「好き」と言いたい。
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#450 [あんみつ]
けど、違う。
違うんだ。
健二の1番は・・・私じゃない。
佐古さんなんだ。
:07/11/11 22:33
:N901iC
:yRk1fCsw
#451 [あんみつ]
「・・・っ・・・ひっ」
ぬぐってもぬぐっても、涙が落ちる。
周りの視線を感じたけど、それどころじゃなかった。
(・・・だって・・・分かった)
:07/11/11 22:40
:N901iC
:yRk1fCsw
#452 [あんみつ]
・・・ねぇ、健二。
やっと分かったよ。
私は・・・健二の1番になりたかったんだ。
ずっと、ずっと健二の1番でいたかったんだ。
:07/11/11 22:42
:N901iC
:yRk1fCsw
#453 [あんみつ]
『ねこちゃんの1番って誰??』
・・・ごめん、洋平君。
私にとっての1番は・・・健二なんだ。
健二の1番になりたいって思うのは、私にとって、健二が1番だから。
この涙の訳は、健二の隣にいられないのが、健二が隣にいないのが、つらいから。
:07/11/11 22:44
:N901iC
:yRk1fCsw
#454 [あんみつ]
・・・健二。
私、やっぱり・・・
・・・健二が・・・
「・・・好き」
小さく呟いた気持ちは、涙と共に流れて、地面に溶けた。
・・・健二には、届かない。
:07/11/11 22:50
:N901iC
:yRk1fCsw
#455 [あんみつ]
:07/11/11 22:56
:N901iC
:yRk1fCsw
#456 [あんみつ]
17、言えない気持ち
健二、大好きだよ。
・・・今更、言えないけど。
けど、もしも、時間が戻せたら。
あの七夕の夜に戻れたら。
私は、今度こそ健二に「好き」って言うのかな??
健二にとって私は、「幼なじみ」だと知っていながら・・・。
:07/11/24 22:35
:N901iC
:6PaKTvn2
#457 [あんみつ]
――――――――
あれから、どのくらいたったのだろう。
辺りはすっかり薄暗くなっていた。
涙はもう枯れてしまった。
風が涙の跡を、優しく消していく。
私は、かすむ目をこすって立ち上がった。
:07/11/24 22:37
:N901iC
:6PaKTvn2
#458 [あんみつ]
・・・健二は来なかった。
もう来ないって、分かってた。
けど、あんな電話がきても、それでも今まで待っていたのは、心の奥では期待してたんだ。
信じてたんだ。
健二は来てくれるって。
:07/11/24 22:39
:N901iC
:6PaKTvn2
#459 [あんみつ]
――――――――
地元の駅に着いた時には、辺りは真っ暗になっていた。
私は、重い足を何とか前に出して家に向かう。
電灯の少ない道を、月が明るく照らしている。
:07/11/24 22:40
:N901iC
:6PaKTvn2
#460 [あんみつ]
次の曲がり角を曲がったら、私の家が見える。
少し離れたところに、健二の家も。
あの日は健二、私の家の前で待ってたね。
・・・結局、喧嘩しちゃったけど。
:07/11/24 22:41
:N901iC
:6PaKTvn2
#461 [あんみつ]
健二はいない。
そう、自分に言い聞かせながら。
けど、どこか期待しながら。
私は、曲がり角を曲がった。
・・・健二は、いない。
:07/11/24 22:43
:N901iC
:6PaKTvn2
#462 [あんみつ]
『ねこ!!』
私を呼ぶ、笑顔の健二が頭に浮かぶ。
私は、家の門に手を掛けて、ゆっくりと振り向いた。
見慣れた健二の家。
道路に面した、2階の西側の部屋。
健二の部屋には、灯りがついている。
:07/11/24 22:44
:N901iC
:6PaKTvn2
#463 [あんみつ]
(・・・健二、帰ってるんだ)
私は門を開けて、家に入った。
ガチャッ
「・・・ただいま」
「おかえりー。遅かったねぇ。ご飯は??」
靴を脱いでいると、リビングからお母さんが顔を出した。
「・・・いいや。お腹空いてない」
顔を上げずにそれだけ言って、私は階段を上がった。
:07/11/24 22:47
:N901iC
:6PaKTvn2
#464 [あんみつ]
――――――――
『・・・ごめん、ねこ』
健二は、佐古さんと一緒にいた。
『・・・健二先輩と、離れてください』
ねぇ、健二。
あの「ごめん」は、どういう意味??
健二は・・・私を切ったの??
佐古さんのために。
:07/11/24 22:52
:N901iC
:6PaKTvn2
#465 [あんみつ]
・・・健二から、連絡がない。
考えたくなくても、これは、きっと、そういうことなんだろう。
健二は、私から離れた。
だとしたら、健二は私に話し掛けて来ない。
:07/11/24 22:54
:N901iC
:6PaKTvn2
#466 [あんみつ]
周りを傷つけないために、健二と離れようと思ってた。
思ってたけど・・・こんなのを望んでいた訳じゃない。
私は・・・ちゃんと健二と話がしたかった。
だけど・・・
『・・・明後日、それで最後にするから・・・』
・・・私からは、動けない。
:07/11/24 22:55
:N901iC
:6PaKTvn2
#467 [あんみつ]
本当は、離れずにすむなら、そうしたかった。
本当は、健二に話して、反対してほしかった。
けど・・・健二から先に離れられた。
いっぱい悩んでくれたよね??
簡単に離れたわけじゃないよね??
それで決めたなら、私は何も言えないよ。
:07/11/24 22:56
:N901iC
:6PaKTvn2
#468 [あんみつ]
「離れないで」なんて言えない。
「離れたくない」とも。
・・・「好き」とも。
言ってはいけない、絶対に。
それは、佐古さんの想いを、健二の想いを、踏みにじることになるから。
私は、健二に、「好き」と言えない。
:07/11/24 22:58
:N901iC
:6PaKTvn2
#469 [あんみつ]
けど・・・私には、この気持ちを、正直に伝えなきゃいけない人もいる。
傷つけてばかりだったけど。
また傷つけてしまうけど。
・・・このままではいけないんだ。
:07/11/24 22:59
:N901iC
:6PaKTvn2
#470 [あんみつ]
――――――――
その日の夜は、泣かなかった。
涙がもう、出てこなかった。
馬鹿な私は懲りずに、明日健二がいつも通り、笑って話し掛けてくれることを、期待して眠った。
:07/11/24 23:01
:N901iC
:6PaKTvn2
#471 [あんみつ]
健二が好き。
健二の1番になりたい。
自覚してしまった気持ちは、どんどん大きくなって、私の心を埋め尽くしていった。
:07/11/24 23:02
:N901iC
:6PaKTvn2
#472 [あんみつ]
:07/11/24 23:10
:N901iC
:6PaKTvn2
#473 [め ぐ]
:07/11/26 22:50
:F703i
:dVV6Bg2I
#474 [あんみつ]
:07/11/28 17:35
:N901iC
:4YhyEWsw
#475 [あんみつ]
18、洋平君
この気持ちを、伝えなきゃならない人がいる。
うまく言葉にできるか分からない。
けど、正直に。
それが私にできる、せめてもの償い。
:07/11/28 20:37
:N901iC
:4YhyEWsw
#476 [あんみつ]
――――――――
どんなにつらくても、朝はくる。
今日は、いつもより早く家を出よう。
健二に会わないように。
私を見た時の、健二の態度が怖いから。
予想が、確信に変わるのが怖いから。
:07/11/28 20:39
:N901iC
:4YhyEWsw
#477 [あんみつ]
「・・・いってきまーす」
ドアノブに手を掛けて、ゆっくりと開ける。
私の気持ちとは裏腹に、眩しいくらいのいい天気。
私はドアを片手で押さえたまま、大きく息を吸った。
(・・・行くか)
そう思って、ドアから手を離そうとした時、私は無意識に健二の家の方を見た。
:07/11/28 20:41
:N901iC
:4YhyEWsw
#478 [あんみつ]
(・・・えっ)
そこには、ちょうど家から出てくる健二の姿。
私は思わず、もう一度家に入り、ドアを閉めた。
(・・・え、何で??何でこんな早く・・・)
私は恐る恐る、覗き穴から外を見た。
まだ健二は通らない。
気付かれないと分かっていても、なぜか息を潜めてしまう。
:07/11/28 20:42
:N901iC
:4YhyEWsw
#479 [あんみつ]
(・・・あ)
健二が私の家の前を通り過ぎる・・・と思ったら、立ち止まってこっちを見た。
(何・・・)
健二からこっちが見えるはずないのに、私は目が合っているような気がしてならない。
:07/11/28 20:45
:N901iC
:4YhyEWsw
#480 [あんみつ]
瞬きができない。
正面から見る健二の顔。
いつもの明るい健二じゃない。
何か言いたそうな・・・そんな顔。
少しして、健二はまた前を向いて歩きだし、私の視界から消えた。
:07/11/28 20:46
:N901iC
:4YhyEWsw
#481 [あんみつ]
何、健二??
何か言いたいことがあるの??
あるなら私は、言ってほしいよ。
私だって、言いたいことある。
・・・けど、健二は何も言ってくれないんだね。
:07/11/28 20:53
:N901iC
:4YhyEWsw
#482 [あんみつ]
それに・・・こんな早くに、学校に行く健二。
・・・ねぇ、健二。
健二も、私を避けたんだね。
・・・予想が、確信に変わっていく。
健二は・・・私から離れたんだね。
:07/11/28 20:54
:N901iC
:4YhyEWsw
#483 [あんみつ]
――――――――
結局私は、いつも通りの時間に家を出た。
ちゃんと歩いていたつもりなのに、学校に着いたのがぎりぎりでびっくりした。
「ねこ、今日遅かったね。どしたの??」
1時間目が終わり、奈津美が私のところに来る。
:07/11/28 20:59
:N901iC
:4YhyEWsw
#484 [あんみつ]
「んー、ちょっとね」
それだけ言うと、奈津美は「ふーん」と言って、前の空いている席に座った。
それから奈津美は、何も言わない。
私は、何も言えない。
:07/11/28 21:00
:N901iC
:4YhyEWsw
#485 [あんみつ]
奈津美に言いたいこと、聞いてほしいことは、たくさんある。
でも今は、言葉がでない。
それに、奈津美より先に、言わなきゃいけない人がいる。
:07/11/28 21:02
:N901iC
:4YhyEWsw
#486 [あんみつ]
少しの沈黙のあと、奈津美は私の頭を優しく叩いた。
「言えるようになったら、聞くからね??」
そう言って笑う。
「・・・ありがと」
私が言うと、奈津美は自分の席に帰っていった。
:07/11/28 21:03
:N901iC
:4YhyEWsw
#487 [あんみつ]
ありがとう。
何度言っても足りないよ。
言える時がきたら、奈津美にもちゃんと話すよ。
奈津美にも、聞いてほしいんだ。
どうしようもない、私の気持ち。
:07/11/28 21:05
:N901iC
:4YhyEWsw
#488 [あんみつ]
奈津美がいなくなって、私は携帯を取り出した。
カチッカチッ
――――――――

9/20 9:22
To 田村洋平
Sub 無題
話したいことがあるの。
今日の放課後、裏庭に来てほしい。
――――――――
:07/11/28 21:06
:N901iC
:4YhyEWsw
#489 [む〜み〜]
更新待ってます(´・ω・`)
:07/12/07 13:49
:SO903iTV
:Es2Qr2l.
#490 [あんみつ]
む〜み〜さん

ぁりがとうございます

今テスト中で、ただでさえ遅い更新が、ストップしてました

すみません

まだテスト終わってませんが、時間ができたので今から少し更新しますね

:07/12/08 08:41
:N901iC
:YQl3TXec
#491 [あんみつ]
――――――――
私、洋平君に支えられたこと、いっぱいあったよ。
けど私は、洋平君に何かしてあげれたかな??
:07/12/08 08:43
:N901iC
:YQl3TXec
#492 [あんみつ]
裏庭に着いて、辺りを見回す。
洋平君は、まだ来ていない。
私はベンチに腰を下ろして、静かに目を閉じた。
遠くで、生徒達の笑い声が聞こえる。
:07/12/08 08:44
:N901iC
:YQl3TXec
#493 [あんみつ]
『洋平君の事・・・ちゃんと考える』
『・・・健二先輩と、離れてください』
・・・いろいろあった。
いろいろあったよ。
:07/12/08 08:46
:N901iC
:YQl3TXec
#494 [あんみつ]
洋平君のことちゃんと考えて、付き合うって決めた。
私の選択は、間違ってたのかな。
結局私は、自分のことしか考えてなかったんじゃないかな。
私は・・・洋平君の優しさに逃げたんじゃないかな。
:07/12/08 08:47
:N901iC
:YQl3TXec
#495 [あんみつ]
「ごめん、待った??」
目を開けて上を見ると、洋平君が立っていた。
「・・・ううん、全然」
「そっか。なら良かった」
そう言うと洋平君は、私の隣に腰を下ろした。
洋平君は何も言わない。
雰囲気で分かる。
私の言葉を待ってくれている。
:07/12/08 08:49
:N901iC
:YQl3TXec
#496 [あんみつ]
温かい人、優しい人。
この人に・・・嘘はつけない。
「・・・洋平君」
私は、振り絞るように言った。
自分の心臓の音が、やけに大きく聞こえる。
洋平君の方を見ると、洋平君も私を見ていた。
真っすぐな瞳で見られると、胸が苦しくなった。
:07/12/08 08:50
:N901iC
:YQl3TXec
#497 [あんみつ]
けど、言わなきゃいけない。
このままじゃいけない。
(・・・洋平君)
『ねこ!!』
(・・・健二)
:07/12/08 08:52
:N901iC
:YQl3TXec
#498 [あんみつ]
私は、ゆっくり口を開く。
「・・・洋平君」
私はもう一度言って、息を吸った。
大丈夫、言える。
「・・・私、健二が好きなの」
:07/12/08 08:54
:N901iC
:YQl3TXec
#499 [あんみつ]
吐き出すように、言った。
これが、どうしようもない私の気持ち。
「・・・洋平君のこと、好きだよ。けど・・・私にとっての1番は・・・やっぱり健二なの」
少しずつ、少しずつ。
言葉をつなげる。
:07/12/08 08:56
:N901iC
:YQl3TXec
#500 [あんみつ]
洋平君は、まっすぐ私を見ている。
怒りとも、悲しみともとれない表情で。
少しも目をそらさない。
「・・・ごめんなさい」
私は頭を下げた。
たまらなく、胸が苦しくなった。
洋平君の真っすぐな瞳から逃げた。
私はやっぱり、弱虫だ。
:07/12/08 08:58
:N901iC
:YQl3TXec
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