「好き」と言いたい。
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#700 [あんみつ]
(・・・あ)
「ごめん!!大丈夫??」
洋平君だ。
ねことぶつかったのは、洋平君だった。
久しぶりに見るその姿に、私は思わず固まった。
.
:08/01/27 17:06
:D904i
:NhPeZHpY
#701 [あんみつ]
何度か見かけたこともあった。
けど、向こうは私になんか気付かなかった。
気付いたとしても、話すほど仲良くないし、私から話しかける理由もない。
きっと、名前も知られてない。
.
:08/01/27 17:08
:D904i
:NhPeZHpY
#702 [あんみつ]
(・・・夏服だ)
ねこと何やら話す洋平君。
うっすら聞こえた話だと、健二君が用ができたのでねこに先に帰ってて、と伝えに来たらしい。
・・・洋平君の姿が、いつかの自分と重なった。
(洋平君も・・・ねこに会いたくて来たのかな)
.
:08/01/27 17:09
:D904i
:NhPeZHpY
#703 [あんみつ]
ねこと私が一緒にいる時は、洋平君はねこに話しかけた。
・・・当たり前なんだけど。
やっぱりねこか、って実感した。
.
:08/01/27 17:11
:D904i
:NhPeZHpY
#704 [あんみつ]
話が終わって、洋平君は走っていってしまった。
「ごめんね、奈津美」
ねこが私の方に向き直り、手を合わせる。
「いいよいいよ。健二君いないなら、途中まで一緒に帰ろ」
.
:08/01/27 17:12
:D904i
:NhPeZHpY
#705 [あんみつ]
ねこと話す時の洋平君の嬉しそうな顔が、頭に浮かぶ。
やっぱねこなんだ・・・って。
洋平君は、ねこが健二君を好きなことに気付いてるのかな?
「・・・奈津美??」
「へ!?ごめん、何??」
ねこの呼ぶ声で、私はハッとした。
:08/01/27 17:16
:D904i
:NhPeZHpY
#706 [あんみつ]
「いや・・・どしたの??奈津美がぼーっとしてるの珍しい」
ねこが、心配そうに言う。
「そう??どうも英語の時から眠くて」
私は目をこすりながら言って、笑ってごまかした。
「あの先生の授業眠いもんねー。・・・あっ!!」
ねこが、何か思い出したように急に立ち止まった。
:08/01/27 17:18
:D904i
:NhPeZHpY
#707 [あんみつ]
「えっどしたの??」
「教室に英語の教科書忘れた!!取ってくる!!奈津美電車でしょ??先帰ってていいよ!!」
言いながらねこは、回れ右をする。
:08/01/27 17:20
:D904i
:NhPeZHpY
#708 [あんみつ]
私は時計を見た。
確かに、次の電車には少し急がなきゃ間に合いそうにない。
「分かったー。じゃ、ばいばーい」
私が言うと、ねこは階段を上がって行った。
その背中を見送って、私は残りの階段を下り始める。
.
:08/01/27 17:21
:D904i
:NhPeZHpY
#709 [あんみつ]
・・・洋平君は、気付いてる気のかな?
ねこが、健二君を好きだって。
もしそうだとしたら、叶わないって分かってるから。
だから今も、「好き」と言わない・・・「好き」と言えないんじゃないだろうか。
けど・・・それでも想っていられるんだ。
それだけ、ねこのことが好きなんだ。
.
:08/01/27 17:22
:D904i
:NhPeZHpY
#710 [あんみつ]
「・・・ねぇ!!」
下駄箱で靴を履き替えようとすると、後ろから声がした。
(え・・・この声)
私は振り向く。
そこには、洋平君がいた。
洋平君が、私を見ている。
ねこじゃない、私を。
:08/01/27 17:24
:D904i
:NhPeZHpY
#711 [あんみつ]
「あれ??えっと、洋平君??」
本当は、すごく動揺してた。
けど私は、平静を装って言う。
「1人??ねこちゃんは??」
洋平君のその言葉を聞いて、私は自分の中がすーっと静かになっていくのが分かった。
:08/01/27 17:26
:D904i
:NhPeZHpY
#712 [あんみつ]
(・・・ねこ、か)
「あー、何か忘れ物したから先に帰っててって」
普通に言えたと思う。
「ありがと!!」
洋平君は、急いで言った。
.
:08/01/27 17:27
:D904i
:NhPeZHpY
#713 [あんみつ]
・・・馬鹿だ、私。
分かってるのに。
洋平君にとって私は、ねこの友達。
好きな人の友達。
分かってるのに。
何か、期待してる自分がいた。
・・・好きじゃ、ないのに。
:08/01/27 17:29
:D904i
:NhPeZHpY
#714 [あんみつ]
その時、戻ろうとしていた洋平君が、またこっちに振り向いた。
(・・・何)
そう思っても、もう期待なんかしない。
どうせ、ねこだし。
「えっと、木原さんばいばい!!」
それだけ言うと、洋平君は走って戻って行った。
:08/01/27 17:31
:D904i
:NhPeZHpY
#715 [あんみつ]
私はびっくりして何も言えずに、ただその後ろ姿を消えるまで見ていた。
(・・・今)
木原さんって。
私の名前・・・知っててくれたんだ。
私は、その場に立ったまま口を押さえた。
.
:08/01/27 17:32
:D904i
:NhPeZHpY
#716 [あんみつ]
・・・やばい、すごい嬉しい。
一瞬で、胸が熱くなった。
ドキドキする。
『木原さんばいばい!!』
洋平君の声が、耳の中でこだまする。
.
:08/01/27 17:33
:D904i
:NhPeZHpY
#717 [あんみつ]
(・・・どうしよう)
認めるしかない。
やっぱり私・・・
・・・洋平君のこと、好き。
.
:08/01/27 17:35
:D904i
:NhPeZHpY
#718 [(^_^)v]
:08/01/28 09:23
:W43SA
:NkfZXrow
#719 [あんみつ]
(^_^)vさん


ありがとうございます

私自身、最後どうなるかよく分かりません

が、頑張りますね


:08/02/04 14:59
:D904i
:3rx2w3Sc
#720 [あんみつ]
――――――――
好きになったからって、どうにかなるもんでもない。
それは分かってるから。
言うつもりなんて、ない。
ただ、想っているだけ。
ずっと、そうだと思ってた。
.
:08/02/04 15:01
:D904i
:3rx2w3Sc
#721 [あんみつ]
「・・・私・・・洋平君に告白されたの」
ねこの言葉を聞いた時、驚いた。
洋平君も同じだと思ってたから。
叶わないって分かってるから、「好き」と言わない私と。
けど・・・洋平君は、ねこに「好き」と言った。
想ってるだけの私とは、違ったんだ。
.
:08/02/04 15:07
:D904i
:3rx2w3Sc
#722 [あんみつ]
「・・・前に進みたいの。だから・・・洋平君のこと、もっと知りたいって、好きになりたいって。洋平君にもそう言った」
ねこは自分の気持ちを、少しずつ言葉にしていく。
聞きながら私は、自分の体がまるで自分のじゃないように、重くなっていくのを感じた。
.
:08/02/04 15:09
:D904i
:3rx2w3Sc
#723 [あんみつ]
信じられなかった。
信じたくなかった。
洋平君の恋は叶うわけないって、本気で思ってた。
ねこが好きなのは健二君で、その気持ちがとても大きなものなのも分かってたから。
けど、ねこは・・・洋平君のことを前向きに考えようとしてる。
.
:08/02/04 15:21
:D904i
:3rx2w3Sc
#724 [あんみつ]
「・・・洋平君と付き合うの??」
やっとの思いで聞いた。
「・・・前向きに考えるって、言ったから」
「・・・そっか」
ねこの言葉にそれだけ言って、私は少し目を閉じた。
:08/02/04 15:35
:D904i
:3rx2w3Sc
#725 [あんみつ]
静かに息を吸って、目を開く。
そして、言った。
「ねこが決めたなら・・・応援するよ!!」
私、ちゃんと笑って言えたかな??
.
:08/02/04 15:37
:D904i
:3rx2w3Sc
#726 [あんみつ]
――――――――
ねこを送り出して、私は部屋に戻った。
力なく床に座りこむ。
・・・なんで??
ねぇ、なんで??
ねこが好きなのは健二君でしょ??
・・・なんで洋平君なの??
本当は、そう言いたかった。
.
:08/02/04 15:41
:D904i
:3rx2w3Sc
#727 [あんみつ]
「・・・ひっ」
涙がこぼれた。
好きなのに。
私が、洋平君のこと好きなのに。
本当は、そう言って泣きたかった。
けど・・・できなかった。
.
:08/02/04 15:43
:D904i
:3rx2w3Sc
#728 [あんみつ]
私の気持ちを知ったらねこは、洋平君と付き合うのをやめただろう。
けど、洋平君にとって私の気持ちは、邪魔なだけだろう。
それで私は??
・・・結局、「好き」なんて言えないんだ。
「・・・ひっ・・・」
涙が止まらない。
.
:08/02/04 15:44
:D904i
:3rx2w3Sc
#729 [あんみつ]
本当は、「好き」と言いたかった。
ずっと・・・言わないんじゃなくて、言えなかったんだ。
これまでも、今も、これからも。
誰にも言えない、私の恋。
・・・「好き」と言えない、私の恋。
.
:08/02/04 15:46
:D904i
:3rx2w3Sc
#730 [ちぃ]
:08/02/04 16:41
:SH903i
:/zgMCyzw
#731 [
]
:08/02/08 20:43
:N903i
:☆☆☆
#732 [あんみつ]
ちぃさん


さん

ありがとうございます

前に書いたことを見直したりしたいので、私も助かります

:08/02/10 21:51
:D904i
:Uox4g7JM
#733 [あんみつ]
――――――――
誰にも言えない恋は、思っていたよりもずっと辛くて・・・切なかった。
何でねこなの?
何で洋平君なの?
答えなんか出ないのに、心の中で何度も繰り返した。
分かってる。
ただの嫉妬だ。
.
:08/02/10 21:53
:D904i
:Uox4g7JM
#734 [あんみつ]
・・・ごめん、ねこ。
本当のことを言えなくて。
心の底から応援できなくて。
けど、ねこの幸せは本気で祈ってるんだよ?
.
:08/02/10 21:54
:D904i
:Uox4g7JM
#735 [あんみつ]
――――――――
「私・・・洋平君と別れた」
「・・・え」
まだ夏の暑さが残る9月後半。
ねこの口から出た言葉に、私は驚きを隠せなかった。
ねこは、何があったか、自分の気持ち、たどたどしくも私に話した。
ねこはやっぱり、健二君が好きなんだ。
.
:08/02/10 21:57
:D904i
:Uox4g7JM
#736 [あんみつ]
「ねこ・・・これからどうするの??」
「・・・どうしようもない、かな」
私の問いにねこは、まるで何でもないように、笑って答えたけど、何でもないわけがない。
ずっと、ずっと思っているだけ。
ねこ・・・それは、つらい恋だよ?
.
:08/02/10 22:01
:D904i
:Uox4g7JM
#737 [あんみつ]
今までだって、充分つらい思いしてきたでしょ?
なのにまた・・・。
・・・「好き」と言えない恋。
私と・・・同じ。
.
:08/02/10 22:04
:D904i
:Uox4g7JM
#738 [あんみつ]
「・・・ねこ、バカだよ」
「・・・うん、バカかも」
洋平君が、ねこのこと好きって言ってるんだよ?
それでも・・・健二君なんだ。
それだけ、好きなんだ。
.
:08/02/10 22:06
:D904i
:Uox4g7JM
#739 [あや]
:08/02/10 22:07
:SH903i
:2CTJcEBw
#740 [あんみつ]
何で?
心の中で、何度も繰り返した。
けど私も・・・何で洋平君なの?
つらい恋って分かってても、何でやめられないの?
・・・それだけ、好きなんだ。
.
:08/02/10 22:11
:D904i
:Uox4g7JM
#741 [あんみつ]
:08/02/10 22:16
:D904i
:Uox4g7JM
#742 [あんみつ]
「バカでも好きだよー、ねこ!!」
私も、ねこと一緒。
私たちって似たもの同士。
そう気付いたら、なんだか笑えた。
「私もバカな奈津美が好きー!!」
ねこの笑顔が、やけにまぶしく感じた。
.
:08/02/10 22:18
:D904i
:Uox4g7JM
#743 [あんみつ]
:08/02/10 22:36
:D904i
:Uox4g7JM
#744 [我輩は匿名である]
:08/02/13 23:54
:D904i
:MP6F5wP6
#745 [ぴょん]
おもしろーい
から
あげ
:08/02/17 03:33
:SH703i
:☆☆☆
#746 [
]
:08/02/17 19:06
:SH903iTV
:RG4tanRE
#747 [あんみつ]
匿名さん

ぴょんさん


さん

ありがとうございます(;ω;)

あげてくれてめっちゃ嬉しいです


今から更新します

:08/02/17 21:37
:D904i
:qB07UDiI
#748 [あんみつ]
――――――――
ねこが洋平君と別れて1週間。
誰にも言えない私の恋は、継続中。
「失礼しましたー」
課題を提出して、私は職員室から出た。
階段を下りて、下駄箱に向かう。
.
:08/02/17 21:40
:D904i
:qB07UDiI
#749 [あんみつ]
ねこは私に、自分の気持ちを正直に話してくれる。
私も、本当は話したい。
ねこに、私の気持ち全部。
自分の中だけに押し込めているのは、やっぱりつらい。
けど・・・言えない。
.
:08/02/17 21:42
:D904i
:qB07UDiI
#750 [あんみつ]
私の気持ちを知ったらねこは、私に悪いことをしたと思うかもしれない。
そしたら、私も嫌だ。
それに、つらい恋をしているねこに、これ以上気をもますようなことを言いたくなかった。
だから、言えない。
少なくとも、今は。
.
:08/02/17 21:43
:D904i
:qB07UDiI
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