「好き」と言いたい。
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#511 [あんみつ]
――――――――


「私・・・洋平君と別れた」

「・・・え」

放課後の屋上。

私の言葉に、奈津美は目を丸くした。

「・・・いつ??」

「昨日の、放課後」

奈津美の質問に短く返して、私は奈津美の横に座った。

⏰:07/12/16 16:16 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#512 [あんみつ]
 
フェンス越しに見下ろすグラウンドに、帰って行く生徒や部活の準備をする野球部が見える。

奈津美が隣に座った私を見る。

「・・・何か、ね」

奈津美が何か言う前に、私は口を開いた。

⏰:07/12/16 16:19 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#513 [あんみつ]
 
佐古さんに言われたこと、健二と待ち合わせたこと、健二が来なかったこと。

それと、自覚した私の気持ち。

どうしようもない、私の気持ち。

たどたどしい私の話を、奈津美は黙って聞いてくれた。

話し終えると、私は再び立ち上がった。

⏰:07/12/16 16:21 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#514 [あんみつ]
 
野球部のかけ声が聞こえる。

「・・・ねぇ」

奈津美も立ち上がる。

私を見る奈津美は、泣きそうな目をしていた。

「ねこ・・・これからどうするの??」

.

⏰:07/12/16 19:42 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#515 [あんみつ]
 

『どうするの??』

『どうしたいの??』


気持ちを自覚した日から、何度も何度も、自分に聞いた。

けど・・・

.

⏰:07/12/16 19:54 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#516 [あんみつ]
 

「・・・どうしようもない、かな」

泣きそうな奈津美に、私はへらっと笑って見せた。

「佐古さんとも約束したし・・・健二にも離れられちゃったし」

.

⏰:07/12/16 19:56 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#517 [あんみつ]
 

そう。

私は動けない。

健二に「好き」と言えない。

言ってはいけない。

言ったところで・・・健二にとって私は幼なじみ。

.

⏰:07/12/16 20:00 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#518 [あんみつ]
 

「・・・けど、こんな気持ちのまま、洋平君と付き合えないから」


きっとこの先も、健二を1番に思う気持ちは変わらないから。

むくわれなくても。

離れても。

.

⏰:07/12/16 20:05 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#519 [あんみつ]
 

「・・・うん」

奈津美はうつむいた。

光に透けて茶色っぽい奈津美の髪が、横顔をおおう。

「・・・ねこ、バカだよ」

「・・・うん、バカかも」

カキンッ

バットにボールが当たる金属音が響いた。

⏰:07/12/16 20:29 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


#520 [あんみつ]
 
「・・・ふっ」

奈津美の体が揺れた。

そして、うつむいていた顔が上がる。

「バカでも好きだよー、ねこ!!」

奈津美の顔は、笑顔だった。

(・・・奈津美)

⏰:07/12/16 20:30 📱:D904i 🆔:vTqJY5Nc


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