「好き」と言いたい。
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#81 [あんみつ]
「ごめんね、奈津美」
私は奈津美の方に向き直り、手を合わせた。
「いいよいいよ。健二君いないなら、途中まで一緒に帰ろ」
「うん!!・・・健二、朝は一緒に帰れるって言ってたのになー。用って何だろ??ねぇ奈津美」
「・・・」
奈津美は何かぼーっとしていた。
私の声が聞こえてないみたいだ。
「・・・奈津美??」
「へ!?ごめん、何??」
「いや・・・どしたの??奈津美がぼーっとしてるの珍しい」
「そう??どうも英語の時から眠くて」
:07/07/22 15:14
:N901iC
:tTi4V9HA
#82 [あんみつ]
奈津美は目をこすりながら言って、笑った。
(・・・何でもないかな)
けど、どうもいつもの笑顔と違う気がする。
「あの先生の授業眠いもんねー。・・・あっ!!」
「えっどしたの??」
「教室に英語の教科書忘れた!!取ってくる!!奈津美、電車でしょ??先帰ってていいよ!!」
「分かったー。じゃ、ばいばーい」
奈津美と別れて、私は階段を上がっていった。
:07/07/22 15:15
:N901iC
:tTi4V9HA
#83 [あんみつ]
――――――――
(・・・ふぅー、あったあった)
英語の教科書を、今度こそ忘れずにかばんに入れる。
(奈津美の好きな人、聞きそびれちゃったな・・・)
教室にはもう誰もいなかった。
私は教室を出てドアを閉めた。
テニス部の掛け声や、ボールを打つ音が聞こえる。
(・・・健二、まだ用済んでないかな)
考えながらも、私の足は、すでに2組に向かって動いていた。
(ちょっと覗いてみるだけ・・・)
そう思いながらも、私は多分健二がいるのを期待してたんだ。
:07/07/22 15:18
:N901iC
:tTi4V9HA
#84 [あんみつ]
「・・・で、何??」
2組の少し手前に差し掛かった時、健二の声が聞こえた。
(あっ健二いるじゃん)
「・・・何で、メール返してくれないんですか??」
ドアから覗こうとした時、別の声が聞こえて私は固まった。
(・・・あの子だ・・・)
自分の体がだんだん重くなっていく気がした。
足は棒になったみたいに動かない。
:07/07/22 15:20
:N901iC
:tTi4V9HA
#85 [あんみつ]
「だから・・・前言った通り。悪いけど」
「先輩・・・好きな人いるんですか??」
「・・・」
健二は何も答えない。
「あの人とは、ただの幼なじみなんでしょう??」
「・・・ああ」
健二は確かにそう言った。
:07/07/22 15:22
:N901iC
:tTi4V9HA
#86 [あんみつ]
今まで何度も聞いてきた。健二が私の事を、ただの幼なじみにしか思ってないのも、痛いほど分かってる。
私がそれを望んだのも。
けど、私は胸にぽっかり穴があいたみたいに、何も考えられなくなった。
:07/07/22 15:24
:N901iC
:tTi4V9HA
#87 [あんみつ]
「だったらっ・・・私の事、少しぐらい考えてみて下さい!!友達からでもいいです。まず、私の事知って下さい・・・」
私が聞いているのを、知る由もない佐古さんは必死に続ける。
健二は何も言わない。
「迷惑がられてるのは分かってます。・・・でも、止められないんです」
佐古さんは、心を落ち着かせているのか、少し間をおいた。
:07/07/22 15:26
:N901iC
:tTi4V9HA
#88 [あんみつ]
「・・・好きなんです」
頭を何かで叩かれたような衝撃が走った。
クラクラする。
息がしにくい。
その時、後ろから誰かに手首を捕まれ、引っ張られた。
それにつられて私の足も動く。
(あ、・・・洋平君)
前を向くと、背の高い洋平君の後ろ姿があった。
私は引っ張られるままに走った。
2組がだんだん遠ざかってゆく。
:07/07/22 15:28
:N901iC
:tTi4V9HA
#89 [あんみつ]
――――――――
・・・バタン!!
階段を上がって、私達は屋上に出た。
「・・・はぁ、はぁ・・・はぁ」
苦しい。
頭がガンガンする。
『・・・好きなんです』
あの子の声が、頭の中でこだまする。
私はその場にしゃがみこんだ。
:07/07/22 15:38
:N901iC
:tTi4V9HA
#90 [あんみつ]
「・・・すぐ帰るって言ってたのに。・・・何で戻って来ちゃったんだよ」
そう言って、洋平君も、私の隣に腰を下ろす。
そして、私の頭にぽんと手を置いて、優しく撫でた。
「・・・うっ・・・ひっく・・・」
涙が溢れてきた。
:07/07/22 15:39
:N901iC
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