*THE GOD OF DEATH*
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#201 [ま-イ子]
もうすぐ――--



「あんたは死ぬんだよ、
神崎理奈。」











貴女に現実と絶望を。

.

⏰:07/09/08 16:57 📱:SH903i 🆔:eQrdq6Ts


#202 [ま-イ子]
その瞳は
大きく見開かれ
止まることを知らない
涙が頬を伝う


「どう?
今まで見下していた奴に
殺される気分は。」


呻きながら何かを
言おうとしている神崎
しかしその口に
更に奴の手を押し込む

「---ゥウッ!!」

.

⏰:07/09/08 17:06 📱:SH903i 🆔:eQrdq6Ts


#203 [ま-イ子]
「駄目だよ。
叫ばれたら厄介でしょ。
もう、あたしは
あんたと話す事なんて
何もないよ」

ニコリ、と
笑顔を作って見せる

神崎の目には
どんな風に
映っているかな。


(―――--あと1分)

.

⏰:07/09/08 17:09 📱:SH903i 🆔:eQrdq6Ts


#204 [ま-イ子]
「ねえ、神崎‥‥‥
あんた‥優真のこと
凄く好きだったよね?」


少し躊躇った後
小さく頷いた


「そっか、じゃあさ‥






優真の為に死んでよ。」

.

⏰:07/09/08 17:16 📱:SH903i 🆔:eQrdq6Ts


#205 [ま-イ子]
握っていた鎌を
思い切り振り上げる


「ッゥ――――---!!」











―――――
――――――---‥

.

⏰:07/09/08 17:21 📱:SH903i 🆔:eQrdq6Ts


#206 [ま-イ子]
「‥クックッ‥これは、
また酷い有様だ」

喉を鳴らし笑いながら
死神が音もなく近付く

足元にあるのは
切り裂かれた
神崎の、死体
‥原型など
留めていないのだが。

「頭は残して
おいたでしょ」

素っ気なく返すあたしに
再度馬鹿にした様に笑い
神崎の頭に手を翳す

.

⏰:07/09/08 21:05 📱:SH903i 🆔:eQrdq6Ts


#207 [ま-イ子]
口から出てきた
神崎の"魂"を喰らう
こいつの姿は
何時見ても悍ましい

「ご馳走様。」

ニヤリと口角を
上げながら
律義に手を合わす

---死神のくせに


魂を抜かれた
神崎を一瞥し
家へと足を向かわせる

.

⏰:07/09/08 21:17 📱:SH903i 🆔:eQrdq6Ts


#208 [ま-イ子]
「スッキリしたかい?
"いじめ"られた
仕返しが出来たんだろう」

後ろから聞こえる
言葉にあたしは
足を止めた

「---‥何度も
言わせないでくれる」


「わかっているさ
"優真の為"なんだろう?」


「‥‥‥‥‥」


.

⏰:07/09/08 21:22 📱:SH903i 🆔:eQrdq6Ts


#209 [ま-イ子]
「そうよ」

鋭い目つきで
真っ直ぐ見つめ答える
それを聞いた死神は
何も言わず歩き出す

「‥でも‥‥」

と、付け足すあたしに
死神は足を止めた



「‥結果的には
あたしの為に
なっているのかもね」


.

⏰:07/09/09 11:43 📱:SH903i 🆔:2a1MXMvg


#210 [ま-イ子]
吊り上げた口元は
更に死神を
不気味にさせた


「それでいいのさ
君は、自分の為に
生きているのだから」









---――なんだって?

.

⏰:07/09/09 11:46 📱:SH903i 🆔:2a1MXMvg


#211 [ま-イ子]
(自分の為――‥?)


「"ヒト"は誰でも
自分の為にしか
生きない。
他人の為に、なんて
"偽善" さ。」



「偽善‥‥?
あたしが偽善者
だとでも言うの?」


なんて腹の立つ奴だ


.

⏰:07/09/09 11:51 📱:SH903i 🆔:2a1MXMvg


#212 [ま-イ子]
「クックッ‥どうだろうね」


それだけ言うと
死神は暗闇に消えた


「‥‥‥チッ‥」

小さく舌打ちした音は
誰に聞こえるわけでも
なく、溶けていった


振り返ると、
"神崎がいた場所"には
大量の血の痕が。


.

⏰:07/09/09 12:00 📱:SH903i 🆔:2a1MXMvg


#213 [ま-イ子]
悲惨な惨劇を
物語らせるソレ。

何も感じないのは、

あたしが
偽善者だから?









―――くだらない


.

⏰:07/09/09 21:50 📱:SH903i 🆔:2a1MXMvg


#214 [ま-イ子]
あたしは神崎の為に
生きていた
わけではないし

あいつも
あんなに好きだった
優真の為に死んだんだ

同情など、
する筈がない


.

⏰:07/09/09 21:52 📱:SH903i 🆔:2a1MXMvg


#215 [ま-イ子]
あたしは、





優真の為に


生きるんだ。



.

⏰:07/09/09 21:54 📱:SH903i 🆔:2a1MXMvg


#216 [ま-イ子]
くるり、と向きを変え
家へと歩き出す


(早く、魂を
集めなければ)










あたしの心が
壊れる前に

.

⏰:07/09/09 21:57 📱:SH903i 🆔:2a1MXMvg


#217 [ぼぼ]
書いてくださぃ(^^)

⏰:07/09/14 12:34 📱:SH903i 🆔:GCHRJV6k


#218 [ま-イ子]
>>217さま
更新遅れてて
すみませんッ
今日テスト終わりました
できれば今日の夜
更新します!
カキありがとうございましたー(∀)

⏰:07/09/14 17:09 📱:SH903i 🆔:Ka01jnAY


#219 [ま-イ子]
..見てくださっている皆様へ

更新できなくて
すいません(..)
昨日更新しようと思ったのですが、
テスト期間に小説から
離れていたため
少しブランク入ってます
これから亀更新になります。
それでも、私なんかの小説に付き合って下さる方に
深くお詫びと感謝を
申し上げます。
これからも、お願いします(∵`)

⏰:07/09/15 22:49 📱:SH903i 🆔:WL71sBzA


#220 [ま-イ子]
「‥‥クックッ‥‥」

暗闇の中では
奇妙な笑い声が
響き渡る

家へと足を運ぶ少女を
ビルの屋上から
見下ろしながら

"死神"は 嘲笑う



「それでいい‥
それで、いいんだ」


.

⏰:07/09/16 22:17 📱:SH903i 🆔:sQPTMLR6


#221 [ま-イ子]
"ヒトは皆、

自分の為に──---"



「全ては、

私の為に‥‥な」




ぽつりと呟くと
言葉と共に

闇に消えた

.

⏰:07/09/18 08:11 📱:SH903i 🆔:VutIS6XE


#222 [ま-イ子]
‥‥‥‥・・・

あたしはこの時


死神の"計画"も

"正体"も

何かもかも
わからなくて

ただ 死神の手の上で

踊っていた

.

⏰:07/09/21 11:07 📱:SH903i 🆔:hGEB0dpw


#223 [ま-イ子]
何かに気付いていれば



あたしの"運命"は



変わっていたの
だろうか──--



‥‥‥‥‥・・・

⏰:07/09/21 11:08 📱:SH903i 🆔:hGEB0dpw


#224 [I`む~]
初めまして
私この小説
すごっく好きなんです
どんなに
遅くなっても
いいんで
続けてくださいフ
お願いしますK

⏰:07/09/28 19:56 📱:W53CA 🆔:GYdQKtB6


#225 [でら]
更新待ち(*'。'*)

⏰:07/10/01 00:02 📱:SH903i 🆔:EFw158ao


#226 [ま-イ子]
>>224さま
>>225さま

全く更新できなくて
本当にすみません‥‥
こんな小説を好きと言って頂いて、すごく嬉しいです!
遅い更新になってしまいますが、完結させたいので、どうかお付き合いお願いします!
本当にありがとうございます+゚

⏰:07/10/02 22:56 📱:SH903i 🆔:wS/ugN4o


#227 [ま-イ子]
---───翌日

いつも通り
登校時間より遅れて
学校に行ったあたしだが

いつも迎えに出て来る
教師は誰もいない


不思議に思いながら
教室に入り
ようやく理解できた


.

⏰:07/10/03 13:11 📱:SH903i 🆔:e7JKCPx2


#228 [ま-イ子]
そこには、大人しく
席に座る生徒達

神妙な空気の中
あたしは席に着いた


未だ来ていない教師


空いている 神崎の席


それだけで
この事態を把握できた

.

⏰:07/10/03 13:13 📱:SH903i 🆔:e7JKCPx2


#229 [ま-イ子]
数十分後、(新)担任が
静かに教室に入って来た

その顔からは
悲しみと、動揺の色が
伺える

教壇に手を掛けると
重たそうな口を開いた


「‥遅れて、すまない‥
実は、皆に‥
聞いてほしいことが‥
‥あるんだ‥」

.

⏰:07/10/03 13:20 📱:SH903i 🆔:e7JKCPx2


#230 [でら]
上げますっ

⏰:07/10/10 03:55 📱:SH903i 🆔:x0AW8GOY


#231 [ま-イ子]
>>230さま
あげありがとう
ございます(._・)ノ
少し更新
します...

⏰:07/10/12 12:06 📱:SH903i 🆔:O6MkXvtg


#232 [ま-イ子]
途切れ途切れに
話す言葉には
深刻さがひしひしと
伝わってくる

"良い知らせ"では
ないことも、


「‥神崎が、
行方不明に‥なった」


重たい口から
放たれた一言に
教室内が一気にどよめく

.

⏰:07/10/12 12:08 📱:SH903i 🆔:O6MkXvtg


#233 [ま-イ子]
驚きを隠せない者‥
悲しむ者‥
自分は関係ないと
思っている者‥

それぞれがいる中で
当然の如く
あたしは無表情だった


「このことに、ついて‥
何か知っていることが
あれば‥少しでも良い!
俺に、言ってくれ‥」

再度下を向く教師
周りも又静寂に包まれる

.

⏰:07/10/13 09:33 📱:SH903i 🆔:tnYjbeGQ


#234 [ま-イ子]
他のクラスからも
ざわめきが聞こえる

全校に知れ渡る
"神崎失踪事件"

それは、"村中"の時よりも
生徒達に衝撃を与えた


「理奈死んだのかな‥?」
「縁起でもないこと、
言わないでよ!」
「どうしよう‥私、
理奈と仲良かったし‥
狙われたら─--!!」
「ッ‥‥ 怖 い ‥」

.

⏰:07/10/13 09:54 📱:SH903i 🆔:tnYjbeGQ


#235 [ま-イ子]
聞こえる声に
心の中でにやりと笑う

神崎を心配
しているのではなく、

自分が狙われる危険を
心配しているのか


──----所詮そんなモノ


「人は皆、自分の為に---」

‥‥その通りだ。

.

⏰:07/10/13 10:00 📱:SH903i 🆔:tnYjbeGQ


#236 [ま-イ子]
死神の言葉に
嫌々ながら
納得させられた

それでもあたしは
違うのだと、
自分に言い聞かせながら。






こいつらは、偽善者


偽善者は、こいつら

.

⏰:07/10/23 16:21 📱:SH903i 🆔:mgRvsdWg


#237 [ま-イ子]
──────‥‥

時刻は下校時。

優真と一緒に
家へと向かう途中、


「気をつけろよ」

唐突に放たれた一言に
あたしは目を見開き
優真の方を向いた

.

⏰:07/10/23 16:26 📱:SH903i 🆔:mgRvsdWg


#238 [ま-イ子]
何の事だか
わからない顔をすると
優真は一旦足を止め、
真剣な目を向けると
話し出した

「神崎の事だよ。
最近起きてる"この事件"
俺らの学校の回りで
起きてるだろ?
次は誰が狙われるのか
見当もつかないし。
とにかく、気をつけて」

真っ直ぐあたしから
目を離さない貴方。

あたしは素直に頷いた

.

⏰:07/10/23 16:35 📱:SH903i 🆔:mgRvsdWg


#239 [ま-イ子]
少し高い位置にある
優真の綺麗な瞳を
顔を上げて見つめる

数秒間見つめ合った後
あたしは沈黙を破った

「心配してくれて
ありがとう」

笑顔で告げると、優真も
照れたように笑う


.

⏰:07/10/23 16:43 📱:SH903i 🆔:mgRvsdWg


#240 [ま-イ子]
「大丈夫だよ」













(あたしも────---

そして、優真もね)

.

⏰:07/10/23 16:50 📱:SH903i 🆔:mgRvsdWg


#241 [ま-イ子]
小さくなる優真の背中
見えなくなるまで
あたしは手を振る

角を曲がる。


――ーー‥ゾクッ‥


"あいつ"と出会ってから
優真と別れる時は
悪寒が走る



背中に
死神が見えてしまうから

.

⏰:07/10/26 17:33 📱:SH903i 🆔:bb5hYAbA


#242 [ま-イ子]
(‥死なせない
ーーーーーーーーー絶対に)

とはいうものの、
あたしは焦っていた

死神に関する情報が
ここ最近、
全く増えていないからだ

このままでは
先に魂を
集め終わってしまう


どうすべきか。


.

⏰:07/10/26 17:42 📱:SH903i 🆔:bb5hYAbA


#243 [ま-イ子]
歩きながら
あたしは考え込んだ
死神に勝つ方法を。

(‥‥ー-----ッ!)

身体がビクリ、と
反応する
その目線の先には

あたしの家の前に止まる
真っ赤な車




そう、
―――----"あの人"の

.

⏰:07/10/28 21:37 📱:SH903i 🆔:BoSk1wrg


#244 [ま-イ子]
一気に頭の中が
真っ白になる

"クソッ"と、
心の中で舌打ちし
なるべく静かに
家へ近付いた

人の気配等しないが
車があるという事は

(-ーーーいる。あの人が)

落ち着く為に
一息を吐く

‥慣れてしまった
行動の一つだ

.

⏰:07/10/28 21:42 📱:SH903i 🆔:BoSk1wrg


#245 [ま-イ子]
長い深呼吸で
落ち着きを取り戻した
あたしは扉に手を掛けた

――ーーカチャッ‥

静寂には大きすぎる
音が家の中に響いた


(嗚呼‥何故、扉と
云うものは音が鳴るの)


普段気にしないこの音を
今だけは、酷く怨む。
‥‥意味がないと
解っていても

.

⏰:07/10/28 22:45 📱:SH903i 🆔:BoSk1wrg


#246 [ま-イ子]
出来るだけ
足音を立てずに
あたしは敷居を跨いだ

――ーーもう無駄なのに

こうしなければ、と
動く 身体が 憎い


あたしの前に
ぽつん、と置かれる
真っ赤なヒール

見るだけで
背筋が凍り動けなくなる

(赤は、あの人の色)

.

⏰:07/10/28 22:54 📱:SH903i 🆔:BoSk1wrg


#247 [ま-イ子]
視界を閉ざす様に
あたしは目を閉じた

聞こえてくるのは、
通常より
倍は速くなっている
自分の鼓動


ドッ‥ドッ‥ドッ‥


脳に響き渡るのは
その音だけで
他には全く気配もない

.

⏰:07/10/28 23:15 📱:SH903i 🆔:BoSk1wrg


#248 [ま-イ子]
(寝て、いるんだ)

いつもなら
玄関に入ると
同時に現れ、あたしを
引っ張っていくが
今日はそんな様子がない

きっと、
珍しくこの時間
寝ているのだろう


安堵したあたしの心臓は
徐々に静まってゆく

.

⏰:07/10/28 23:29 📱:SH903i 🆔:BoSk1wrg


#249 [ま-イ子]
それなら尚更
起こさぬようにと、
あたしは家を
出ようとした


扉の取っ手を掴む


開けようとしたが
力を入れる前に

扉 が 開 い た

.

⏰:07/10/30 11:58 📱:SH903i 🆔:9a6QsEw.


#250 [ま-イ子]
隙間から
蒸し暑い空気が
家の中に流れ込む

その空気に対する
汗とは別に
嫌な汗が頬を伝う


外との隙間が広がり
目の前には、


「何処に行くつもり?」


口に孤を浮かべた、
あたしの、母親

.

⏰:07/10/30 12:09 📱:SH903i 🆔:9a6QsEw.


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