「好き」と言いたい。
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#150 [(・ω・)]
この話スゴク引き込まれます。
応援してるんで、主さんのペースでの更新を期待してます(・ω・)
:07/08/07 18:06
:SO903i
:JT158WHQ
#151 [あんみつ]
(・ω・)さん


そう言ってもらぇると嬉しぃです(

´∀`圉)

ぁりがとうござぃます


更新遅すぎですみません(´;ω;`)
出来る時にまとめてするつもりです


:07/08/08 17:30
:N901iC
:hQ.FOuTY
#152 [あんみつ]
07、別々の道
時間を戻せたらいいのに。
そんな事できないと分かっていても、思わずにはいられない。
けど、いつまで時間をさかのぼれば、いつからやり直せば、私達は元に戻れるのかな・・・。
私達、これからどうなっちゃうのかな・・・??
:07/08/09 07:58
:N901iC
:a0neEoZA
#153 [あんみつ]
――――――――
あれから、健二と話さない日々は、着実に過ぎていった。
学校ですれ違っても、声も掛けない、目も合わせない。
・・・私が、壊したんだ。
:07/08/09 08:00
:N901iC
:a0neEoZA
#154 [あんみつ]
「・・・や、根宮!!」
「は、はいっ!?」
目を開けると、先生が私の前に立っていた。
周りを見ると、クラスの人達が私を見ている。
「・・・大掃除の分担、根宮は3班だな。どこだ??」
私は慌てて黒板を見た。
掃除の分担表が書いてある。
(えーと、3班は・・・)
「化学室、です」
「の、予定だったが・・・」
そう言って、先生はニヤリと笑った。
:07/08/09 08:02
:N901iC
:a0neEoZA
#155 [あんみつ]
「・・・何ですか??」
「根宮は、裏庭で花壇の水やりな」
「えー!!」
私の声をよそに、先生はさっさと教卓に戻って、明日の終業式の予定を説明し始めた。
(・・・あーあ)
抵抗は無駄だと悟った私は、机の上にうなだれる。
斜め前の席の奈津美が、小声で「ドンマイ」と言ってくれた。
:07/08/09 08:04
:N901iC
:a0neEoZA
#156 [あんみつ]
――――――――
ガラッ
「失礼しましたー」
職員室でジョウロを借りた私は、重い足取りで裏庭に向かった。
太陽が照りつける裏庭は、午前中とは言っても、立ってるだけで汗が出てくる。
(暑い・・・早く済ませよ)
私はジョウロに水をくんで、花壇の1番端から水やりを始めた。
色とりどりの花や、葉についた水滴が、キラキラして綺麗。
:07/08/09 08:06
:N901iC
:a0neEoZA
#157 [あんみつ]
「あっつ・・・」
私は前を向いて、手の甲で額の汗を拭った。
(・・・あっ)
健二だ。
渡り廊下を健二が歩いて行く。
私に気付いているのかいないのか、こっちを見ようとしない。
(声掛けたら・・・返事してくれるかな)
そう思うだけで、言葉はでない。
(・・・どうしたいんだろ、私)
私は再び水やりを始めた。
:07/08/09 08:09
:N901iC
:a0neEoZA
#158 [あんみつ]
(・・・??)
バッ!!
誰かに見られている気がして、振り向いた。
けど、相変わらず健二は前を向いて歩いてて、そのまま校舎に吸い込まれて行った。
(・・・気のせい、か)
暑くて、顔がほてってきた。
汗が首筋をつたう。
私はふと目を閉じた。
:07/08/09 08:11
:N901iC
:a0neEoZA
#159 [あんみつ]
『これやるよ、たこ』
パピコを差し出す健二の笑顔が、瞼の裏に映し出される。
『ねこ!!』
私を呼ぶ健二の声が、頭の中によみがえる。
:07/08/09 08:12
:N901iC
:a0neEoZA
#160 [あんみつ]
戻りたい、戻りたいよ。
「幼なじみ」に戻りたい。
特別になれなくても、健二は私の事、大切に思ってくれてる。
・・・そう思ってた。
けど、そうじゃないのかな??
健二は、戻りたくないのかな??
「特別」なあの子がいたら、「幼なじみ」の私はいらないの・・・??
:07/08/09 08:14
:N901iC
:a0neEoZA
#161 [あんみつ]
胸が痛い。
のどの奥が熱くなる。
私は左右に頭を振った。
そして再び、水やりに没頭する。
(・・・あと少し)
長かった花壇も、やっと終わりが見えてきた。
「・・・よし、終了!!」
私は、ジョウロを持ったまま両手を広げた。
ボコッ!!
「・・・ん??」
何かにあたった感触。
私は、恐る恐る後ろを振り向いた。
:07/08/09 08:17
:N901iC
:a0neEoZA
#162 [あんみつ]
「・・・おつかれ」
「わっ洋平君!!」
後ろには、ごみ箱を片手に洋平君が立っていた。
ジョウロについていた土で、洋平君のカッターシャツの胸の辺りが、少し汚れている。
「あっごめん!!ごめ・・・ん」
慌てて手で払って、上を見ると、洋平君と目が合った。
顔が近い。
(う・・・わ・・・私、何を)
「あ、本当・・・ごめんね」
私は下を向いて、洋平君から離れた。
:07/08/09 08:19
:N901iC
:a0neEoZA
#163 [あんみつ]
「う、うん」
ぎこちない空気が、私と洋平君の間を流れる。
相手が自分に好意を持っていると分かると、何だかこそばいい。
そっと視線を上げると、洋平君がほんのり赤くなっている気がした。
(何か・・・照れるかも)
よく考えると、こうして2人で向かい合うのは、あの日以来だ。
何度か廊下ですれ違っても、挨拶をする程度だった。
しかも、洋平君と一緒に健二がいない時だけ。
:07/08/09 08:21
:N901iC
:a0neEoZA
#164 [あんみつ]
私、健二の事でいっぱいで、洋平君の事、真剣に考えれてないよ。
洋平君は、余裕ができたらでいいって言ってくれたけど・・・。
このままでいいのかな。
私、ちゃんと考えれるのかな。
待たせてていいのかな??
:07/08/09 08:22
:N901iC
:a0neEoZA
#165 [あんみつ]
「「あの!!」」
私達は、同時に口を開いた。
「・・・あのさ、ちょっと話さない??ジュース買って。俺もこれで掃除終わりだし・・・」
私が戸惑っていると、洋平君が日陰にあるベンチを指差して言った。
時計を見ると、まだ大掃除終了の20分前だった。
黙々とやっていたら、意外と早く済んでしまったらしい。
「・・・うん」
断る理由が見つからなかった。
:07/08/09 08:24
:N901iC
:a0neEoZA
#166 [あんみつ]
―――――――
プシッ
「はい」
洋平君は缶ジュースを開けてから、私に手渡した。
「ありがと」
冷たいオレンジジュースが、乾いたのどを通り、潤っていく感じが気持ちいい。
私は一気に半分ほど飲んで、前を向いた。
「洋平君、私・・・」
:07/08/09 08:27
:N901iC
:a0neEoZA
#167 [あんみつ]
ごめんなさい。
私、健二の事大切なの。
大好きなの。
ずっと一緒にいたい。
だから・・・
『・・・ねこには関係ねーじゃん』
冷たく言い放った健二の声がよみがえる。
楽しそうに2人で歩く健二とあの子の姿が、頭をよぎる。
:07/08/09 08:29
:N901iC
:a0neEoZA
#168 [あんみつ]
私は口をつぐんだ。
洋平君は、黙って私の言葉を待っている。
(だから・・・)
「洋平君の事・・・ちゃんと考える」
「・・・え??」
洋平君が、驚いたように私を見た。
私も洋平君を見る。
:07/08/09 08:31
:N901iC
:a0neEoZA
#169 [あんみつ]
「考えるから・・・だから・・・」
(・・・待ってて)
「分かった、待ってる」
洋平君の言葉に、今度は私が驚いた。
洋平君はそんな私を見て、ふっと笑った。
本当に優しい笑顔。
それにつられて私も笑う。
:07/08/09 08:32
:N901iC
:a0neEoZA
#170 [あんみつ]
――――――――
洋平君といると、安心できる。
焦ったり、泣いたりもしなくていい。
本気で、洋平君の事だけを考えてみよう。
前を向かなきゃ。
:07/08/09 08:34
:N901iC
:a0neEoZA
#171 [あんみつ]
進む道が別々でも、お互い幸せであれば、健二以上に大切に思える人ができれば、きっと元に戻れるよ。
お互いの幸せを、笑って話せるよ。
幸せを祈れるよ。
時間は戻らない。
だから・・・
前を、向くんだ。
:07/08/09 08:36
:N901iC
:a0neEoZA
#172 [あんみつ]
:07/08/09 08:39
:N901iC
:a0neEoZA
#173 [我輩は匿名である]
続きが気になりすぎる

:07/08/09 21:24
:SH702iD
:hhFX4zRE
#174 [あんみつ]
:07/08/10 15:09
:N901iC
:VUXEcue.
#175 [あや]
:07/08/10 23:22
:SH903i
:hbcUn27w
#176 [あんみつ]
:07/08/11 14:01
:N901iC
:xEc9i2Fg
#177 [あんみつ]
08、正しい選択
『あ、健二の幼なじみ・・・だっけ??』
『うん、健二いる??』
洋平君と初めて話したのは、多分この時。
高1の夏。
あれから、約1年。
友達の幼なじみと、幼なじみの友達の関係は、遠くもなく、近くもなかった。
:07/08/14 11:31
:N901iC
:ygQ9hxEg
#178 [あんみつ]
『ねこちゃん!!』
『あいつ・・・健二、呼ばなくて良かったの??』
『ねこちゃんに泣いてほしくないんだ』
洋平君の言葉が、顔が、頭に浮かんでは、私の胸に温かい何かを残して、消えていく。
『俺は、ねこちゃんが好きだ』
:07/08/14 11:33
:N901iC
:ygQ9hxEg
#179 [あんみつ]
洋平君は、温かい。
あの時も、あの時も、きっと私の事、心配してくれてたんだ。
考えても、嫌いな所なんて、1つもない。
けど・・・
『ねこ!!』
・・・私の中では、まだ健二が大きすぎるよ。
私は、洋平君の事、健二以上に好きになれるのかな。
・・・なりたいな。
:07/08/14 11:35
:N901iC
:ygQ9hxEg
#180 [あんみつ]
――――――――
「・・・えー、夏休みに入りますがー」
(・・・長い)
校長先生が話し始めて、ただ今6分経過。
(・・・けど、夏休み、か)
夏休みと言っても、いちおう進学校であるうちの高校は、8月23日から全員参加の補習が始まる。
今日が7月30日だから、夏休みは実質約3週間。
(・・・3週間)
去年は短く感じた夏休みが、今年はやけに長いものに感じた。
:07/08/14 11:36
:N901iC
:ygQ9hxEg
#181 [あんみつ]
このまま夏休みに入ったら、どうなるんだろう。
こんな状態になって、初めて気付いた。
健二とは家が近くても、会おうと思わなければ、本当に会わずに済んでしまう。
3週間、ずっとこのままなのかな。
:07/08/14 11:38
:N901iC
:ygQ9hxEg
#182 [あんみつ]
(・・・佐古さんとは会ったりするんだろうな)
私は、体育館の時計を見ながら考える。
洋平君とは??
夏休みに入ったら、会う事ないのかな。
だったら、言うなら・・・今日。
・・・言っても、いいんだよね。
:07/08/14 11:39
:N901iC
:ygQ9hxEg
#183 [あんみつ]
――――――――
放課後、私は2組に向かった。
洋平君のクラス、・・・健二のクラス。
2組に行くのは、あの日以来だ。
あの子の、健二への告白を見た日。
私の足は、2組の手前の曲がり角で止まった。
(・・・健二は、もう帰ったかな)
:07/08/14 11:41
:N901iC
:ygQ9hxEg
#184 [あんみつ]
今会っても、何て言えばいいのか分からない。
また、避けてしまうと思う。
仲直りするどころか、また溝が深くなるかもしれない。
(・・・健二に会いにきた訳じゃないのに)
私は、曲がり角の向こうを見る事ができない。
:07/08/14 11:42
:N901iC
:ygQ9hxEg
#185 [あんみつ]
(・・・下駄箱で待っとこうかな)
「・・・あ」
思わず、声が出てしまった。
私が、Uターンすると、そこには佐古さんの姿があった。
佐古さんも私に気付いたみたいだ。
「あ・・・こんにちは」
佐古さんは、それだけ言って頭を軽く下げた。
私も、慌てて頭を下げる。
私の横を通って、佐古さんは曲がり角を曲がって行った。
:07/08/14 11:44
:N901iC
:ygQ9hxEg
#186 [あんみつ]
何だか気が抜けた。
もっと、何か言われると思った。
けど・・・そっか。
きっと、もう私なんか関係ないんだ。
私は少しの間、曲がり角を見つめていた。
(・・・多分、佐古さんは健二に・・・)
ゆっくりと重い足を動かして、私は2組の前を見た。
:07/08/14 11:46
:N901iC
:ygQ9hxEg
#187 [あんみつ]
(・・・やっぱり)
佐古さんと健二は、2人で廊下の壁にもたれて話している。
こっちからじゃ健二の顔は見えないけど、佐古さんは満面の笑みを浮かべている。
私は再びUターンして、階段を下り始めた。
きっと、前まで佐古さんの場所には、私がいた。
健二の隣は、私の場所だった。
けど・・・もう、私じゃない。
佐古さんの場所だ。
:07/08/14 11:47
:N901iC
:ygQ9hxEg
#188 [あんみつ]
慣れなきゃ。
これから先も、2人のあんな姿を見る事になる。
早く、早く。
早く・・・慣れなきゃ。
「・・・はぁ」
私は下駄箱にもたれて、ため息をついた。
洋平君は、まだ来ない。
そう言えば、健二は洋平君の気持ち知ってるのかな。
洋平君は、私と健二の事知ってるのかな。
・・・知ってるよね、友達だもん。
:07/08/14 11:49
:N901iC
:ygQ9hxEg
#189 [あんみつ]
そんな事を考えていると、「友達」の所で奈津美の顔が浮かんだ。
(・・・奈津美にも、話さなきゃな)
奈津美は、深く聞かないでいてくれる。
けど、私の事を心配してくれているのは、すごく伝わってくる。
洋平君に言ったら、その後、奈津美にもちゃんと話そう。
:07/08/14 11:51
:N901iC
:ygQ9hxEg
#190 [あんみつ]
「ねこちゃん??」
はっとして横を見ると、洋平君がいた。
「洋平君・・・」
「どしたの??」
「・・・ちょっと、洋平君に・・・話があって」
私が言うと、洋平君は少し驚いた顔をした。
けど、すぐに笑顔になった。
「分かった。じゃあ、歩きながらでいい??家まで送る」
「・・・うん」
:07/08/14 11:53
:N901iC
:ygQ9hxEg
#191 [あんみつ]
優しい人。
強い人。
好きな人に「好き」って言って、はっきりしない私なんかに、今までと変わらず優しくしてくれる。
私には、絶対にできないや。
洋平君みたいになれたら、少しは何か、変わってたのかな。
:07/08/14 11:55
:N901iC
:ygQ9hxEg
#192 [あんみつ]
――――――――
真夏の太陽が、肌をジリジリと照りつける。
「あっちーねー」
「だねー」
洋平君は、徒歩の私に合わせて、自転車を押して歩く。
(・・・前の事、思い出すな)
:07/08/14 11:57
:N901iC
:ygQ9hxEg
#193 [あんみつ]
佐古さんの告白を見た日。
あの時も、泣いた私をこんな風に、送ってくれた。
それで私に・・・真剣に気持ちをぶつけてくれた。
だから、私も真剣に返したい。
上手く言えないかもしれないけど、せめて、正直に。
:07/08/14 11:59
:N901iC
:ygQ9hxEg
#194 [あんみつ]
「・・・洋平君!!」
私は、立ち止まって言った。
洋平君も、足を止める。
私は顔を上げて、洋平君の目を見た。
「・・・ねこちゃん」
私より先に、洋平君が口を開いた。
「健二の事、・・・まだ想っててもいい。俺はその想いごと、ねこちゃんを大事にしていける」
:07/08/14 12:27
:N901iC
:ygQ9hxEg
#195 [あんみつ]
洋平君は、1度目を閉じて、開いた。
「時間はかかるかもしれないけど、ねこちゃんの中で、俺の存在が健二を越えてみせるよ」
洋平君は私の目を見て、黙って私の言葉を待っている。
洋平君の真剣な目を見たら、嬉しくて、のどが熱くなった。
:07/08/14 12:29
:N901iC
:ygQ9hxEg
#196 [あんみつ]
「私・・・」
次の言葉を、なかなか出せない。
私は、1度大きく息を吐いて、また吸った。
「私・・・洋平君の事、好きになりたいの」
洋平君は、目を丸くして私を見る。
「だから・・・もっと洋平君の事、知りたいの」
洋平君は、私を見つめる。
:07/08/14 12:31
:N901iC
:ygQ9hxEg
#197 [あんみつ]
「それは、前向きに考えてくれる・・・って事??」
洋平君の言葉に、私は頷いた。
それを見て、洋平君はパッと笑顔になった。
「じゃあ、知ってもらえるように頑張るよ!!」
(・・・頑張るのは、私だよ)
「ありがと、洋平君」
:07/08/14 12:33
:N901iC
:ygQ9hxEg
#198 [あんみつ]
――――――――
私は、ずるい。
洋平君を好きになって、健二を忘れるんじゃなくて、健二を忘れるために、洋平君を好きになろうとしてる。
嬉しかった。
洋平君の言葉が。
私は、甘えてしまった。
健二への想いごと、私を受け入れてくれる、洋平君の優しさに。
:07/08/14 12:34
:N901iC
:ygQ9hxEg
#199 [あんみつ]
けど、そんな洋平君の事、好きになれたら幸せだろうなって、思ったんだ。
もっと知れば、好きになれるって、思ったんだ。
私のこの選択が、正しいのかどうか、分からない。
けど、私は、進むために必死だった。
前を向こうと、必死だったんだ。
:07/08/14 12:36
:N901iC
:ygQ9hxEg
#200 [あんみつ]
:07/08/14 12:53
:N901iC
:ygQ9hxEg
#201 [あんみつ]
:07/08/14 13:05
:N901iC
:ygQ9hxEg
#202 [我輩は匿名である]
:07/08/14 13:09
:N903i
:kKpIHO.w
#203 [あんみつ]
匿名さん


ん(゜∀。?)
よかったら読んでみて下さぃね


:07/08/15 06:15
:N901iC
:x81TabjI
#204 [あんみつ]
09、友達
――――――――

7/31 19:27
To 木原奈津美
Sub 無題
明日、暇??
話したい事あるよ。
――――――――
――――――――

7/31 19:35
From 木原奈津美
Sub Re:
暇だよー☆
じゃあ、うちにでも来る??
――――――――
:07/08/17 08:32
:N901iC
:3H5O1myQ
#205 [あんみつ]
――――――――

7/31 19:42
To 木原奈津美
Sub Re:Re:
そうするー!!
何時頃行けばいい??
――――――――
――――――――

7/31 19:45
From 木原奈津美
Sub Re2:Re:
いつでもいいよ。
来る前にメールしてね!!
――――――――
:07/08/17 08:34
:N901iC
:3H5O1myQ
#206 [あんみつ]
カチカチッ
「りょうかい・・・っと」
メールを送信して、私はベットに寝転がった。
奈津美に、全部話そう。
話したい、聞いてほしい。
健二の事も、あの子の事も、洋平君の事も。
私の気持ちも。
けど、上手く言葉にできるかな。
ピピーピーピー♪
携帯が鳴った。
私は、ベット脇の机の上に置いていた携帯を、寝たまま手を伸ばして取った。
:07/08/17 08:36
:N901iC
:3H5O1myQ
#207 [あんみつ]
――――――――

7/31 19:53
From 田村洋平
Sub Re:Re2:Re2:Re2:Re:
ねこちゃんって、猫飼ってんだ(笑)
今度、写メ見して!!
俺ん家は犬飼ってるよ。
――――――――
昨日、あれから洋平君とは、たわいもないメールのやり取りが続いている。
少しずつでも、知っていこうと思って。
:07/08/17 08:37
:N901iC
:3H5O1myQ
#208 [あんみつ]
――――――――

7/31 19:58
To 田村洋平
Sub Re2:Re2:Re2:Re2:Re:
いいよー☆
洋平君も、犬見してね!!
――――――――
今は、こんな何気ないメールのやり取りでも、何だか新鮮で、楽しい。
相手の事を知っていけるのが、何だか嬉しい。
・・・私、進めてるよね。
:07/08/17 08:38
:N901iC
:3H5O1myQ
#209 [あんみつ]
――――――――
ピーンポーン
お昼過ぎ、私は、奈津美の家のチャイムを鳴らした。
ガチャッ
ドアが開いて、奈津美が顔を出した。
「いらっしゃい!!入って入って」
そう言って、私を手招きする。
「おじゃましまーす!!」
私は玄関に入って、サンダルを脱いだ。
「飲み物持ってくから、先部屋行ってて」
「分かったー」
:07/08/17 08:40
:N901iC
:3H5O1myQ
#210 [あんみつ]
階段を上がっていって、奈津美の部屋のドアを開ける。
ぬいぐるみがいっぱい飾ってあって、女の子って感じの可愛らしい部屋。
(・・・何か久しぶりかも)
部屋を見渡していると、棚に飾ってある写真立てが目についた。
(あ・・・これ)
飾ってある写真は、1年の文化祭の時に撮った、奈津美と私が一緒に映っているやつ。
:07/08/17 08:41
:N901iC
:3H5O1myQ
#211 [あんみつ]
「おまたせー。オレンジジュースでいい??」
奈津美が、両手にオレンジジュースを持って入ってきた。
「うん、ありがと」
部屋の真ん中の丸テーブルに、奈津美と向かい合って座る。
私は、ジュースを1口飲んだ。
:07/08/17 08:43
:N901iC
:3H5O1myQ
#212 [あんみつ]
「何か、ねこがうち来るの久しぶりじゃない??」
奈津美も1口飲んで、言った。
「そう、私もさっき思った」
(前来たときは、写真飾ってなかったし)
私は、横目であの写真を見た。
自分と映っている写真が飾られているのは、少し照れ臭いけど、すごく嬉しい。
:07/08/17 08:44
:N901iC
:3H5O1myQ
#213 [あんみつ]
時間が経って、だいぶ暑さも落ち着いてきた。
奈津美は、自分からは話を切り出そうとしない。
私が、話し始めるのを待ってるんだ。
「・・・奈津美」
私は、ジュースを置いて口を開いた。
「うん??」
奈津美が、私の顔を見る。
:07/08/17 08:46
:N901iC
:3H5O1myQ
#214 [あんみつ]
「私、健二の事・・・」
私は、テーブルに置いた自分の手を見ながら続ける。
「・・・もうどうにもならないの。私、健二と喧嘩しちゃったし。健二は、佐古さんと付き合ってるし」
「うん・・・」
健二が佐古さんと一緒にいるのを、見た事があるのだろう。
奈津美は驚かなかった。
私はそこで、ジュースを飲んだ。
:07/08/17 08:48
:N901iC
:3H5O1myQ
#215 [あんみつ]
「・・・私・・・洋平君に告白されたの」
そして、一息ついた後に言った。
「・・・え??」
奈津美が、驚きの声を出す。
「・・・前に進みたいの。洋平君の事、好きになりたいの。だから・・・洋平君の事、もっと知りたいって、好きになりたいって。洋平君にもそう言った」
私は、自分の気持ちを言葉にするのに、必死だった。
奈津美は、何も言わない。
:07/08/17 08:49
:N901iC
:3H5O1myQ
#216 [あんみつ]
「健二の事以上に、洋平君の事、好きになれる気がするの。健二とは、・・・普通の幼なじみに戻れたらいいなって思う」
私は、言葉にできる限り、自分の気持ちを話した。
「・・・洋平君と付き合うの??」
私が話し終え、少しの沈黙の後、奈津美がやっと口を開いた。
:07/08/17 08:50
:N901iC
:3H5O1myQ
#217 [あんみつ]
「・・・前向きに考えるって、言ったから」
私の言葉に、奈津美は静かに「そっか」と言って、私の肩を叩いた。
「ねこが決めたなら・・・応援するよ!!」
そう言った奈津美の顔を見ると、笑顔だった。
だけど、どこかいつもと違う笑顔。
「ありがとう」
それを深く気に留めなかった私は、笑顔で言った。
:07/08/17 08:52
:N901iC
:3H5O1myQ
#218 [あんみつ]
――――――――
ピピーピーピー♪
地元の駅から家に帰る途中、メールが来た。
――――――――

8/1 16:28
From 田村洋平
Sub 無題
7日の夜って暇??
よかったら祭り行かない??
できれば2人で。
――――――――
:07/08/17 08:53
:N901iC
:3H5O1myQ
#219 [あんみつ]
7日の夜の祭りと言ったら、多分、高校の近くの川原である花火大会だ。
・・・去年は、健二と行った。
(・・・できれば2人で)
携帯の画面のその7文字が、私の頭に、照れたように笑う洋平君の顔を思い起こさせる。
胸が、小さくキュンと鳴った気がした。
:07/08/17 08:54
:N901iC
:3H5O1myQ
#220 [あんみつ]
カチカチッ
「送信・・・っと」
――――――――

8/1 16:36
To 田村洋平
Sub Re:
行けるよ☆
何時に待ち合わす??
2人でもいいよ。
――――――――
前を見る。
振り返らない。
・・・これでいいんだ。
:07/08/17 08:56
:N901iC
:3H5O1myQ
#221 [あんみつ]
:07/08/17 09:01
:N901iC
:3H5O1myQ
#222 [あんみつ]
10、手と手
「奈子、今日お祭り行くんでしょ??」
お母さんが、庭で水やりをしながら聞いてきた。
「うん、行くけど??」
私は、リビングで漫画を読みながら答える。
「浴衣着なくていいの??」
ページをめくる手が止まった。
「浴衣・・・」
:07/08/23 16:34
:N901iC
:d/x858V.
#223 [あんみつ]
「あんた、去年は着たじゃない」
お母さんは水やりを終えて、今度は草を抜き始めた。
「去年は・・・」
私は、口を閉じた。
(・・・健二と一緒だったから)
:07/08/23 16:36
:N901iC
:d/x858V.
#224 [あんみつ]
「別にいいけど、せっかくあるんだから・・・」
「・・・着る」
「へ??」
呟いた私の言葉を、聞き取れなかったお母さんが聞き返す。
「着て行く!!」
今度ははっきりと言って、私は浴衣を探しに、2階へ駆け上がった。
:07/08/23 16:37
:N901iC
:d/x858V.
#225 [あんみつ]
――――――――
携帯を開くと6時25分だった。
浴衣に手間取って、遅れるかと思って急いできたけど、まだ待ち合わせの5分前だった。
「ふぅー・・・」
私は、学校の校門にもたれた。
前を、祭りに向かう浴衣の人達が通っていく。
:07/08/23 16:41
:N901iC
:d/x858V.
#226 [あんみつ]
『ねこ、歩くの遅せー』
『だって!!下駄とかめったに履かないし』
こんな会話をしながら、去年は、健二とこの道を通った。
何だかんだ文句言いながらも、健二は歩く速度をゆるめてくれた。
時々、振り向いて私を見てくれた。
:07/08/23 16:42
:N901iC
:d/x858V.
#227 [あんみつ]
私は下駄を、カランと鳴らした。
携帯を見ると、丁度29分から30分へと変わった。
「ごめん!!待った??」
それと同時に、洋平君が来た。
「・・・ふ、きゃはは!!」
「えっ、どしたの??」
突然笑いだした私を見て、洋平君が不思議そうに聞く。
:07/08/23 16:43
:N901iC
:d/x858V.
#228 [あんみつ]
「だって!!洋平君、30分なった瞬間に来るんだもん」
私は、携帯の画面を見せた。
「あー、ほんとだ。けど・・・」
洋平君は、自分の携帯を開いて、私に見せる。
「俺のはまだ29分」
洋平君が言った瞬間、30分に変わった。
:07/08/23 16:45
:N901iC
:d/x858V.
#229 [あんみつ]
「「・・・」」
私と洋平君は、顔を見合わせる。
「洋平君、めっちゃ時間通りー!!」
「ははっ!!・・・行こっか??」
洋平君は笑顔で言った。
「うん!!」
私達は、川原に向かって歩き始めた。
:07/08/23 16:46
:N901iC
:d/x858V.
#230 [あんみつ]
「あー・・・と」
歩きながら洋平君が言った。
「ん??どしたの??」
私が聞くと、洋平君はこっちをチラッと見て、また前を向いた。
「えっと・・・浴衣、似合うね」
そう言うと、洋平君は照れ臭そうに、右手で自分の髪をクシャッとした。
:07/08/23 16:47
:N901iC
:d/x858V.
#231 [あんみつ]
そんな洋平君を見ると、私も照れ臭くなって、何だかドキドキする。
「あ、ありがと・・・」
私の言葉に、洋平君は照れたように笑った。
それにつられて、私も笑う。
(・・・あれ??)
何だか歩くのが楽だ。
:07/08/23 16:48
:N901iC
:d/x858V.
#232 [あんみつ]
「俺、今年の祭りこれが初だよ」
「あ、私もー」
洋平君は、ずっと私の隣を歩いている。
(・・・もしかして、歩調合わせてくれてる??)
洋平君と私とじゃ、歩幅が違いすぎる。
意識して歩かなきゃ、並んで歩けるはずがない。
気付いたら、顔がほてっていく気がした。
:07/08/23 16:50
:N901iC
:d/x858V.
#233 [あんみつ]
健二とは、また違う優しさ。
何か、こういうの、いいなって思った。
洋平君とメールをしても、直接話しても、純粋に楽しいと思った。
無理しなくていい、泣かなくていい。
幸せって、こんなのかなって思った。
:07/08/23 16:51
:N901iC
:d/x858V.
#234 [あんみつ]
――――――――
「うわー!!人すげーね」
屋台で賑わう川原は、すでに人でいっぱいだった。
「ねー!!お祭りって感じ」
ソース系の匂いが、食欲をそそる。
「とりあえず、回ってみる??」
「うん!!」
人込みの中を、屋台を見ながら進んで行く。
:07/08/23 16:55
:N901iC
:d/x858V.
#235 [あんみつ]
「ねこちゃん、何食べたい??」
「んー・・・わっすみません」
キョロキョロしながら歩いていると、すれ違う人にぶつかった。
「大丈夫??」
洋平君が聞いた。
「うん、平気」
笑って言うと、洋平君は突然私の手首を掴んだ。
:07/08/23 16:56
:N901iC
:d/x858V.
#236 [あんみつ]
そして、私に洋平君のTシャツの裾を掴ませた。
「俺の服、掴んどきなよ」
そう言って、洋平君は手を離した。
「・・・ありがと」
手には、かすかにまだ洋平君の体温が残っていて、ドキドキした。
:07/08/23 16:57
:N901iC
:d/x858V.
#237 [あんみつ]
「・・・あ、私!!お好み焼き食べたい!!」
ドキドキに耐えきれなくなった私は、とっさに、目についたお好み焼きの屋台を指差して言った。
「お、いいね。・・・混んでるな」
そう言うと、洋平君は、屋台とは逆方向に歩いていく。
洋平君の服を掴んだまま、私もついていく。
:07/08/23 16:58
:N901iC
:d/x858V.
#238 [あんみつ]
洋平君は、私を屋台が見える、木の所まで連れてきた。
「よし、ここで待ってて。俺、買ってくるから」
そう言うと、人込みの中へと消えていく。
軽く握っていた私の手から、洋平君の服がするりとぬけた。
私は、握っていた手を見つめる。
:07/08/23 17:00
:N901iC
:d/x858V.
#239 [あんみつ]
何だか、まだ温かい。
指も、心も。
心臓の鼓動が聞こえる。
私、洋平君の事、好きになっていってるのかな。
太鼓の音が聞こえる。
辺りは、暗くなってきた。
:07/08/23 17:01
:N901iC
:d/x858V.
#240 [あんみつ]
『ぎゃー!!綿飴で手ベタベタするー』
『ちょっ、俺に付けんな!!』
去年、私がベタベタの手で、健二の手を触ろうとしたら、逃げられたっけ。
「あ、ねこじゃん。やっほー」
クラスの女子が通って、私も手を振り返した。
ここの祭りは、地元の人だけでなく、うちの高校の生徒がけっこう来る。
:07/08/23 17:02
:N901iC
:d/x858V.
#241 [あんみつ]
(・・・健二も来てるのかな)
誰と来てるんだろう。
やっぱり・・・
考えて前を向くと、私の予想通りの光景があった。
向こうを健二と、浴衣姿の佐古さんが歩いていく。
見たくないのに。
何で見つけてしまうんだろう。
2人は、手を繋いでいた。
:07/08/23 17:05
:N901iC
:d/x858V.
#242 [あんみつ]
そのまま2人は、人込みで見えなくなった。
「おまたせ!!」
ハッと横を見ると、洋平君がお好み焼きを持って、立っていた。
「あ・・・ありがと」
私は、お好み焼きを受け取る。
「・・・何かあった??」
「え、別に??向こうで食べよー!!」
私は笑顔で言って、洋平君に背を向けて歩きだす。
:07/08/23 17:07
:N901iC
:d/x858V.
#243 [あんみつ]
嘘だ。
このもやもやする気持ちは、嘘だ。
私には関係ないんだ。
私たちは、土手の斜面に腰を下ろした。
食べながら、洋平君と、いろいろ話した。
笑いながら話した。
:07/08/23 17:08
:N901iC
:d/x858V.
#244 [あんみつ]
一緒にいると楽しいし、安心するし、心が温かくなる。
この気持ちは、嘘じゃない。
だから、私は・・・
:07/08/23 17:09
:N901iC
:d/x858V.
#245 [あんみつ]
――――――――
お好み焼きを食べた後、また屋台を回って、綿飴とかき氷を食べた。
ベタベタする手はちゃんと洗って、家で食べようと林檎飴を1本買った。
あの2人を見かけることは、もうなかった。
「あ、そろそろ花火始まるかな??」
洋平君が、携帯を開いて言った。
:07/08/23 17:13
:N901iC
:d/x858V.
#246 [あんみつ]
「じゃあ、土手行こっか??」
私の右手には、林檎飴。
左手には、洋平君の服。
私たちは、人の流れに乗って土手に向かう。
土手には、すでに人が大勢いた。
:07/08/23 17:14
:N901iC
:d/x858V.
#247 [あんみつ]
私は、洋平君の服を離した。
花火は、まだあがらない。
「・・・洋平君」
「ん??」
「私・・・洋平君と付き合う」
:07/08/23 17:16
:N901iC
:d/x858V.
#248 [あんみつ]
「・・・へ??」
ドンッ!!
花火があがった。
私は洋平君を見る。
花火の光に照らされた顔は、驚きから、だんだんと笑顔に変わっていく。
私は、恥ずかしさでいっぱいだった。
けど、洋平君の笑顔を見たら、私も自然に笑えて、嬉しかった。
:07/08/23 17:17
:N901iC
:d/x858V.
#249 [あんみつ]
洋平君が、そっと、私の左手を握った。
何か言ったのだろう。
洋平君の口が動いたけど、花火の音と歓声で聞き取れなかった。
私がぽかんとしていると、洋平君が、私の耳に口を近付け、そして離した。
耳元で聞こえた言葉。
『大事にする』
:07/08/23 17:20
:N901iC
:d/x858V.
#250 [あんみつ]
私の耳だけでなく、全身を熱くしたその言葉は、私は進んでるという、確かな確信をくれた。
きっと、もっと好きになる。
洋平君の手を、ギュッと握り返し、私は上を見上げた。
:07/08/23 17:21
:N901iC
:d/x858V.
#251 [あんみつ]
どうか、私の選んだ言葉が、行動が、進む道が、間違っていませんように。
流れ星の代わりに、夜空に咲く花に祈った。
:07/08/23 17:22
:N901iC
:d/x858V.
#252 [あんみつ]
:07/08/23 17:27
:N901iC
:d/x858V.
#253 [あんみつ]
11、祭りの後に
私が健二に告白しようとした、あの七夕の日。
あれから、丁度1ヵ月。
8月7日。
私は、洋平君と付き合うことを決めた。
:07/08/30 10:22
:N901iC
:cFsPMBtA
#254 [あんみつ]
――――――――
「送ってくれて、ありがとね」
「うん・・・連絡する」
洋平君は、握った手をなかなか離そうとしない。
「・・・うん」
私が答えると、洋平君は手を離した。
:07/08/30 10:25
:N901iC
:cFsPMBtA
#255 [あんみつ]
「じゃーな!!」
そう言って、私に背を向ける。
「バイバイ!!」
背中に向かって言うと、洋平君は振り向いて、笑顔で右手を軽く挙げた。
私は、洋平君が曲がり角を曲がるまで、その後ろ姿を見ていた。
:07/08/30 10:26
:N901iC
:cFsPMBtA
#256 [あんみつ]
何だか、不思議な感じ。
私、洋平君と付き合うんだなぁって、あらためて思った。
こうやって、前に進むんだなぁって。
(・・・家入ろっかな)
私は、家の門に手を掛けて、ふと上を見た。
:07/08/30 10:28
:N901iC
:cFsPMBtA
#257 [あんみつ]
「・・・わー」
思わず声が出た。
今日は、月がきれいだ。
私は、門の所の段差に座って、月を見上げた。
(・・・あの日は、曇ってたな)
:07/08/30 10:30
:N901iC
:cFsPMBtA
#258 [あんみつ]
『16年の付き合いなめんなよ』
そう言ったのは、健二。
・・・16年だよ??
16年も一緒にいて、今まで、1ヵ月近く話さないなんて事なかった。
こんなになるなんて、思ってなかった。
・・・私が悪いんだけど。
:07/08/30 10:32
:N901iC
:cFsPMBtA
#259 [あんみつ]
けど、やっぱり、戻りたい。
邪魔な気持ち、全部捨てて、ただの「幼なじみ」に。
私、もう迷わないから。
このままは嫌だよ。
:07/08/30 10:33
:N901iC
:cFsPMBtA
#260 [あんみつ]
ザッザッ
誰かの足音が聞こえる。
私は、音のする方を見た。
(・・・あ)
健二だ。
向こうから、健二が歩いてくる。
佐古さんは、いない。
:07/08/30 10:34
:N901iC
:cFsPMBtA
#261 [あんみつ]
(え・・・うそ)
私は、下を向いた。
足音が、だんだん近づいてくる。
(どうしよ・・・)
ドクドクと、自分の心臓の音が聞こえる。
・・・そのまま、健二は私の前を通り過ぎた。
:07/08/30 10:36
:N901iC
:cFsPMBtA
#262 [あんみつ]
足音が遠ざかっていく。
私はそっと顔を上げて、健二の後ろ姿を見た。
行ってしまう。
・・・いいの??
このままでいいの??
何も言わなくていいの??
:07/08/30 10:39
:N901iC
:cFsPMBtA
#263 [あんみつ]
私、前に進んでるよ。
健二の幸せを、祈れるよ。
邪魔な気持ちは、捨てる。
だから、戻りたい。
「幼なじみ」に戻りたい。
・・・ねぇ、健二は??
:07/08/30 10:41
:N901iC
:cFsPMBtA
#264 [あんみつ]
私は、立ち上がった。
(・・・健・・・二)
「っ・・・健二!!」
呼び止めた。
健二が、前を向いたまま止まった。
そして、ゆっくりと振り向く。
:07/08/30 10:43
:N901iC
:cFsPMBtA
#265 [あんみつ]
(あ、どうしよ・・・何て言おう)
顔が熱い。
健二が、完全に私の方を向いた。
足が震える。
健二の顔を正面から見るのも、久しぶりだ。
月と電灯の明かりの下、健二は無表情で私を見る。
:07/08/30 10:44
:N901iC
:cFsPMBtA
#266 [あんみつ]
私は何か言おうと口を開くが、言葉がでない。
視界がにじむ。
今、泣いたらダメだ。
ダメなのに・・・。
私は、目をギュッとつむり、手を握り締めた。
(何で・・・)
:07/08/30 10:47
:N901iC
:cFsPMBtA
#267 [あんみつ]
「・・・おせーんだよ、たこ」
健二の声だ。
私が驚いて目を見開くと、健二は優しく微笑んだ。
変わらない笑顔。
:07/08/30 10:50
:N901iC
:cFsPMBtA
#268 [あんみつ]
あぁ、健二だ。
話してくれた。
私を、ちゃんと見てくれてる。
「・・・うぇ」
泣いたらダメだと思うのに、健二の笑顔を見ると、涙がこぼれた。
:07/08/30 10:51
:N901iC
:cFsPMBtA
#269 [あんみつ]
「おい、何泣いてんだよ」
そう言って、健二が私に近づく。
「ひっ・・・健・・・二」
「ん??」
「・・・ごめん、ね」
:07/08/30 10:52
:N901iC
:cFsPMBtA
#270 [あんみつ]
健二、ごめんね。
こんな風に、泣いちゃって。
避けて、向き合えなくて、ごめんね。
健二、ありがとう。
こんな私を、見離さないでくれて。
:07/08/30 10:55
:N901iC
:cFsPMBtA
#271 [あんみつ]
伝えたい事は、たくさんあるんだよ。
上手く言葉にできないけど。
ねぇ、健二。
私たち、幼なじみに戻れるの??
:07/08/30 10:56
:N901iC
:cFsPMBtA
#272 [あんみつ]
「・・・俺も、ごめんな」
(違う・・・健二が悪いんじゃない)
私は、首を横に振った。
健二が、ゆっくり右手をあげる。
バチッ!!
「いったー!!?」
私は、おでこを押さえた。
:07/08/30 10:58
:N901iC
:cFsPMBtA
#273 [あんみつ]
頭を撫でられるかと思ったら、デコピンされた。
「いつまで泣いてんだよ!!」
笑いながら、健二は門の前に座る。
・・・そっか、佐古さんがいるんだもん。
私の頭なんか、撫でちゃダメだよね。
:07/08/30 10:59
:N901iC
:cFsPMBtA
#274 [あんみつ]
私も健二の横に座る。
痛みのお陰で、涙は止まったみたいだ。
私は、また月を見上げる。
もう、大丈夫。
「・・・健二、佐古さんと付き合ってんだよね??」
:07/08/30 11:01
:N901iC
:cFsPMBtA
#275 [あんみつ]
ずっと、健二に聞きたかった事。
聞けなかった事。
だけど、今なら大丈夫。
だから・・・答えて、健二。
健二も、私と同じように上を見ている。
「・・・あぁ」
健二がうなずいた。
:07/08/30 11:04
:N901iC
:cFsPMBtA
#276 [あんみつ]
・・・今度は、ごまかさずに言ってくれたね。
ちゃんと、健二の口から聞けた。
きっと、洋平君と付き合う前の私だったら、受けとめられなかった。
けど、今なら、受け入れられるよ。
:07/08/30 11:06
:N901iC
:cFsPMBtA
#277 [あんみつ]
「ねこは・・・洋平と付き合ってんだろ??」
健二が聞いてきた。
隠すことはない。
私も、真っすぐ返さなきゃ。
:07/08/30 11:07
:N901iC
:cFsPMBtA
#278 [あんみつ]
「・・・うん」
私が答えると、健二は私の肩を軽く叩いた。
「洋平、いい奴だからな!!」
笑顔で言う健二の手を、私は押し返した。
「分かってるよー。・・・健二も!!佐古さん大事にしてあげなよ!!」
私も、笑って言えた。
:07/08/30 11:09
:N901iC
:cFsPMBtA
#279 [あんみつ]
「おう!!・・・なぁ、ねこ」
「ん??」
私は、健二の方を見る。
「俺・・・ねこには、幸せになってほしいって、思ってるから」
言い切ると、健二は立ち上がった。
:07/08/30 11:10
:N901iC
:cFsPMBtA
#280 [あんみつ]
(・・・健二)
まぶたの裏が、熱くなった。
けど、それ以上に胸が熱くなった。
「・・・私もだよ!!」
:07/08/30 11:11
:N901iC
:cFsPMBtA
#281 [あんみつ]
――――――――
健二の想いが、すごく嬉しかった。
私と同じだったから。
もう、迷わない。
私たちは「幼なじみ」。
:07/08/30 11:14
:N901iC
:cFsPMBtA
#282 [あんみつ]
別々の道を行くけど、繋がってられる。
お互いの幸せを祈れる。
そんな関係。
これからも、続けていこうね。
これからも、ずっと・・・。
:07/08/30 11:15
:N901iC
:cFsPMBtA
#283 [あんみつ]
:07/08/30 11:19
:N901iC
:cFsPMBtA
#284 [あんみつ]
12、日常
「いってきまーす!!」
外に出て、私は門の前に立った。
朝日が眩しい。
8月も、もうすぐ終わりだというのに、暑さは和らぐどころか、厳しさを増した気がする。
:07/09/17 16:51
:N901iC
:r..DyAZc
#285 [あんみつ]
(・・・待ってていいよね)
私は、健二の家の方を見た。
まだ、出て来る気配はない。
私は、門の前に座った。
『俺・・・ねこには、幸せになってほしいって、思ってるから』
・・・私もだよ。
私も、健二に幸せになってほしい。
:07/09/17 16:53
:N901iC
:r..DyAZc
#286 [あんみつ]
バシッ!!
「・・・ったぁー!!」
上を見上げると、健二が立っていた。
「行くぞ、ねこ」
睨み付ける私を横目に、健二は笑って歩きだす。
何だか、懐かしいこの感じ。
:07/09/17 16:55
:N901iC
:r..DyAZc
#287 [あんみつ]
バンッ!!
私は立ち上がって、勢いをつけて健二の背中を叩いた。
「いてーよ!!」
健二が振り向く。
「ばーかっ!!」
私は、そのまま健二を追い越して笑った。
:07/09/17 16:56
:N901iC
:r..DyAZc
#288 [あんみつ]
あの時、勇気を出して呼んで良かった。
元に戻れて良かった。
『幼なじみ』
これが、私たちの適当な距離。
・・・変わらない日常が戻ってきた。
:07/09/17 16:58
:N901iC
:r..DyAZc
#289 [あんみつ]
――――――――
「じゃあ、これで決まりで。自分の出る種目、覚えといてくださーい」
体育委員の言葉に返事をして、みんな帰り支度を始める。
「なーつみっ!!一緒の種目にできて良かったねー」
私は、奈津美の腕に飛び付いた。
:07/09/17 16:59
:N901iC
:r..DyAZc
#290 [あんみつ]
「ねー!!しかも、綱引きと玉入れって。めっちゃ楽だし!!」
奈津美も、私の手を取って飛び跳ねる。
9月10日にある体育祭。
リレー系に出ずにすんで、私はとにかく嬉しかった。
:07/09/17 17:01
:N901iC
:r..DyAZc
#291 [あんみつ]
笑い合っていると、急に奈津美の動きが止まった。
振り向いて奈津美の目線の先を見ると、教室のドアの所に洋平君がいた。
私を見て手招きをする。
「あ、ちょっとごめんね」
奈津美に一言言って、私は洋平君の元に行った。
:07/09/17 17:05
:N901iC
:r..DyAZc
#292 [あんみつ]
あのお祭りの次の日。
奈津美に電話をして、洋平君と付き合うことにした事、それと、健二と仲直りした事を話した。
奈津美は黙って私の話を聞いて、「そっか・・・良かったね!!」って言ってくれた。
:07/09/17 17:06
:N901iC
:r..DyAZc
#293 [あんみつ]
「洋平君、どしたの??」
付き合い始めてから、学校で会うのは初めてだ。
何だか照れ臭い。
「いや・・・一緒に帰らん??」
一瞬、健二の顔が頭をよぎった。
(・・・健二も佐古さんと帰るかな)
:07/09/17 17:08
:N901iC
:r..DyAZc
#294 [あんみつ]
「・・・うん、いいよ!!ちょっと待ってて」
私は荷物を取りに、再び教室に入った。
「ごめん、奈津美!!私、帰るね」
カバンを持って奈津美に言った。
「うん、バイバイ!!」
そう言って、奈津美は笑顔で私の背中を押した。
:07/09/17 17:09
:N901iC
:r..DyAZc
#295 [あんみつ]
――――――――
洋平君と付き合い始めて、2回、2人で出かけた。
1回目は映画を見て、2回目は街を歩いた。
2回共、途中手をつないだ。
:07/09/17 17:10
:N901iC
:r..DyAZc
#296 [あんみつ]
「ねこちゃん、体育祭何出るん??」
洋平君は自転車を押しながら、車道側を歩く。
「綱引きと玉入れ!!」
「えー、めっちゃ楽じゃん!!」
本気で羨ましそうな洋平君がおかしくて、私は笑った。
:07/09/17 17:12
:N901iC
:r..DyAZc
#297 [あんみつ]
「洋平君は??何出るの??」
「俺は、借り物競争と100mリレー」
「うわ、頑張ってー!!借り物とか、お題引くの怖くない??」
「こえー!!あれ、人が出たりするし」
「去年、健二なんか校長先生借りてたしねー!!」
:07/09/17 17:14
:N901iC
:r..DyAZc
#298 [あんみつ]
(・・・あ)
健二の名前を出した後、しまったと思った。
今まで、健二の話題を出すのを、避けていた訳じゃないけど、出ることはなかった。
「校長と手つないでゴールしたの、うけたよなー!!健二、今年も出ることになってたよ」
私の心配をよそに、洋平君は会話を続ける。
(・・・大丈夫だったかな)
:07/09/17 17:15
:N901iC
:r..DyAZc
#299 [あんみつ]
いろいろ話していたら、いつのまにか私の家の前だった。
洋平君は、自転車かごからカバンを取って、私に渡す。
「ありがと」
「うん・・・あのさ!!」
洋平君は、片手で頭をかいた。
私は黙って、次の言葉を待つ。
:07/09/17 17:17
:N901iC
:r..DyAZc
#300 [あんみつ]
「・・・借り物競争、健二も出るけど・・・ねこちゃんは俺の事、応援してほしい・・・」
言い終わって、洋平君は頭をかいていた手で顔をおおった。
そんな洋平君が、すごく可愛くて、いとおしく感じた。
「・・・もちろん!!」
私の言葉に、洋平君は照れ臭そうに笑った。
「・・・じゃ、また!!」
「うん、ばいばい!!」
:07/09/17 17:18
:N901iC
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