*THE GOD OF DEATH*
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#338 [まーイ子]
「‥別に何でもない‥よ」

「嘘つくな
何だよその顔‥」


教室内では
あたしと優真の声が
静かに響く

生徒達は話す事が出来ず
あたし達を見ている


「‥とりあえず、
教室出よう」

.

⏰:07/12/09 11:56 📱:SH903i 🆔:FinwMbOg


#339 [まーイ子]
――――――‥


「‥‥それで、
一体どうしたんだよ」


教室を出た後
あたし達は
屋上に足を運んだ

夏の陽射しと共に
温い風が汗を誘う

少し落ち着いた優真は
先程より優しい声で
あたしに聞いた

.

⏰:07/12/09 12:03 📱:SH903i 🆔:FinwMbOg


#340 [まーイ子]
「‥優真‥‥‥‥
心配してくれて
嬉しいんだけど、
本当に何もないの」

「‥‥何もなくて
こんな傷出来ないだろ?」


そっ、と
あたしの頬に触れる優真

壊れ物を扱うかの様な
優しく綺麗な指先に

あたしは
自分の手を重ねた

.

⏰:07/12/09 23:34 📱:SH903i 🆔:FinwMbOg


#341 [まーイ子]
安心、する――ー

優真に触れていると
それだけで。


「優真がいるから
もう大丈夫」


微笑みながら言う
あたしを見て
優真は困った顔をした

.

⏰:07/12/09 23:47 📱:SH903i 🆔:FinwMbOg


#342 [まーイ子]
「‥‥なつは、さ」

「‥‥ん?」


顔を少し俯かせ優真は
ぽつりと言葉を紡ぐ


「俺が心配しないように
いつも、我慢する」

「‥‥‥‥‥。」


バレてたか。
分かってはいたけれど。

.

⏰:07/12/11 16:55 📱:SH903i 🆔:WL4oBY1I


#343 [まーイ子]
「‥俺、頼りないか?」

「そんなことない」


即答するあたしを見て
優真は一瞬、
驚いた顔をした

そんな優真の手を
少し強く握る

.

⏰:07/12/11 17:00 📱:SH903i 🆔:WL4oBY1I


#344 [まーイ子]
「そんなんじゃないの‥
‥あたし優真には
いつも助けて
もらってるから‥」

「俺何もしてないだろ」


再び眉間に皺を寄せる
優真に苦笑し
あたしは続ける


「‥してもらってるよ
今も‥‥傍に
いてくれてるでしょ?」

.

⏰:07/12/11 17:05 📱:SH903i 🆔:WL4oBY1I


#345 [まーイ子]
「傍にいてくれるだけで
凄く安心するの。
それだけで、あたしは
何にでも堪えられる」


優真の存在を
確かめるかのように、
その手を握り締め
自然と目を閉じた

――風が流れる

ふわり、ふわりと
肌を撫でるように。

.

⏰:07/12/11 17:11 📱:SH903i 🆔:WL4oBY1I


#346 [まーイ子]
するり、と優真の手が
あたしの手から
擦り抜けた

(‥嫌だったか)

残念に思いながら
ゆっくりと目を開けた



ふわり。


先程の風とは違う
甘い香りのものが
あたしを包み込んだ

.

⏰:07/12/11 17:25 📱:SH903i 🆔:WL4oBY1I


#347 [まーイ子]
「‥‥ゆう、ま?」

突然の出来事に
さすがに驚き
少し焦るあたしを優真は

更に強く、抱きしめた


「‥‥もう聞かない。
なつが話したくないなら
それでいいよ。」


小さく‥でもしっかりと
した声で言葉を紡ぐ

.

⏰:07/12/11 17:34 📱:SH903i 🆔:WL4oBY1I


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