「好き」と言いたい。
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#501 [あんみつ]
 

「・・・謝るなよ」

洋平君が言った。

頭に温もりを感じる。

洋平君の手だ。

私は、そっと顔を上げた。
 

⏰:07/12/08 08:59 📱:N901iC 🆔:YQl3TXec


#502 [あんみつ]
 
「俺・・・ねこちゃんが、ちゃんと俺と向き合ってくれて、嬉しかったよ」

洋平君は、優しく笑う。

「・・・ねこちゃんといれて、楽しかったし」

言いながら洋平君は、私の頭をわしゃわしゃと撫でた。

(・・・何でこんなに)
 

⏰:07/12/08 09:00 📱:N901iC 🆔:YQl3TXec


#503 [あんみつ]
 
「・・・て、こら泣くなよ」

洋平君に言われて、自分が泣いてることに気付いた。

洋平君は、袖で涙を拭ってくれる。

「・・・洋平君、優しすぎだよー・・・」

温かい。

洋平君の優しさに、また救われた。
 

⏰:07/12/08 09:02 📱:N901iC 🆔:YQl3TXec


#504 [あんみつ]
 
「泣くなって・・・また、ほっとけなくなるから」

洋平君の言葉に、私は目を見開いた。

照れ臭そうに笑う洋平君。

「ほら、笑え!!」

後悔も、不安も吹き飛ばす、洋平君の笑顔。


傷つけてないはずない。

けど、それでも笑ってくれる。

優しい人、強い人。

 

⏰:07/12/08 09:05 📱:N901iC 🆔:YQl3TXec


#505 [あんみつ]
 

たくさん傷つけてごめん。

1番じゃなくてごめん。

支えてくれて、ありがとう。

この気持ちに気付かせてくれて、ありがとう。

 

⏰:07/12/08 09:07 📱:N901iC 🆔:YQl3TXec


#506 [あんみつ]
 

「・・・ありがと」

私は涙を拭うと、笑った。
それを見て洋平君は、私の頭をぽんぽんと叩く。

「・・・どうしてもつらくなったら、言いなよ。聞くからさ」

そう言うと、洋平君は立ち上がった。

「・・・じゃ、またな!!」

私が返事をしないうちに、洋平君は校舎に向かって走って行った。
 

⏰:07/12/08 09:09 📱:N901iC 🆔:YQl3TXec


#507 [あんみつ]
 
(・・・ありがとう)


本当に、本当にありがとう。


「・・・ありがとう」

洋平君の背中に向かって、もう一度つぶやいた。

 

⏰:07/12/08 09:10 📱:N901iC 🆔:YQl3TXec


#508 [あんみつ]

18話は以上です
やっと500達成しました
感想くれると嬉しいです
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2685/

⏰:07/12/08 09:21 📱:N901iC 🆔:YQl3TXec


#509 [あんみつ]
19、どうすることも


洋平君が笑ってくれるから、私も笑えた。

『健二が好き』

言葉にしたら、気持ちがまた大きくなった気がした。

届かない想いが、苦しくて、切なくて、泣きそうになった。

⏰:07/12/16 16:01 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#510 [あんみつ]
 
・・・届かない。

分かってる。

けど、それでも誤魔化せなかった、止められなかった。

自覚して、どんどん大きくなるこの気持ち。

届かない。

なのに、優しい人を傷付けて、私はこれから、どうすればいいんだろう。

どうしたいんだろう。

.

⏰:07/12/16 16:14 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#511 [あんみつ]
――――――――


「私・・・洋平君と別れた」

「・・・え」

放課後の屋上。

私の言葉に、奈津美は目を丸くした。

「・・・いつ??」

「昨日の、放課後」

奈津美の質問に短く返して、私は奈津美の横に座った。

⏰:07/12/16 16:16 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#512 [あんみつ]
 
フェンス越しに見下ろすグラウンドに、帰って行く生徒や部活の準備をする野球部が見える。

奈津美が隣に座った私を見る。

「・・・何か、ね」

奈津美が何か言う前に、私は口を開いた。

⏰:07/12/16 16:19 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#513 [あんみつ]
 
佐古さんに言われたこと、健二と待ち合わせたこと、健二が来なかったこと。

それと、自覚した私の気持ち。

どうしようもない、私の気持ち。

たどたどしい私の話を、奈津美は黙って聞いてくれた。

話し終えると、私は再び立ち上がった。

⏰:07/12/16 16:21 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#514 [あんみつ]
 
野球部のかけ声が聞こえる。

「・・・ねぇ」

奈津美も立ち上がる。

私を見る奈津美は、泣きそうな目をしていた。

「ねこ・・・これからどうするの??」

.

⏰:07/12/16 19:42 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#515 [あんみつ]
 

『どうするの??』

『どうしたいの??』


気持ちを自覚した日から、何度も何度も、自分に聞いた。

けど・・・

.

⏰:07/12/16 19:54 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#516 [あんみつ]
 

「・・・どうしようもない、かな」

泣きそうな奈津美に、私はへらっと笑って見せた。

「佐古さんとも約束したし・・・健二にも離れられちゃったし」

.

⏰:07/12/16 19:56 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#517 [あんみつ]
 

そう。

私は動けない。

健二に「好き」と言えない。

言ってはいけない。

言ったところで・・・健二にとって私は幼なじみ。

.

⏰:07/12/16 20:00 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#518 [あんみつ]
 

「・・・けど、こんな気持ちのまま、洋平君と付き合えないから」


きっとこの先も、健二を1番に思う気持ちは変わらないから。

むくわれなくても。

離れても。

.

⏰:07/12/16 20:05 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#519 [あんみつ]
 

「・・・うん」

奈津美はうつむいた。

光に透けて茶色っぽい奈津美の髪が、横顔をおおう。

「・・・ねこ、バカだよ」

「・・・うん、バカかも」

カキンッ

バットにボールが当たる金属音が響いた。

⏰:07/12/16 20:29 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#520 [あんみつ]
 
「・・・ふっ」

奈津美の体が揺れた。

そして、うつむいていた顔が上がる。

「バカでも好きだよー、ねこ!!」

奈津美の顔は、笑顔だった。

(・・・奈津美)

⏰:07/12/16 20:30 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#521 [あんみつ]
 
「私もバカな奈津美が好きー!!」

私は奈津美の腕をとった。

「じゃぁ付き合っちゃう!?」

「きゃはは!!」


ありがとう、奈津美。

奈津美がいてくれて良かった。

.

⏰:07/12/16 20:32 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#522 [あんみつ]
――――――――


どうしようもない。

どうすることもできない。

佐古さんの幸せを壊す権利、私にはない。

健二の決心を無駄にすること、私にはできない。

⏰:07/12/16 21:45 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#523 [あんみつ]
 
ただ・・・ただ想っているだけ。

それだけ。


・・・健二、大好きだよ。

.

⏰:07/12/16 21:46 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#524 [あんみつ]
19話目は以上です
携帯変えましたがあんみつです
感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2685/

⏰:07/12/16 21:51 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#525 [かず]
今読んだ



あいかわらず先が気になるし展開がまだまだわからんなぁ

これからも見守り続けます

⏰:07/12/18 22:43 📱:D703i 🆔:GWjWcVmk


#526 [サト]
>>312ー550
失礼しました

⏰:07/12/18 23:48 📱:D903i 🆔:N1auFjoI


#527 [あっちゃん]
がんばてください

⏰:07/12/23 01:32 📱:SO903i 🆔:WsU9zKcQ


#528 [あんみつ]
かずさん
来てくれてぁりがと

見守っててくれる
完結に向けて頑張るね

⏰:07/12/23 16:16 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#529 [あんみつ]
サトさん
アンカー(?)ぁりがとうございます

⏰:07/12/23 16:18 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#530 [あんみつ]
あっちゃんさん
ぁりがとうございます
よかったら感想板にも来てみてくださいね

あとで更新します

⏰:07/12/23 16:20 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#531 [あんみつ]
20、「好き」と言ったら。


「健二!!」

今日もあの子が教室に来た。

けど、あの子が会いに来たのは俺じゃない。

「おー、ねこ。ちょっと待って」

あの子が会いに来たのは、竹本健二。

俺の親友。



……………洋平's side…

.

⏰:07/12/23 16:36 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#532 [あんみつ]
「あー洋平。こいつ幼なじみのねこ」

「よろしくー!!」

「あ、どーも」


初めて会ったのは高1の春。

笑顔がかわいい子だなって思った。

今思えば、この時からすでに惹かれていたのかもしれない。

.

⏰:07/12/23 16:38 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#533 [あんみつ]
 

「洋平君、健二いる??」

今日もねこちゃんが教室に来た。

「あ、健二今職員室行ってる。すぐ帰ってくると思うよ」

初めて名前を呼ばれて内心ドキドキな俺は、平静を装って答えた。

「じゃあ待っとくや。ありがと!!」

そう言って、ねこちゃんは廊下の壁にもたれる。

.

⏰:07/12/23 16:40 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#534 [あんみつ]
・・・見つめてしまった。

俺は、彼女を。

肩より少し長い髪。

長いまつげに、小さな泣きボクロまで。

カバンを持ち直し、前髪を整える仕草一つ一つも。

なぜだか、目が離せなくて。

・・・恋に、落ちた。

.

⏰:07/12/23 16:44 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#535 [あんみつ]
 

「ねぇ健二と洋平君って、どうやって仲良くなったの??」

俺の視線に気づいてかねこちゃんが話しかけてきて、俺ははっとした。

(うわ、やば・・・)

「あーえっと、初めの宿泊研修の時に同じ班だったからかな」

話してる間ねこちゃんがじっと見てくるから、俺は顔が赤くなっていないか心配だった。

⏰:07/12/23 16:47 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#536 [あんみつ]
 
「へー。あ、健二あれで道間違えたらしいね」

「そう!!オリエンテーションで。健二が絶対あっちだって言い張るから行ったら、見事迷った」

「ははっ!!」

笑うねこちゃんを見て俺は、やっぱり笑顔かわいいな、なんて思ったりした。

「ま、楽しかったけどな」

話していると思い出して、おかしくてまた笑えた。

⏰:07/12/23 16:53 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#537 [あんみつ]
 
「洋平君」

ねこちゃんが、俺を手招きする。

俺はドキドキしながら、ねこちゃんの隣で同じように壁にもたれた。

「何??」

「いや、通りたそうにしてたから」

そう言ってねこちゃんは、教室のドアの方を指差す。

見ると、クラスの女子が何人か出てきていた。

ドアの前に立っていた俺は、相当邪魔になっていたらしい。

⏰:07/12/23 16:56 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#538 [あんみつ]
 
(・・・なんだ)

「・・・健二、昔も同じようなことしてたよ」

がっかりする俺の気持ちなんか、知る由もないねこちゃんが続ける。

「へー??」

「小2の時にね。何でか忘れたけど、学校の帰りに突然海に行こうってことになって」

「2人で??」

「うん。で、健二が南に行けば着くって言うから、川沿いに歩いて行ってたの。ひたすら」

ねこちゃんは、懐かしそうに話す。

⏰:07/12/23 17:01 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#539 [あんみつ]
 
そんなねこちゃんを見ながら俺は、ねこちゃんに着いてきてもらえる小2の健二を羨ましく思ったりした。

遠い昔のことに、バカみたいだけど。

「けど、海なんか着かないし夜になっちゃって、結局探しにきた親に連れ戻されたの。しかも後から知ったけど、南じゃなくて北に向かってたらしいし」

⏰:07/12/23 17:04 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#540 [あんみつ]
 
「ははっ!!健二って昔から人のこと振り回してたのか」

「ねー!!・・・けど、憎めないんだよね」

そう言ってねこちゃんは、今までで1番かわいく笑った。

・・・ように見えた。

.

⏰:07/12/23 17:07 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#541 [あんみつ]
 

俺の感は当てにならない。

けど、嫌な予感がする。

もし、もしも俺の感が当たっていたら・・・もしかしたら、ねこちゃんは・・・


「あ、健二!!」

「悪い、ねこ。遅くなった」

健二が帰ってきた。

ねこちゃんは、嬉しそうに健二に歩み寄る。

.

⏰:07/12/23 17:09 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#542 [ァリ]
失礼します

<<1-100
<<101-200
<<201-300
<<301-400
<<401-500
<<501-600
<<601-700
<<701-800
<<801-900
<<901-1000

⏰:07/12/23 17:10 📱:P702iD 🆔:m8g6Q5a6


#543 [あんみつ]
 

・・・つらい恋を予感した、高1の夏。

あれから約1年たった。

何度も気になることはあった。

けど、それでも俺は、違うかもしれない、「幼なじみ」としてかもしれない、と甘い期待を抱いていた。

.

⏰:07/12/23 17:11 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#544 [あんみつ]
ァリさん
ぁりがとうございます

⏰:07/12/23 19:49 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#545 [あんみつ]
――――――――


高2の夏。

健二が後輩に告白された。


「健二、振ったんだって??」

放課後、健二と俺が話しているところに割り込んできたのは、同じクラスの岡崎。

多分、佐古さんのことだろう。

確かに健二は先週、告白されたその日に振った。

⏰:07/12/23 21:06 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#546 [あんみつ]
 
「あぁ。・・・てか、何で知ってんの??」

健二が、不思議そうに聞き返す。

「その子、俺の知り合い」

「あー、そうなん??」

「あぁ。俺の部活の後輩と同じクラスの子」

岡崎は真顔で答える。

(・・・知り合い、か??)

「で、どうしても付き合えない??」

突っ込む暇も与えず、岡崎が言った。

⏰:07/12/23 21:08 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#547 [あんみつ]
 
「あぁ」

そっけない健二の返事に、岡崎は小さくため息をつく。

「やっぱ無理か。・・・けど健二、あの子はただの幼なじみだろ??」

あの子は、ねこちゃんのことだろう。

しつこい岡崎に、だんだんと健二の顔が険しくなってくる。

⏰:07/12/23 21:14 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#548 [あんみつ]
 
「・・・ねこは関係ねーよ??」

健二が答える。

無理に作った笑顔が逆に怖い。

確かに岡崎もうるさいが、何があったのか今日の健二は機嫌が悪い。

このまま続けさせるわけにはいかない。

そう思って止めようとすると、後ろのドアのところからねこちゃんが覗いているのが見えた。

⏰:07/12/23 21:19 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#549 [あんみつ]
 
(あ、いいところに)

「おい、健・・・」

「竹本先輩!!」

俺の言葉は、健二を呼ぶ声に遮られた。

声のした方を見ると、前のドアのところで活発そうな女の子が、健二に向かって手を振っている。

「は??何で・・・」

言いながら、健二は岡崎を睨む。

⏰:07/12/23 21:24 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#550 [あんみつ]
 
「俺じゃねーよ!!」

睨まれた岡崎は、慌てて首を横に振る。

(・・・あの子が佐古さんか)

健二の性格からして、いくら機嫌が悪くても無視はできないだろう。

思った通り、ため息をつきながらも、健二は佐古さんの方に向かった。

ねこちゃんには、気づいていない。

⏰:07/12/23 21:48 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


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