*THE GOD OF DEATH*
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#286 [ま-イ子]
「‥‥会いたかった‥」
「‥‥俺もさ。
今から、大丈夫か?」
「‥もちろんよ‥‥」
しかし、
耳に入ってくる声に
"子供"の顔は暗くなり
扉の閉まる音によって
その瞳からは涙が零れた
.
:07/11/15 20:30 :SH903i :9ziQIBqA
#287 [ま-イ子]
独りぼっちの家で
少女の啜り泣く音だけが
静かに、響く
ぽた、ぽた、と
フローリングに
落ちる雫に気付くと
少女はそれを腕で拭った
.
:07/11/15 21:06 :SH903i :9ziQIBqA
#288 [ま-イ子]
ゴシゴシと力強く、
服の袖で何度も。
暫く続けた後、
腕を止めた少女は
勢いよく立ち上がった
その顔には、
清々しい笑顔が。
.
:07/11/15 23:24 :SH903i :9ziQIBqA
#289 [ま-イ子]
―――‥‥
―――――――
目を開くと、
そこには
見慣れた天井があった
ゆっくり体を起こし
辺りを見回すと
やはり、自分の部屋だ
カーテンの隙間から
陽射しがもれている
(‥‥‥夢、か)
.
:07/11/16 12:08 :SH903i :s6v3.oe.
#290 [ま-イ子]
"夢"は、的確な
表現ではない
あれは、あたしの
"幼い頃の記憶"だ
(‥‥胸糞悪い‥‥‥)
心の中で
悪態をつきながら
布団から抜け出す
カーテンを全開にすると
眩しい朝日が
目の奥を刺激した
.
:07/11/17 10:52 :SH903i :PKBBNluc
#291 [ま-イ子]
――――何故、今更。
あんなモノを、
見たのだろうか。
(‥昨日の‥せいかな)
久しぶりに受けた
あの、行為のせいだ
窓から見える
澄んだ青空とは反対に
どんよりとした、心
.
:07/11/17 11:00 :SH903i :PKBBNluc
#292 [ま-イ子]
‥‥ピピピピ‥‥
「―――――!」
突然の音に
心臓がびくり、と跳ねた
鳴り響く音の
正体が分かり、あたしは
ソレに手を掛け止めた
ふう、と短く息を吐き
部屋を出て
キッチンへと足を運ぶ
.
:07/11/17 11:10 :SH903i :PKBBNluc
#293 [ま-イ子]
綺麗にされた
(と、云うか使ってない)
キッチンで、あたしは
朝食を作り始める
(いつから、だっただろう)
あたしが、あの人に
朝食を作るように
なったのは―――‥‥
ごみ箱を見ると、そこには
コンビニで買ってきた
弁当や、おにぎりの空が
詰め込まれていた
.
:07/11/17 11:21 :SH903i :PKBBNluc
#294 [ま-イ子]
その横に並ぶのは
お酒やビールの空き瓶
明らかに体を
蝕むモノばかりで。
だから、
せめて朝食だけは。と
作るようになったのだ
材料を買って
冷蔵庫に入れておく
あの人の行動から
きちんと、食べている
ことが分かった
.
:07/11/17 11:30 :SH903i :PKBBNluc
#295 [ま-イ子]
"どうして"と言われれば
それまでなのだが。
あたしは、あの人を
憎めないのかもしれない
.
:07/11/17 20:57 :SH903i :PKBBNluc
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