「好き」と言いたい。
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#501 [あんみつ]
 

「・・・謝るなよ」

洋平君が言った。

頭に温もりを感じる。

洋平君の手だ。

私は、そっと顔を上げた。
 

⏰:07/12/08 08:59 📱:N901iC 🆔:YQl3TXec


#502 [あんみつ]
 
「俺・・・ねこちゃんが、ちゃんと俺と向き合ってくれて、嬉しかったよ」

洋平君は、優しく笑う。

「・・・ねこちゃんといれて、楽しかったし」

言いながら洋平君は、私の頭をわしゃわしゃと撫でた。

(・・・何でこんなに)
 

⏰:07/12/08 09:00 📱:N901iC 🆔:YQl3TXec


#503 [あんみつ]
 
「・・・て、こら泣くなよ」

洋平君に言われて、自分が泣いてることに気付いた。

洋平君は、袖で涙を拭ってくれる。

「・・・洋平君、優しすぎだよー・・・」

温かい。

洋平君の優しさに、また救われた。
 

⏰:07/12/08 09:02 📱:N901iC 🆔:YQl3TXec


#504 [あんみつ]
 
「泣くなって・・・また、ほっとけなくなるから」

洋平君の言葉に、私は目を見開いた。

照れ臭そうに笑う洋平君。

「ほら、笑え!!」

後悔も、不安も吹き飛ばす、洋平君の笑顔。


傷つけてないはずない。

けど、それでも笑ってくれる。

優しい人、強い人。

 

⏰:07/12/08 09:05 📱:N901iC 🆔:YQl3TXec


#505 [あんみつ]
 

たくさん傷つけてごめん。

1番じゃなくてごめん。

支えてくれて、ありがとう。

この気持ちに気付かせてくれて、ありがとう。

 

⏰:07/12/08 09:07 📱:N901iC 🆔:YQl3TXec


#506 [あんみつ]
 

「・・・ありがと」

私は涙を拭うと、笑った。
それを見て洋平君は、私の頭をぽんぽんと叩く。

「・・・どうしてもつらくなったら、言いなよ。聞くからさ」

そう言うと、洋平君は立ち上がった。

「・・・じゃ、またな!!」

私が返事をしないうちに、洋平君は校舎に向かって走って行った。
 

⏰:07/12/08 09:09 📱:N901iC 🆔:YQl3TXec


#507 [あんみつ]
 
(・・・ありがとう)


本当に、本当にありがとう。


「・・・ありがとう」

洋平君の背中に向かって、もう一度つぶやいた。

 

⏰:07/12/08 09:10 📱:N901iC 🆔:YQl3TXec


#508 [あんみつ]

18話は以上です
やっと500達成しました
感想くれると嬉しいです
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2685/

⏰:07/12/08 09:21 📱:N901iC 🆔:YQl3TXec


#509 [あんみつ]
19、どうすることも


洋平君が笑ってくれるから、私も笑えた。

『健二が好き』

言葉にしたら、気持ちがまた大きくなった気がした。

届かない想いが、苦しくて、切なくて、泣きそうになった。

⏰:07/12/16 16:01 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#510 [あんみつ]
 
・・・届かない。

分かってる。

けど、それでも誤魔化せなかった、止められなかった。

自覚して、どんどん大きくなるこの気持ち。

届かない。

なのに、優しい人を傷付けて、私はこれから、どうすればいいんだろう。

どうしたいんだろう。

.

⏰:07/12/16 16:14 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#511 [あんみつ]
――――――――


「私・・・洋平君と別れた」

「・・・え」

放課後の屋上。

私の言葉に、奈津美は目を丸くした。

「・・・いつ??」

「昨日の、放課後」

奈津美の質問に短く返して、私は奈津美の横に座った。

⏰:07/12/16 16:16 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#512 [あんみつ]
 
フェンス越しに見下ろすグラウンドに、帰って行く生徒や部活の準備をする野球部が見える。

奈津美が隣に座った私を見る。

「・・・何か、ね」

奈津美が何か言う前に、私は口を開いた。

⏰:07/12/16 16:19 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#513 [あんみつ]
 
佐古さんに言われたこと、健二と待ち合わせたこと、健二が来なかったこと。

それと、自覚した私の気持ち。

どうしようもない、私の気持ち。

たどたどしい私の話を、奈津美は黙って聞いてくれた。

話し終えると、私は再び立ち上がった。

⏰:07/12/16 16:21 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#514 [あんみつ]
 
野球部のかけ声が聞こえる。

「・・・ねぇ」

奈津美も立ち上がる。

私を見る奈津美は、泣きそうな目をしていた。

「ねこ・・・これからどうするの??」

.

⏰:07/12/16 19:42 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#515 [あんみつ]
 

『どうするの??』

『どうしたいの??』


気持ちを自覚した日から、何度も何度も、自分に聞いた。

けど・・・

.

⏰:07/12/16 19:54 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#516 [あんみつ]
 

「・・・どうしようもない、かな」

泣きそうな奈津美に、私はへらっと笑って見せた。

「佐古さんとも約束したし・・・健二にも離れられちゃったし」

.

⏰:07/12/16 19:56 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#517 [あんみつ]
 

そう。

私は動けない。

健二に「好き」と言えない。

言ってはいけない。

言ったところで・・・健二にとって私は幼なじみ。

.

⏰:07/12/16 20:00 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#518 [あんみつ]
 

「・・・けど、こんな気持ちのまま、洋平君と付き合えないから」


きっとこの先も、健二を1番に思う気持ちは変わらないから。

むくわれなくても。

離れても。

.

⏰:07/12/16 20:05 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#519 [あんみつ]
 

「・・・うん」

奈津美はうつむいた。

光に透けて茶色っぽい奈津美の髪が、横顔をおおう。

「・・・ねこ、バカだよ」

「・・・うん、バカかも」

カキンッ

バットにボールが当たる金属音が響いた。

⏰:07/12/16 20:29 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#520 [あんみつ]
 
「・・・ふっ」

奈津美の体が揺れた。

そして、うつむいていた顔が上がる。

「バカでも好きだよー、ねこ!!」

奈津美の顔は、笑顔だった。

(・・・奈津美)

⏰:07/12/16 20:30 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#521 [あんみつ]
 
「私もバカな奈津美が好きー!!」

私は奈津美の腕をとった。

「じゃぁ付き合っちゃう!?」

「きゃはは!!」


ありがとう、奈津美。

奈津美がいてくれて良かった。

.

⏰:07/12/16 20:32 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#522 [あんみつ]
――――――――


どうしようもない。

どうすることもできない。

佐古さんの幸せを壊す権利、私にはない。

健二の決心を無駄にすること、私にはできない。

⏰:07/12/16 21:45 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#523 [あんみつ]
 
ただ・・・ただ想っているだけ。

それだけ。


・・・健二、大好きだよ。

.

⏰:07/12/16 21:46 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#524 [あんみつ]
19話目は以上です
携帯変えましたがあんみつです
感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2685/

⏰:07/12/16 21:51 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#525 [かず]
今読んだ



あいかわらず先が気になるし展開がまだまだわからんなぁ

これからも見守り続けます

⏰:07/12/18 22:43 📱:D703i 🆔:GWjWcVmk


#526 [サト]
>>312ー550
失礼しました

⏰:07/12/18 23:48 📱:D903i 🆔:N1auFjoI


#527 [あっちゃん]
がんばてください

⏰:07/12/23 01:32 📱:SO903i 🆔:WsU9zKcQ


#528 [あんみつ]
かずさん
来てくれてぁりがと

見守っててくれる
完結に向けて頑張るね

⏰:07/12/23 16:16 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#529 [あんみつ]
サトさん
アンカー(?)ぁりがとうございます

⏰:07/12/23 16:18 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#530 [あんみつ]
あっちゃんさん
ぁりがとうございます
よかったら感想板にも来てみてくださいね

あとで更新します

⏰:07/12/23 16:20 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#531 [あんみつ]
20、「好き」と言ったら。


「健二!!」

今日もあの子が教室に来た。

けど、あの子が会いに来たのは俺じゃない。

「おー、ねこ。ちょっと待って」

あの子が会いに来たのは、竹本健二。

俺の親友。



……………洋平's side…

.

⏰:07/12/23 16:36 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#532 [あんみつ]
「あー洋平。こいつ幼なじみのねこ」

「よろしくー!!」

「あ、どーも」


初めて会ったのは高1の春。

笑顔がかわいい子だなって思った。

今思えば、この時からすでに惹かれていたのかもしれない。

.

⏰:07/12/23 16:38 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#533 [あんみつ]
 

「洋平君、健二いる??」

今日もねこちゃんが教室に来た。

「あ、健二今職員室行ってる。すぐ帰ってくると思うよ」

初めて名前を呼ばれて内心ドキドキな俺は、平静を装って答えた。

「じゃあ待っとくや。ありがと!!」

そう言って、ねこちゃんは廊下の壁にもたれる。

.

⏰:07/12/23 16:40 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#534 [あんみつ]
・・・見つめてしまった。

俺は、彼女を。

肩より少し長い髪。

長いまつげに、小さな泣きボクロまで。

カバンを持ち直し、前髪を整える仕草一つ一つも。

なぜだか、目が離せなくて。

・・・恋に、落ちた。

.

⏰:07/12/23 16:44 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#535 [あんみつ]
 

「ねぇ健二と洋平君って、どうやって仲良くなったの??」

俺の視線に気づいてかねこちゃんが話しかけてきて、俺ははっとした。

(うわ、やば・・・)

「あーえっと、初めの宿泊研修の時に同じ班だったからかな」

話してる間ねこちゃんがじっと見てくるから、俺は顔が赤くなっていないか心配だった。

⏰:07/12/23 16:47 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#536 [あんみつ]
 
「へー。あ、健二あれで道間違えたらしいね」

「そう!!オリエンテーションで。健二が絶対あっちだって言い張るから行ったら、見事迷った」

「ははっ!!」

笑うねこちゃんを見て俺は、やっぱり笑顔かわいいな、なんて思ったりした。

「ま、楽しかったけどな」

話していると思い出して、おかしくてまた笑えた。

⏰:07/12/23 16:53 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#537 [あんみつ]
 
「洋平君」

ねこちゃんが、俺を手招きする。

俺はドキドキしながら、ねこちゃんの隣で同じように壁にもたれた。

「何??」

「いや、通りたそうにしてたから」

そう言ってねこちゃんは、教室のドアの方を指差す。

見ると、クラスの女子が何人か出てきていた。

ドアの前に立っていた俺は、相当邪魔になっていたらしい。

⏰:07/12/23 16:56 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#538 [あんみつ]
 
(・・・なんだ)

「・・・健二、昔も同じようなことしてたよ」

がっかりする俺の気持ちなんか、知る由もないねこちゃんが続ける。

「へー??」

「小2の時にね。何でか忘れたけど、学校の帰りに突然海に行こうってことになって」

「2人で??」

「うん。で、健二が南に行けば着くって言うから、川沿いに歩いて行ってたの。ひたすら」

ねこちゃんは、懐かしそうに話す。

⏰:07/12/23 17:01 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#539 [あんみつ]
 
そんなねこちゃんを見ながら俺は、ねこちゃんに着いてきてもらえる小2の健二を羨ましく思ったりした。

遠い昔のことに、バカみたいだけど。

「けど、海なんか着かないし夜になっちゃって、結局探しにきた親に連れ戻されたの。しかも後から知ったけど、南じゃなくて北に向かってたらしいし」

⏰:07/12/23 17:04 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#540 [あんみつ]
 
「ははっ!!健二って昔から人のこと振り回してたのか」

「ねー!!・・・けど、憎めないんだよね」

そう言ってねこちゃんは、今までで1番かわいく笑った。

・・・ように見えた。

.

⏰:07/12/23 17:07 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#541 [あんみつ]
 

俺の感は当てにならない。

けど、嫌な予感がする。

もし、もしも俺の感が当たっていたら・・・もしかしたら、ねこちゃんは・・・


「あ、健二!!」

「悪い、ねこ。遅くなった」

健二が帰ってきた。

ねこちゃんは、嬉しそうに健二に歩み寄る。

.

⏰:07/12/23 17:09 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#542 [ァリ]
失礼します

<<1-100
<<101-200
<<201-300
<<301-400
<<401-500
<<501-600
<<601-700
<<701-800
<<801-900
<<901-1000

⏰:07/12/23 17:10 📱:P702iD 🆔:m8g6Q5a6


#543 [あんみつ]
 

・・・つらい恋を予感した、高1の夏。

あれから約1年たった。

何度も気になることはあった。

けど、それでも俺は、違うかもしれない、「幼なじみ」としてかもしれない、と甘い期待を抱いていた。

.

⏰:07/12/23 17:11 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#544 [あんみつ]
ァリさん
ぁりがとうございます

⏰:07/12/23 19:49 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#545 [あんみつ]
――――――――


高2の夏。

健二が後輩に告白された。


「健二、振ったんだって??」

放課後、健二と俺が話しているところに割り込んできたのは、同じクラスの岡崎。

多分、佐古さんのことだろう。

確かに健二は先週、告白されたその日に振った。

⏰:07/12/23 21:06 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#546 [あんみつ]
 
「あぁ。・・・てか、何で知ってんの??」

健二が、不思議そうに聞き返す。

「その子、俺の知り合い」

「あー、そうなん??」

「あぁ。俺の部活の後輩と同じクラスの子」

岡崎は真顔で答える。

(・・・知り合い、か??)

「で、どうしても付き合えない??」

突っ込む暇も与えず、岡崎が言った。

⏰:07/12/23 21:08 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#547 [あんみつ]
 
「あぁ」

そっけない健二の返事に、岡崎は小さくため息をつく。

「やっぱ無理か。・・・けど健二、あの子はただの幼なじみだろ??」

あの子は、ねこちゃんのことだろう。

しつこい岡崎に、だんだんと健二の顔が険しくなってくる。

⏰:07/12/23 21:14 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#548 [あんみつ]
 
「・・・ねこは関係ねーよ??」

健二が答える。

無理に作った笑顔が逆に怖い。

確かに岡崎もうるさいが、何があったのか今日の健二は機嫌が悪い。

このまま続けさせるわけにはいかない。

そう思って止めようとすると、後ろのドアのところからねこちゃんが覗いているのが見えた。

⏰:07/12/23 21:19 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#549 [あんみつ]
 
(あ、いいところに)

「おい、健・・・」

「竹本先輩!!」

俺の言葉は、健二を呼ぶ声に遮られた。

声のした方を見ると、前のドアのところで活発そうな女の子が、健二に向かって手を振っている。

「は??何で・・・」

言いながら、健二は岡崎を睨む。

⏰:07/12/23 21:24 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#550 [あんみつ]
 
「俺じゃねーよ!!」

睨まれた岡崎は、慌てて首を横に振る。

(・・・あの子が佐古さんか)

健二の性格からして、いくら機嫌が悪くても無視はできないだろう。

思った通り、ため息をつきながらも、健二は佐古さんの方に向かった。

ねこちゃんには、気づいていない。

⏰:07/12/23 21:48 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#551 [あんみつ]
 
俺が再び後ろのドアのところを見ると、ねこちゃんと目があった。

と思ったら、さっとドアの陰に隠れてしまった。

一瞬見えた顔は、泣きそうだった。

(・・・あ)

俺は立ち上がった。

けど、そこから足が動かない。

.

⏰:07/12/23 21:53 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#552 [あんみつ]
 

追いかけて、俺は何を言うつもりなんだ??

どうするつもりなんだ??

・・・分からない。

けど・・・


(・・・ほっとけない)

俺は教室を飛び出した。

⏰:07/12/23 22:00 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#553 [あんみつ]
 
ねこちゃんは、もう廊下にいない。

俺は廊下を走って、1段飛ばしで階段を駆け下りる。

1階まで下りて、ようやく下駄箱のところに後ろ姿を見つけた。

(・・・あ)

「・・・ねこちゃん!!」

呼んだ。

ねこちゃんが振り向く。

⏰:07/12/23 22:03 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#554 [あんみつ]
 
「・・・洋平君」

声にいつもの元気がない。

(えっと・・・)

「あいつ・・・健二、呼ばなくて良かったの??」

何か言わなきゃと思って出た言葉は、こんなものだった。

「あー・・・うん、たいした用じゃないから」

ねこちゃんが答える。

.

⏰:07/12/23 22:05 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#555 [あんみつ]
 

嘘つくなよ。

いっつも用なくても、一緒に帰ってるじゃん。


「・・・そ??」

けど、これ以上は言えない。

「うん、大丈夫」


どこがだよ。

無理して笑ってんのばればれなんだよ。

.

⏰:07/12/23 22:13 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#556 [あんみつ]
 

「じゃ、ばいばい!!わざわざありがとね」

ねこちゃんが、後ろを向いて帰ろうとする。

「ねこちゃん!!」

俺は無意識のうちに、また呼び止めていた。

ねこちゃんが、ゆっくりと振り返る。

「・・・え??何??」

・・・泣きそうな顔をしていた。

.

⏰:07/12/23 22:14 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#557 [あんみつ]
 

俺は、彼女に何を言おうとしたのだろう。

佐古さん、まだ諦めてないみたいだよ。

・・・言ったらねこちゃんは、健二を諦める??

俺のことを好きになる??

・・・いや、そんなことを言っても、傷つけるだけだ。

悩ませるだけだ。

⏰:07/12/23 22:17 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#558 [あんみつ]
 
健二より、自分のことを好きになってほしい。

けど、ねこちゃんを傷つけたいわけじゃない。

悩ませたいわけじゃない。

それに・・・泣きそうな彼女に、言えるわけがない。

.

⏰:07/12/23 22:18 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#559 [あんみつ]
 

「あ、えっと・・・やっぱ何でもない。・・・てか、健二にはねこちゃんが来てた事、言わない方がいい??」

何でこんなこと言ったのか、自分でも分からない。

ただ、何となくその方がいい気がした。

「あっ・・・うん」

「分かった。じゃ、またな!!」

笑顔で言えた。

⏰:07/12/23 22:20 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#560 [あんみつ]
 
俺はねこちゃんに背を向けて、再び階段を上がっていく。

下駄箱から見えない所まで上がって、俺は立ち止まった。

頭に浮かぶのは、ねこちゃんの泣きそうな顔ばかり。

.

⏰:07/12/23 22:22 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#561 [あんみつ]
 

高2、7月の初め。

確信する。

好きな人の好きな人は、俺の親友。

幼なじみとしてじゃない。

ねこちゃんは・・・健二が好きだ。

.

⏰:07/12/23 22:23 📱:D904i 🆔:6H/vLUkE


#562 [南雲]
>>313-550

⏰:07/12/24 00:42 📱:SH905i 🆔:LPbMPAms


#563 [(´;ω;`)]

<Font Size="-3">
アンカー
>>1-50
>>50-100
>>100-150
>>150-200
>>200-250
>>250-300
>>300-350
>>350-400
>>400-450
>>450-500
>>500-550
>>550-600
>>600-650
>>650-700
>>700-750
>>750-800
>>800-850
>>850-900
>>900-950
>>950-1000</Font>

⏰:07/12/26 00:23 📱:SH905i 🆔:kh3mttDE


#564 [健二]
自分の名前が出てきてビックリした(笑)

⏰:07/12/30 01:55 📱:PC 🆔:tJ6JJp3U


#565 [あんみつ]
南雲さん
(´;ω;`)さん
ありがとうございます

健二さん
感想板の方にお返事しました

明日更新します

⏰:07/12/30 20:48 📱:D904i 🆔:IvjMyUfk


#566 [あんみつ]
――――――――


「・・・はぁー」

「幸せ逃げるぞ」

ねこちゃんが健二のことを好きだと、確信してから1週間。

無意識のうちに出た俺のため息に対して、健二が言った。

(この・・・鈍感)

ガンッ!!

俺は、健二が座っている俺の前の席のイスを、下から蹴った。

⏰:07/12/31 08:51 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#567 [あんみつ]
 
「・・・おい、どした??」

怒るかと思った。

けど健二は、怒るどころか心配そうに言うから、自分のしたことがひどく後ろめたくなった。

「・・・悪い、何でもない」


今のは、ただのやつあたりだ。

健二は悪くない。

・・・分かってる。

けど、心の奥では健二に嫉妬してる自分がいる。

.

⏰:07/12/31 08:53 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#568 [あんみつ]
 

「・・・ふーん??」

それだけ言うと、健二は読んでいた漫画に目を戻した。


健二の機嫌が悪かったのは結局あの日だけで、次の日からはいたって普通の健二だった。

ねこちゃんとも、いつも通り一緒に来て、一緒に帰ったりしている。

.

⏰:07/12/31 08:55 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#569 [あんみつ]
 

「・・・なぁ」

「んー??」

健二は、漫画を読みながら答える。

「佐古さんのこと、どうなった??」

俺は、気になっていたことを聞いた。

.

⏰:07/12/31 08:57 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#570 [あんみつ]
 

あの日、ねこちゃんを追いかけていった後教室に戻ったら、すでに佐古さんはいなかった。

まだ教室にいた健二に聞いたところ、どうやら「諦めません」と言われたらしい。

が、それ以降、佐古さんについての話は何も聞いていない。


俺の問いに、健二の目線がぴたりと止まった。

ゆっくりと漫画を閉じて、俺と向かい合う。

⏰:07/12/31 08:59 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#571 [あんみつ]
 
「・・・それがさ」

いきなり小声で話し出す健二。

「メールやら電話やら来るんだよ」

言いながら健二は、いかにもうんざりという顔をした。

「は??健二、教えたん??」

「教えてねーよ。・・・多分、あいつだろ」

そう言って健二は、黒板の前の辺にいる岡崎に目線をやる。

⏰:07/12/31 09:01 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#572 [あんみつ]
 
(・・・あぁ)

俺は静かに頷く。

健二の様子からして、もう岡崎に問いただすのも面倒らしい。

「初めの内は返事してた・・・つっても、すぐ切ってたんだけど。もうめんどくせー・・・」

健二は、片手で頭を押さえた。

.

⏰:07/12/31 09:03 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#573 [あんみつ]
 

健二が佐古さんになびく様子は、全くない。

少なくとも、今のところは。

健二にとってねこちゃんは幼なじみ。

今までも、今も、多分これからもずっと。

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⏰:07/12/31 09:05 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#574 [あんみつ]
 

健二とねこちゃんを初めて見た時、他の奴と同じように俺も聞いた。

『ただの幼なじみ??好きとかは全くねーの??』

ねこちゃんのことが気になったから。

それもある。

けど、ただ単に不思議に思う気持ちもあった。

ずっと一緒にいて、すごく仲良くて、女として見たことはないのか。

⏰:07/12/31 09:06 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#575 [あんみつ]
 
『好きだよ。大事な幼なじみとしてな』

そう言って健二は、照れくさそうに笑った。

あの健二の笑顔に、嘘はない。

けど、それは、ねこちゃんの想いは叶わないってことで。

多分、ねこちゃんもそれを分かってるから。

だから、健二に気持ちを伝えれないんだろう。

「好き」と言ったら、関係が壊れてしまう気がして。

⏰:07/12/31 09:08 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#576 [あんみつ]
 
・・・じゃあ、俺は??

俺は、ねこちゃんが好きだ。

ねこちゃんは、健二が好きだ。

俺の想いは叶わない。

・・・だけど、本当にそれだけなのか??

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⏰:07/12/31 13:34 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#577 [あんみつ]
 

「・・・でさ、さっき、今日の放課後、話があるから残っててってメール来たんだけど」

健二の言葉で、俺は一気に現実に引き戻された。

「・・・は??て、佐古さんから??」

間の抜けた声が出た。

「あぁ。・・・まぁ俺も、このままなわけにもいかねーし」

健二は、声のことには触れずに言う。

⏰:07/12/31 13:37 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#578 [あんみつ]
 
(・・・まぁな。・・・てか)

「・・・それ、ねこちゃんには??」

「・・・あぁ、先帰っといてって言わねーとな」

健二の答えは、俺が聞いた内容とは多少ずれている。

が、分かった。

ねこちゃんにはまだ言ってないらしい。

俺は心の中で、胸をなで下ろした。

⏰:07/12/31 13:39 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#579 [あんみつ]
 
(それなら・・・)

「俺が言っといてやるよ」

「は??何で洋平が・・・」

「いーから!!言っといてやるって」

半ば無理矢理、健二をうなずかせた。


・・・何、必死になってんだ俺。

.

⏰:07/12/31 13:40 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#580 [あんみつ]
――――――――


放課後。

俺は急いで、ねこちゃんのクラスに向かう。

ねこちゃんが健二の所に行かないうちに、早く。

健二ははっきり言うつもりらしい。

けど、話の内容どーこーより、健二と佐古さんが一緒にいるのを見せたくなかった。

傷つく顔を見たくなかった。

.

⏰:07/12/31 14:42 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#581 [あんみつ]
 

ドンッ!!

「きゃ!!」

「わっ、ごめん!!大丈夫??」

廊下の曲がり角の所で誰かにぶつかって、俺はとっさに言った。

「あー、やっぱり洋平君」

聞くだけで鼓動が速くなる、この声。

下を向くと、思った通り、そしてタイミング良くねこちゃんがいた。

隣にねこちゃんの友達もいる。

⏰:07/12/31 14:45 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#582 [あんみつ]
 
「あれ??ねこちゃん。ごめん、大丈夫??」

平静を装って聞く俺。

「うん、全然平気。どしたの??急いで」

「あー、ちょっとねこちゃんに用があって」

「私??」

「健二が・・・何か用できたから先帰っててって」

俺は、何度も頭の中で練習した言葉を言う。

「そうなんだ・・・分かった。ありがと」

ねこちゃんは一瞬残念そうな顔をしたが、すぐ笑顔で言った。

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⏰:07/12/31 15:01 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#583 [あんみつ]
 

・・・嘘は言ってない。

が、隠し事はしてる。

何だか罪悪感がある。


「うん。・・・ねこちゃん、もう、すぐ帰る??」

「うん、帰るけど??何??」

「いや、別に。お気を付けて!!」

俺は、隠し事がばれないうちに立ち去った。

⏰:07/12/31 15:03 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#584 [あんみつ]
 
これで、とりあえずは安心だ。

そう思いながら、俺は少し遠回りして下駄箱に向かう。

下駄箱に着いた時、ちょうどそこから出て行こうとする、見覚えのある後ろ姿があった。

(あれ・・・)

「・・・ねぇ!!」

声をかけて、その子が振り向く。

「あれ??えっと、洋平君??」

.

⏰:07/12/31 15:08 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#585 [あんみつ]
 

やっぱり。

さっき、ねこちゃんの隣にいた友達だ。

以前、少しだけ話をしたことがある。

どうして・・・


「1人??ねこちゃんは??」

隣にねこちゃんは、いない。

「あー、何か忘れ物したから先に帰ってって」

(・・・まじかよ)

「ありがと!!」

俺はそう言って、急いで戻ろうとした。

⏰:07/12/31 16:04 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#586 [あんみつ]
 
(・・・あ)

「えっと、木原さんばいばい!!」

思い出した名前を言って、俺は走り出した。


嫌な予感がする。

早く、早く。

どうか、間に合いますように。

.

⏰:07/12/31 16:10 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#587 [あんみつ]
 

階段を駆け上がって、廊下の曲がり角を曲がる。

「・・・はぁ」

俺の願いも虚しく、見えたのは、避けたかった光景。

2組のドアの所に立つ、ねこちゃんの後ろ姿だった。

(・・・くそっ)

小さく舌打ちをして、俺は素早く、けど静かにねこちゃんに近づく。

⏰:07/12/31 16:41 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#588 [あんみつ]
 
ねこちゃんは少しも動かない。

近くまできて、俺はねこちゃんの手首を掴んで引っ張った。

その時かすかに聞こえたのは、佐古さんの声。

俺は、ねこちゃんの手を引いて走った。

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⏰:07/12/31 16:43 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#589 [あんみつ]
――――――――


走って、階段を上がって屋上に出た。

「・・・はぁ・・・はぁ」

俺に合わせて無理に走らせたから、ねこちゃんは息が上がっている。

俺は掴んでいた手首を放して、初めてねこちゃんの方を見た。

が、顔を見る前にねこちゃんはしゃがみこんでしまった。

⏰:07/12/31 21:45 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#590 [あんみつ]
 
「・・・すぐ帰るって言ってたのに。・・・何で戻って来ちゃったんだよ」

そう言って俺も、隣に腰を下ろす。

そして、自分の腕に顔をうずめているねこちゃんの頭を撫でた。

「・・・うっ・・・ひっく・・・」

ねこちゃんの体が震える。

.

⏰:07/12/31 21:47 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#591 [あんみつ]
 

悲しんでる顔を見たくなかった。

もちろん、泣いている顔も。

けど、君は泣いてる。

俺じゃない。

健二のために。


俺は、ずっとねこちゃんの頭を撫でていた。

「・・・家まで送るよ」

日が沈みかけた頃、俺は落ち着いたねこちゃんに言った。

.

⏰:07/12/31 21:49 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#592 [あんみつ]
 

アスファルトに並んで伸びる、2つの影。

ねこちゃんと並んで歩くことに、すごくドキドキしてる。

けど、ねこちゃんの腫れた目を見る度に、胸が締め付けられた。

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⏰:07/12/31 21:50 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#593 [あんみつ]
 

・・・何でだよ。

「幼なじみ」だから??

だから、「好き」と言えない??

「好き」と言ったら、壊れてしまうから??

ずっと、気持ちを心の中に隠したまま??

・・・そんなのやめちゃえよ。

そんなつらい恋、やめちゃえよ。

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⏰:07/12/31 21:52 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#594 [あんみつ]
 

・・・じゃあ、俺は??

好きな人には、好きな人がいるから??

だから、「好き」と言わない??

このまま・・・やめれるのか??

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⏰:07/12/31 21:54 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#595 [あんみつ]
 

「・・・あのっ、もうこの辺でいいよ」

沈黙を破って、ねこちゃんが言った。

「・・・そう??」

「うん。・・・今日は、本当にありがとう」

そう言って、力なく笑う。

「うん・・・」

俺はしぶしぶ、自転車カゴからねこちゃんのかばんを取る。

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⏰:07/12/31 21:55 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#596 [あんみつ]
 

・・・やめれるわけがない。

そんな簡単な気持ちじゃない。

好きなんだ。

大好きなんだ。

笑っていてほしい。

笑わせてあげたい。

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⏰:07/12/31 21:57 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#597 [あんみつ]
 

「・・・洋平君??」

なかなかかばんを離さない俺に、ねこちゃんが不思議そうな顔で言った。

俺は、地面を見た。


「好き」と言ったら、それで終わりかもしれない。

けど、俺は・・・

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⏰:07/12/31 21:59 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#598 [あんみつ]
 

「・・・もう、健二のために泣くなよ」

「・・・え??」

俺は顔を上げて、ねこちゃんを見た。

「ねこちゃんに泣いてほしくないんだ」

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⏰:07/12/31 22:01 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#599 [あんみつ]
 

「好き」と言ったら、終わってしまうかもしれない。

けど・・・「好き」と言わないまま、終われない。

もう、放っておけない。

だったら・・・


「・・・好きなんだ」

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⏰:07/12/31 22:02 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


#600 [あんみつ]
 

言わないままじゃ、終われない。

だったら、賭けてみようと思ったんだ。


「俺は、ねこちゃんの事が好きだ」


・・・「好き」と言ったら、その先に「終わり」じゃない何かがあるって、信じたかった。

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⏰:07/12/31 22:04 📱:D904i 🆔:iTVZMdxU


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