darkness;FROM OZ
最新 最初 全 
#24 [OZ]
気宇が押し入れから出られるのは、両親が死んだときか、それか……
彼自身が死んだときだ。
それまでは何があっても出さない。
絶対に。
………………………
「ねぇねぇ、由宇の部屋に行きたいんだけど」
理央はにっこり笑ってそう言った。
:07/07/19 19:34
:N700i
:☆☆☆
#25 [OZ]
僕がちょうどリビングに通そうとしたときに、突然理央が言いだした。
ギクッとして理央の顔をまじまじと眺める。
理央は美しい笑みを顔に貼りつけ、甘えるような声を出した。
「いーじゃん!
私、由宇の部屋見てみたいんだもん。
ちょっとだけ!ね……?」
普段は理央に可愛らしくお願いされたら、即座に言うことを聞いてしまうのだが、こればかりはそうもいかない。
:07/07/19 19:40
:N700i
:☆☆☆
#26 [OZ]
「けど……部屋汚いんだ。
それに親もいないんだから、リビングだってかまわないだろう?」
理央の眉間に皺がよった。
大きな目がキュッと細くなる。
……僕と理央は付き合って二ヵ月になる。
僕は理央が大好きだ。
なぜなら、
彼女がとても綺麗な外見を持っているからだ。
:07/07/19 19:44
:N700i
:☆☆☆
#27 [OZ]
真っ白い肌。
真っ黒い長い髪。
真っ赤で豊かな唇。
日本人形のような少女であったが、それでいてどこか西洋風の妖艶さも兼ね備えているのだ。
僕はいつも彼女に見入ってしまう。
そばに置いておいて、いつまでも眺めていたいくらいだ。
だから、僕の部屋に入れることは避けたいのだ。
もし気宇が声を出してしまったら?
考えただけでも恐ろしい。
:07/07/19 19:50
:N700i
:☆☆☆
#28 [OZ]
しかし、僕の部屋に案内しなかったらしないでかなりまずいことになる。
理央はすでに機嫌をそこねている。
これ以上拒否していたら、帰ると言いだしそうだ。
それだけならまだいいが、別れるなんてことになったら……。
あの綺麗な顔を間近で見れなくなってしまう。
……仕方ない。
「わかった。
僕の部屋に案内するよ」
:07/07/19 19:53
:N700i
:☆☆☆
#29 [OZ]
僕の部屋は二階。
階段をあがる度に、胸の鼓動が速くなる。
変な汗までかいてきてしまった。
部屋の前に立つ。
ひんやりとしたドアノブに手をかけ、ゆっくりとまわした。
部屋に入ってすぐに横目で押し入れを確かめた。
大丈夫。
ぴったりとしまっている。
:07/07/19 20:56
:N700i
:☆☆☆
#30 [OZ]
理央は、乱暴に学生鞄を置くと、キョロキョロと部屋中を見回した。
「なぁ、理央。
何にもないだろ?つまんないからリビングに戻ってテレビでも見ないか?」
僕は大声でそう言った。
気宇に理央の存在を知らせるためだ。
理央はあんなにも僕の部屋に行きたがっていたくせに、あっさりとリビングに戻ることを承諾した。
僕は理央の背中を押すようにして、とっととリビングに向かわせた。
:07/07/19 21:02
:N700i
:☆☆☆
#31 [OZ]
それから後は何の問題もなく、理央は僕の家から帰っていった。
そして、理央が再び家に来たときのことだった。
僕は理央を家に残して、近所のコンビニに買い物に行った。
数十分後、帰ってきてみると理央の姿は跡形もなく消えていた。
鞄も靴も無くなっていた。
不可解な
手紙を残して―――…。
:07/07/19 21:08
:N700i
:☆☆☆
#32 [OZ]
手紙には
「用事が出来たから
先に帰るね。理央」
と、書かれていた。
読んだ瞬間、僕は漠然とした違和感を感じた。
何度も読み返すが、違和感の理由はさっぱりわからない。
得体の知れない不安を感じる。
ただの置き手紙が、異様なまがまがしいものに思えて仕方がない。
理央は家かどこかに帰っただけじゃないか……。
そう思いながらも、僕は理央の携帯に電話をかけていた。
理央に電話するのは初めてかもしれない。
:07/07/21 21:17
:N700i
:☆☆☆
#33 [OZ]
僕らは普通の恋人同士がするようなことは、一切していなかった。
ずいぶん長い間携帯を握り締めていたが、理央の声をきくことはできなかった。
翌日、理央は学校に姿を見せなかった。
先生はただの風邪だと言っていたが、僕にはどうにも信じられなかった。
「……由宇?」
:07/07/21 21:21
:N700i
:☆☆☆
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194