darkness;FROM OZ
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#31 [OZ]
それから後は何の問題もなく、理央は僕の家から帰っていった。
そして、理央が再び家に来たときのことだった。
僕は理央を家に残して、近所のコンビニに買い物に行った。
数十分後、帰ってきてみると理央の姿は跡形もなく消えていた。
鞄も靴も無くなっていた。
不可解な
手紙を残して―――…。
:07/07/19 21:08
:N700i
:☆☆☆
#32 [OZ]
手紙には
「用事が出来たから
先に帰るね。理央」
と、書かれていた。
読んだ瞬間、僕は漠然とした違和感を感じた。
何度も読み返すが、違和感の理由はさっぱりわからない。
得体の知れない不安を感じる。
ただの置き手紙が、異様なまがまがしいものに思えて仕方がない。
理央は家かどこかに帰っただけじゃないか……。
そう思いながらも、僕は理央の携帯に電話をかけていた。
理央に電話するのは初めてかもしれない。
:07/07/21 21:17
:N700i
:☆☆☆
#33 [OZ]
僕らは普通の恋人同士がするようなことは、一切していなかった。
ずいぶん長い間携帯を握り締めていたが、理央の声をきくことはできなかった。
翌日、理央は学校に姿を見せなかった。
先生はただの風邪だと言っていたが、僕にはどうにも信じられなかった。
「……由宇?」
:07/07/21 21:21
:N700i
:☆☆☆
#34 [OZ]
押し入れ越しに気宇が話し掛けてくる。
陽気で幼稚な弟の声に、イライラさせられる。
そもそも、彼はなぜ押し入れから出てこないのか?
簡単に逃げ出せるっていうのに。
一体どこまで馬鹿なんだ?
僕は気宇に返事を返さずに部屋を出た。
もう一度、理央に電話してみよう……。
:07/07/22 07:17
:N700i
:☆☆☆
#35 [OZ]
理央が行方不明であることが知らされたのは、彼女が学校に来なくなって3日経ったときだった。
理央はふらりと居なくなることが多かったため、今回もそうであるのじゃないかと思われていた。
しかし、3日も音信不通のまま帰ってこないのはおかしいということにったらしくい。
何人かのクラスメイトが僕に慰めの言葉をかけた。
僕らが付き合っていたのはみんな知っていたし、そうとうひどい顔をしていたからだろう。
先生に理央について聞かれたが、何も知らないと答えた。
:07/07/22 07:24
:N700i
:☆☆☆
#36 [OZ]
僕はどうしてこんなに不安で怯えているのだろう?
確かに理央のことは気に入っていたし、たぶん理央と最後に接触したのは僕だろう。
だけど、
普段ならそんなこと気にしないんじゃないか?
どうしたのだろうか?程度にしか考えない。
不審には思うかもしれないが、ここまで過敏に気にしないはずだ。
何か……。
何か得体の知れぬものが、潜んでいる。
そうに違いない。
:07/07/22 07:29
:N700i
:☆☆☆
#37 [OZ]
家に帰ると、理央の置き手紙を読み返した。
やはり何か変だ。
わかりかけてきているのに……答えが出てこない。
僕が机に頬杖をついていると、妙な匂いがすることに気付いた。
「気宇」
ややしばらくして、慌てたような気宇の声が返ってきた。
「……何?由宇……」
:07/07/22 07:33
:N700i
:☆☆☆
#38 [OZ]
「変な匂いがする……。
気宇、お前押し入れの中で何かしてないだろうな?」
匂いはなんとも形容しがたかった。
わずかではあるのだが、何かが腐ったような……。
僕は気宇が押し入れの中で排泄してしまったのではないかと考えた。
気宇は弱々しく答えた。
「……してない」
僕は苦笑いをして、再び手紙と睨めっこを始める。
:07/07/22 07:37
:N700i
:☆☆☆
#39 [OZ]
いくら気宇が馬鹿だからといって、さすがにそんなことはしないか。
次の日は休日で、僕は一日中部屋に居た。
妙な匂いは強くなってきている気がする。
飽き飽きしながらも、理央の手紙を眺め続けた。
あと少しで何かが掴めそうなのに。
手紙には、独特な形をした文字たちが並んでいる。
:07/07/22 07:42
:N700i
:☆☆☆
#40 [OZ]
理央の字は大きくてまるっこい。
それなのにどこか尖っていて……。
お世辞にもうまいとは言えないし、殊更理央は何かを書くのが嫌いで、いつも乱暴で噛み付かれそうな字になっている。
僕はそんな理央をよく笑っていたものだった。
「……ん?」
あれ……?
そうだ。
理央は何かを書くのが
嫌いだったんだ……。
唐突に違和感の理由が結び付いていく。
:07/07/22 09:48
:N700i
:☆☆☆
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