「好き」と言いたい。
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#250 [あんみつ]
私の耳だけでなく、全身を熱くしたその言葉は、私は進んでるという、確かな確信をくれた。
きっと、もっと好きになる。
洋平君の手を、ギュッと握り返し、私は上を見上げた。
:07/08/23 17:21
:N901iC
:d/x858V.
#251 [あんみつ]
どうか、私の選んだ言葉が、行動が、進む道が、間違っていませんように。
流れ星の代わりに、夜空に咲く花に祈った。
:07/08/23 17:22
:N901iC
:d/x858V.
#252 [あんみつ]
:07/08/23 17:27
:N901iC
:d/x858V.
#253 [あんみつ]
11、祭りの後に
私が健二に告白しようとした、あの七夕の日。
あれから、丁度1ヵ月。
8月7日。
私は、洋平君と付き合うことを決めた。
:07/08/30 10:22
:N901iC
:cFsPMBtA
#254 [あんみつ]
――――――――
「送ってくれて、ありがとね」
「うん・・・連絡する」
洋平君は、握った手をなかなか離そうとしない。
「・・・うん」
私が答えると、洋平君は手を離した。
:07/08/30 10:25
:N901iC
:cFsPMBtA
#255 [あんみつ]
「じゃーな!!」
そう言って、私に背を向ける。
「バイバイ!!」
背中に向かって言うと、洋平君は振り向いて、笑顔で右手を軽く挙げた。
私は、洋平君が曲がり角を曲がるまで、その後ろ姿を見ていた。
:07/08/30 10:26
:N901iC
:cFsPMBtA
#256 [あんみつ]
何だか、不思議な感じ。
私、洋平君と付き合うんだなぁって、あらためて思った。
こうやって、前に進むんだなぁって。
(・・・家入ろっかな)
私は、家の門に手を掛けて、ふと上を見た。
:07/08/30 10:28
:N901iC
:cFsPMBtA
#257 [あんみつ]
「・・・わー」
思わず声が出た。
今日は、月がきれいだ。
私は、門の所の段差に座って、月を見上げた。
(・・・あの日は、曇ってたな)
:07/08/30 10:30
:N901iC
:cFsPMBtA
#258 [あんみつ]
『16年の付き合いなめんなよ』
そう言ったのは、健二。
・・・16年だよ??
16年も一緒にいて、今まで、1ヵ月近く話さないなんて事なかった。
こんなになるなんて、思ってなかった。
・・・私が悪いんだけど。
:07/08/30 10:32
:N901iC
:cFsPMBtA
#259 [あんみつ]
けど、やっぱり、戻りたい。
邪魔な気持ち、全部捨てて、ただの「幼なじみ」に。
私、もう迷わないから。
このままは嫌だよ。
:07/08/30 10:33
:N901iC
:cFsPMBtA
#260 [あんみつ]
ザッザッ
誰かの足音が聞こえる。
私は、音のする方を見た。
(・・・あ)
健二だ。
向こうから、健二が歩いてくる。
佐古さんは、いない。
:07/08/30 10:34
:N901iC
:cFsPMBtA
#261 [あんみつ]
(え・・・うそ)
私は、下を向いた。
足音が、だんだん近づいてくる。
(どうしよ・・・)
ドクドクと、自分の心臓の音が聞こえる。
・・・そのまま、健二は私の前を通り過ぎた。
:07/08/30 10:36
:N901iC
:cFsPMBtA
#262 [あんみつ]
足音が遠ざかっていく。
私はそっと顔を上げて、健二の後ろ姿を見た。
行ってしまう。
・・・いいの??
このままでいいの??
何も言わなくていいの??
:07/08/30 10:39
:N901iC
:cFsPMBtA
#263 [あんみつ]
私、前に進んでるよ。
健二の幸せを、祈れるよ。
邪魔な気持ちは、捨てる。
だから、戻りたい。
「幼なじみ」に戻りたい。
・・・ねぇ、健二は??
:07/08/30 10:41
:N901iC
:cFsPMBtA
#264 [あんみつ]
私は、立ち上がった。
(・・・健・・・二)
「っ・・・健二!!」
呼び止めた。
健二が、前を向いたまま止まった。
そして、ゆっくりと振り向く。
:07/08/30 10:43
:N901iC
:cFsPMBtA
#265 [あんみつ]
(あ、どうしよ・・・何て言おう)
顔が熱い。
健二が、完全に私の方を向いた。
足が震える。
健二の顔を正面から見るのも、久しぶりだ。
月と電灯の明かりの下、健二は無表情で私を見る。
:07/08/30 10:44
:N901iC
:cFsPMBtA
#266 [あんみつ]
私は何か言おうと口を開くが、言葉がでない。
視界がにじむ。
今、泣いたらダメだ。
ダメなのに・・・。
私は、目をギュッとつむり、手を握り締めた。
(何で・・・)
:07/08/30 10:47
:N901iC
:cFsPMBtA
#267 [あんみつ]
「・・・おせーんだよ、たこ」
健二の声だ。
私が驚いて目を見開くと、健二は優しく微笑んだ。
変わらない笑顔。
:07/08/30 10:50
:N901iC
:cFsPMBtA
#268 [あんみつ]
あぁ、健二だ。
話してくれた。
私を、ちゃんと見てくれてる。
「・・・うぇ」
泣いたらダメだと思うのに、健二の笑顔を見ると、涙がこぼれた。
:07/08/30 10:51
:N901iC
:cFsPMBtA
#269 [あんみつ]
「おい、何泣いてんだよ」
そう言って、健二が私に近づく。
「ひっ・・・健・・・二」
「ん??」
「・・・ごめん、ね」
:07/08/30 10:52
:N901iC
:cFsPMBtA
#270 [あんみつ]
健二、ごめんね。
こんな風に、泣いちゃって。
避けて、向き合えなくて、ごめんね。
健二、ありがとう。
こんな私を、見離さないでくれて。
:07/08/30 10:55
:N901iC
:cFsPMBtA
#271 [あんみつ]
伝えたい事は、たくさんあるんだよ。
上手く言葉にできないけど。
ねぇ、健二。
私たち、幼なじみに戻れるの??
:07/08/30 10:56
:N901iC
:cFsPMBtA
#272 [あんみつ]
「・・・俺も、ごめんな」
(違う・・・健二が悪いんじゃない)
私は、首を横に振った。
健二が、ゆっくり右手をあげる。
バチッ!!
「いったー!!?」
私は、おでこを押さえた。
:07/08/30 10:58
:N901iC
:cFsPMBtA
#273 [あんみつ]
頭を撫でられるかと思ったら、デコピンされた。
「いつまで泣いてんだよ!!」
笑いながら、健二は門の前に座る。
・・・そっか、佐古さんがいるんだもん。
私の頭なんか、撫でちゃダメだよね。
:07/08/30 10:59
:N901iC
:cFsPMBtA
#274 [あんみつ]
私も健二の横に座る。
痛みのお陰で、涙は止まったみたいだ。
私は、また月を見上げる。
もう、大丈夫。
「・・・健二、佐古さんと付き合ってんだよね??」
:07/08/30 11:01
:N901iC
:cFsPMBtA
#275 [あんみつ]
ずっと、健二に聞きたかった事。
聞けなかった事。
だけど、今なら大丈夫。
だから・・・答えて、健二。
健二も、私と同じように上を見ている。
「・・・あぁ」
健二がうなずいた。
:07/08/30 11:04
:N901iC
:cFsPMBtA
#276 [あんみつ]
・・・今度は、ごまかさずに言ってくれたね。
ちゃんと、健二の口から聞けた。
きっと、洋平君と付き合う前の私だったら、受けとめられなかった。
けど、今なら、受け入れられるよ。
:07/08/30 11:06
:N901iC
:cFsPMBtA
#277 [あんみつ]
「ねこは・・・洋平と付き合ってんだろ??」
健二が聞いてきた。
隠すことはない。
私も、真っすぐ返さなきゃ。
:07/08/30 11:07
:N901iC
:cFsPMBtA
#278 [あんみつ]
「・・・うん」
私が答えると、健二は私の肩を軽く叩いた。
「洋平、いい奴だからな!!」
笑顔で言う健二の手を、私は押し返した。
「分かってるよー。・・・健二も!!佐古さん大事にしてあげなよ!!」
私も、笑って言えた。
:07/08/30 11:09
:N901iC
:cFsPMBtA
#279 [あんみつ]
「おう!!・・・なぁ、ねこ」
「ん??」
私は、健二の方を見る。
「俺・・・ねこには、幸せになってほしいって、思ってるから」
言い切ると、健二は立ち上がった。
:07/08/30 11:10
:N901iC
:cFsPMBtA
#280 [あんみつ]
(・・・健二)
まぶたの裏が、熱くなった。
けど、それ以上に胸が熱くなった。
「・・・私もだよ!!」
:07/08/30 11:11
:N901iC
:cFsPMBtA
#281 [あんみつ]
――――――――
健二の想いが、すごく嬉しかった。
私と同じだったから。
もう、迷わない。
私たちは「幼なじみ」。
:07/08/30 11:14
:N901iC
:cFsPMBtA
#282 [あんみつ]
別々の道を行くけど、繋がってられる。
お互いの幸せを祈れる。
そんな関係。
これからも、続けていこうね。
これからも、ずっと・・・。
:07/08/30 11:15
:N901iC
:cFsPMBtA
#283 [あんみつ]
:07/08/30 11:19
:N901iC
:cFsPMBtA
#284 [あんみつ]
12、日常
「いってきまーす!!」
外に出て、私は門の前に立った。
朝日が眩しい。
8月も、もうすぐ終わりだというのに、暑さは和らぐどころか、厳しさを増した気がする。
:07/09/17 16:51
:N901iC
:r..DyAZc
#285 [あんみつ]
(・・・待ってていいよね)
私は、健二の家の方を見た。
まだ、出て来る気配はない。
私は、門の前に座った。
『俺・・・ねこには、幸せになってほしいって、思ってるから』
・・・私もだよ。
私も、健二に幸せになってほしい。
:07/09/17 16:53
:N901iC
:r..DyAZc
#286 [あんみつ]
バシッ!!
「・・・ったぁー!!」
上を見上げると、健二が立っていた。
「行くぞ、ねこ」
睨み付ける私を横目に、健二は笑って歩きだす。
何だか、懐かしいこの感じ。
:07/09/17 16:55
:N901iC
:r..DyAZc
#287 [あんみつ]
バンッ!!
私は立ち上がって、勢いをつけて健二の背中を叩いた。
「いてーよ!!」
健二が振り向く。
「ばーかっ!!」
私は、そのまま健二を追い越して笑った。
:07/09/17 16:56
:N901iC
:r..DyAZc
#288 [あんみつ]
あの時、勇気を出して呼んで良かった。
元に戻れて良かった。
『幼なじみ』
これが、私たちの適当な距離。
・・・変わらない日常が戻ってきた。
:07/09/17 16:58
:N901iC
:r..DyAZc
#289 [あんみつ]
――――――――
「じゃあ、これで決まりで。自分の出る種目、覚えといてくださーい」
体育委員の言葉に返事をして、みんな帰り支度を始める。
「なーつみっ!!一緒の種目にできて良かったねー」
私は、奈津美の腕に飛び付いた。
:07/09/17 16:59
:N901iC
:r..DyAZc
#290 [あんみつ]
「ねー!!しかも、綱引きと玉入れって。めっちゃ楽だし!!」
奈津美も、私の手を取って飛び跳ねる。
9月10日にある体育祭。
リレー系に出ずにすんで、私はとにかく嬉しかった。
:07/09/17 17:01
:N901iC
:r..DyAZc
#291 [あんみつ]
笑い合っていると、急に奈津美の動きが止まった。
振り向いて奈津美の目線の先を見ると、教室のドアの所に洋平君がいた。
私を見て手招きをする。
「あ、ちょっとごめんね」
奈津美に一言言って、私は洋平君の元に行った。
:07/09/17 17:05
:N901iC
:r..DyAZc
#292 [あんみつ]
あのお祭りの次の日。
奈津美に電話をして、洋平君と付き合うことにした事、それと、健二と仲直りした事を話した。
奈津美は黙って私の話を聞いて、「そっか・・・良かったね!!」って言ってくれた。
:07/09/17 17:06
:N901iC
:r..DyAZc
#293 [あんみつ]
「洋平君、どしたの??」
付き合い始めてから、学校で会うのは初めてだ。
何だか照れ臭い。
「いや・・・一緒に帰らん??」
一瞬、健二の顔が頭をよぎった。
(・・・健二も佐古さんと帰るかな)
:07/09/17 17:08
:N901iC
:r..DyAZc
#294 [あんみつ]
「・・・うん、いいよ!!ちょっと待ってて」
私は荷物を取りに、再び教室に入った。
「ごめん、奈津美!!私、帰るね」
カバンを持って奈津美に言った。
「うん、バイバイ!!」
そう言って、奈津美は笑顔で私の背中を押した。
:07/09/17 17:09
:N901iC
:r..DyAZc
#295 [あんみつ]
――――――――
洋平君と付き合い始めて、2回、2人で出かけた。
1回目は映画を見て、2回目は街を歩いた。
2回共、途中手をつないだ。
:07/09/17 17:10
:N901iC
:r..DyAZc
#296 [あんみつ]
「ねこちゃん、体育祭何出るん??」
洋平君は自転車を押しながら、車道側を歩く。
「綱引きと玉入れ!!」
「えー、めっちゃ楽じゃん!!」
本気で羨ましそうな洋平君がおかしくて、私は笑った。
:07/09/17 17:12
:N901iC
:r..DyAZc
#297 [あんみつ]
「洋平君は??何出るの??」
「俺は、借り物競争と100mリレー」
「うわ、頑張ってー!!借り物とか、お題引くの怖くない??」
「こえー!!あれ、人が出たりするし」
「去年、健二なんか校長先生借りてたしねー!!」
:07/09/17 17:14
:N901iC
:r..DyAZc
#298 [あんみつ]
(・・・あ)
健二の名前を出した後、しまったと思った。
今まで、健二の話題を出すのを、避けていた訳じゃないけど、出ることはなかった。
「校長と手つないでゴールしたの、うけたよなー!!健二、今年も出ることになってたよ」
私の心配をよそに、洋平君は会話を続ける。
(・・・大丈夫だったかな)
:07/09/17 17:15
:N901iC
:r..DyAZc
#299 [あんみつ]
いろいろ話していたら、いつのまにか私の家の前だった。
洋平君は、自転車かごからカバンを取って、私に渡す。
「ありがと」
「うん・・・あのさ!!」
洋平君は、片手で頭をかいた。
私は黙って、次の言葉を待つ。
:07/09/17 17:17
:N901iC
:r..DyAZc
#300 [あんみつ]
「・・・借り物競争、健二も出るけど・・・ねこちゃんは俺の事、応援してほしい・・・」
言い終わって、洋平君は頭をかいていた手で顔をおおった。
そんな洋平君が、すごく可愛くて、いとおしく感じた。
「・・・もちろん!!」
私の言葉に、洋平君は照れ臭そうに笑った。
「・・・じゃ、また!!」
「うん、ばいばい!!」
:07/09/17 17:18
:N901iC
:r..DyAZc
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