darkness;FROM OZ
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#42 [OZ]
……その通りだ。
僕の手から手紙がスルリと落ちた。
これは理央からの手紙……ではない……?
わからない。
もし理央からじゃなかったとしたら、一体誰が?
あの時……
僕は一人でコンビニに行った。
両親はいなかったから、家には理央だけだった。
:07/07/22 10:00
:N700i
:☆☆☆
#43 [OZ]
ということは、家に誰か侵入し、理央をさらっていった?
手紙は理央の筆跡を真似たものか?
いいや、そんなことは考えにくい。
理央が書かされたということもあるが……、
誰かに脅されていたとしたら、もっと汚い字になるのではないだろうか。
……まてよ。
僕は押し入れを凝視した。
:07/07/22 10:05
:N700i
:☆☆☆
#44 [OZ]
この家に居たのは理央だけではない。
気宇だってこの家に居たじゃないか。
「気宇!」
僕は興奮気味に気宇に呼び掛けた。
「……なぁに?
由宇の楽しそうな声、久しぶりに聞いた!」
気宇の嬉しそうな声が押し入れの中に響く。
「気宇!押し入れをちょっと開けていいぞ!
だから真剣に僕の質問に答えて。いいね?」
:07/07/22 10:09
:N700i
:☆☆☆
#45 [OZ]
僕がそう言うと、押し入れが顔の大きさほど開いた。
ひょっこりと、笑顔を浮かべた失敗作のもう一人の僕が顔をのぞかせる。
「真剣に、真剣に」
気宇は歌うように繰り返した。
「なぁ、4日前に何か変なことはなかったか?」
気宇がもしかしたら変な声や音を聞いていたかもしれない。
しかし、気宇は眉間にしわをよせ、首を傾げた。
:07/07/22 10:33
:N700i
:☆☆☆
#46 [OZ]
「4日前?」
気宇には曜日の感覚というものがあまりなかった。
「……いいや、なんでもない」
僕はうなだれた。
せっかく、何かつかめるかと思ったのに。
期待した僕が馬鹿だった。
どうせ理央はリビングに居たんだ。
だから、理央がこの家に来ていること自体、気宇は知らないかもしれない。
:07/07/22 10:38
:N700i
:☆☆☆
#47 [OZ]
「気宇、
とっとと顔を引っ込めろ」
僕は押し入れに背を向け、落ちていた理央の手紙を拾い上げた。
やっぱりこの手紙は理央が書いたんだ。
そして、理央は明日にでも帰ってくる。
一人旅がしたかったと言いながら。
そう願うしかない。
「……待ってよ、由宇」
僕は苛立ち、気宇を怒鳴り付けようと振り返った。
「うるさ……」
:07/07/22 10:43
:N700i
:☆☆☆
#48 [OZ]
僕は騒然とした。
押し入れから顔を出す気宇の顔は、いつもの気宇のものではなかった。
悪戯に歪んだ口元、爛々と輝く瞳を細め、僕を嘲笑っているかのようだ。
「……気宇?」
「4日前だっけ?
僕、ちゃんと覚えているよ……」
「え?」
のどがカラカラに渇き、胃が痛む。
コイツは誰なんだ?
:07/07/22 10:49
:N700i
:☆☆☆
#49 [OZ]
「綺麗な子……。
暗闇みたいな髪に、雪みたいな肌。
それに血みたいな唇。
理央さん……」
気宇のぞっとするような美しい笑顔。
僕は動くどころか、呼吸するのもままならないような状態だった。
「まさか……」
気宇は軽やかな動きで押し入れから出てきた。
僕の目の前に立つ。
そして、手紙を指差した。
:07/07/22 11:03
:N700i
:☆☆☆
#50 [OZ]
「それ、僕が書いたんだ」
なんだって……?
自分の耳が信じられなかった。
気宇が?
「だって……これは理央の……字だ」
気宇はほほ笑みながらうなずいた。
「あのね、初めて理央さんが家に来たとき、
鞄をこの部屋に置いていったでしょ?」
僕は小さく「あっ」とうめいた。
はやく理央を部屋から追い出したくて、鞄を置きっぱなしにしてしまった。
:07/07/22 11:08
:N700i
:☆☆☆
#51 [OZ]
「鞄の中からテストを見つけたんだ!
それを真似した」
テスト……。
ああ、そうか。
だから「理央」と漢字でかかれていたのか。
テストはちゃんと名前を書かなければいけないから。
手に変な汗をかいてきた。
「……僕ね、
寂しかったんだ。
それでね、もし一緒に隠れてくれる子が居てくれたらって」
「隠れる……?
じゃあ、理央は……」
:07/07/22 11:13
:N700i
:☆☆☆
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