「好き」と言いたい。
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#461 [あんみつ]
健二はいない。
そう、自分に言い聞かせながら。
けど、どこか期待しながら。
私は、曲がり角を曲がった。
・・・健二は、いない。
:07/11/24 22:43
:N901iC
:6PaKTvn2
#462 [あんみつ]
『ねこ!!』
私を呼ぶ、笑顔の健二が頭に浮かぶ。
私は、家の門に手を掛けて、ゆっくりと振り向いた。
見慣れた健二の家。
道路に面した、2階の西側の部屋。
健二の部屋には、灯りがついている。
:07/11/24 22:44
:N901iC
:6PaKTvn2
#463 [あんみつ]
(・・・健二、帰ってるんだ)
私は門を開けて、家に入った。
ガチャッ
「・・・ただいま」
「おかえりー。遅かったねぇ。ご飯は??」
靴を脱いでいると、リビングからお母さんが顔を出した。
「・・・いいや。お腹空いてない」
顔を上げずにそれだけ言って、私は階段を上がった。
:07/11/24 22:47
:N901iC
:6PaKTvn2
#464 [あんみつ]
――――――――
『・・・ごめん、ねこ』
健二は、佐古さんと一緒にいた。
『・・・健二先輩と、離れてください』
ねぇ、健二。
あの「ごめん」は、どういう意味??
健二は・・・私を切ったの??
佐古さんのために。
:07/11/24 22:52
:N901iC
:6PaKTvn2
#465 [あんみつ]
・・・健二から、連絡がない。
考えたくなくても、これは、きっと、そういうことなんだろう。
健二は、私から離れた。
だとしたら、健二は私に話し掛けて来ない。
:07/11/24 22:54
:N901iC
:6PaKTvn2
#466 [あんみつ]
周りを傷つけないために、健二と離れようと思ってた。
思ってたけど・・・こんなのを望んでいた訳じゃない。
私は・・・ちゃんと健二と話がしたかった。
だけど・・・
『・・・明後日、それで最後にするから・・・』
・・・私からは、動けない。
:07/11/24 22:55
:N901iC
:6PaKTvn2
#467 [あんみつ]
本当は、離れずにすむなら、そうしたかった。
本当は、健二に話して、反対してほしかった。
けど・・・健二から先に離れられた。
いっぱい悩んでくれたよね??
簡単に離れたわけじゃないよね??
それで決めたなら、私は何も言えないよ。
:07/11/24 22:56
:N901iC
:6PaKTvn2
#468 [あんみつ]
「離れないで」なんて言えない。
「離れたくない」とも。
・・・「好き」とも。
言ってはいけない、絶対に。
それは、佐古さんの想いを、健二の想いを、踏みにじることになるから。
私は、健二に、「好き」と言えない。
:07/11/24 22:58
:N901iC
:6PaKTvn2
#469 [あんみつ]
けど・・・私には、この気持ちを、正直に伝えなきゃいけない人もいる。
傷つけてばかりだったけど。
また傷つけてしまうけど。
・・・このままではいけないんだ。
:07/11/24 22:59
:N901iC
:6PaKTvn2
#470 [あんみつ]
――――――――
その日の夜は、泣かなかった。
涙がもう、出てこなかった。
馬鹿な私は懲りずに、明日健二がいつも通り、笑って話し掛けてくれることを、期待して眠った。
:07/11/24 23:01
:N901iC
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