「好き」と言いたい。
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#350 [あんみつ]
 

風が吹いて、グラウンドの砂を舞い上げる。

私は思わず目を閉じ、風が止むのを待って、また開いた。

(・・・あ)

洋平君は、私からすっと目をそらした。

そして、4位の旗の前に並ぶ。
 

⏰:07/10/08 14:32 📱:N901iC 🆔:cPjKM5TQ


#351 [あんみつ]
 
気付いた健二が、心配そうに私の方を振り向いた。

「・・・ねこ、俺」

「ん??大丈夫だよ」

私は、健二の言葉をさえぎって言った。

 

⏰:07/10/08 14:34 📱:N901iC 🆔:cPjKM5TQ


#352 [あんみつ]
 

健二は、きっと「ごめん」って言おうとしたんだ。

「ごめん」なんて言わないで。

健二は悪くない。

私、嬉しかった。

健二が、私の所に来てくれて。
 

⏰:07/10/08 14:36 📱:N901iC 🆔:cPjKM5TQ


#353 [あんみつ]
 
楽しかった。

健二と笑い合えて。

けど、私は・・・間違っていたのかもしれない。

私を見た洋平君の目は、悲しそうだった。

 

⏰:07/10/08 14:37 📱:N901iC 🆔:cPjKM5TQ


#354 [あんみつ]
――――――――


「えーみんな、おつかれ!!7組、総合3位を祝って!!乾杯!!」

「「かんぱーい!!」」

みんな口々に言って、近くの人と缶をぶつけ合う。

小さめの缶ジュースは、担任から、生徒38人への差し入れ。
 

⏰:07/10/08 14:39 📱:N901iC 🆔:cPjKM5TQ


#355 [あんみつ]
 
「おつかれー!!」

「おつかれ!!」

私も近くの人たちと乾杯し、最後に奈津美と缶をぶつけて1口飲んだ。

オレンジの甘酸っぱさが、口の中に広がる。

 

⏰:07/10/08 14:41 📱:N901iC 🆔:cPjKM5TQ


#356 [あんみつ]
 

借り物が終わって、すぐ応援席に戻った。

何か、洋平君に言うべきかと思ったけど、何を言えば良いのか分からなかった。

「ねこ、すごかったねー!!」

応援席に戻ると、みんな口々に言った。
 

⏰:07/10/08 14:46 📱:N901iC 🆔:cPjKM5TQ


#357 [あんみつ]
 
「ねぇ、やっぱねこと竹本君って付き合ってるの??」

今まで何度もされてきた質問。

私は、洋平君と付き合っていることを、奈津美と健二以外に言っていない。

言わなくても、その内気付かれると思ったし、言う気にもなれなかった。
 

⏰:07/10/08 16:21 📱:N901iC 🆔:cPjKM5TQ


#358 [あんみつ]
 
洋平君と付き合ってても、健二を手放そうとしない自分が、ずるいのは分かってるから。

健二を手放せない自分が、臆病なのも分かってるから。

だから私は、ただいつも通りの言葉を返す。

「ただの幼なじみだよー」

言い慣れたはずの言葉が、何となく重くて、痛かった。

 

⏰:07/10/08 16:23 📱:N901iC 🆔:cPjKM5TQ


#359 [あんみつ]
 

「・・・こ、ねこ!!」

奈津美が私の顔を覗き込んでいた。

「あ、ごめん。何??」

教室は盛り上がって、そこら中でカメラのシャッター音が響いていた。
 

⏰:07/10/08 21:24 📱:N901iC 🆔:cPjKM5TQ


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