*THE GOD OF DEATH*
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#281 [ま-イ子]
―――――――
―――‥‥
幼い頃の
あたしがいる
目に溜まる涙を
必死で抑えながら
母の暴力に耐えていた
嗚呼、
何と言うことだ
何と酷く、滑稽な様だ
.
:07/11/14 15:10 :SH903i :MJ9XnUzE
#282 [ま-イ子]
殴られ蹴られるのは
当たり前の事で、
壁に打ち付けられ、
逃げようとすると
紙を引っ張られ
いくら悲鳴を
上げようとも
いくら嘔吐して
苦しんでも
母はその手を
休めることを知らない
.
:07/11/14 15:18 :SH903i :MJ9XnUzE
#283 [ま-イ子]
(こんなに
酷かっただろうか)
----この、行為は。
そんな事を思いながら
目の前で行われている
無情な光景を
只、黙って見つめる
鈍い音を響かせて
腹を蹴られた
幼いあたしは、
その場にうずくまった
.
:07/11/14 16:19 :SH903i :MJ9XnUzE
#284 [ま-イ子]
母が、拳を振り上げ
小さくなっている
あたしに、振り下ろした
―――ピンポーン‥‥
するはずの
鈍い音はせず
代わりに訪問者を
知らせる、
軽快な音が鳴り響いた
.
:07/11/15 13:50 :SH903i :9ziQIBqA
#285 [ま-イ子]
母はハッとして
自分の子供を
一瞥してから、
パタパタと足音を立てて
玄関に消えて行った
"子供"は震えながら
ゆっくりと顔を上げる
玄関から聞こえる
陽気な声に安堵して
一気に肩の力が
抜けたようだ
震えが小さくなった
.
:07/11/15 20:20 :SH903i :9ziQIBqA
#286 [ま-イ子]
「‥‥会いたかった‥」
「‥‥俺もさ。
今から、大丈夫か?」
「‥もちろんよ‥‥」
しかし、
耳に入ってくる声に
"子供"の顔は暗くなり
扉の閉まる音によって
その瞳からは涙が零れた
.
:07/11/15 20:30 :SH903i :9ziQIBqA
#287 [ま-イ子]
独りぼっちの家で
少女の啜り泣く音だけが
静かに、響く
ぽた、ぽた、と
フローリングに
落ちる雫に気付くと
少女はそれを腕で拭った
.
:07/11/15 21:06 :SH903i :9ziQIBqA
#288 [ま-イ子]
ゴシゴシと力強く、
服の袖で何度も。
暫く続けた後、
腕を止めた少女は
勢いよく立ち上がった
その顔には、
清々しい笑顔が。
.
:07/11/15 23:24 :SH903i :9ziQIBqA
#289 [ま-イ子]
―――‥‥
―――――――
目を開くと、
そこには
見慣れた天井があった
ゆっくり体を起こし
辺りを見回すと
やはり、自分の部屋だ
カーテンの隙間から
陽射しがもれている
(‥‥‥夢、か)
.
:07/11/16 12:08 :SH903i :s6v3.oe.
#290 [ま-イ子]
"夢"は、的確な
表現ではない
あれは、あたしの
"幼い頃の記憶"だ
(‥‥胸糞悪い‥‥‥)
心の中で
悪態をつきながら
布団から抜け出す
カーテンを全開にすると
眩しい朝日が
目の奥を刺激した
.
:07/11/17 10:52 :SH903i :PKBBNluc
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