「好き」と言いたい。
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#161 [あんみつ]
 
胸が痛い。
のどの奥が熱くなる。
私は左右に頭を振った。
そして再び、水やりに没頭する。

(・・・あと少し)
長かった花壇も、やっと終わりが見えてきた。
「・・・よし、終了!!」
私は、ジョウロを持ったまま両手を広げた。
ボコッ!!
「・・・ん??」
何かにあたった感触。
私は、恐る恐る後ろを振り向いた。

⏰:07/08/09 08:17 📱:N901iC 🆔:a0neEoZA


#162 [あんみつ]
「・・・おつかれ」
「わっ洋平君!!」
後ろには、ごみ箱を片手に洋平君が立っていた。
ジョウロについていた土で、洋平君のカッターシャツの胸の辺りが、少し汚れている。
「あっごめん!!ごめ・・・ん」
慌てて手で払って、上を見ると、洋平君と目が合った。
顔が近い。
(う・・・わ・・・私、何を)
「あ、本当・・・ごめんね」
私は下を向いて、洋平君から離れた。

⏰:07/08/09 08:19 📱:N901iC 🆔:a0neEoZA


#163 [あんみつ]
「う、うん」
ぎこちない空気が、私と洋平君の間を流れる。
相手が自分に好意を持っていると分かると、何だかこそばいい。
そっと視線を上げると、洋平君がほんのり赤くなっている気がした。
(何か・・・照れるかも)
よく考えると、こうして2人で向かい合うのは、あの日以来だ。
何度か廊下ですれ違っても、挨拶をする程度だった。
しかも、洋平君と一緒に健二がいない時だけ。
 

⏰:07/08/09 08:21 📱:N901iC 🆔:a0neEoZA


#164 [あんみつ]
 
私、健二の事でいっぱいで、洋平君の事、真剣に考えれてないよ。
洋平君は、余裕ができたらでいいって言ってくれたけど・・・。
このままでいいのかな。
私、ちゃんと考えれるのかな。
待たせてていいのかな??
 

⏰:07/08/09 08:22 📱:N901iC 🆔:a0neEoZA


#165 [あんみつ]
 
「「あの!!」」
私達は、同時に口を開いた。
「・・・あのさ、ちょっと話さない??ジュース買って。俺もこれで掃除終わりだし・・・」
私が戸惑っていると、洋平君が日陰にあるベンチを指差して言った。
時計を見ると、まだ大掃除終了の20分前だった。
黙々とやっていたら、意外と早く済んでしまったらしい。
「・・・うん」
断る理由が見つからなかった。
 

⏰:07/08/09 08:24 📱:N901iC 🆔:a0neEoZA


#166 [あんみつ]
―――――――

プシッ
「はい」
洋平君は缶ジュースを開けてから、私に手渡した。
「ありがと」
冷たいオレンジジュースが、乾いたのどを通り、潤っていく感じが気持ちいい。
私は一気に半分ほど飲んで、前を向いた。
「洋平君、私・・・」
 

⏰:07/08/09 08:27 📱:N901iC 🆔:a0neEoZA


#167 [あんみつ]
 
ごめんなさい。
私、健二の事大切なの。
大好きなの。
ずっと一緒にいたい。
だから・・・

『・・・ねこには関係ねーじゃん』
冷たく言い放った健二の声がよみがえる。

楽しそうに2人で歩く健二とあの子の姿が、頭をよぎる。
 

⏰:07/08/09 08:29 📱:N901iC 🆔:a0neEoZA


#168 [あんみつ]
 
私は口をつぐんだ。
洋平君は、黙って私の言葉を待っている。
(だから・・・)
「洋平君の事・・・ちゃんと考える」
「・・・え??」
洋平君が、驚いたように私を見た。
私も洋平君を見る。

⏰:07/08/09 08:31 📱:N901iC 🆔:a0neEoZA


#169 [あんみつ]
「考えるから・・・だから・・・」
(・・・待ってて)
「分かった、待ってる」
洋平君の言葉に、今度は私が驚いた。
洋平君はそんな私を見て、ふっと笑った。
本当に優しい笑顔。
それにつられて私も笑う。
 

⏰:07/08/09 08:32 📱:N901iC 🆔:a0neEoZA


#170 [あんみつ]
――――――――

洋平君といると、安心できる。
焦ったり、泣いたりもしなくていい。

本気で、洋平君の事だけを考えてみよう。
前を向かなきゃ。
 

⏰:07/08/09 08:34 📱:N901iC 🆔:a0neEoZA


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