「好き」と言いたい。
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#501 [あんみつ]
「・・・謝るなよ」
洋平君が言った。
頭に温もりを感じる。
洋平君の手だ。
私は、そっと顔を上げた。
:07/12/08 08:59
:N901iC
:YQl3TXec
#502 [あんみつ]
「俺・・・ねこちゃんが、ちゃんと俺と向き合ってくれて、嬉しかったよ」
洋平君は、優しく笑う。
「・・・ねこちゃんといれて、楽しかったし」
言いながら洋平君は、私の頭をわしゃわしゃと撫でた。
(・・・何でこんなに)
:07/12/08 09:00
:N901iC
:YQl3TXec
#503 [あんみつ]
「・・・て、こら泣くなよ」
洋平君に言われて、自分が泣いてることに気付いた。
洋平君は、袖で涙を拭ってくれる。
「・・・洋平君、優しすぎだよー・・・」
温かい。
洋平君の優しさに、また救われた。
:07/12/08 09:02
:N901iC
:YQl3TXec
#504 [あんみつ]
「泣くなって・・・また、ほっとけなくなるから」
洋平君の言葉に、私は目を見開いた。
照れ臭そうに笑う洋平君。
「ほら、笑え!!」
後悔も、不安も吹き飛ばす、洋平君の笑顔。
傷つけてないはずない。
けど、それでも笑ってくれる。
優しい人、強い人。
:07/12/08 09:05
:N901iC
:YQl3TXec
#505 [あんみつ]
たくさん傷つけてごめん。
1番じゃなくてごめん。
支えてくれて、ありがとう。
この気持ちに気付かせてくれて、ありがとう。
:07/12/08 09:07
:N901iC
:YQl3TXec
#506 [あんみつ]
「・・・ありがと」
私は涙を拭うと、笑った。
それを見て洋平君は、私の頭をぽんぽんと叩く。
「・・・どうしてもつらくなったら、言いなよ。聞くからさ」
そう言うと、洋平君は立ち上がった。
「・・・じゃ、またな!!」
私が返事をしないうちに、洋平君は校舎に向かって走って行った。
:07/12/08 09:09
:N901iC
:YQl3TXec
#507 [あんみつ]
(・・・ありがとう)
本当に、本当にありがとう。
「・・・ありがとう」
洋平君の背中に向かって、もう一度つぶやいた。
:07/12/08 09:10
:N901iC
:YQl3TXec
#508 [あんみつ]
:07/12/08 09:21
:N901iC
:YQl3TXec
#509 [あんみつ]
19、どうすることも
洋平君が笑ってくれるから、私も笑えた。
『健二が好き』
言葉にしたら、気持ちがまた大きくなった気がした。
届かない想いが、苦しくて、切なくて、泣きそうになった。
:07/12/16 16:01
:D904i
:vTqJY5Nc
#510 [あんみつ]
・・・届かない。
分かってる。
けど、それでも誤魔化せなかった、止められなかった。
自覚して、どんどん大きくなるこの気持ち。
届かない。
なのに、優しい人を傷付けて、私はこれから、どうすればいいんだろう。
どうしたいんだろう。
.
:07/12/16 16:14
:D904i
:vTqJY5Nc
#511 [あんみつ]
――――――――
「私・・・洋平君と別れた」
「・・・え」
放課後の屋上。
私の言葉に、奈津美は目を丸くした。
「・・・いつ??」
「昨日の、放課後」
奈津美の質問に短く返して、私は奈津美の横に座った。
:07/12/16 16:16
:D904i
:vTqJY5Nc
#512 [あんみつ]
フェンス越しに見下ろすグラウンドに、帰って行く生徒や部活の準備をする野球部が見える。
奈津美が隣に座った私を見る。
「・・・何か、ね」
奈津美が何か言う前に、私は口を開いた。
:07/12/16 16:19
:D904i
:vTqJY5Nc
#513 [あんみつ]
佐古さんに言われたこと、健二と待ち合わせたこと、健二が来なかったこと。
それと、自覚した私の気持ち。
どうしようもない、私の気持ち。
たどたどしい私の話を、奈津美は黙って聞いてくれた。
話し終えると、私は再び立ち上がった。
:07/12/16 16:21
:D904i
:vTqJY5Nc
#514 [あんみつ]
野球部のかけ声が聞こえる。
「・・・ねぇ」
奈津美も立ち上がる。
私を見る奈津美は、泣きそうな目をしていた。
「ねこ・・・これからどうするの??」
.
:07/12/16 19:42
:D904i
:vTqJY5Nc
#515 [あんみつ]
『どうするの??』
『どうしたいの??』
気持ちを自覚した日から、何度も何度も、自分に聞いた。
けど・・・
.
:07/12/16 19:54
:D904i
:vTqJY5Nc
#516 [あんみつ]
「・・・どうしようもない、かな」
泣きそうな奈津美に、私はへらっと笑って見せた。
「佐古さんとも約束したし・・・健二にも離れられちゃったし」
.
:07/12/16 19:56
:D904i
:vTqJY5Nc
#517 [あんみつ]
そう。
私は動けない。
健二に「好き」と言えない。
言ってはいけない。
言ったところで・・・健二にとって私は幼なじみ。
.
:07/12/16 20:00
:D904i
:vTqJY5Nc
#518 [あんみつ]
「・・・けど、こんな気持ちのまま、洋平君と付き合えないから」
きっとこの先も、健二を1番に思う気持ちは変わらないから。
むくわれなくても。
離れても。
.
:07/12/16 20:05
:D904i
:vTqJY5Nc
#519 [あんみつ]
「・・・うん」
奈津美はうつむいた。
光に透けて茶色っぽい奈津美の髪が、横顔をおおう。
「・・・ねこ、バカだよ」
「・・・うん、バカかも」
カキンッ
バットにボールが当たる金属音が響いた。
:07/12/16 20:29
:D904i
:vTqJY5Nc
#520 [あんみつ]
「・・・ふっ」
奈津美の体が揺れた。
そして、うつむいていた顔が上がる。
「バカでも好きだよー、ねこ!!」
奈津美の顔は、笑顔だった。
(・・・奈津美)
:07/12/16 20:30
:D904i
:vTqJY5Nc
#521 [あんみつ]
「私もバカな奈津美が好きー!!」
私は奈津美の腕をとった。
「じゃぁ付き合っちゃう!?」
「きゃはは!!」
ありがとう、奈津美。
奈津美がいてくれて良かった。
.
:07/12/16 20:32
:D904i
:vTqJY5Nc
#522 [あんみつ]
――――――――
どうしようもない。
どうすることもできない。
佐古さんの幸せを壊す権利、私にはない。
健二の決心を無駄にすること、私にはできない。
:07/12/16 21:45
:D904i
:vTqJY5Nc
#523 [あんみつ]
ただ・・・ただ想っているだけ。
それだけ。
・・・健二、大好きだよ。
.
:07/12/16 21:46
:D904i
:vTqJY5Nc
#524 [あんみつ]
:07/12/16 21:51
:D904i
:vTqJY5Nc
#525 [かず]
:07/12/18 22:43
:D703i
:GWjWcVmk
#526 [サト]
:07/12/18 23:48
:D903i
:N1auFjoI
#527 [あっちゃん
]
がんばてください

:07/12/23 01:32
:SO903i
:WsU9zKcQ
#528 [あんみつ]
:07/12/23 16:16
:D904i
:6H/vLUkE
#529 [あんみつ]
:07/12/23 16:18
:D904i
:6H/vLUkE
#530 [あんみつ]
あっちゃん

さん


ぁりがとうございます


よかったら感想板にも来てみてくださいね

あとで更新します

:07/12/23 16:20
:D904i
:6H/vLUkE
#531 [あんみつ]
20、「好き」と言ったら。
「健二!!」
今日もあの子が教室に来た。
けど、あの子が会いに来たのは俺じゃない。
「おー、ねこ。ちょっと待って」
あの子が会いに来たのは、竹本健二。
俺の親友。
……………洋平's side…
.
:07/12/23 16:36
:D904i
:6H/vLUkE
#532 [あんみつ]
「あー洋平。こいつ幼なじみのねこ」
「よろしくー!!」
「あ、どーも」
初めて会ったのは高1の春。
笑顔がかわいい子だなって思った。
今思えば、この時からすでに惹かれていたのかもしれない。
.
:07/12/23 16:38
:D904i
:6H/vLUkE
#533 [あんみつ]
「洋平君、健二いる??」
今日もねこちゃんが教室に来た。
「あ、健二今職員室行ってる。すぐ帰ってくると思うよ」
初めて名前を呼ばれて内心ドキドキな俺は、平静を装って答えた。
「じゃあ待っとくや。ありがと!!」
そう言って、ねこちゃんは廊下の壁にもたれる。
.
:07/12/23 16:40
:D904i
:6H/vLUkE
#534 [あんみつ]
・・・見つめてしまった。
俺は、彼女を。
肩より少し長い髪。
長いまつげに、小さな泣きボクロまで。
カバンを持ち直し、前髪を整える仕草一つ一つも。
なぜだか、目が離せなくて。
・・・恋に、落ちた。
.
:07/12/23 16:44
:D904i
:6H/vLUkE
#535 [あんみつ]
「ねぇ健二と洋平君って、どうやって仲良くなったの??」
俺の視線に気づいてかねこちゃんが話しかけてきて、俺ははっとした。
(うわ、やば・・・)
「あーえっと、初めの宿泊研修の時に同じ班だったからかな」
話してる間ねこちゃんがじっと見てくるから、俺は顔が赤くなっていないか心配だった。
:07/12/23 16:47
:D904i
:6H/vLUkE
#536 [あんみつ]
「へー。あ、健二あれで道間違えたらしいね」
「そう!!オリエンテーションで。健二が絶対あっちだって言い張るから行ったら、見事迷った」
「ははっ!!」
笑うねこちゃんを見て俺は、やっぱり笑顔かわいいな、なんて思ったりした。
「ま、楽しかったけどな」
話していると思い出して、おかしくてまた笑えた。
:07/12/23 16:53
:D904i
:6H/vLUkE
#537 [あんみつ]
「洋平君」
ねこちゃんが、俺を手招きする。
俺はドキドキしながら、ねこちゃんの隣で同じように壁にもたれた。
「何??」
「いや、通りたそうにしてたから」
そう言ってねこちゃんは、教室のドアの方を指差す。
見ると、クラスの女子が何人か出てきていた。
ドアの前に立っていた俺は、相当邪魔になっていたらしい。
:07/12/23 16:56
:D904i
:6H/vLUkE
#538 [あんみつ]
(・・・なんだ)
「・・・健二、昔も同じようなことしてたよ」
がっかりする俺の気持ちなんか、知る由もないねこちゃんが続ける。
「へー??」
「小2の時にね。何でか忘れたけど、学校の帰りに突然海に行こうってことになって」
「2人で??」
「うん。で、健二が南に行けば着くって言うから、川沿いに歩いて行ってたの。ひたすら」
ねこちゃんは、懐かしそうに話す。
:07/12/23 17:01
:D904i
:6H/vLUkE
#539 [あんみつ]
そんなねこちゃんを見ながら俺は、ねこちゃんに着いてきてもらえる小2の健二を羨ましく思ったりした。
遠い昔のことに、バカみたいだけど。
「けど、海なんか着かないし夜になっちゃって、結局探しにきた親に連れ戻されたの。しかも後から知ったけど、南じゃなくて北に向かってたらしいし」
:07/12/23 17:04
:D904i
:6H/vLUkE
#540 [あんみつ]
「ははっ!!健二って昔から人のこと振り回してたのか」
「ねー!!・・・けど、憎めないんだよね」
そう言ってねこちゃんは、今までで1番かわいく笑った。
・・・ように見えた。
.
:07/12/23 17:07
:D904i
:6H/vLUkE
#541 [あんみつ]
俺の感は当てにならない。
けど、嫌な予感がする。
もし、もしも俺の感が当たっていたら・・・もしかしたら、ねこちゃんは・・・
「あ、健二!!」
「悪い、ねこ。遅くなった」
健二が帰ってきた。
ねこちゃんは、嬉しそうに健二に歩み寄る。
.
:07/12/23 17:09
:D904i
:6H/vLUkE
#542 [ァリ]
失礼します

<<1-100
<<101-200
<<201-300
<<301-400
<<401-500
<<501-600
<<601-700
<<701-800
<<801-900
<<901-1000
:07/12/23 17:10
:P702iD
:m8g6Q5a6
#543 [あんみつ]
・・・つらい恋を予感した、高1の夏。
あれから約1年たった。
何度も気になることはあった。
けど、それでも俺は、違うかもしれない、「幼なじみ」としてかもしれない、と甘い期待を抱いていた。
.
:07/12/23 17:11
:D904i
:6H/vLUkE
#544 [あんみつ]
:07/12/23 19:49
:D904i
:6H/vLUkE
#545 [あんみつ]
――――――――
高2の夏。
健二が後輩に告白された。
「健二、振ったんだって??」
放課後、健二と俺が話しているところに割り込んできたのは、同じクラスの岡崎。
多分、佐古さんのことだろう。
確かに健二は先週、告白されたその日に振った。
:07/12/23 21:06
:D904i
:6H/vLUkE
#546 [あんみつ]
「あぁ。・・・てか、何で知ってんの??」
健二が、不思議そうに聞き返す。
「その子、俺の知り合い」
「あー、そうなん??」
「あぁ。俺の部活の後輩と同じクラスの子」
岡崎は真顔で答える。
(・・・知り合い、か??)
「で、どうしても付き合えない??」
突っ込む暇も与えず、岡崎が言った。
:07/12/23 21:08
:D904i
:6H/vLUkE
#547 [あんみつ]
「あぁ」
そっけない健二の返事に、岡崎は小さくため息をつく。
「やっぱ無理か。・・・けど健二、あの子はただの幼なじみだろ??」
あの子は、ねこちゃんのことだろう。
しつこい岡崎に、だんだんと健二の顔が険しくなってくる。
:07/12/23 21:14
:D904i
:6H/vLUkE
#548 [あんみつ]
「・・・ねこは関係ねーよ??」
健二が答える。
無理に作った笑顔が逆に怖い。
確かに岡崎もうるさいが、何があったのか今日の健二は機嫌が悪い。
このまま続けさせるわけにはいかない。
そう思って止めようとすると、後ろのドアのところからねこちゃんが覗いているのが見えた。
:07/12/23 21:19
:D904i
:6H/vLUkE
#549 [あんみつ]
(あ、いいところに)
「おい、健・・・」
「竹本先輩!!」
俺の言葉は、健二を呼ぶ声に遮られた。
声のした方を見ると、前のドアのところで活発そうな女の子が、健二に向かって手を振っている。
「は??何で・・・」
言いながら、健二は岡崎を睨む。
:07/12/23 21:24
:D904i
:6H/vLUkE
#550 [あんみつ]
「俺じゃねーよ!!」
睨まれた岡崎は、慌てて首を横に振る。
(・・・あの子が佐古さんか)
健二の性格からして、いくら機嫌が悪くても無視はできないだろう。
思った通り、ため息をつきながらも、健二は佐古さんの方に向かった。
ねこちゃんには、気づいていない。
:07/12/23 21:48
:D904i
:6H/vLUkE
#551 [あんみつ]
俺が再び後ろのドアのところを見ると、ねこちゃんと目があった。
と思ったら、さっとドアの陰に隠れてしまった。
一瞬見えた顔は、泣きそうだった。
(・・・あ)
俺は立ち上がった。
けど、そこから足が動かない。
.
:07/12/23 21:53
:D904i
:6H/vLUkE
#552 [あんみつ]
追いかけて、俺は何を言うつもりなんだ??
どうするつもりなんだ??
・・・分からない。
けど・・・
(・・・ほっとけない)
俺は教室を飛び出した。
:07/12/23 22:00
:D904i
:6H/vLUkE
#553 [あんみつ]
ねこちゃんは、もう廊下にいない。
俺は廊下を走って、1段飛ばしで階段を駆け下りる。
1階まで下りて、ようやく下駄箱のところに後ろ姿を見つけた。
(・・・あ)
「・・・ねこちゃん!!」
呼んだ。
ねこちゃんが振り向く。
:07/12/23 22:03
:D904i
:6H/vLUkE
#554 [あんみつ]
「・・・洋平君」
声にいつもの元気がない。
(えっと・・・)
「あいつ・・・健二、呼ばなくて良かったの??」
何か言わなきゃと思って出た言葉は、こんなものだった。
「あー・・・うん、たいした用じゃないから」
ねこちゃんが答える。
.
:07/12/23 22:05
:D904i
:6H/vLUkE
#555 [あんみつ]
嘘つくなよ。
いっつも用なくても、一緒に帰ってるじゃん。
「・・・そ??」
けど、これ以上は言えない。
「うん、大丈夫」
どこがだよ。
無理して笑ってんのばればれなんだよ。
.
:07/12/23 22:13
:D904i
:6H/vLUkE
#556 [あんみつ]
「じゃ、ばいばい!!わざわざありがとね」
ねこちゃんが、後ろを向いて帰ろうとする。
「ねこちゃん!!」
俺は無意識のうちに、また呼び止めていた。
ねこちゃんが、ゆっくりと振り返る。
「・・・え??何??」
・・・泣きそうな顔をしていた。
.
:07/12/23 22:14
:D904i
:6H/vLUkE
#557 [あんみつ]
俺は、彼女に何を言おうとしたのだろう。
佐古さん、まだ諦めてないみたいだよ。
・・・言ったらねこちゃんは、健二を諦める??
俺のことを好きになる??
・・・いや、そんなことを言っても、傷つけるだけだ。
悩ませるだけだ。
:07/12/23 22:17
:D904i
:6H/vLUkE
#558 [あんみつ]
健二より、自分のことを好きになってほしい。
けど、ねこちゃんを傷つけたいわけじゃない。
悩ませたいわけじゃない。
それに・・・泣きそうな彼女に、言えるわけがない。
.
:07/12/23 22:18
:D904i
:6H/vLUkE
#559 [あんみつ]
「あ、えっと・・・やっぱ何でもない。・・・てか、健二にはねこちゃんが来てた事、言わない方がいい??」
何でこんなこと言ったのか、自分でも分からない。
ただ、何となくその方がいい気がした。
「あっ・・・うん」
「分かった。じゃ、またな!!」
笑顔で言えた。
:07/12/23 22:20
:D904i
:6H/vLUkE
#560 [あんみつ]
俺はねこちゃんに背を向けて、再び階段を上がっていく。
下駄箱から見えない所まで上がって、俺は立ち止まった。
頭に浮かぶのは、ねこちゃんの泣きそうな顔ばかり。
.
:07/12/23 22:22
:D904i
:6H/vLUkE
#561 [あんみつ]
高2、7月の初め。
確信する。
好きな人の好きな人は、俺の親友。
幼なじみとしてじゃない。
ねこちゃんは・・・健二が好きだ。
.
:07/12/23 22:23
:D904i
:6H/vLUkE
#562 [南雲]
:07/12/24 00:42
:SH905i
:LPbMPAms
#563 [(´;ω;`)]
:07/12/26 00:23
:SH905i
:kh3mttDE
#564 [健二]
自分の名前が出てきてビックリした(笑)
:07/12/30 01:55
:PC
:tJ6JJp3U
#565 [あんみつ]
:07/12/30 20:48
:D904i
:IvjMyUfk
#566 [あんみつ]
――――――――
「・・・はぁー」
「幸せ逃げるぞ」
ねこちゃんが健二のことを好きだと、確信してから1週間。
無意識のうちに出た俺のため息に対して、健二が言った。
(この・・・鈍感)
ガンッ!!
俺は、健二が座っている俺の前の席のイスを、下から蹴った。
:07/12/31 08:51
:D904i
:iTVZMdxU
#567 [あんみつ]
「・・・おい、どした??」
怒るかと思った。
けど健二は、怒るどころか心配そうに言うから、自分のしたことがひどく後ろめたくなった。
「・・・悪い、何でもない」
今のは、ただのやつあたりだ。
健二は悪くない。
・・・分かってる。
けど、心の奥では健二に嫉妬してる自分がいる。
.
:07/12/31 08:53
:D904i
:iTVZMdxU
#568 [あんみつ]
「・・・ふーん??」
それだけ言うと、健二は読んでいた漫画に目を戻した。
健二の機嫌が悪かったのは結局あの日だけで、次の日からはいたって普通の健二だった。
ねこちゃんとも、いつも通り一緒に来て、一緒に帰ったりしている。
.
:07/12/31 08:55
:D904i
:iTVZMdxU
#569 [あんみつ]
「・・・なぁ」
「んー??」
健二は、漫画を読みながら答える。
「佐古さんのこと、どうなった??」
俺は、気になっていたことを聞いた。
.
:07/12/31 08:57
:D904i
:iTVZMdxU
#570 [あんみつ]
あの日、ねこちゃんを追いかけていった後教室に戻ったら、すでに佐古さんはいなかった。
まだ教室にいた健二に聞いたところ、どうやら「諦めません」と言われたらしい。
が、それ以降、佐古さんについての話は何も聞いていない。
俺の問いに、健二の目線がぴたりと止まった。
ゆっくりと漫画を閉じて、俺と向かい合う。
:07/12/31 08:59
:D904i
:iTVZMdxU
#571 [あんみつ]
「・・・それがさ」
いきなり小声で話し出す健二。
「メールやら電話やら来るんだよ」
言いながら健二は、いかにもうんざりという顔をした。
「は??健二、教えたん??」
「教えてねーよ。・・・多分、あいつだろ」
そう言って健二は、黒板の前の辺にいる岡崎に目線をやる。
:07/12/31 09:01
:D904i
:iTVZMdxU
#572 [あんみつ]
(・・・あぁ)
俺は静かに頷く。
健二の様子からして、もう岡崎に問いただすのも面倒らしい。
「初めの内は返事してた・・・つっても、すぐ切ってたんだけど。もうめんどくせー・・・」
健二は、片手で頭を押さえた。
.
:07/12/31 09:03
:D904i
:iTVZMdxU
#573 [あんみつ]
健二が佐古さんになびく様子は、全くない。
少なくとも、今のところは。
健二にとってねこちゃんは幼なじみ。
今までも、今も、多分これからもずっと。
.
:07/12/31 09:05
:D904i
:iTVZMdxU
#574 [あんみつ]
健二とねこちゃんを初めて見た時、他の奴と同じように俺も聞いた。
『ただの幼なじみ??好きとかは全くねーの??』
ねこちゃんのことが気になったから。
それもある。
けど、ただ単に不思議に思う気持ちもあった。
ずっと一緒にいて、すごく仲良くて、女として見たことはないのか。
:07/12/31 09:06
:D904i
:iTVZMdxU
#575 [あんみつ]
『好きだよ。大事な幼なじみとしてな』
そう言って健二は、照れくさそうに笑った。
あの健二の笑顔に、嘘はない。
けど、それは、ねこちゃんの想いは叶わないってことで。
多分、ねこちゃんもそれを分かってるから。
だから、健二に気持ちを伝えれないんだろう。
「好き」と言ったら、関係が壊れてしまう気がして。
:07/12/31 09:08
:D904i
:iTVZMdxU
#576 [あんみつ]
・・・じゃあ、俺は??
俺は、ねこちゃんが好きだ。
ねこちゃんは、健二が好きだ。
俺の想いは叶わない。
・・・だけど、本当にそれだけなのか??
.
:07/12/31 13:34
:D904i
:iTVZMdxU
#577 [あんみつ]
「・・・でさ、さっき、今日の放課後、話があるから残っててってメール来たんだけど」
健二の言葉で、俺は一気に現実に引き戻された。
「・・・は??て、佐古さんから??」
間の抜けた声が出た。
「あぁ。・・・まぁ俺も、このままなわけにもいかねーし」
健二は、声のことには触れずに言う。
:07/12/31 13:37
:D904i
:iTVZMdxU
#578 [あんみつ]
(・・・まぁな。・・・てか)
「・・・それ、ねこちゃんには??」
「・・・あぁ、先帰っといてって言わねーとな」
健二の答えは、俺が聞いた内容とは多少ずれている。
が、分かった。
ねこちゃんにはまだ言ってないらしい。
俺は心の中で、胸をなで下ろした。
:07/12/31 13:39
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#579 [あんみつ]
(それなら・・・)
「俺が言っといてやるよ」
「は??何で洋平が・・・」
「いーから!!言っといてやるって」
半ば無理矢理、健二をうなずかせた。
・・・何、必死になってんだ俺。
.
:07/12/31 13:40
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#580 [あんみつ]
――――――――
放課後。
俺は急いで、ねこちゃんのクラスに向かう。
ねこちゃんが健二の所に行かないうちに、早く。
健二ははっきり言うつもりらしい。
けど、話の内容どーこーより、健二と佐古さんが一緒にいるのを見せたくなかった。
傷つく顔を見たくなかった。
.
:07/12/31 14:42
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#581 [あんみつ]
ドンッ!!
「きゃ!!」
「わっ、ごめん!!大丈夫??」
廊下の曲がり角の所で誰かにぶつかって、俺はとっさに言った。
「あー、やっぱり洋平君」
聞くだけで鼓動が速くなる、この声。
下を向くと、思った通り、そしてタイミング良くねこちゃんがいた。
隣にねこちゃんの友達もいる。
:07/12/31 14:45
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#582 [あんみつ]
「あれ??ねこちゃん。ごめん、大丈夫??」
平静を装って聞く俺。
「うん、全然平気。どしたの??急いで」
「あー、ちょっとねこちゃんに用があって」
「私??」
「健二が・・・何か用できたから先帰っててって」
俺は、何度も頭の中で練習した言葉を言う。
「そうなんだ・・・分かった。ありがと」
ねこちゃんは一瞬残念そうな顔をしたが、すぐ笑顔で言った。
.
:07/12/31 15:01
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#583 [あんみつ]
・・・嘘は言ってない。
が、隠し事はしてる。
何だか罪悪感がある。
「うん。・・・ねこちゃん、もう、すぐ帰る??」
「うん、帰るけど??何??」
「いや、別に。お気を付けて!!」
俺は、隠し事がばれないうちに立ち去った。
:07/12/31 15:03
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#584 [あんみつ]
これで、とりあえずは安心だ。
そう思いながら、俺は少し遠回りして下駄箱に向かう。
下駄箱に着いた時、ちょうどそこから出て行こうとする、見覚えのある後ろ姿があった。
(あれ・・・)
「・・・ねぇ!!」
声をかけて、その子が振り向く。
「あれ??えっと、洋平君??」
.
:07/12/31 15:08
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#585 [あんみつ]
やっぱり。
さっき、ねこちゃんの隣にいた友達だ。
以前、少しだけ話をしたことがある。
どうして・・・
「1人??ねこちゃんは??」
隣にねこちゃんは、いない。
「あー、何か忘れ物したから先に帰ってって」
(・・・まじかよ)
「ありがと!!」
俺はそう言って、急いで戻ろうとした。
:07/12/31 16:04
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#586 [あんみつ]
(・・・あ)
「えっと、木原さんばいばい!!」
思い出した名前を言って、俺は走り出した。
嫌な予感がする。
早く、早く。
どうか、間に合いますように。
.
:07/12/31 16:10
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#587 [あんみつ]
階段を駆け上がって、廊下の曲がり角を曲がる。
「・・・はぁ」
俺の願いも虚しく、見えたのは、避けたかった光景。
2組のドアの所に立つ、ねこちゃんの後ろ姿だった。
(・・・くそっ)
小さく舌打ちをして、俺は素早く、けど静かにねこちゃんに近づく。
:07/12/31 16:41
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#588 [あんみつ]
ねこちゃんは少しも動かない。
近くまできて、俺はねこちゃんの手首を掴んで引っ張った。
その時かすかに聞こえたのは、佐古さんの声。
俺は、ねこちゃんの手を引いて走った。
.
:07/12/31 16:43
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#589 [あんみつ]
――――――――
走って、階段を上がって屋上に出た。
「・・・はぁ・・・はぁ」
俺に合わせて無理に走らせたから、ねこちゃんは息が上がっている。
俺は掴んでいた手首を放して、初めてねこちゃんの方を見た。
が、顔を見る前にねこちゃんはしゃがみこんでしまった。
:07/12/31 21:45
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#590 [あんみつ]
「・・・すぐ帰るって言ってたのに。・・・何で戻って来ちゃったんだよ」
そう言って俺も、隣に腰を下ろす。
そして、自分の腕に顔をうずめているねこちゃんの頭を撫でた。
「・・・うっ・・・ひっく・・・」
ねこちゃんの体が震える。
.
:07/12/31 21:47
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#591 [あんみつ]
悲しんでる顔を見たくなかった。
もちろん、泣いている顔も。
けど、君は泣いてる。
俺じゃない。
健二のために。
俺は、ずっとねこちゃんの頭を撫でていた。
「・・・家まで送るよ」
日が沈みかけた頃、俺は落ち着いたねこちゃんに言った。
.
:07/12/31 21:49
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#592 [あんみつ]
アスファルトに並んで伸びる、2つの影。
ねこちゃんと並んで歩くことに、すごくドキドキしてる。
けど、ねこちゃんの腫れた目を見る度に、胸が締め付けられた。
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:07/12/31 21:50
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#593 [あんみつ]
・・・何でだよ。
「幼なじみ」だから??
だから、「好き」と言えない??
「好き」と言ったら、壊れてしまうから??
ずっと、気持ちを心の中に隠したまま??
・・・そんなのやめちゃえよ。
そんなつらい恋、やめちゃえよ。
.
:07/12/31 21:52
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#594 [あんみつ]
・・・じゃあ、俺は??
好きな人には、好きな人がいるから??
だから、「好き」と言わない??
このまま・・・やめれるのか??
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:07/12/31 21:54
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#595 [あんみつ]
「・・・あのっ、もうこの辺でいいよ」
沈黙を破って、ねこちゃんが言った。
「・・・そう??」
「うん。・・・今日は、本当にありがとう」
そう言って、力なく笑う。
「うん・・・」
俺はしぶしぶ、自転車カゴからねこちゃんのかばんを取る。
.
:07/12/31 21:55
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#596 [あんみつ]
・・・やめれるわけがない。
そんな簡単な気持ちじゃない。
好きなんだ。
大好きなんだ。
笑っていてほしい。
笑わせてあげたい。
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:07/12/31 21:57
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#597 [あんみつ]
「・・・洋平君??」
なかなかかばんを離さない俺に、ねこちゃんが不思議そうな顔で言った。
俺は、地面を見た。
「好き」と言ったら、それで終わりかもしれない。
けど、俺は・・・
.
:07/12/31 21:59
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#598 [あんみつ]
「・・・もう、健二のために泣くなよ」
「・・・え??」
俺は顔を上げて、ねこちゃんを見た。
「ねこちゃんに泣いてほしくないんだ」
.
:07/12/31 22:01
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#599 [あんみつ]
「好き」と言ったら、終わってしまうかもしれない。
けど・・・「好き」と言わないまま、終われない。
もう、放っておけない。
だったら・・・
「・・・好きなんだ」
.
:07/12/31 22:02
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#600 [あんみつ]
言わないままじゃ、終われない。
だったら、賭けてみようと思ったんだ。
「俺は、ねこちゃんの事が好きだ」
・・・「好き」と言ったら、その先に「終わり」じゃない何かがあるって、信じたかった。
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:07/12/31 22:04
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