「好き」と言いたい。
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#101 [あんみつ]
:07/07/23 07:36
:N901iC
:CkR90zko
#102 [あんみつ]
05、亀裂
この頃の私は、自分の事で精一杯で、変わってゆく周りの人達の様子に、気付く事ができなかった。
そんな私だから、自分の事でさえ、よく分かっていなかったんだと思う。
それでも、自分の涙によって、私は嫌でも自分の気持ちと正面から向き合わなきゃいけなくなった。
けど、それさえも恐れた私は、同じ事ばかり考える無限ループから、抜け出そうと必死だった。
:07/07/28 16:31
:N901iC
:lVLMhbPg
#103 [あんみつ]
――――――――
「俺は、ねこちゃんの事が好きだ」
洋平君は、真剣な瞳で私を見つめる。
顔が熱い。
背中が汗ばむ。
いくら私でも分かる。
洋平君は、本当に私の事・・・。
:07/07/28 16:33
:N901iC
:lVLMhbPg
#104 [あんみつ]
「あっあの・・・けど私は」
「健二の事!!・・・まだ、好きでもいいよ」
私の言葉は、洋平君に遮られた。
「・・・俺が、言いたかっただけだから。・・・ほっとけなかっただけだから」
洋平君は、私の手にかばんを持たせた。
「今すぐ付き合ってって言ってる訳じゃないから。・・・心に余裕ができたら、俺の事ちゃんと考えてみて欲しい。返事はそれからでいいから」
そう言って、洋平君は自転車をUターンさせる。
:07/07/28 16:38
:N901iC
:lVLMhbPg
#105 [あんみつ]
「・・・じゃ」
自転車を漕ぎ始めた。
「・・・洋平君!!」
私は何故か呼び止めていた。
ただ、何か言わなきゃと思って。
洋平君は、止まって私を見る。
「・・・ありがとう」
ぎりぎり洋平君に聞こえるぐらいの、小さい声で私は言った。
「・・・またな!!」
洋平君は笑顔で言って、再び自転車を漕ぎ始めた。
私はしばらく、その後ろ姿を見ていた。
:07/07/28 16:40
:N901iC
:lVLMhbPg
#106 [あんみつ]
素直に嬉しかった。
告白なんてされたのは生まれて初めてで、自分の事を見てくれる人がちゃんといるって、実感できたみたいで、嬉しかった。
『俺は、ねこちゃんの事が好きだ』
『・・・好きなんです』
不覚にも私は、洋平君とあの子の姿を重ねてしまった。
:07/07/28 16:49
:N901iC
:lVLMhbPg
#107 [あんみつ]
(・・・健二、何て答えたんだろ・・・付き合っちゃうのかな・・・)
私はベットに転がって天井を見た。
目から涙がつたい、布団に吸い込まれる。
『・・・もう、健二のために泣くなよ』
泣きながらも、洋平君の想いに少し救われてる自分がいるのを、私は否定できなかった。
:07/07/28 16:51
:N901iC
:lVLMhbPg
#108 [あんみつ]
――――――――
次の日は雨だった。
静かに降り注ぐ雨の音が、町を埋め尽くす。
私は健二を待たずに、重い足で学校に向かう。
真実を知るのが怖かった。
私が変わっても、健二は変わらないって、信じていたかった。
その内、顔を合わす事になるのは分かってた。
けど私は、少しでもそれを先延ばしにしたかったんだ。
:07/07/28 19:40
:N901iC
:lVLMhbPg
#109 [あんみつ]
――――――――
「・・・ねこ」
「あ、奈津美おは」
言い終わる前に、私は奈津美に手を引っ張られた。
私は黙ってついて行く。
階段を上がって、着いたのは屋上。
昨日の洋平君の暖かい手が思い出される。
雨が降る朝の屋上には、誰もいなかった。
:07/07/28 20:33
:N901iC
:lVLMhbPg
#110 [あんみつ]
「また、そんな目して・・・。学校休めば良かったのに」
ドアの所にある屋根の下で、奈津美は手を離した。
屋根から落ちた大きな水滴が、足元に水を散らした。
「だって・・・私、皆勤賞狙ってるし」
皆勤賞を狙ってるのは本当。
私の言葉に、奈津美は少し微笑んだ。
「話したくなったら、話してね。たいした事言えないけど、聞くならできるから」
「・・・うん」
:07/07/28 20:35
:N901iC
:lVLMhbPg
#111 [あんみつ]
まだ、奈津美に話す訳にはいかない。
自分の中で、何もまとまっていない。
幼なじみに戻れないと分かって、自分がこれからどうしたいのか。
どうするべきなのか。
「・・・教室戻ろっか」
私がまだ話さないと分かったのか、奈津美が言った。「・・・うん」
(ありがと、奈津美)
私のペースを守ってくれる奈津美の優しさが、有り難かった。
:07/07/28 20:37
:N901iC
:lVLMhbPg
#112 [あんみつ]
――――――――
「1時間目何だっけ??」
教室に戻る途中、廊下を歩きながら、奈津美が聞いた。
「んーと・・・英語!!」
「あー。また、眠いやつか」
「ははっ!!・・・あ」
(・・・健二だ)
廊下の向こう側から、友達と話しながら、健二が歩いてくる。
今来たところらしく、手にはかばんを持っている。
まだ、私には気付いていない。
:07/07/28 20:40
:N901iC
:lVLMhbPg
#113 [あんみつ]
奈津美が心配そうに私を見る。
距離がだんだん縮まってゆく。
(どうしよう・・・私、こんな目・・・)
その時、健二が前を向いて、私と目が合った。
何か言おうと口を開く。
(・・・やばっ!!)
私は思わず、下を向いてしまった。
(あ・・・私、思いっきり・・・)
後悔しても遅い。
私は、固まって顔を上げる事ができなかった。
下を向いたまま健二とすれ違う。
・・・健二は何も言ってこなかった。
:07/07/28 20:42
:N901iC
:lVLMhbPg
#114 [あんみつ]
「あれ??お前の幼なじみじゃねーの??」
「あー、・・・別にいいよ」
後ろから聞こえた健二の声は、怒っているのか、悲しんでいるのか、気にしていないのか、よく分からなかった。
角を曲がって、私は立ち止まった。
「・・・ねこ」
奈津美が私の顔を覗き込む。
:07/07/28 20:44
:N901iC
:lVLMhbPg
#115 [あんみつ]
私、思いっきり目逸らしちゃった・・・。
健二は、私に避けられたと思ったかもしれない。
いつもと違う私に、気付いたかもしれない。
健二は、私に話し掛けてこなくなるかもしれない。
健二まで、変わってしまうかもしれない・・・。
その日、私は学校が終わるとすぐに帰った。
健二に避けられるのが怖くて。
私は、先に自分から避けた。
:07/07/28 20:46
:N901iC
:lVLMhbPg
#116 [あんみつ]
――――――――
健二、・・・ごめんね。
私、もう健二を、ただの「幼なじみ」として見れないよ。
ずっと一緒にいたいけど、健二にとって私がただの「幼なじみ」なら、私のこの気持ちは、邪魔なだけだよね。
:07/07/28 20:47
:N901iC
:lVLMhbPg
#117 [あんみつ]
ねぇ、健二。
お願いだから、私が変わっても、健二は変わらないで。
私が幼なじみに戻れないなら、健二が変わらないでいてくれる事が、一緒にいられる手段なの。
私の気持ちを口に出せなくても、健二が変わらないでいてくれる事が、私にとっては救いなの。
:07/07/28 20:49
:N901iC
:lVLMhbPg
#118 [あんみつ]
『健二が変わりませんように』
流れ星に願いをかけたかったけど、雨の降る、雲に覆われた夜空に、星なんか見えるはずがなかった。
:07/07/28 20:50
:N901iC
:lVLMhbPg
#119 [あんみつ]
今日は以上にします

更新遅くてすみません


良かったら読んでみて下さぃ

:07/07/28 20:53
:N901iC
:lVLMhbPg
#120 [あや]
:07/07/29 22:21
:SH903i
:H8kOEf0g
#121 [あんみつ]
:07/07/30 07:35
:N901iC
:AL91VBkk
#122 [あや]
いえいえ


ニマ

行き当たりばったりぐらいが調子いいよ

笑
:07/07/30 21:07
:SH903i
:GZeEirEA
#123 [あや]
あげ


:07/08/03 15:45
:SH903i
:HDD902tA
#124 [あんみつ]
:07/08/03 18:36
:N901iC
:8vLPYpHI
#125 [あんみつ]
06、嘘
きっと、すべての原因は、私の心の弱さだったんだ。
:07/08/03 18:37
:N901iC
:8vLPYpHI
#126 [あんみつ]
――――――――
ミーンミーンミー・・・
「・・・あっつ」
夏だ。
蝉がうるさい。
床の仰向けになっていた部分が熱くなったので、私は転がって少し移動した。
健二を避けて帰ってしまった次の日は、土曜日だった。
話さない時間が増える事が、今の私にとって、いい事ではないのは分かっていた。
けど、健二に、何と言って、どんな顔をして話し掛けたらいいのかも、分からなかった。
:07/08/03 18:39
:N901iC
:8vLPYpHI
#127 [あんみつ]
(・・・私から話し掛けなきゃダメなんだよね)
今日は日曜日。
昨日は結局、何も行動に移せなかった。
私は立ち上がって、窓から健二の家を見た。
(健二、出かけてるんだ・・・)
いつもの場所に、健二のシルバーの自転車はなかった。
どこからか、子供の笑い声が聞こえる。
:07/08/03 18:41
:N901iC
:8vLPYpHI
#128 [あんみつ]
(・・・このままじゃダメだ)
このままだと、考えすぎて、気持ちばかりが参ってしまう。
(ちょっと・・・気分変えなきゃ)
そう思い、私は目的もなく家を出た。
:07/08/03 18:42
:N901iC
:8vLPYpHI
#129 [あんみつ]
――――――――
電車に乗って2駅。
私は1人で街を歩いていた。
街で遊ぶ時は、いつも奈津美や他の友達、それに・・・健二、誰かが一緒だったから、何だか慣れない。
店に入って、服などを眺めていても、落ち着かなくてすぐ出てしまう。
「・・・はぁー」
私は、駅前の広場のベンチに腰掛けた。
:07/08/03 18:44
:N901iC
:8vLPYpHI
#130 [あんみつ]
私、こんなんじゃなかった。
前はこんなに悩まずに、すぐ行動できてた。
いつからこんなになったんだろ。
怖がって、悩んでばっかりで、自分から一個も動けない。
・・・いや、違う。
私、健二の事に関しては、前からこうだった。
健二が私の中で、ただの幼なじみじゃなくなってから、ずっと。
:07/08/03 18:45
:N901iC
:8vLPYpHI
#131 [あんみつ]
時計を見ると、もう5時前だった。
(・・・帰ろっかな)
私は、立ち上がって前を見た。
「・・・えっ」
瞬間、目を疑った。
向こうの方を、笑いながら歩く健二。
その隣には・・・あの子がいた。
私は、その場に立ちすくんで動けなかった。
私服姿の2人は、ただの先輩と後輩には見えない。
幸いにも、2人は私に気付かないまま、私がいる方とは逆の方向に歩いて行った。
2人の姿は、駅の改札へと消えた。
:07/08/03 18:47
:N901iC
:8vLPYpHI
#132 [あんみつ]
――――――――
多分、心のどこかで、こんな日が来るの分かってた。
私なんかより、確実に前へ進んでたのは、あの子。
分かってた、・・・分かってる。
地元の駅から、家までの道。
私は必死で自分に言い聞かせる。
私は、2人が改札に入って行った、しばらく後に電車に乗った。
間近で2人の姿を見るのだけは、どうしても避けたかった。
:07/08/03 18:48
:N901iC
:8vLPYpHI
#133 [あんみつ]
2人は、きっと付き合い始めたんだ。
そうだよ。
あの子、あんなに頑張ってたもん。
私は、今度健二に会ったら、「おめでとう」って。
笑いながら、「何で言ってくれなかったのー!!」とかって。
それで・・・終わりにする。
上辺だけでも「幼なじみ」に戻る。
もう、悩まない、迷わない、泣かない。
私は、好きな人の幸せを祈る。
前を向くんだ。
:07/08/03 18:50
:N901iC
:8vLPYpHI
#134 [あんみつ]
時間はかかるかもしれないけど、健二を好きな気持ちは変わらないけど、きっと、健二以上に好きになれる人に出会える。
恋人として思えなくても、特別な幼なじみとして思おう。
幸せを祈ろう。
それが当たり前になる日が、きっと来る。
私は唇を噛み締めた。
(・・・泣くもんか)
喉の辺りが熱くなってくる。
私は、唾を飲み込んで、思い切り深呼吸した。
:07/08/03 18:52
:N901iC
:8vLPYpHI
#135 [あんみつ]
曲がり角を曲がると、私の家の前に健二の姿が見えた。
(・・・何で)
私は止まりそうになる足を、必死で動かした。
ここで逃げたらダメだ。
「幼なじみ」に戻るんだ。
笑顔で「おめでとう」って。
それと、・・・「この前は無視してごめん」。
それで元通りだ。
:07/08/03 18:55
:N901iC
:8vLPYpHI
#136 [あんみつ]
「・・・よっ」
健二が、私に気付いて手を上げた。
「・・・よっ」
私も軽く手を上げる。
そして、健二と向かい合って止まった。
「・・・どこ行ってたん??」
健二が聞いてきた。
「んー・・・ちょっとフラフラとね」
「・・・1人で??」
「あーうん」
「ははっ!!淋しいやつー」
そう言って、健二は笑った。
:07/08/03 18:57
:N901iC
:8vLPYpHI
#137 [あんみつ]
(よし・・・聞こう)
「ほっといてよー!!・・・健二は??どっか行ってたんでしょ??」
・・・大丈夫、言える。
笑顔で「おめでとう」。
健二、良かったね。
:07/08/03 18:58
:N901iC
:8vLPYpHI
#138 [あんみつ]
「俺は・・・洋平と街行ってた」
私は、唾と一緒に、言おうとしていた言葉を飲み込んだ。
(え・・・何で)
「・・・嘘つくの??」
思わず口に出してしまった。
「・・・え??」
健二が、驚いた顔で私を見る。
私は、慌てて口を押さえた。
が、もう遅かった。
:07/08/03 19:00
:N901iC
:8vLPYpHI
#139 [あんみつ]
「は??嘘って??」
健二の声色が変わった。
(何で・・・言ってくれないの)
私、「おめでとう」って言うんだよ??
なのに・・・何で教えてくれないの??
何で言わせてくれないの??
私は健二の目を見た。
けど、健二の目からは、焦りも怒りも感じられなかった。
:07/08/03 19:01
:N901iC
:8vLPYpHI
#140 [あんみつ]
「・・・街で、見たの。健二が佐古さんといるところ」
たまらなくなった私は、一気に言った。
健二は、少し目を見開いた。
「・・・知ってて、聞いたの??」
健二の目がきつくなって、私は思わず目をそらした。
「だって・・・健二は教えてくれると思ったから!!なのに・・・何で嘘つくの??」
私は、地面を見つめながら言った。
:07/08/03 19:03
:N901iC
:8vLPYpHI
#141 [あんみつ]
「・・・ねこには関係ねーじゃん」
健二は、冷たく言い放った。
(・・・関係ないって)
「何・・・それ」
声が震える。
私は、涙がこぼれそうになるのを必死で堪えていた。
「お前だって・・・俺に何も言わねーだろ!!俺のこと避けて・・・訳わかんねー。俺、何かしたかよ!!」
健二が声を荒げた。
:07/08/03 19:05
:N901iC
:8vLPYpHI
#142 [あんみつ]
(そんなの・・・言える訳ないじゃん)
健二が、好きなんだよ??
(・・・ダメ・・・もう限界)
「健二には・・・関係ない!!」
健二の顔を見ないまま言って、私は家に駆け込んだ。
「奈子ー??」
お母さんに呼ばれたけど、私は答えずに、階段を駆け上がった。
部屋に入って、ドアを勢いよく閉め、私はその場に力なく座り込んだ。
「うっ・・・ひっく」
泣かないって決めたのに、涙が出てきた。
止められなかった。
:07/08/03 19:07
:N901iC
:8vLPYpHI
#143 [あんみつ]
――――――――
何で、あんな事言っちゃったの??
何で、こんなになっちゃったの??
私、どこで間違えたの??
私は、幼なじみという立場すら無くしてしまった。
変わってしまった。
私も、・・・健二も。
言いたい事も言えない、聞きたい事も聞けない。
健二・・・。
「幼なじみ」じゃなくなったら、私達、どうなっちゃうの??
:07/08/03 19:10
:N901iC
:8vLPYpHI
#144 [あんみつ]
:07/08/03 19:11
:N901iC
:8vLPYpHI
#145 [あや]
:07/08/04 00:15
:SH903i
:gu8.gs1Y
#146 [はじめまして]
最初から全部読ましてもらいました

マジ、切ないですね


続きが、かなり気になります

頑張って下さい

:07/08/04 03:55
:SH903i
:RzpEI1X2
#147 [あんみつ]
:07/08/04 13:08
:N901iC
:S8cl37Uw
#148 [いちご]
とても読みやすくて
はまりました★
応援しているので
頑張って下さいね


:07/08/04 15:08
:D902i
:3am.EuV6
#149 [あんみつ]
:07/08/04 20:25
:N901iC
:S8cl37Uw
#150 [(・ω・)]
この話スゴク引き込まれます。
応援してるんで、主さんのペースでの更新を期待してます(・ω・)
:07/08/07 18:06
:SO903i
:JT158WHQ
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