、それ実感してさ。なんだかんだ言っても俺、一番ねこのこと分かってんのは自分だと思ってたから・・・何か・・・寂しくて」
健二の顔から、笑いは消えている。
「一番は俺じゃない・・・って。そう思ったら、俺もねこに言いたいこと言えなくなって、それで喧嘩して・・・くだらねーよな」
.
:08/01/07 14:04
:D904i
:G8vxcjfk
#633 [あんみつ]
口ではそう言うけど、それで2人がこんなになるなら、くだらなくないだろ。
・・・きっと、ねこちゃんが言わないのは、健二への気持ちだ。
けど、言えるわけがない。
もちろん、俺も。
だから、俺は聞く。
.
:08/01/07 14:05
:D904i
:G8vxcjfk
#634 [あんみつ]
「・・・これから、どうすんの??」
「・・・戻りてーよ」
健二は、振り絞るように言った。
・・・こんな健二、見たことない。
「・・・なんてな!!まぁとりあえずは、流れに身を任す」
いきなり顔を上げて、健二は言った。
そして、ニッと笑ってみせる。
.
:08/01/07 14:07
:D904i
:G8vxcjfk
#635 [あんみつ]
・・・強がってんだろーが。
「てか、洋平の話そんだけ??」
健二が聞く。
言っていいのか??
今の健二に。
けど・・・いつかは分かるんだ。
それなら・・・
.
:08/01/07 14:09
:D904i
:G8vxcjfk
#636 [あんみつ]
「・・・俺さ」
俺は、ゆっくり口を開く。
「俺、ねこちゃんのことが好きなんだ」
言った。
健二が、驚いた顔で俺を見る。
(・・・やっぱ気付いてなかったか)
「黙ってたけど・・・本当は、1年の時からずっと好きだった」
健二に相手をしてもらえなくなったユンタが、俺の所に来た。
:08/01/07 14:11
:D904i
:G8vxcjfk
#637 [あんみつ]
「・・・で、この間ねこちゃんに告白した」
「は!?」
ここで初めて、健二が声を出した。
俺は、ユンタを自分の膝に乗せてやる。
「・・・ねこは何て??」
驚きを隠せない健二が聞く。
「前向きに・・・考えてくれるって」
それを聞いた健二は、はーとかへーとか、驚きの声をもらす。
:08/01/07 14:12
:D904i
:G8vxcjfk
#638 [あんみつ]
ガンッ
俺の話が終わったと分かると、健二は机の下から俺の足を蹴った。
「何だよ!!」
「洋平、見る目あるな!!」
そう言って笑う健二の顔に、嘘はなかった。
.
:08/01/07 14:14
:D904i
:G8vxcjfk
#639 [あんみつ]
――――――――
健二が帰った後、俺はねこちゃんにメールを送った。
――――――――

8/1 16:28
To 根宮奈子
Sub 無題
7日の夜って暇??
よかったら祭り行かない??
できれば2人で。
――――――――
メールを待つ間、時間がやけに長く感じた。
:08/01/07 14:15
:D904i
:G8vxcjfk
#640 [あんみつ]
ピーピピーピー♪
メールが来て、俺はドキドキしながら携帯を開く。
――――――――

8/1 16:36
From 根宮奈子
Sub Re:
行けるよ☆
何時に待ち合わす??
2人でもいいよ。
――――――――
:08/01/07 14:17
:D904i
:G8vxcjfk
#641 [あんみつ]
(・・・よ)
「っしゃー!!」
思わず叫んだ。
それだけ、嬉しかったんだ。
それだけ、ねこちゃんとの約束が、俺にとって特別だったんだ。
.
:08/01/07 14:19
:D904i
:G8vxcjfk
#642 [あんみつ]
――――――――
『私・・・洋平君と付き合う』
祭りの夜。
花火を見ながら、ねこちゃんが言ってくれた言葉。
握った左手の温もり。
今でも忘れない。
.
:08/01/07 17:41
:D904i
:G8vxcjfk
#643 [あんみつ]
『大事にする』
ねこちゃんのこと、ずっと守っていきたい。
ずっと笑わせてあげたい。
そう思ったんだ。
なのに・・・
.
:08/01/07 17:42
:D904i
:G8vxcjfk
#644 [あんみつ]
『・・・ねこちゃんの1番って誰??俺は、健二以上になれないの??』
・・・あんなこと、言うつもりじゃなかった。
ねこちゃんと付き合う前。
『健二の事、・・・まだ想っててもいい。俺はその想いごと、ねこちゃんを大事にしていける』
俺は、そう言った。
:08/01/07 18:13
:D904i
:G8vxcjfk
#645 [あんみつ]
けど・・・健二とねこちゃんが手をつないで走る姿を見て、俺の心は平静を保ってはいられなかった。
健二に嫉妬して、ねこちゃんを困らせた。
傷つけた。
・・・最低だ。
.
:08/01/07 18:15
:D904i
:G8vxcjfk
#646 [あんみつ]
「・・・洋平」
借り物が終わって、健二が話しかけてきた。
「・・・何だよ」
俺の声は、自分でも分かるくらいぶっきらぼうだった。
「っ・・・ねこと付き合ってんのは、お前だろ!!」
健二が怒鳴るように言った。
:08/01/07 20:38
:D904i
:G8vxcjfk
#647 [あんみつ]
この一言で、健二が何を言いたかったのか、だいたい分かる。
けど今の俺は、素直にそれを受け止められない。
「そうだよ!!けどっ・・・」
俺は、言おうとした言葉を何とか呑み込む。
「・・・ごめん」
呑み込んだ言葉に代わって言った。
.
:08/01/07 20:39
:D904i
:G8vxcjfk
#648 [あんみつ]
『1番は俺じゃない・・・』
なぁ健二。
お前はあの時、俺にそう言ったよな。
けど、俺から見たらねこちゃんにとっての1番は、やっぱり健二なんだよ。
これまでも・・・今も。
.
:08/01/07 20:41
:D904i
:G8vxcjfk
#649 [さ−
]
:08/01/07 23:11
:F703i
:rp8LEM/I
#650 [あんみつ]
:08/01/11 14:52
:D904i
:9qUYJqO.
#651 [あんみつ]
――――――――
こんな日が来るんじゃないかって、ずっと思ってた。
「・・・私、健二が好きなの」
ねこちゃんが、吐き出すように言った。
体の中を、冷たいものが通り抜けた気がした。
本当は、話があるって言われた時から、なんとなく分かってた。
けど、認めたくなかった。
.
:08/01/11 14:54
:D904i
:9qUYJqO.
#652 [あんみつ]
「・・・洋平君のこと、好きだよ。けど・・・私にとっての1番は・・・やっぱり健二なの」
ねこちゃんは、続ける。
ゆっくりと、自分の気持ちを言葉にしていく。
・・・健二なんだな。
分かってた。
分かってたけど・・・いいのか??
ねこちゃんは、それで。
.
:08/01/11 14:56
:D904i
:9qUYJqO.
#653 [あんみつ]
また、つらい恋になるよ??
これからもまた、そんな想いを抱えてくのか??
けど・・・そんなこと言えない。
きっと、いっぱい悩んで考えて。
それで、つらい恋を、健二への想いを選んだんだ。
それだけ、ねこちゃんの中で健二は、大きな存在だったのだろう。
俺は、それを越えられなかった。
・・・きっと今、俺が何を言っても変わらない。
.
:08/01/11 14:58
:D904i
:9qUYJqO.
#654 [あんみつ]
「・・・ごめんなさい」
ねこちゃんが、頭を下げる。
(・・・何で)
「・・・謝るなよ」
俺は、ねこちゃんの頭に手を置いた。
「俺・・・ねこちゃんが、ちゃんと俺と向き合ってくれて、嬉しかったよ」
ねこちゃんが、俺を見る。
「・・・ねこちゃんといれて、楽しかったし」
.
:08/01/11 15:00
:D904i
:9qUYJqO.
#655 [あんみつ]
だから、謝るな。
俺は、後悔してない。
ねこちゃんに、「好き」と言ったこと。
ねこちゃんを、好きになったこと。
ねこちゃんの目から涙がこぼれた。
「・・・て、こら泣くなよ」
俺は袖で、それを拭う。
「・・・洋平君、優しすぎだよー・・・」
ねこちゃんが言う。
.
:08/01/11 17:16
:D904i
:9qUYJqO.
#656 [あんみつ]
優しくなんかないよ。
俺は、ねこちゃんをいっぱい傷付けた。
優しくなんか・・・ない。
「泣くなって・・・また、ほっとけなくなるから」
俺は、そう言って笑って見せた。
「ほら、笑え!!」
俺の言葉に、ねこちゃんは自分の手で涙を拭う。
:08/01/11 17:19
:D904i
:9qUYJqO.
#657 [あんみつ]
「・・・ありがと」
ねこちゃんは、笑顔で言った。
俺は、ねこちゃんの頭をぽんぽんと叩く。
頑張れなんて言えない。
頑張っても、君はどうせ泣くだろう??
だから、俺は言う。
.
:08/01/11 17:21
:D904i
:9qUYJqO.
#658 [あんみつ]
「・・・どうしてもつらくなったら、言いなよ。聞くからさ」
俺に言える、精一杯。
ねこちゃんが何か言う前に、俺は立ち上がった。
「・・・じゃ、またな!!」
校舎に向かって、走った。
後ろを振り向かずに。
走りながら、鼻の奥がツンとなった。
.
:08/01/11 17:27
:D904i
:9qUYJqO.
#659 [あんみつ]
――――――――
ねこちゃんと別れてから、1週間。
傷は、まだまだ癒えない。
「洋平、俺帰るわ」
健二が立ち上がって言った。
「おう、じゃあな」
俺が言うと健二は、ドアの所にいる佐古さんの方へ向かっていく。
.
:08/01/14 09:21
:D904i
:2mvCZBnA
#660 [あんみつ]
俺が健二に冷たく当たっても、健二は普通に俺に話しかけてくれた。
あんないい奴は、いない。
そう思う。
けど、俺は健二に、ねこちゃんと別れたことをまだ言っていない。
:08/01/14 09:25
:D904i
:2mvCZBnA
#661 [あんみつ]
ねこちゃんと健二の様子が、またおかしいことに気付いたから。
それもある。
けど本当は、正直健二に対して悔しい気持ちがあるから。
だから・・・まだ言わない。
(・・・俺も帰るか)
俺は、カバンを持って立ち上がった。
.
:08/01/14 09:26
:D904i
:2mvCZBnA
#662 [あんみつ]
俺は、ねこちゃんに「好き」と言ったことを、後悔してない。
けど実際の所、ねこちゃんはどうなんだ??
傷つけてばかりだった。
俺と付き合ったこと、後悔してないのか??
.
:08/01/14 09:28
:D904i
:2mvCZBnA
#663 [あんみつ]
「・・・あ」
下駄箱で、ねこちゃんの友達に会った。
木原さんだ。
俺は、軽く頭を下げた。
向こうも気付いて、頭を下げる。
俺と別れたことは、ねこちゃんから聞いているのだろう。
木原さんは少し気まずそうだった。
:08/01/14 09:30
:D904i
:2mvCZBnA
#664 [あんみつ]
「・・・じゃ」
俺は靴を履き替えて、木原さんの横を通り過ぎようとする。
「・・・洋平君!!」
呼ばれて俺は立ち止まった。
振り返ると、俺を呼んだ本人木原さんは、少し赤くなった顔で俺を見ていた。
「・・・あのっ・・・ねこは、洋平君に救われたと思う」
一瞬下を向いた後、言った。
:08/01/14 09:31
:D904i
:2mvCZBnA
#665 [あんみつ]
「ねこは、洋平君と付き合ってよかったと思う。・・・だから・・・」
言葉を詰まらせた木原さんの顔が、赤みを増していく。
「・・・ありがとう」
少しうつむいた木原さんに、俺は言った。
木原さんは、パッと顔を上げて俺を見る。
そして、少し照れたように笑った。
.
:08/01/14 09:32
:D904i
:2mvCZBnA
#666 [あんみつ]
木原さんと別れて、俺は駐輪場に向かう。
自転車をこぎ始めると、少し涼しくなった風が顔に当たった。
ただの同情かもしれない。
けど木原さんの言葉は、俺の中にすんなりと入ってきて、ぽかりとあいた心の穴をほんの少しだが埋めてくれた。
・・・少し、救われた気がした。
.
:08/01/14 09:34
:D904i
:2mvCZBnA
#667 [あんみつ]
『ねこは、洋平君に救われたと思う』
そうかな??
『ねこは、洋平君と付き合ってよかったと思う』
・・・そうだと、いいな。
木原さんの言葉は、俺の中に暖かく響く。
.
:08/01/14 09:35
:D904i
:2mvCZBnA
#668 [あんみつ]
『洋平君!!』
ねこちゃんの笑った顔が、頭に浮かんだ。
胸が痛む。
(・・・あー)
「・・・あー!!」
横を流れる川に向かって思い切り叫んだら、自分の中の余計なものを吐き出した気がして、少し気分がすっとした。
.
:08/01/14 09:37
:D904i
:2mvCZBnA
#669 [あんみつ]
・・・よし、大丈夫。
俺は大丈夫だ。
だから、願う。
大好きな君に、幸あれ。
.
:08/01/14 09:38
:D904i
:2mvCZBnA
#670 [あんみつ]
:08/01/14 09:46
:D904i
:2mvCZBnA
#671 [あんみつ]
21、「好き」と言えない。
できることなら気付きたくなかった。
けど、あなたのこと見てたら気付いちゃった。
あなたの目線の先にいるのが、私の親友だってこと。
…………奈津美's side…
.
:08/01/14 15:53
:D904i
:2mvCZBnA
#672 [あんみつ]
話した回数なんて、数える程しかない。
私の名前を覚えてくれてるのかさえ危うい。
「奈津美ー、今日うち寄る??」
「うん!!」
ねこの誘いに、私は大きくうなずいた。
.
:08/01/14 15:55
:D904i
:2mvCZBnA
#673 [あんみつ]
根宮奈子、縮めて「ねこ」。
高校に入ってすぐに仲良くなった、私の友達。
高1の秋。
今では、大好きな私の親友。
.
:08/01/14 15:56
:D904i
:2mvCZBnA
#674 [あんみつ]
「あ、健二のとこ寄っていい??一緒に帰れないって言わなきゃ」
廊下を歩きながら、ねこが言った。
「うん、いいよー」
私たちは、健二君のクラス、2組に向かう。
.
:08/01/14 15:58
:D904i
:2mvCZBnA
#675 [あんみつ]
健二君は、ねこの幼なじみ。
そして・・・ねこの好きな人。
幼なじみという立場から、健二君に「好き」と言えないねこ。
ねこは、健二君が好き。
けど、健二君にとって、ねこはただの幼なじみらしい。
1番近くにいるねこが言うんだから、きっとそうなんだろう。
.
:08/01/14 15:59
:D904i
:2mvCZBnA
#676 [あんみつ]
転勤族だった私には、幼なじみと呼べる人がいない。
けど、ねこの気持ちはよく分かる。
叶わないと分かってて気持ちを伝えるなんて、できない。
ねこみたいに、相手との関係が壊れるんじゃないかと思うとなおさら。
怖くて、「好き」と言えない。
.
:08/01/14 16:31
:D904i
:2mvCZBnA
#677 [あんみつ]
「あ、健二!!」
2組のドアの所から、ねこが健二君を手招きした。
気付いた健二君が、こっちに来る。
健二君の隣には、友達だろう、背の高い男子が一緒にいた。
「ねこ、ごめん!!今日一緒に帰れんわ。洋平んち寄るから」
来るなり健二君が言った。
:08/01/14 18:06
:D904i
:2mvCZBnA
#678 [あんみつ]
「あー、ならよかった。私も今日奈津美と帰るから」
ねこが、私を見て言う。
「そうなん??じゃ木原さん、こいつのことよろしくねー」
健二君がねこのお母さんみたいな口調でいうから、おかしくて笑えた。
「あははっ!!まかしといてー!!」
:08/01/14 18:08
:D904i
:2mvCZBnA
#679 [あんみつ]
「洋平君も、健二のことよろしくね!!」
ねこは、もーっという顔をした後、健二君の隣の男子に言った。
「ははっ!!了解」
洋平君と呼ばれた男子が、笑って答える。
・・・それだけだった。
優しそうに笑う顔が、ちょっといいなって思った。
ただ、それだけだった。
.
:08/01/14 20:22
:D904i
:2mvCZBnA
#680 [あんみつ]
――――――――
別に、好きになったわけじゃない。
けど・・・何だか少し、気になる人。
「今日の日直ー、このあとすぐ職員室来てくれ」
帰りのSHRの時、担任が言った。
「うえー、今日私だー」
そう言って、ねこが机にうなだれる。
:08/01/14 20:48
:D904i
:2mvCZBnA
#681 [あんみつ]
SHRが終わって私が近づくと、ねこはむくりと起き上がった。
「ついてないねー」
私はそう言って、ぽんぽんとねこの頭を叩いた。
「ほんとに!!どうせ雑用だよー」
言いながらねこは、座ったまま地団太を踏む。
:08/01/14 20:51
:D904i
:2mvCZBnA
#682 [あんみつ]
「・・・あ!!健二に先帰ってって言わなきゃ!!」
ねこが思い出したように言った。
「根宮ー。早く来いよー」
「えー!!」
担任の呼ぶ声に、ねこが焦る。
「・・・私、言っとこうか??」
.
:08/01/14 20:52
:D904i
:2mvCZBnA
#683 [まあ]
あげ

:08/01/19 23:37
:D904i
:z4VRGs.A
#684 [あんみつ]
:08/01/20 15:44
:D904i
:VCGVswmk
#685 [あんみつ]
――――――――
私は今、2組の前にいる。
ねこの代わりに、健二君に伝言を伝えるため。
(・・・えーと)
後ろのドアから、そっと中を覗く。
すでにあまり人がいない教室に、健二君がいないことはすぐ分かった。
:08/01/20 15:46
:D904i
:VCGVswmk
#686 [あんみつ]
(えー、どうしよ・・・)
「あれ??」
しつこく教室の中を見ていた私の後ろから、聞き覚えのある声がした。
私は、驚いて後ろを振り向く。
「・・・あ」
(・・・洋平君)
目の前には、洋平君がいた。
:08/01/20 15:48
:D904i
:VCGVswmk
#687 [あんみつ]
「ねこちゃんの友達だよね??」
不思議そうな顔で、私を見る。
「あ、うん」
私はうなずいた。
(・・・覚えててくれたんだ)
そう思うと、嬉しくなった。
.
:08/01/20 15:49
:D904i
:VCGVswmk
#688 [あんみつ]
洋平君のこといいなって思ったあの日から、約1ヶ月。
本当は、どこかで見かける度、無意識に目で追ってた。
背の高いその姿を、何度も探した。
今日だって・・・本当は、会いたかった。
もっと、話してみたかったんだ。
.
:08/01/20 15:52
:D904i
:VCGVswmk
#689 [あんみつ]
「で、どしたの??」
洋平君が聞く。
(わ、えっと・・・)
「あ、ねこが健二君に先帰ってて・・・って言ってたの伝えに来たんだけど」
私は、どぎまぎしながら答えた。
洋平君が私の上から、教室の中を覗く。
:08/01/20 15:54
:D904i
:VCGVswmk
#690 [あんみつ]
「あれ、健二いねーな。荷物あるから戻ってくるとは思うけど・・・伝えとこうか??」
「あ・・・じゃあ、お願い」
「ん、分かった」
洋平君は、笑顔で言った。
(・・・やっぱいいな)
「あ、てかあれねこちゃんじゃない??」
洋平君が、廊下の窓から外を指さす。
見ると、2階の渡り廊下を、ねこがプリントを抱えて歩いていた。
:08/01/20 15:56
:D904i
:VCGVswmk
#691 [あんみつ]
「あーほんとだ・・・」
ねこを見てそう言った後、私は隣にいる洋平君を見た。
(・・・あ)
ドクンッ
自分の、心臓の音が聞こえた気がした。
ねこを見つめる・・・洋平君の優しそうな顔。
:08/01/20 15:58
:D904i
:VCGVswmk
#692 [あんみつ]
「あ、じゃあバイバイ!!伝えとくから」
洋平君は突然言って、教室に戻るのかと思ったら、廊下を早足で行ってしまった。
・・・ここで、止めておけばよかった。
大人しく、帰っていればよかった。
けど私は、じっとねこの姿を見ていたんだ。
.
:08/01/20 16:00
:D904i
:VCGVswmk
#693 [あんみつ]
(・・・あ)
ねこに、走って近づく後ろ姿。
・・・洋平君だ。
洋平君はねこを引き止めて、何やら話している。
そして、ねこの持っているプリントを半分持った。
2人は、並んで校舎に消えた。
.
:08/01/20 16:01
:D904i
:VCGVswmk
#694 [あんみつ]
「木原さん??どしたの??」
呼ばれて、私はハッとした。
隣には、いつの間にか健二君がいた。
「あ・・・ねこが、用事できたから先に帰っててって」
「そうなん??わざわざありがとね」
「ううん。じゃ、バイバイ!!」
私はそう言って、健二君の横をすり抜けた。
.
:08/01/20 16:04
:D904i
:VCGVswmk
#695 [あんみつ]
大丈夫。
別に、好きなわけじゃないし。
ちょっといいなって、思っただけだし。
階段を下りながら、私は深呼吸した。
・・・大丈夫。
洋平君がねこを好きでも、関係ない。
・・・まだ、恋じゃない。
.
:08/01/20 16:06
:D904i
:VCGVswmk
#696 [我輩は匿名である]
:08/01/20 17:29
:D902iS
:MKauKImE
#697 [あんみつ]
:08/01/27 16:59
:D904i
:NhPeZHpY
#698 [あんみつ]
――――――――
洋平君はねこを見てる。
ねこは健二君を見てる。
私は・・・恋なんかしてない。
高2、夏の始まり。
「奈津美はさ・・・好きな人いないの??」
放課後、突然ねこが聞いてきた。
(・・・好きな人、か)
.
:08/01/27 17:02
:D904i
:NhPeZHpY
#699 [あんみつ]
ねこには、私が洋平君をいいなって思っていたことは、言っていない。
別に、もう関係ないし。
「私??・・・んー私は・・・」
ドンッ!!
「きゃ!!」
いないよ、と言おうとしたら、廊下の曲がり角から突然現れた人にぶつかって、ねこがよろけた。
:08/01/27 17:03
:D904i
:NhPeZHpY
#700 [あんみつ]
(・・・あ)
「ごめん!!大丈夫??」
洋平君だ。
ねことぶつかったのは、洋平君だった。
久しぶりに見るその姿に、私は思わず固まった。
.
:08/01/27 17:06
:D904i
:NhPeZHpY
#701 [あんみつ]
何度か見かけたこともあった。
けど、向こうは私になんか気付かなかった。
気付いたとしても、話すほど仲良くないし、私から話しかける理由もない。
きっと、名前も知られてない。
.
:08/01/27 17:08
:D904i
:NhPeZHpY
#702 [あんみつ]
(・・・夏服だ)
ねこと何やら話す洋平君。
うっすら聞こえた話だと、健二君が用ができたのでねこに先に帰ってて、と伝えに来たらしい。
・・・洋平君の姿が、いつかの自分と重なった。
(洋平君も・・・ねこに会いたくて来たのかな)
.
:08/01/27 17:09
:D904i
:NhPeZHpY
#703 [あんみつ]
ねこと私が一緒にいる時は、洋平君はねこに話しかけた。
・・・当たり前なんだけど。
やっぱりねこか、って実感した。
.
:08/01/27 17:11
:D904i
:NhPeZHpY
#704 [あんみつ]
話が終わって、洋平君は走っていってしまった。
「ごめんね、奈津美」
ねこが私の方に向き直り、手を合わせる。
「いいよいいよ。健二君いないなら、途中まで一緒に帰ろ」
.
:08/01/27 17:12
:D904i
:NhPeZHpY
#705 [あんみつ]
ねこと話す時の洋平君の嬉しそうな顔が、頭に浮かぶ。
やっぱねこなんだ・・・って。
洋平君は、ねこが健二君を好きなことに気付いてるのかな?
「・・・奈津美??」
「へ!?ごめん、何??」
ねこの呼ぶ声で、私はハッとした。
:08/01/27 17:16
:D904i
:NhPeZHpY
#706 [あんみつ]
「いや・・・どしたの??奈津美がぼーっとしてるの珍しい」
ねこが、心配そうに言う。
「そう??どうも英語の時から眠くて」
私は目をこすりながら言って、笑ってごまかした。
「あの先生の授業眠いもんねー。・・・あっ!!」
ねこが、何か思い出したように急に立ち止まった。
:08/01/27 17:18
:D904i
:NhPeZHpY
#707 [あんみつ]
「えっどしたの??」
「教室に英語の教科書忘れた!!取ってくる!!奈津美電車でしょ??先帰ってていいよ!!」
言いながらねこは、回れ右をする。
:08/01/27 17:20
:D904i
:NhPeZHpY
#708 [あんみつ]
私は時計を見た。
確かに、次の電車には少し急がなきゃ間に合いそうにない。
「分かったー。じゃ、ばいばーい」
私が言うと、ねこは階段を上がって行った。
その背中を見送って、私は残りの階段を下り始める。
.
:08/01/27 17:21
:D904i
:NhPeZHpY
#709 [あんみつ]
・・・洋平君は、気付いてる気のかな?
ねこが、健二君を好きだって。
もしそうだとしたら、叶わないって分かってるから。
だから今も、「好き」と言わない・・・「好き」と言えないんじゃないだろうか。
けど・・・それでも想っていられるんだ。
それだけ、ねこのことが好きなんだ。
.
:08/01/27 17:22
:D904i
:NhPeZHpY
#710 [あんみつ]
「・・・ねぇ!!」
下駄箱で靴を履き替えようとすると、後ろから声がした。
(え・・・この声)
私は振り向く。
そこには、洋平君がいた。
洋平君が、私を見ている。
ねこじゃない、私を。
:08/01/27 17:24
:D904i
:NhPeZHpY
#711 [あんみつ]
「あれ??えっと、洋平君??」
本当は、すごく動揺してた。
けど私は、平静を装って言う。
「1人??ねこちゃんは??」
洋平君のその言葉を聞いて、私は自分の中がすーっと静かになっていくのが分かった。
:08/01/27 17:26
:D904i
:NhPeZHpY
#712 [あんみつ]
(・・・ねこ、か)
「あー、何か忘れ物したから先に帰っててって」
普通に言えたと思う。
「ありがと!!」
洋平君は、急いで言った。
.
:08/01/27 17:27
:D904i
:NhPeZHpY
#713 [あんみつ]
・・・馬鹿だ、私。
分かってるのに。
洋平君にとって私は、ねこの友達。
好きな人の友達。
分かってるのに。
何か、期待してる自分がいた。
・・・好きじゃ、ないのに。
:08/01/27 17:29
:D904i
:NhPeZHpY
#714 [あんみつ]
その時、戻ろうとしていた洋平君が、またこっちに振り向いた。
(・・・何)
そう思っても、もう期待なんかしない。
どうせ、ねこだし。
「えっと、木原さんばいばい!!」
それだけ言うと、洋平君は走って戻って行った。
:08/01/27 17:31
:D904i
:NhPeZHpY
#715 [あんみつ]
私はびっくりして何も言えずに、ただその後ろ姿を消えるまで見ていた。
(・・・今)
木原さんって。
私の名前・・・知っててくれたんだ。
私は、その場に立ったまま口を押さえた。
.
:08/01/27 17:32
:D904i
:NhPeZHpY
#716 [あんみつ]
・・・やばい、すごい嬉しい。
一瞬で、胸が熱くなった。
ドキドキする。
『木原さんばいばい!!』
洋平君の声が、耳の中でこだまする。
.
:08/01/27 17:33
:D904i
:NhPeZHpY
#717 [あんみつ]
(・・・どうしよう)
認めるしかない。
やっぱり私・・・
・・・洋平君のこと、好き。
.
:08/01/27 17:35
:D904i
:NhPeZHpY
#718 [(^_^)v]
:08/01/28 09:23
:W43SA
:NkfZXrow
#719 [あんみつ]
(^_^)vさん


ありがとうございます

私自身、最後どうなるかよく分かりません

が、頑張りますね


:08/02/04 14:59
:D904i
:3rx2w3Sc
#720 [あんみつ]
――――――――
好きになったからって、どうにかなるもんでもない。
それは分かってるから。
言うつもりなんて、ない。
ただ、想っているだけ。
ずっと、そうだと思ってた。
.
:08/02/04 15:01
:D904i
:3rx2w3Sc
#721 [あんみつ]
「・・・私・・・洋平君に告白されたの」
ねこの言葉を聞いた時、驚いた。
洋平君も同じだと思ってたから。
叶わないって分かってるから、「好き」と言わない私と。
けど・・・洋平君は、ねこに「好き」と言った。
想ってるだけの私とは、違ったんだ。
.
:08/02/04 15:07
:D904i
:3rx2w3Sc
#722 [あんみつ]
「・・・前に進みたいの。だから・・・洋平君のこと、もっと知りたいって、好きになりたいって。洋平君にもそう言った」
ねこは自分の気持ちを、少しずつ言葉にしていく。
聞きながら私は、自分の体がまるで自分のじゃないように、重くなっていくのを感じた。
.
:08/02/04 15:09
:D904i
:3rx2w3Sc
#723 [あんみつ]
信じられなかった。
信じたくなかった。
洋平君の恋は叶うわけないって、本気で思ってた。
ねこが好きなのは健二君で、その気持ちがとても大きなものなのも分かってたから。
けど、ねこは・・・洋平君のことを前向きに考えようとしてる。
.
:08/02/04 15:21
:D904i
:3rx2w3Sc
#724 [あんみつ]
「・・・洋平君と付き合うの??」
やっとの思いで聞いた。
「・・・前向きに考えるって、言ったから」
「・・・そっか」
ねこの言葉にそれだけ言って、私は少し目を閉じた。
:08/02/04 15:35
:D904i
:3rx2w3Sc
#725 [あんみつ]
静かに息を吸って、目を開く。
そして、言った。
「ねこが決めたなら・・・応援するよ!!」
私、ちゃんと笑って言えたかな??
.
:08/02/04 15:37
:D904i
:3rx2w3Sc
#726 [あんみつ]
――――――――
ねこを送り出して、私は部屋に戻った。
力なく床に座りこむ。
・・・なんで??
ねぇ、なんで??
ねこが好きなのは健二君でしょ??
・・・なんで洋平君なの??
本当は、そう言いたかった。
.
:08/02/04 15:41
:D904i
:3rx2w3Sc
#727 [あんみつ]
「・・・ひっ」
涙がこぼれた。
好きなのに。
私が、洋平君のこと好きなのに。
本当は、そう言って泣きたかった。
けど・・・できなかった。
.
:08/02/04 15:43
:D904i
:3rx2w3Sc
#728 [あんみつ]
私の気持ちを知ったらねこは、洋平君と付き合うのをやめただろう。
けど、洋平君にとって私の気持ちは、邪魔なだけだろう。
それで私は??
・・・結局、「好き」なんて言えないんだ。
「・・・ひっ・・・」
涙が止まらない。
.
:08/02/04 15:44
:D904i
:3rx2w3Sc
#729 [あんみつ]
本当は、「好き」と言いたかった。
ずっと・・・言わないんじゃなくて、言えなかったんだ。
これまでも、今も、これからも。
誰にも言えない、私の恋。
・・・「好き」と言えない、私の恋。
.
:08/02/04 15:46
:D904i
:3rx2w3Sc
#730 [ちぃ]
:08/02/04 16:41
:SH903i
:/zgMCyzw
#731 [
]
:08/02/08 20:43
:N903i
:☆☆☆
#732 [あんみつ]
ちぃさん


さん

ありがとうございます

前に書いたことを見直したりしたいので、私も助かります

:08/02/10 21:51
:D904i
:Uox4g7JM
#733 [あんみつ]
――――――――
誰にも言えない恋は、思っていたよりもずっと辛くて・・・切なかった。
何でねこなの?
何で洋平君なの?
答えなんか出ないのに、心の中で何度も繰り返した。
分かってる。
ただの嫉妬だ。
.
:08/02/10 21:53
:D904i
:Uox4g7JM
#734 [あんみつ]
・・・ごめん、ねこ。
本当のことを言えなくて。
心の底から応援できなくて。
けど、ねこの幸せは本気で祈ってるんだよ?
.
:08/02/10 21:54
:D904i
:Uox4g7JM
#735 [あんみつ]
――――――――
「私・・・洋平君と別れた」
「・・・え」
まだ夏の暑さが残る9月後半。
ねこの口から出た言葉に、私は驚きを隠せなかった。
ねこは、何があったか、自分の気持ち、たどたどしくも私に話した。
ねこはやっぱり、健二君が好きなんだ。
.
:08/02/10 21:57
:D904i
:Uox4g7JM
#736 [あんみつ]
「ねこ・・・これからどうするの??」
「・・・どうしようもない、かな」
私の問いにねこは、まるで何でもないように、笑って答えたけど、何でもないわけがない。
ずっと、ずっと思っているだけ。
ねこ・・・それは、つらい恋だよ?
.
:08/02/10 22:01
:D904i
:Uox4g7JM
#737 [あんみつ]
今までだって、充分つらい思いしてきたでしょ?
なのにまた・・・。
・・・「好き」と言えない恋。
私と・・・同じ。
.
:08/02/10 22:04
:D904i
:Uox4g7JM
#738 [あんみつ]
「・・・ねこ、バカだよ」
「・・・うん、バカかも」
洋平君が、ねこのこと好きって言ってるんだよ?
それでも・・・健二君なんだ。
それだけ、好きなんだ。
.
:08/02/10 22:06
:D904i
:Uox4g7JM
#739 [あや]
:08/02/10 22:07
:SH903i
:2CTJcEBw
#740 [あんみつ]
何で?
心の中で、何度も繰り返した。
けど私も・・・何で洋平君なの?
つらい恋って分かってても、何でやめられないの?
・・・それだけ、好きなんだ。
.
:08/02/10 22:11
:D904i
:Uox4g7JM
#741 [あんみつ]
:08/02/10 22:16
:D904i
:Uox4g7JM
#742 [あんみつ]
「バカでも好きだよー、ねこ!!」
私も、ねこと一緒。
私たちって似たもの同士。
そう気付いたら、なんだか笑えた。
「私もバカな奈津美が好きー!!」
ねこの笑顔が、やけにまぶしく感じた。
.
:08/02/10 22:18
:D904i
:Uox4g7JM
#743 [あんみつ]
:08/02/10 22:36
:D904i
:Uox4g7JM
#744 [我輩は匿名である]
:08/02/13 23:54
:D904i
:MP6F5wP6
#745 [ぴょん]
おもしろーい
から
あげ
:08/02/17 03:33
:SH703i
:☆☆☆
#746 [
]
:08/02/17 19:06
:SH903iTV
:RG4tanRE
#747 [あんみつ]
匿名さん

ぴょんさん


さん

ありがとうございます(;ω;)

あげてくれてめっちゃ嬉しいです


今から更新します

:08/02/17 21:37
:D904i
:qB07UDiI
#748 [あんみつ]
――――――――
ねこが洋平君と別れて1週間。
誰にも言えない私の恋は、継続中。
「失礼しましたー」
課題を提出して、私は職員室から出た。
階段を下りて、下駄箱に向かう。
.
:08/02/17 21:40
:D904i
:qB07UDiI
#749 [あんみつ]
ねこは私に、自分の気持ちを正直に話してくれる。
私も、本当は話したい。
ねこに、私の気持ち全部。
自分の中だけに押し込めているのは、やっぱりつらい。
けど・・・言えない。
.
:08/02/17 21:42
:D904i
:qB07UDiI
#750 [あんみつ]
私の気持ちを知ったらねこは、私に悪いことをしたと思うかもしれない。
そしたら、私も嫌だ。
それに、つらい恋をしているねこに、これ以上気をもますようなことを言いたくなかった。
だから、言えない。
少なくとも、今は。
.
:08/02/17 21:43
:D904i
:qB07UDiI
#751 [あんみつ]
靴に履き替えようと、下駄箱に手をかける。
「・・・あ」
その時、声がした。
すぐに分かる。
私の大好きな人の声。
横を向くと洋平君がいた。
私を見て、軽く頭を下げる。
私も同じように返した。
.
:08/02/17 21:45
:D904i
:qB07UDiI
#752 [あんみつ]
久しぶりだ。
体育祭ぶり?
ねこからいろいろ聞いていても、実際に姿を見るのは、ほんと久しぶり。
教室の階が違うと、会うことなんてめったにないし。
私から会いに行く理由もないし。
.
:08/02/17 21:48
:D904i
:qB07UDiI
#753 [あんみつ]
それに・・・洋平君は、ねこと別れた。
ねこの友達の私なんか、ただ古傷をえぐるだけの存在かもしれない。
そう思うと、何も言えなくなった。
.
:08/02/17 21:49
:D904i
:qB07UDiI
#754 [あんみつ]
動きを止めた私の横で、洋平君は靴を履き替える。
「・・・じゃ」
そう言って、私の横を通り過ぎようとする。
(・・・あ)
傷ついてないわけがない。
好きな人が、自分じゃない別の人を選んだんだ。
けど、ねこは・・・
.
:08/02/17 21:52
:D904i
:qB07UDiI
#755 [あんみつ]
「・・・洋平君!!」
呼び止めてしまった。
洋平君が振り向く。
「・・・あのっ・・・ねこは、洋平君に救われたと思う」
自分でも、何言ってんだろうって思った。
けど、後には引けない。
洋平君は、黙って私を見る。
.
:08/02/17 21:55
:D904i
:qB07UDiI
#756 [あんみつ]
「ねこは、洋平君と付き合ってよかったと思う。・・・だから・・・」
お願い。
自分を責めないで。
私は言葉を詰まらせて、うつむいた。
伝えたいのに、いざ言葉にしようとすると恥ずかしくて、顔から火が出そうだった。
(あーもう・・・何で私・・・)
.
:08/02/17 21:56
:D904i
:qB07UDiI
#757 [あんみつ]
「・・・ありがとう」
(・・・え)
洋平君の言葉に、私はパッと顔を上げた。
優しい目で私を見る洋平君。
引かれたかも、言わなきゃよかったかも。
そう思ったけど、洋平君の顔を見て安心した。
うまく伝わったか分からない。
けど・・・言って、よかったのかな。
.
:08/02/17 21:58
:D904i
:qB07UDiI
#758 [あんみつ]
――――――――
洋平君と別れて、私は駅までの道を歩く。
『・・・ありがとう』
そう言ってくれた。
優しい目だった。
自分の言動を思い出して恥ずかしくなる。
けどそれと共に、洋平君の言葉を頭の中で繰り返して顔が火照る。
ドキドキする。
.
:08/02/17 22:05
:D904i
:qB07UDiI
#759 [あんみつ]
(・・・あーやっぱり・・・)
「・・・大好き」
小さく声に出してつぶやいた。
周りには誰もいない。
空を見上げて、大きく息を吸ってみた。
今は、誰にも言えない私の恋。
けど、いつかちゃんと伝えたい。
ちゃんと自分の言葉で、「好き」って・・・。
.
:08/02/17 22:07
:D904i
:qB07UDiI
#760 [あんみつ]
:08/02/17 22:16
:D904i
:qB07UDiI
#761 [我輩は匿名である]
:08/02/23 16:37
:SH903iTV
:vYd.1jI.
#762 [あんみつ]
:08/02/25 14:21
:D904i
:F9cuxD4k
#763 [あんみつ]
22、「好き」と言ってよ。
はっきり言って一目惚れ。
けど、好きになっちゃったんだもん。
先輩の隣には、いつもあの人がいる。
けど、諦めたくないの。
……………佐古's side…
.
:08/02/25 14:25
:D904i
:F9cuxD4k
#764 [あんみつ]
(あ、いた)
廊下の窓から、今日も見つけた。
グラウンドを歩いて帰る後ろ姿。
その隣には、今日もあの人がいる。
「・・・はぁー」
私はため息をついて、自分の腕に顔をうずめた。
(・・・彼女、なのかな)
:08/02/25 14:32
:D904i
:F9cuxD4k
#765 [あんみつ]
「あの人、先輩の彼女なのかなー??」
私の声を真似したつもりだろう。
後ろからふざけた声が聞こえた。
(・・・この声は)
「コウ!!」
後ろを振り向くと、思った通りの顔があった。
:08/02/25 14:39
:D904i
:F9cuxD4k
#766 [あんみつ]
「お前の心の中を読んでみました」
コウがにやにやしながら言う。
見事当たっているだけに、何も言えない。
「お前、またあの先輩見てんのかー??」
言いながらコウは、私の隣にきて外を見る。
:08/02/25 15:13
:D904i
:F9cuxD4k
#767 [あんみつ]
先輩の姿を見つけたコウが、やっぱりなと言わんばかりに私の肩を叩いた。
「ちょっと、やめてよ」
私は乱暴にコウの手を払いのけた。
「おいおい、そんなことしていいのかー??」
コウが手をさすりながら言う。
:08/02/25 15:15
:D904i
:F9cuxD4k
#768 [あんみつ]
「・・・なによ」
ぶっきらぼうに答える私の目に映るのは、コウのいたずらっぽい笑み。
「俺の部活の先輩に、あの先輩のこといろいろ聞いてやってもいいよ??」
.
:08/02/25 15:16
:D904i
:F9cuxD4k
#769 [
]
あげー

:08/02/27 20:48
:SH903iTV
:CXIjIUms
#770 [愛]
:08/02/27 20:51
:F703i
:o.Tg/Bpg
#771 [我輩は匿名である]
あげ(●^o^●)
:08/03/02 12:20
:PC
:8HtHj956
#772 [
]
あげ

:08/03/06 23:13
:SH903iTV
:ysluJBVY
#773 [あんみつ]
:08/03/07 21:14
:D904i
:CbPvKoy.
#774 [あんみつ]
――――――――
2年2組、竹本健二。
それがあの先輩の名前。
一緒にいるのは、根宮奈子。
竹本先輩の幼なじみ。
付き合ってはいない、らしい。
・・・以上、コウによる先輩情報。
.
:08/03/07 21:15
:D904i
:CbPvKoy.
#775 [あんみつ]
「・・・え??それだけ??」
「それだけってなんだよ。付き合ってないって分かっただけでも、よかったじゃん」
私の発言に、コウが口をとがらせて言った。
「そうなんだけど・・・」
.
:08/03/07 21:18
:D904i
:CbPvKoy.
#776 [あんみつ]
なんかいまいちピンとこない。
だって私から見たら、やっぱり付き合ってるようにしか見えないんだもん。
あんなにいつも一緒にいるんだよ?
幼なじみってあんなもんなの?
.
:08/03/07 21:19
:D904i
:CbPvKoy.
#777 [あんみつ]
「・・・先輩に直接聞いてみれば?お前って、そうゆうやつじゃん」
黙り込んだ私にコウが、まるで私の心を見透かしたかのように言う。
「・・・コウ、ほんとにエスパー?」
「だから言ってんじゃん!!俺、心が読めるんだって」
真顔で聞く私を見て、コウが笑いながら言った。
.
:08/03/07 21:21
:D904i
:CbPvKoy.
#778 [あんみつ]
けど、確かに。
何をためらってるんだろう。
私まだ何もしてない。
まだ、何も始まってない。
.
:08/03/07 21:23
:D904i
:CbPvKoy.
#779 [あんみつ]
「・・・だよね」
私は呟いて顔を上げた。
「ありがとね、コウ!!」
私が言うと、コウはニッと笑った。
「それでこそ佐古。また何か分かったら教えてやるよ」
そう言って、コウは教室に戻っていく。
.
:08/03/07 21:24
:D904i
:CbPvKoy.
#780 [あんみつ]
そうだ。
動かなきゃ何も始まんない。
もっと、先輩のことを知りたい。
先輩に、私のことを知ってもらいたい。
近付きたいんだ。
.
:08/03/07 21:25
:D904i
:CbPvKoy.
#781 [あんみつ]
:08/03/07 21:28
:D904i
:CbPvKoy.
#782 [
]
あげ

:08/03/09 15:01
:SH903iTV
:2htxgVhY
#783 [さくら
]
:08/03/09 15:55
:SH903i
:kp6Wq5e2
#784 [あんみつ]
:08/03/09 21:50
:D904i
:63tcrXd.
#785 [あんみつ]
――――――――
それから私、自分でもびっくりするぐらい頑張った。
付き合えないって言われたけど、諦めないって言った。
正直先輩にとって、私はうざい存在だと思う。
けど、私から何か起こさなきゃ何も始まらないでしょ?
.
:08/03/09 21:54
:D904i
:63tcrXd.
#786 [あんみつ]
せっかく好きになったんだもん。
やっぱり両思いになりたい。
「好き」と言ってほしい。
先輩はあの人のこと、ただの幼なじみだって言ったよね。
なら私にも、チャンスはあるはず。
先輩の言葉、信じるよ。
.
:08/03/09 21:55
:D904i
:63tcrXd.
#787 [あんみつ]
――――――――
「・・・好きなんです」
押してもびくともしない先輩に、2度目の告白。
2度目とか関係なく、極度の緊張。
心臓バクバクだし、顔は暑いし。
とにかく、必死だった。
.
:08/03/09 22:30
:D904i
:63tcrXd.
#788 [あんみつ]
「・・・ごめ」
「にっ日曜!!デートしてください!!」
私は、先輩の言葉を遮って言った。
.
:08/03/09 22:32
:D904i
:63tcrXd.
#789 [あんみつ]
今、2度目の告白をしたところで、結果は初めと同じだって分かってた。
分かってたけど、先輩の「ごめん」はもう聞きたくなかった。
それなのに、言わずにはいられなかった。
止められなかった。
.
:08/03/09 22:33
:D904i
:63tcrXd.
#790 [あんみつ]
「・・・え?」
突然の私の発言に、驚く先輩。
そんな先輩を見て、私は言う。
「先輩・・・まだ私のこと、何も知らないでしょ?」
私は、右手で自分の左手首を掴んだ。
「私のこと・・・ちゃんと知ってほしいんです」
顔だけじゃなく、全身が熱い。
:08/03/09 22:35
:D904i
:63tcrXd.
#791 [あんみつ]
先輩は、困ったように少しうつむく。
(・・・あー、また)
「・・・日曜、1時に駅前の広場で待ってます」
私はそれだけ言って、教室を飛び出した。
「ちょっ、待てよ!!」
先輩の声が聞こえたけど、止まらなかった。
止まれなかった。
・・・涙で視界が滲んでたから。
.
:08/03/09 22:37
:D904i
:63tcrXd.
#792 [あんみつ]
また、困らせた。
無茶苦茶だって分かってる。
けど、先輩を困らせたいわけじゃないんだよ?
「ごめん」なんていらない。
ただ、「好き」と言ってほしいだけなんだよ。
.
:08/03/09 22:38
:D904i
:63tcrXd.
#793 [我輩は匿名である]
あげ(●^o^●)
:08/03/11 14:19
:PC
:78opQP6s
#794 [
]
あげ

:08/03/12 20:51
:SH903iTV
:IFPE./lE
#795 [我輩は匿名である]
あげ

:08/03/14 22:32
:SH902iS
:ws.QYiF.
#796 [
]
あげ

:08/03/16 20:13
:SH903iTV
:4O74C/xY
#797 [
]
あげ

:08/03/18 06:13
:SH903iTV
:NvmcDxGo
#798 [
]
:08/03/19 21:55
:SH903iTV
:yJZojpr6
#799 [あんみつ]
:08/03/20 14:00
:D904i
:TaVwQi/2
#800 [あんみつ]
――――――――
強引極まりない私の一方的な約束に、先輩は来てくれた。
すごく、すごく嬉しかった。
「お前、無茶苦茶すぎ」
これが、私の姿を見た先輩の第一声だったわけだけど。
それでもこうして来てくれた。
.
:08/03/20 14:02
:D904i
:TaVwQi/2
#801 [あんみつ]
私服の先輩。
いつもと違う。
学校以外の場所で、こうして会ってる。
先輩には気持ちがないと分かっていても、自然と顔がにやけてくる。
.
:08/03/20 14:03
:D904i
:TaVwQi/2
#802 [あんみつ]
(・・・っと)
私は、にやける口元をあわてて押さえた。
「・・・あの・・・ごめんなさい」
「・・・何が?」
ぶっきらぼうに答える先輩。
無理もない。
私は少し目を伏せた。
:08/03/20 14:05
:D904i
:TaVwQi/2
#803 [あんみつ]
「一方的にこんな約束・・・先輩の都合とか考えないで・・・」
口に出して言ってみると、よくあんな強引なことできたもんだと、恥ずかしくなった。
少しの沈黙が流れる。
「・・・いまさら」
先輩はそうつぶやいた後、小さくため息をついた。
:08/03/20 14:07
:D904i
:TaVwQi/2
#804 [あんみつ]
顔を上げられない。
目の奥が熱い。
(・・・泣いちゃダメだ)
私は、体の前で両手を握りしめた。
:08/03/20 14:12
:D904i
:TaVwQi/2
#805 [あんみつ]
「・・・で、どこ行きたいんだ?」
先輩の優しい声。
「・・・え?」
私は、ゆっくりと顔を上げた。
先輩は、私の答えを促すように、私の顔をじっと見る。
:08/03/20 14:14
:D904i
:TaVwQi/2
#806 [あんみつ]
「あ・・・えっと、映画見たいのあって・・・」
「じゃ、行きますか」
私が言うと、先輩は回れ右して言った。
そして、ゆっくりと歩き出す。
私は状況が飲み込めなくて、離れていく先輩の背中をただ立ち止まって見ていた。
その背中がぴたりと止まって、先輩が振り向く。
:08/03/20 14:17
:D904i
:TaVwQi/2
#807 [あんみつ]
「・・・今日暇だから」
それだけ言って、また前を向いてしまった。
けど今度は歩き出さない。
(・・・あ)
やっと状況を理解した。
再び顔がにやけてくる。
:08/03/20 14:19
:D904i
:TaVwQi/2
#808 [あんみつ]
(やばい・・・嬉しい!!)
「・・・はい!!」
私は先輩の隣まで走った。
私の姿を確認した先輩は、またゆっくりと歩き出す。
私はそんな先輩の横顔を、そんの少し盗み見した。
.
:08/03/20 14:21
:D904i
:TaVwQi/2
#809 [あんみつ]
・・・ほっとけなかったんでしょ?
やっぱり、思ってた通りの優しい人。
そんなの私、もっと好きになっちゃうよ。
.
:08/03/20 14:23
:D904i
:TaVwQi/2
#810 [あんみつ]
いつも、先輩の隣にはあの人がいる。
けど今は違う。
今、先輩の隣にいるのは私。
それだけですごく嬉しく思うのと同時に、私は、もっと先輩を独占したいと思ってしまったんだ。
.
:08/03/20 14:25
:D904i
:TaVwQi/2
#811 [
]
更新あざーす


:08/03/20 21:46
:SH903iTV
:ffOjpEqg
#812 [
]
あげ

:08/03/25 07:00
:SH903iTV
:mDSvPdXs
#813 [我輩は匿名である]
:08/04/16 00:44
:F705i
:☆☆☆
#814 [あんみつ]
あげありがとうございます


長い間放置して、読んでくれていた人すみませんでした

少しですが更新します

:08/06/14 14:46
:D904i
:PXvLBvcE
#815 [あんみつ]
――――――――
先輩と2人で出掛けたあの日から、先輩の私への接し方が変わった。
「あ・・・竹本先輩!!」
私が先輩の名前を呼ぶ。
先輩が、それに振り向いて私を見る。
「よっ」
そう言って軽く笑う。
私を見て、笑う。
:08/06/14 14:48
:D904i
:PXvLBvcE
#816 [あんみつ]
メールをしたら返事が来て、私の質問に答えてくれる。
いろいろな先輩が見えてくる。
私からの一方的なのじゃない。
ちゃんと会話になってる。
それがすごく嬉しかった。
それでも、いつも会話のきっかけを作るのは私で、先輩から話しかけてくれることはほとんどなかった。
:08/06/14 14:50
:D904i
:PXvLBvcE
#817 [あんみつ]
前よりは近づけたと思う。
けど、やっぱり好きなのは私だけなのかなって、少し自信なくしてた。
だから、先輩にお祭りに誘われた時、携帯握りしめて思わずやったー!!って叫んじゃった。
それだけ嬉しかったんだよ。
.
:08/06/14 14:51
:D904i
:PXvLBvcE
#818 [いち]
待ってました

これからも頑張ってください

!
:08/06/14 18:09
:N904i
:UzS/Tk/U
#819 [我輩は匿名である]
頑張って下さい


:08/06/18 06:23
:P905i
:Gr9C5yzk
#820 [あむろP]
頑張ってください

:08/06/27 16:24
:811T
:kECbV1Ek
#821 [あんみつ]
いちさん

匿名さん

あむろさん

ありがとうございます


今から更新します

:08/06/28 22:54
:D904i
:h9i7e./U
#822 [あんみつ]
――――――――
『・・・付き合ってもいいよ』
祭りに誘われた次の日、先輩が言った。
.
:08/06/28 22:56
:D904i
:h9i7e./U
#823 [あんみつ]
その日の夕方、先輩から突然電話があった。
{今、暇?}
あまりにぶっきらぼうだったから、悪い予感がした。
「はい・・・暇ですけど」
{・・・ちょっと出てこん?}
.
:08/06/28 22:58
:D904i
:h9i7e./U
#824 [あんみつ]
何がなんだか分からないまま返事をして、うちの近所まで来てくれた先輩と会うことになった。
待ち合わせ場所のコンビニに着いて、少しして先輩も来た。
クーラーのよく効いた店内を出て、自転車を押す先輩と並んで歩く。
しばらくの沈黙の後、先輩が言った。
「・・・付き合ってもいいよ」
.
:08/06/28 22:59
:D904i
:h9i7e./U
#825 [あんみつ]
そう言った先輩はまっすぐ前を向いてて、けどその横顔はほんのり赤くなっていた。
一方私は、先輩の言ったことがすぐには理解できず、その場に立ち止まった。
(・・・つきあう?・・・つきあっても・・・)
立ち止まった私に気づいて、先輩も少し先で立ち止まってこっちを向く。
.
:08/06/28 23:01
:D904i
:h9i7e./U
#826 [あんみつ]
「・・・ほら」
先輩が照れたように、自転車を押す手とは反対の左手を、私に向かって差し出す。
『・・・付き合ってもいいよ』
その瞬間理解した。
先輩が・・・振り向いてくれた。
彼氏と彼女になれるんだ。
.
:08/06/28 23:03
:D904i
:h9i7e./U
#827 [あんみつ]
・・・涙が出そうなくらい嬉しかった。
私の頑張りは無駄じゃなかった。
好きでいてよかった。
「好き」と言ってよかった。
先輩の手を握って、心の底からそう思った。
.
:08/06/28 23:05
:D904i
:h9i7e./U
#828 [あんみつ]
・・・愛しい。
この手をずっと離したくない。
そう思って、本気で願った。
.
:08/06/28 23:06
:D904i
:h9i7e./U
#829 [あんみつ]
:08/06/28 23:10
:D904i
:h9i7e./U
#830 [(・ε・`)]
:08/06/28 23:29
:F904i
:akSH56Rw
#831 [我輩は匿名である]
あげ

:08/07/01 22:48
:P905i
:Q2.s8SlQ
#832 [我輩は…ョではない]
あげ~タ
:08/07/02 17:03
:W61S
:x1yEn07g
#833 [
]
続き頑張って
:08/07/03 00:42
:D902iS
:CnlPqtC2
#834 [我輩は匿名である]
あげ〜

:08/07/20 08:56
:P905i
:xQ0yvsYU
#835 [み]
:08/07/22 11:22
:W52SH
:ZaRLz9ao
#836 [あや]
あんみつちゃん

覚えてるかな?
あのときの、あやだよ

全然来られなくてごめんね

更新少しずつでいいから、がんばってね

色んな人の想いがあるよね。でもやっぱり、健二とネコうまくいってほしい

あんみつちゃん

がんばってね

:08/07/30 12:38
:SH903i
:DdjHhEIs
#837 [あんみつ]
:08/08/12 10:40
:D904i
:A0ydUP3A
#838 [あんみつ]
――――――――
夏休みが終わって二学期が始まって、健二先輩はまたあの人と登校し始めた。
根宮奈子先輩。
健二先輩がねこって呼ぶその人は、先輩の大切な幼なじみ。
・・・大切な。
.
:08/08/12 10:41
:D904i
:A0ydUP3A
#839 [あんみつ]
健二先輩は、その気持ちを正直に話してくれた。
私もそれを理解しようとした。
受け入れようとした。
けど・・・。
.
:08/08/12 10:43
:D904i
:A0ydUP3A
#840 [あんみつ]
体育祭で一緒に走る二人の姿を見た時、私は心の底から根宮先輩に嫉妬した。
それと同時に、自分の中にこんな強い独占欲があることに驚いた。
嫌だ、嫌だ。
先輩の隣には私がいたい。
.
:08/08/12 10:45
:D904i
:A0ydUP3A
#841 [あんみつ]
体育祭のあとの帰り道、私はわざと根宮先輩のことには触れないようにした。
今その話をしてしまうと、気持ちが溢れてしまいそうだったから。
嫉妬、独占欲。
そんな気持ち、健二先輩には知られたくない。
めんどうな女だって思われたくない。
.
:08/08/12 10:46
:D904i
:A0ydUP3A
#842 [あんみつ]
その時の先輩の態度は、心なしかよそよそしく感じた。
まるで私の心の中が分かっているかのように。
そんな先輩に、私は何も言えなくなった。
それから駅までは、ずっと沈黙のままだった。
.
:08/08/12 10:52
:D904i
:A0ydUP3A
#843 [あんみつ]
先輩には、笑っていてほしい。
困らせたいわけじゃないんだよ。
好きなの。
大好きなの。
先輩のこと、分かりたいって本当に思う。
.
:08/08/12 10:54
:D904i
:A0ydUP3A
#844 [あんみつ]
なのに・・・。
・・・悔しい。
根宮先輩に対してじゃなく、健二先輩の根宮先輩に対する気持ちを受け入れられない自分が悔しかった。
.
:08/08/12 10:56
:D904i
:A0ydUP3A
#845 [姫香]
あーせつない…
でも続き楽しみです!
:08/08/12 11:59
:PC
:ppFvYUS6
#846 [我輩は匿名である]
あげ

:08/08/17 23:44
:P905i
:zf5Lb3MI
#847 [あんみつ]
:08/08/19 11:28
:D904i
:twgWb/zk
#848 [あんみつ]
――――――――
「・・・はぁー」
放課後の教室に一人。
私はため息をついて机に顔を伏せた。
野球部の威勢のいい声が聞こえる。
ブー・・・ブー
握りしめていた携帯が震えて、私は急いで開いた。
.
:08/08/19 11:31
:D904i
:twgWb/zk
#849 [あんみつ]
――――――――

9/15 16:38
From 村上光
Sub 無題
ため息つくと幸せ逃げるぞ
――――――――
(・・・は!?)
メールを見て、私は慌ててあたりを見渡す。
私の目は、教室の後ろ側のドアを見たところで止まった。
すりガラス越しに、人の影が映っている。
.
:08/08/19 11:33
:D904i
:twgWb/zk
#850 [あんみつ]
「・・・コウ!!」
私はメールを送ってきたそいつの名前を呼んだ。
若干怒鳴り気味で。
「あ、バレた??」
ドアが開いて、中学からの腐れ縁が顔を出す。
「ばればれ」
私の言葉に、コウは笑いながら私の前の席に座る。
.
:08/08/19 11:34
:D904i
:twgWb/zk
#851 [あんみつ]
部活の途中なのか、着ている体操服を掴んでパタパタとしている。
「あっちぃー」
「・・・てかコウ何しに来たの??」
そんなコウを見て私は言った。
「んー・・・ちょっと休憩」
言いながらコウは、大きく伸びをする。
.
:08/08/19 11:36
:D904i
:twgWb/zk
#852 [あんみつ]
「・・・ふーん」
いいのかよって思ったけど言うのもめんどくさく、私は一言で片付けた。
少しの沈黙が流れる。
風が吹いて、カーテンが大きく揺れた。
私の髪も合わせてなびく。
.
:08/08/19 11:37
:D904i
:twgWb/zk
#853 [あんみつ]
「・・・でさ」
コウが口を開いた。
私の顔をちらりと見る。
「さっきのため息の原因は??」
コウはいつもと変わらない調子で言った。
.
:08/08/19 11:39
:D904i
:twgWb/zk
#854 [あんみつ]
コウとは中一の時からずっと同じクラス。
明るくてお調子者でちょっと生意気で。
けど本当は、誰よりも友達思いで優しくて。
そんなコウを私は知ってる。
何度も何度も助けられた。
.
:08/08/19 11:40
:D904i
:twgWb/zk
#855 [あんみつ]
コウは変わらず、体操服をパタパタしている。
(・・・コウ)
「・・・なんかね」
私はゆっくりと話し始めた。
「自信ないの・・・」
コウが動きを止めて私を見る。
「健二先輩にとって一番は、私じゃなくて・・・根宮先輩なんじゃないかって」
.
:08/08/19 11:42
:D904i
:twgWb/zk
#856 [あんみつ]
・・・本当は、心のどこかでずっと思ってた。
体育祭以来、その考えはどんどん加速していった。
振り払っても振り払っても、頭に浮かぶのは健二先輩と根宮先輩の仲の良さそうな姿。
考えても考えても、同じところをぐるぐる回って抜けられない。
.
:08/08/19 11:44
:D904i
:twgWb/zk
#857 [あんみつ]
「健二先輩も・・・私の気持ちに気づいてると思う。最近、なんかぎこちない。けど、お互い何も言わないし・・・」
視界が滲む。
涙目になっているのがコウにばれないように、私は下を向いた。
「ぎこちなくってもね、初めのうちは私頑張って喋ってたの。けど・・・ここんとこ、私わざと沈黙作ってて」
先輩の気持ちが分からなくて、不安で、試すように。
.
:08/08/19 11:46
:D904i
:twgWb/zk
#858 [あんみつ]
「・・・今日ね、先輩に一緒に帰れないってメールしたの」
「うん」
コウが優しく相づちを打つ。
「先輩・・・分かったって、それだけ」
.
:08/08/19 11:48
:D904i
:twgWb/zk
#859 [あんみつ]
理由も何も聞かなかった。
ただ一言、分かったって。
一緒に帰れないなんて嘘。
それでも、今までずっとこうして教室にいたのは、もしかしたら健二先輩来てくれるかもって、バカみたいに思ってたから。
.
:08/08/19 11:50
:D904i
:twgWb/zk
#860 [あんみつ]
(・・・ほんとバカ)
涙がこぼれそうになって、私は机に顔を伏せた。
「・・・ねぇ、コウ」
私は伏せたまま言った。
「うん?」
「押してダメなら引いてみろって言うけどさ・・・引いてもダメなら、どうすればいいんだろ」
.
:08/08/19 11:52
:D904i
:twgWb/zk
#861 [あんみつ]
「・・・」
私の問いに、コウは何も言わない。
いや、言わないんじゃなくて言えないんだろう。
「・・・ごめん、変なこと聞いた」
先に私から言った。
.
:08/08/19 11:54
:D904i
:twgWb/zk
#862 [あんみつ]
「・・・佐古」
コウが私の名前を呼ぶ。
けど、私は返事ができなかった。
喉が熱くなってきて、今何か喋ると涙声になってしまいそうだったから。
.
:08/08/19 11:55
:D904i
:twgWb/zk
#863 [あんみつ]
(・・・!?)
その時、私の頭に何か温かいものが触れた。
コウの手だ。
「・・・ごめんな、何も言えなくて」
コウが申し訳なさそうに言う。
(そんなことない・・・)
.
:08/08/19 11:57
:D904i
:twgWb/zk
#864 [あんみつ]
自分の中だけに閉じ込めておくのと、誰かに聞いてもらうのとでは、気持ちの軽さがだいぶ違う。
それに・・・こんなに話せたのはコウだからだ。
そう思うのに、言葉が出ない。
頭から手が離れた。
カタッとイスをしまう音がする。
.
:08/08/19 11:59
:D904i
:twgWb/zk
#865 [あんみつ]
「そろそろ行くな・・・頑張れよ」
コウの気配がだんだんと遠ざかっていく。
私は顔を上げられない。
ドアの閉まる音がした。
野球部も休憩中なのか急に静かになって、教室はやけに広く感じた。
.
:08/08/19 12:00
:D904i
:twgWb/zk
#866 [あんみつ]
「・・・う・・・ひっく」
涙が溢れた。
(・・・ありがとう、コウ)
本人に、言葉にして伝えられなかったことを悔やんだ。
けど・・・
コウ、もう私ダメだよ。
.
:08/08/19 12:02
:D904i
:twgWb/zk
#867 [あんみつ]
苦しいよ。
先輩が私の隣にいないのが寂しい。
先輩の隣にあの人がいるのを見るのがつらい。
なんかもう・・・限界だよ。
ねぇ・・・健二先輩。
私、わがままなのかな?
.
:08/08/19 12:03
:D904i
:twgWb/zk
#868 [あんみつ]
:08/08/19 12:06
:D904i
:twgWb/zk
#869 [ましゅまろ.。]
:08/08/19 21:18
:SH903i
:8tuCMI/o
#870 [あんみつ]
:08/08/21 22:37
:D904i
:SrI3vkrY
#871 [あんみつ]
――――――――
「・・・健二先輩と、離れてください」
・・・まさか、自分がこんなセリフ言うことになるとは思わなかった。
自分勝手だって分かってる。
けど私は、つなぎ止めようと必死だった。
.
:08/08/21 22:38
:D904i
:SrI3vkrY
#872 [あんみつ]
「・・・分かった」
私の理不尽な要求に対して、根宮先輩は静かにそう言ってくれた。
「・・・その代わり・・・もう一度、健二と二人で出かけたい。ちゃんと話がしたいの。・・・明後日、それで最後にするから・・・」
私のわがままとは比べものにならない程の、小さな条件付きで。
私は、頷いて頭を下げることしかできなかった。
.
:08/08/21 22:41
:D904i
:SrI3vkrY
#873 [あんみつ]
健二先輩にとって、根宮先輩は大切な幼なじみ。
きっと、根宮先輩にとってもそう。
つらいだろう、苦しいだろう。
理不尽な私を許せないかもしれない。
それでも、分かったって言ってくれた。
私を責めもしなかった。
.
:08/08/21 22:43
:D904i
:SrI3vkrY
#874 [あんみつ]
根宮先輩に比べると、自分はなんて幼稚なんだろう。
思いやることを忘れて、健二先輩が好きという気持ちだけで動いてた。
ただ必死だった。
.
:08/08/21 22:48
:D904i
:SrI3vkrY
#875 [あんみつ]
・・・健二先輩。
私にも、根宮先輩みたいな強さがあれば、何か変わっていたのかな?
根宮先輩の小さな願いに頷きながら、それさえも不安に感じる私に・・・。
.
:08/08/21 22:51
:D904i
:SrI3vkrY
#876 [我輩は匿名である]
:08/08/24 22:34
:W53H
:JPgm9QQw
#877 [匿名]
:08/08/25 00:06
:P903i
:nC3CaaUg
#878 [匿名]
書かないのかな?

:08/08/25 07:54
:SH905i
:pqIjoGgw
#879 [匿名]
もう更新しないの?
:08/09/03 22:10
:SH905i
:qfZs.cXs
#880 [ぴや]
さよなら〜
:08/09/05 07:30
:SH905i
:NAQdDTxQ
#881 [あんみつ]
:08/09/05 23:31
:D904i
:lfuFswyo
#882 [あんみつ]
:08/09/05 23:32
:D904i
:lfuFswyo
#883 [あんみつ]
――――――――
根宮先輩と話をした日の夜、健二先輩からメールがきた。
――――――――

9/17 21:38
From 竹本健二
Sub 無題
明後日の午前中ちょっと会えん?
話があるんだけど。
――――――――
.
:08/09/05 23:36
:D904i
:lfuFswyo
#884 [あんみつ]
今の状態でこんなメールが来たら、悪い想像をするのが普通だと思う。
今日まであまり眠れなかった。
待ち合わせは十一時半。
私の家の近くの公園。
私が十分前に着いた時、すでに健二先輩は公園のベンチに座っていた。
.
:08/09/05 23:37
:D904i
:lfuFswyo
#885 [あんみつ]
「よっ」
私に気がついて、先輩はぎこちなく微笑む。
私も笑顔を作る。
本当は、笑うような気分じゃない。
話の内容が気になって、怖くて怖くてたまらない。
.
:08/09/05 23:39
:D904i
:lfuFswyo
#886 [あんみつ]
先輩は、自分の隣をポンポンと叩く。
「待ちました?」
言いながら私は、先輩の隣に座る。
「いや、来たばっか」
そう言うと先輩は前を向いた。
公園には誰もいない。
子供が忘れていったのか、砂場にはスコップが一本ささっている。
先輩の顔を見れない意気地なしの私は、そのスコップを意味もなくじっと見ていた。
.
:08/09/05 23:40
:D904i
:lfuFswyo
#887 [あんみつ]
「・・・俺さ」
長い沈黙の後、先輩が口を開いた。
私は前を見たまま動けない。
膝の上に置いた両手に力が入る。
「ねこのこと・・・すげー大事なんだ」
健二先輩の口調は、とても真剣だった。
.
:08/09/05 23:42
:D904i
:lfuFswyo
#888 [あんみつ]
付き合うことになった日、健二先輩は一番に根宮先輩のことを話してくれた。
あの時も、この公園で。
大切な幼なじみ。
絶対になくしたくない存在。
けど、ねこは幼なじみだから。
彼女は・・・佐古だから。
.
:08/09/05 23:44
:D904i
:lfuFswyo
#889 [あんみつ]
あの時は私、付き合えることに浮かれてて、先輩の言葉を理解した気になってた。
根宮先輩への想いを、受け入れた気になってた。
・・・けど、違った。
嫉妬と不安が、今になって私に押し寄せる。
自分じゃもう、どうにもできない。
.
:08/09/05 23:46
:D904i
:lfuFswyo
#890 [あんみつ]
「けど・・・ねこは幼なじみで、それだけだよ」
あの時と同じ言葉を、健二先輩は繰り返す。
分かってる。
けど頷けない。
受け入れられない。
.
:08/09/05 23:48
:D904i
:lfuFswyo
#891 [あんみつ]
健二先輩のことを見ているだけだった頃、根宮先輩は健二先輩の彼女なんだと思ってた。
だって悔しいけど、一緒に並んで歩く二人は、本当にお似合いだったから。
認めたくないけど。
.
:08/09/06 07:17
:D904i
:4GM.ZowQ
#892 [あんみつ]
今、健二先輩と付き合っているのは私。
なのに・・・お似合いな二人の姿は変わらない。
根宮先輩は、幼なじみでしょ?
彼女は私じゃないの?
健二先輩にとっての一番は、私じゃなくて・・・
.
:08/09/06 07:19
:D904i
:4GM.ZowQ
#893 [あんみつ]
「・・・根宮先輩なの?」
私はハッとして口を押さえる。
声に出して言ってしまった。
「え?」
先輩が聞き返す。
その先輩の声があまりに優しくて、私は泣きそうになった。
もう、止められない。
.
:08/09/06 07:20
:D904i
:4GM.ZowQ
#894 [あんみつ]
「健二先輩の気持ち・・・分かろうとした。大切な幼なじみだって」
先輩の顔を見ないまま、吐き出すように言った。
「けど・・・根宮先輩と一緒にいるとき見る度ほんとは・・・すごく不安だった」
心の中にためていた物が、何かが切れたように溢れ出す。
視界が滲んだ。
.
:08/09/06 07:21
:D904i
:4GM.ZowQ
#895 [あんみつ]
「付き合ってるのは私でも・・・健二にとっての一番は、本当は・・・根宮先輩なんじゃないかって」
涙がこぼれた。
健二先輩は何も言わない。
(もう・・・やだ)
私は立ち上がった。
そのまま早足で公園の出口に向かう。
.
:08/09/06 07:31
:D904i
:4GM.ZowQ
#896 [あんみつ]
「待てよ、佐古!!」
先輩が追ってきて、私の手首をつかんだ。
「っ・・・やだ!!」
私は手を引っ張ってふりほどこうとするが、びくともしない。
.
:08/09/06 07:33
:D904i
:4GM.ZowQ
#897 [あんみつ]
隠してた気持ちを、言ってしまった。
独占欲の塊みたいな私。
このままだときっと、もっと自分勝手なことも言ってしまう。
先輩に嫌われたくない。
それだけは嫌だ。
.
:08/09/06 07:34
:D904i
:4GM.ZowQ
#898 [あんみつ]
早くこの場を離れたい。
もっとひどいことを言ってしまう前に。
そう思ったのに・・・もう、遅かった。
「健二先輩が根宮先輩といるとこ・・・もう見たくない!!」
泣きながら言った瞬間、大きなめまいがした。
.
:08/09/06 07:35
:D904i
:4GM.ZowQ
#899 [あんみつ]
――――――――
「・・・よかった、ただの貧血で」
ベッドで布団をかぶったままの私に向かって、先輩は言った。
「・・・ありがとうございます」
私は、布団をかぶったまま応えた。
.
:08/09/06 08:58
:D904i
:4GM.ZowQ
#900 [あんみつ]
あの時、大きなめまいがして、私はしゃがみこんだまま立ち上がれなくなった。
昔からたまにある貧血。
ここんとこ平気だったのに・・・。
.
:08/09/06 08:59
:D904i
:4GM.ZowQ
#901 [あんみつ]
先輩はそんな私を、おぶって私の家まで運んでくれた。
優しい先輩。
先輩の背中で、私は後悔でいっぱいになった。
健二先輩にとって根宮先輩は、絶対になくしたくない大切な存在。
きっと根宮先輩にとってもそう。
理解できなくても、受け入れられなくても、分かってたのに。
.
:08/09/06 09:02
:D904i
:4GM.ZowQ
#902 [あんみつ]
自分の感情だけで走って、ひどいことを言ってしまった。
『・・・健二先輩と、離れてください』
『健二先輩が根宮先輩といるとこ・・・もう見たくない!!』
.
:08/09/06 09:04
:D904i
:4GM.ZowQ
#903 [あんみつ]
自分勝手なやつだって思われたかもしれない。
思いやりがないとも。
私なんかに、愛想尽かしたかもしれない。
けど・・・自業自得だ。
それだけのことを私はした。
先輩の温もりが、私の後悔の念を一層掻き立てた。
.
:08/09/06 09:05
:D904i
:4GM.ZowQ
#904 [あんみつ]
私は静かに布団から顔を出した。
ベッドにもたれていた先輩が、気付いて私を見る。
「平気か?」
先輩は、私の髪をそっと撫でる。
(なんで・・・そんなに優しいの)
ひどいこと、言ったのに。
胸が締め付けられる感じがした。
.
:08/09/06 09:06
:D904i
:4GM.ZowQ
#905 [あんみつ]
「・・・先輩」
「ん?」
「さっきは・・・ごめんなさい」
顔を見て言えた。
先輩は優しい瞳で私を見つめる。
「俺も・・・ごめんな」
先輩はそう言って、私の左手首にそっと触れた。
目頭が熱くなってきて、私は小さくうなづいた後また布団をかぶった。
.
:08/09/06 09:08
:D904i
:4GM.ZowQ
#906 [あんみつ]
ねぇ先輩。
それはどういう意味の"ごめん"?
強くつかんで"ごめん"?
何も言えなくて"ごめん"?
・・・一番じゃなくて"ごめん"?
私は目をつむった。
.
:08/09/06 09:09
:D904i
:4GM.ZowQ
#907 [あんみつ]
・・・先輩、気付いてる?
先輩、今まで一度も、私のこと「好き」って言ってくれたことないんだよ。
付き合ってるとか彼女だとか、そんな言葉よりもただ、「好き」って言ってよ。
「ごめん」なんていらない。
ただ一言、「好き」と言ってよ。
それだけで私、頑張れる気がするのに・・・。
.
:08/09/06 09:10
:D904i
:4GM.ZowQ
#908 [あんみつ]
――――――――
ピーピピーピー♪
携帯が鳴った。
私のじゃなくて、健二先輩の。
私は、そっと布団から顔を出す。
つらそうな顔で、携帯を見つめる健二先輩の横顔が見えた。
.
:08/09/06 12:44
:D904i
:4GM.ZowQ
#909 [あんみつ]
(・・・先輩・・・?)
壁に掛かった時計に目をやると、もうすぐ一時半が来ようとしていた。
どうやら、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
私が眠る前と変わらず、先輩はベッドにもたれている。
(ずっと・・・いてくれたんだ)
.
:08/09/06 12:46
:D904i
:4GM.ZowQ
#910 [あんみつ]
先輩は、携帯を見つめたまま動かない。
私が起きたことにも気がついてない。
「・・・先輩?」
私が呼ぶと、先輩は我に返ったようにこっちを見た。
「あ・・・悪い、起こした?」
「・・・いえ、大丈夫です。ごめんなさい、寝ちゃって」
「全然。ゆっくり休みな」
先輩は笑顔で言った。
.
:08/09/06 12:48
:D904i
:4GM.ZowQ
#911 [あんみつ]
・・・どこかつらそうな笑顔。
なんでそんなに、つらそうに笑うの?
携帯に何が・・・誰が・・・
『・・・明後日、それで最後にするから・・・』
(・・・あ)
私はハッとした。
.
:08/09/06 12:50
:D904i
:4GM.ZowQ
#912 [あんみつ]
・・・そうだ。
今日は・・・根宮先輩と健二先輩が会う日。
待ち合わせがいつなのかは分からないけど、さっきのメールは、きっと根宮先輩。
なんとなく分かる。
私は先輩の顔をじっと見た。
「・・・どした?」
先輩が不思議そうに聞く。
.
:08/09/06 12:51
:D904i
:4GM.ZowQ
#913 [あんみつ]
・・・先輩、行かなくていいの?
もしそうなら、そんなつらそうな顔して笑わないで。
そうじゃないなら・・・
「・・・行っていいよ、先輩」
私は言った。
先輩は、びっくりした顔で私を見る。
「・・・根宮先輩でしょ?」
私の質問に少し考えた後、先輩は頷いた。
.
:08/09/06 12:53
:D904i
:4GM.ZowQ
#914 [あんみつ]
本当は、行ってほしくない。
行かないでってすがりたい。
行っちゃいやだって叫びたい。
・・・けどそれよりも、先輩のそんなつらそうな顔、見たくない。
.
:08/09/06 12:54
:D904i
:4GM.ZowQ
#915 [あんみつ]
ピーピーピピー♪
また携帯が鳴った。
今度は、途中で切れることなく鳴り続けている。
電話みたいだ。
先輩は、携帯を握り締めたまま動かない。
携帯は鳴り続ける。
先輩の好きな曲。
(・・・先輩、出ないの?)
.
:08/09/06 12:55
:D904i
:4GM.ZowQ
#916 [あんみつ]
・・・その時、曲が止まった。
先輩が電話に出た。
携帯を耳に当てて、私に背を向ける。
「・・・ねこ」
少しの沈黙の後、先輩はつぶやくように言った。
(・・・やっぱり)
電話をかけてきたのは、根宮先輩だった。
.
:08/09/06 12:57
:D904i
:4GM.ZowQ
#917 [あんみつ]
きっと先輩は、根宮先輩のところに行く。
そしたら私たちは・・・どうなるんだろう。
・・・もう、ダメなのかな?
「・・・ねこ、悪い。・・・今日、行けない」
(・・・え)
健二先輩の言葉に、私は耳を疑った。
.
:08/09/06 12:59
:D904i
:4GM.ZowQ
#918 [あんみつ]
「・・・健二先輩」
私が呼ぶと、先輩はこっちを向いた。
(・・・行かなくて、いいの?)
先輩は、私の顔を見てそっと微笑む。
「・・・ごめん、ねこ」
最後にそう言って、電話を切った。
(先輩・・・なんで)
「・・・なんで?」
自分の声が、泣きそうなことにびっくりした。
.
:08/09/06 13:00
:D904i
:4GM.ZowQ
#919 [あんみつ]
そんな私の頭を、先輩は優しくぽんぽんと叩く。
「・・・不安にさせてごめんな」
先輩は言った。
・・・あぁ。
先輩の"ごめん"は、それだったんだね。
・・・いいの、先輩?
私でいいの?
.
:08/09/06 13:01
:D904i
:4GM.ZowQ
#920 [あんみつ]
涙があふれた。
先輩は変わらず、私の頭を撫で続ける。
先輩が、根宮先輩より私の隣を選んでくれた。
それでも本当は、不安が完全に消えた訳じゃない。
『・・・ごめん、ねこ』
そう言った先輩の声は、悲しそうだった。
微笑んだ先輩の顔は、つらそうだった。
.
:08/09/06 13:03
:D904i
:4GM.ZowQ
#921 [あんみつ]
・・・先輩。
大好きだよ。
だから、先輩・・・
ちゃんと笑ってよ。
笑って・・・「好き」と言ってよ。
「好き」と言って、この胸の不安を消し去って・・・。
.
:08/09/06 13:04
:D904i
:4GM.ZowQ
#922 [あぢゅ]
:08/09/06 13:23
:815T
:bB/MojbI
#923 [あんみつ]
:08/09/06 13:36
:D904i
:4GM.ZowQ
#924 [あんみつ]
――――――――
思えば、先輩と付き合ってからの私は、泣いてばかりだった。
不安ばかりで、相手を思いやれなくて。
付き合ってるのにそういうのは、やっぱりおかしいのかもしれない。
それに先に耐えられなくなったのは、私だった。
.
:08/09/06 13:41
:D904i
:4GM.ZowQ
#925 [あんみつ]
あの日健二先輩は、結局お母さんが帰ってくるまで一緒にいてくれた。
そして、お母さんに謝って帰って行った。
僕がついていたのに、こんなことになってすみませんって。
先輩が帰った後、お母さんはいい彼氏ねーなんて言ってた。
.
:08/09/06 13:42
:D904i
:4GM.ZowQ
#926 [あんみつ]
あれから、健二先輩が根宮先輩と一緒にいるのを見ることはなくなった。
それでも、健二先輩と私の間のぎこちなさは相変わらずで。
お互いに無理して笑ってるのが、痛いくらい分かった。
.
:08/09/06 13:45
:D904i
:4GM.ZowQ
#927 [あんみつ]
健二先輩は、つらいんだ。
根宮先輩といられなくて。
そして、そうさせているのは私。
だからそんな先輩を見ていて、私も本当につらかった。
.
:08/09/06 13:46
:D904i
:4GM.ZowQ
#928 [あんみつ]
先輩と一緒に帰っている時、遠くに、一人で帰る根宮先輩の後ろ姿があった。
その姿を見る健二先輩を見て、もうダメだと思った。
いや。
もう本当は、ずっと前からダメだったんだと思う。
それを認めたくなかっただけ。
.
:08/09/06 13:48
:D904i
:4GM.ZowQ
#929 [あんみつ]
私の隣にいる健二先輩の目線の先には、根宮先輩の後ろ姿。
健二先輩の表情を見て、根宮先輩の隣に行くのを必死で耐えているのが分かった。
今隣にいる私より、根宮先輩。
結局、今も、今までもずっと、健二先輩の一番は根宮先輩なんだ。
.
:08/09/06 13:50
:D904i
:4GM.ZowQ
#930 [あんみつ]
目頭が熱くなってきて、私は唇を噛み締めた。
先輩を縛り付けているのは、私。
私は立ち止まった。
それに気付いて、健二先輩も少し先で立ち止まる。
「・・・佐古?」
先輩が私の名前を呼ぶ。
.
:08/09/06 13:51
:D904i
:4GM.ZowQ
#931 [あんみつ]
・・・最後まで、名字のままだったね。
ねぇ・・・先輩。
大好きだよ。
我が儘ばかりでごめんなさい。
困らせてばかりでごめんなさい。
.
:08/09/06 13:53
:D904i
:4GM.ZowQ
#932 [あんみつ]
私・・・先輩に「好き」と言ってほしかった。
けどそれは、きっとずっと叶わない。
先輩が好きなのは、私じゃないから。
先輩が「好き」と言いたいのは、私じゃないから。
だから・・・
.
:08/09/06 13:54
:D904i
:4GM.ZowQ
#933 [あんみつ]
「・・・別れてください」
涙をこらえながら、言った。
・・・先輩、もういいよ?
.
:08/09/06 13:58
:D904i
:4GM.ZowQ
#934 [あんみつ]
22話目の佐古目線の話は、長くなりましたが以上です

終わり方がとても中途半端ですが、次は健二目線の話になります

すみませんがとても1000までに終わらせれそうにないので、新しくスレを建てさせてもらおうと思います


キリがいいので、次の健二目線からはそちらに書きます

:08/09/06 14:06
:D904i
:4GM.ZowQ
#935 [あんみつ]
:08/09/06 14:11
:D904i
:4GM.ZowQ
#936 [あんみつ]
:08/09/06 14:30
:D904i
:4GM.ZowQ
#937 [
]
:08/10/25 18:28
:SH905i
:☆☆☆
#938 [我輩は匿名である]
:09/02/01 22:35
:W45T
:YafFfDfU
#939 [
]
あげ

:09/08/09 10:01
:SH904i
:cZcBaCx2
#940 [*紫陽花*]
切ない(´;Д;`)

:09/08/17 16:18
:N02A
:oWQYCCuc
#941 [*紫陽花*]
:09/08/19 15:09
:N02A
:AwXrpyU6
#942 [*]
∩^ω^∩あげ
:09/10/11 00:44
:N02A
:4Km8bYrc
#943 [*]
:10/01/30 00:38
:N02A
:1dOaeLYw
#944 [
]
o(^-^)o^/^
:12/04/26 16:23
:SH01B
:yGLUVGUg
#945 [
]
o(^-^)oo(^-^)o
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:SH01B
:yGLUVGUg
#946 [
]
^/^o(^-^)o
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:SH01B
:yGLUVGUg
#947 [
]
o(^-^)oo(^-^)o
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:yGLUVGUg
#948 [
]
^/^o(^-^)o
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:yGLUVGUg
#949 [
]
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:SH01B
:yGLUVGUg
#950 [
]
^/^o(^-^)o
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:SH01B
:yGLUVGUg
#951 [
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:yGLUVGUg
#952 [
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#953 [
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:yGLUVGUg
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^/^o(^-^)o
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#983 [
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#985 [
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#986 [
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^/^o(^-^)o
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#987 [
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o(^-^)oo(^-^)o
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#988 [
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#991 [
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#993 [
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#994 [
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^/^o(^-^)o
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#995 [
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o(^-^)oo(^-^)o
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:yGLUVGUg
#996 [
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^/^o(^-^)o
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:SH01B
:yGLUVGUg
#997 [
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o(^-^)oo(^-^)o
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:yGLUVGUg
#998 [
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^/^o(^-^)o
:12/04/26 16:44
:SH01B
:yGLUVGUg
#999 [
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o(^-^)oo(^-^)o
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:SH01B
:yGLUVGUg
#1000 [
]
^/^o(^-^)o
:12/04/26 16:44
:SH01B
:yGLUVGUg
#1001 [我輩は匿名である]
このスレッドは 1000 を超えました。
もう書けないので新しいスレッドを建ててください。
:12/04/26 16:44
:
:Thread}
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