「好き」と言いたい。
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#330 [あんみつ]
 
何となく、前に行きにくい私たちは、応援席の後ろの方に座っていた。

「借り物っていつだっけ??」

奈津美に聞かれて、私はポケットからプログラムを取り出す。

「えっと・・・あ、もう次だ」

「えー。前、行けるかなー」
 

⏰:07/09/30 21:17 📱:N901iC 🆔:t6MEvR6Q


#331 [あんみつ]
 
前には、すでに自分の競技に出終わって、動かなさそうな人たち。

「・・・ちゃんと見たいんだけどなー」

(・・・健二も出るし)

・・・

(・・・いや、私が応援するのは洋平君だし)

思った後、すぐに思い直した。

 

⏰:07/09/30 21:19 📱:N901iC 🆔:t6MEvR6Q


#332 [あんみつ]
 

『・・・借り物競走、健二も出るけど・・・ねこちゃんには俺の事、応援してほしい・・・』


そう。

私が付き合ってるのは、洋平君だもん。

健二より、洋平君を応援するのは当たり前だ。

 

⏰:07/09/30 21:20 📱:N901iC 🆔:t6MEvR6Q


#333 [あんみつ]
 

{次は借り物競走です。選手が入場します}

アナウンスがかかって、私はハッとした。

借り物競走は、わが校の体育祭の中で、盛り上がる種目の1つ。

前にいる人たちがすでに立ち上がっているので、よく見えない。

「もー!!見えないー」

奈津美もいつのまにか立ち上がって、私の横で飛び跳ねている。
 

⏰:07/09/30 21:21 📱:N901iC 🆔:t6MEvR6Q


#334 [あんみつ]
 
私も遅れて立ち上がった。

パンッ!!

ピストルが鳴った。

始まったみたいだ。

歓声が一層大きくなる。

私も奈津美同様、飛び跳ねてみるが、やっぱり見えない。

(・・・え??)

こりずに飛び跳ねていると、急に、前に見える人の頭が、私のいる所を境に、だんだん両側に分かれていく。
 

⏰:07/09/30 21:22 📱:N901iC 🆔:t6MEvR6Q


#335 [あんみつ]
 
(何??まさか、私が見えるように??)

バカなことを考えていると、私のすぐ前にいた背の高い男子が、私の方を振り向く。

そして右によけた。

「ねこ!!」

私の前の視界が開けたのと同時に、声がした。

人と人の間をぬって、声の主が私に向かって走ってくる。
 

⏰:07/09/30 21:24 📱:N901iC 🆔:t6MEvR6Q


#336 [あんみつ]
 
「ねこ、来い!!」

声の主、健二は、私の手首をつかんで引っ張った。

「え??ちょっと、何!?」

私の質問には答えずに、健二は私を、リレーのコースに連れ出した。

「走れ、ねこ!!」

健二は、私の手首を引いて走りだす。

それにつられて、私の足も動く。
 

⏰:07/09/30 21:25 📱:N901iC 🆔:t6MEvR6Q


#337 [あんみつ]
 
応援席からは、キャーとかワーとか、歓声がさらに激しさを増す。

(・・・何なの??)

走るスピードが上がった。

私は、健二に引かれるままに全速力で走る。

「・・・はぁ・・・はぁ」

必死で走るが、足が速い方でない私が、健二のスピードについていけるわけがない。
 

⏰:07/09/30 21:26 📱:N901iC 🆔:t6MEvR6Q


#338 [あんみつ]
 
健二の手が、私の手首から離れた。

それに気付いた健二は振り向いて、今度は私の手をしっかりと握る。

「大丈夫か??あとちょっとだから、頑張れ!!」

そう言って健二は、ゆっくりと走りだす。

今度は、駆け足程度のスピードで。

 

⏰:07/09/30 21:27 📱:N901iC 🆔:t6MEvR6Q


#339 [あんみつ]
 

前方に、白いテープが見えた。

ゴールだ。

あと少し・・・。

・・・3m、2m、1m。


パンッ!!

健二と、2人で並んでゴールした。

途端、私は健二の手を放して、その場にしゃがみこんだ。
 

⏰:07/09/30 21:28 📱:N901iC 🆔:t6MEvR6Q


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