*THE GOD OF DEATH*
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#201 [ま-イ子]
もうすぐ――--



「あんたは死ぬんだよ、
神崎理奈。」











貴女に現実と絶望を。

.

⏰:07/09/08 16:57 📱:SH903i 🆔:eQrdq6Ts


#202 [ま-イ子]
その瞳は
大きく見開かれ
止まることを知らない
涙が頬を伝う


「どう?
今まで見下していた奴に
殺される気分は。」


呻きながら何かを
言おうとしている神崎
しかしその口に
更に奴の手を押し込む

「---ゥウッ!!」

.

⏰:07/09/08 17:06 📱:SH903i 🆔:eQrdq6Ts


#203 [ま-イ子]
「駄目だよ。
叫ばれたら厄介でしょ。
もう、あたしは
あんたと話す事なんて
何もないよ」

ニコリ、と
笑顔を作って見せる

神崎の目には
どんな風に
映っているかな。


(―――--あと1分)

.

⏰:07/09/08 17:09 📱:SH903i 🆔:eQrdq6Ts


#204 [ま-イ子]
「ねえ、神崎‥‥‥
あんた‥優真のこと
凄く好きだったよね?」


少し躊躇った後
小さく頷いた


「そっか、じゃあさ‥






優真の為に死んでよ。」

.

⏰:07/09/08 17:16 📱:SH903i 🆔:eQrdq6Ts


#205 [ま-イ子]
握っていた鎌を
思い切り振り上げる


「ッゥ――――---!!」











―――――
――――――---‥

.

⏰:07/09/08 17:21 📱:SH903i 🆔:eQrdq6Ts


#206 [ま-イ子]
「‥クックッ‥これは、
また酷い有様だ」

喉を鳴らし笑いながら
死神が音もなく近付く

足元にあるのは
切り裂かれた
神崎の、死体
‥原型など
留めていないのだが。

「頭は残して
おいたでしょ」

素っ気なく返すあたしに
再度馬鹿にした様に笑い
神崎の頭に手を翳す

.

⏰:07/09/08 21:05 📱:SH903i 🆔:eQrdq6Ts


#207 [ま-イ子]
口から出てきた
神崎の"魂"を喰らう
こいつの姿は
何時見ても悍ましい

「ご馳走様。」

ニヤリと口角を
上げながら
律義に手を合わす

---死神のくせに


魂を抜かれた
神崎を一瞥し
家へと足を向かわせる

.

⏰:07/09/08 21:17 📱:SH903i 🆔:eQrdq6Ts


#208 [ま-イ子]
「スッキリしたかい?
"いじめ"られた
仕返しが出来たんだろう」

後ろから聞こえる
言葉にあたしは
足を止めた

「---‥何度も
言わせないでくれる」


「わかっているさ
"優真の為"なんだろう?」


「‥‥‥‥‥」


.

⏰:07/09/08 21:22 📱:SH903i 🆔:eQrdq6Ts


#209 [ま-イ子]
「そうよ」

鋭い目つきで
真っ直ぐ見つめ答える
それを聞いた死神は
何も言わず歩き出す

「‥でも‥‥」

と、付け足すあたしに
死神は足を止めた



「‥結果的には
あたしの為に
なっているのかもね」


.

⏰:07/09/09 11:43 📱:SH903i 🆔:2a1MXMvg


#210 [ま-イ子]
吊り上げた口元は
更に死神を
不気味にさせた


「それでいいのさ
君は、自分の為に
生きているのだから」









---――なんだって?

.

⏰:07/09/09 11:46 📱:SH903i 🆔:2a1MXMvg


#211 [ま-イ子]
(自分の為――‥?)


「"ヒト"は誰でも
自分の為にしか
生きない。
他人の為に、なんて
"偽善" さ。」



「偽善‥‥?
あたしが偽善者
だとでも言うの?」


なんて腹の立つ奴だ


.

⏰:07/09/09 11:51 📱:SH903i 🆔:2a1MXMvg


#212 [ま-イ子]
「クックッ‥どうだろうね」


それだけ言うと
死神は暗闇に消えた


「‥‥‥チッ‥」

小さく舌打ちした音は
誰に聞こえるわけでも
なく、溶けていった


振り返ると、
"神崎がいた場所"には
大量の血の痕が。


.

⏰:07/09/09 12:00 📱:SH903i 🆔:2a1MXMvg


#213 [ま-イ子]
悲惨な惨劇を
物語らせるソレ。

何も感じないのは、

あたしが
偽善者だから?









―――くだらない


.

⏰:07/09/09 21:50 📱:SH903i 🆔:2a1MXMvg


#214 [ま-イ子]
あたしは神崎の為に
生きていた
わけではないし

あいつも
あんなに好きだった
優真の為に死んだんだ

同情など、
する筈がない


.

⏰:07/09/09 21:52 📱:SH903i 🆔:2a1MXMvg


#215 [ま-イ子]
あたしは、





優真の為に


生きるんだ。



.

⏰:07/09/09 21:54 📱:SH903i 🆔:2a1MXMvg


#216 [ま-イ子]
くるり、と向きを変え
家へと歩き出す


(早く、魂を
集めなければ)










あたしの心が
壊れる前に

.

⏰:07/09/09 21:57 📱:SH903i 🆔:2a1MXMvg


#217 [ぼぼ]
書いてくださぃ(^^)

⏰:07/09/14 12:34 📱:SH903i 🆔:GCHRJV6k


#218 [ま-イ子]
>>217さま
更新遅れてて
すみませんッ
今日テスト終わりました
できれば今日の夜
更新します!
カキありがとうございましたー(∀)

⏰:07/09/14 17:09 📱:SH903i 🆔:Ka01jnAY


#219 [ま-イ子]
..見てくださっている皆様へ

更新できなくて
すいません(..)
昨日更新しようと思ったのですが、
テスト期間に小説から
離れていたため
少しブランク入ってます
これから亀更新になります。
それでも、私なんかの小説に付き合って下さる方に
深くお詫びと感謝を
申し上げます。
これからも、お願いします(∵`)

⏰:07/09/15 22:49 📱:SH903i 🆔:WL71sBzA


#220 [ま-イ子]
「‥‥クックッ‥‥」

暗闇の中では
奇妙な笑い声が
響き渡る

家へと足を運ぶ少女を
ビルの屋上から
見下ろしながら

"死神"は 嘲笑う



「それでいい‥
それで、いいんだ」


.

⏰:07/09/16 22:17 📱:SH903i 🆔:sQPTMLR6


#221 [ま-イ子]
"ヒトは皆、

自分の為に──---"



「全ては、

私の為に‥‥な」




ぽつりと呟くと
言葉と共に

闇に消えた

.

⏰:07/09/18 08:11 📱:SH903i 🆔:VutIS6XE


#222 [ま-イ子]
‥‥‥‥・・・

あたしはこの時


死神の"計画"も

"正体"も

何かもかも
わからなくて

ただ 死神の手の上で

踊っていた

.

⏰:07/09/21 11:07 📱:SH903i 🆔:hGEB0dpw


#223 [ま-イ子]
何かに気付いていれば



あたしの"運命"は



変わっていたの
だろうか──--



‥‥‥‥‥・・・

⏰:07/09/21 11:08 📱:SH903i 🆔:hGEB0dpw


#224 [I`む~]
初めまして
私この小説
すごっく好きなんです
どんなに
遅くなっても
いいんで
続けてくださいフ
お願いしますK

⏰:07/09/28 19:56 📱:W53CA 🆔:GYdQKtB6


#225 [でら]
更新待ち(*'。'*)

⏰:07/10/01 00:02 📱:SH903i 🆔:EFw158ao


#226 [ま-イ子]
>>224さま
>>225さま

全く更新できなくて
本当にすみません‥‥
こんな小説を好きと言って頂いて、すごく嬉しいです!
遅い更新になってしまいますが、完結させたいので、どうかお付き合いお願いします!
本当にありがとうございます+゚

⏰:07/10/02 22:56 📱:SH903i 🆔:wS/ugN4o


#227 [ま-イ子]
---───翌日

いつも通り
登校時間より遅れて
学校に行ったあたしだが

いつも迎えに出て来る
教師は誰もいない


不思議に思いながら
教室に入り
ようやく理解できた


.

⏰:07/10/03 13:11 📱:SH903i 🆔:e7JKCPx2


#228 [ま-イ子]
そこには、大人しく
席に座る生徒達

神妙な空気の中
あたしは席に着いた


未だ来ていない教師


空いている 神崎の席


それだけで
この事態を把握できた

.

⏰:07/10/03 13:13 📱:SH903i 🆔:e7JKCPx2


#229 [ま-イ子]
数十分後、(新)担任が
静かに教室に入って来た

その顔からは
悲しみと、動揺の色が
伺える

教壇に手を掛けると
重たそうな口を開いた


「‥遅れて、すまない‥
実は、皆に‥
聞いてほしいことが‥
‥あるんだ‥」

.

⏰:07/10/03 13:20 📱:SH903i 🆔:e7JKCPx2


#230 [でら]
上げますっ

⏰:07/10/10 03:55 📱:SH903i 🆔:x0AW8GOY


#231 [ま-イ子]
>>230さま
あげありがとう
ございます(._・)ノ
少し更新
します...

⏰:07/10/12 12:06 📱:SH903i 🆔:O6MkXvtg


#232 [ま-イ子]
途切れ途切れに
話す言葉には
深刻さがひしひしと
伝わってくる

"良い知らせ"では
ないことも、


「‥神崎が、
行方不明に‥なった」


重たい口から
放たれた一言に
教室内が一気にどよめく

.

⏰:07/10/12 12:08 📱:SH903i 🆔:O6MkXvtg


#233 [ま-イ子]
驚きを隠せない者‥
悲しむ者‥
自分は関係ないと
思っている者‥

それぞれがいる中で
当然の如く
あたしは無表情だった


「このことに、ついて‥
何か知っていることが
あれば‥少しでも良い!
俺に、言ってくれ‥」

再度下を向く教師
周りも又静寂に包まれる

.

⏰:07/10/13 09:33 📱:SH903i 🆔:tnYjbeGQ


#234 [ま-イ子]
他のクラスからも
ざわめきが聞こえる

全校に知れ渡る
"神崎失踪事件"

それは、"村中"の時よりも
生徒達に衝撃を与えた


「理奈死んだのかな‥?」
「縁起でもないこと、
言わないでよ!」
「どうしよう‥私、
理奈と仲良かったし‥
狙われたら─--!!」
「ッ‥‥ 怖 い ‥」

.

⏰:07/10/13 09:54 📱:SH903i 🆔:tnYjbeGQ


#235 [ま-イ子]
聞こえる声に
心の中でにやりと笑う

神崎を心配
しているのではなく、

自分が狙われる危険を
心配しているのか


──----所詮そんなモノ


「人は皆、自分の為に---」

‥‥その通りだ。

.

⏰:07/10/13 10:00 📱:SH903i 🆔:tnYjbeGQ


#236 [ま-イ子]
死神の言葉に
嫌々ながら
納得させられた

それでもあたしは
違うのだと、
自分に言い聞かせながら。






こいつらは、偽善者


偽善者は、こいつら

.

⏰:07/10/23 16:21 📱:SH903i 🆔:mgRvsdWg


#237 [ま-イ子]
──────‥‥

時刻は下校時。

優真と一緒に
家へと向かう途中、


「気をつけろよ」

唐突に放たれた一言に
あたしは目を見開き
優真の方を向いた

.

⏰:07/10/23 16:26 📱:SH903i 🆔:mgRvsdWg


#238 [ま-イ子]
何の事だか
わからない顔をすると
優真は一旦足を止め、
真剣な目を向けると
話し出した

「神崎の事だよ。
最近起きてる"この事件"
俺らの学校の回りで
起きてるだろ?
次は誰が狙われるのか
見当もつかないし。
とにかく、気をつけて」

真っ直ぐあたしから
目を離さない貴方。

あたしは素直に頷いた

.

⏰:07/10/23 16:35 📱:SH903i 🆔:mgRvsdWg


#239 [ま-イ子]
少し高い位置にある
優真の綺麗な瞳を
顔を上げて見つめる

数秒間見つめ合った後
あたしは沈黙を破った

「心配してくれて
ありがとう」

笑顔で告げると、優真も
照れたように笑う


.

⏰:07/10/23 16:43 📱:SH903i 🆔:mgRvsdWg


#240 [ま-イ子]
「大丈夫だよ」













(あたしも────---

そして、優真もね)

.

⏰:07/10/23 16:50 📱:SH903i 🆔:mgRvsdWg


#241 [ま-イ子]
小さくなる優真の背中
見えなくなるまで
あたしは手を振る

角を曲がる。


――ーー‥ゾクッ‥


"あいつ"と出会ってから
優真と別れる時は
悪寒が走る



背中に
死神が見えてしまうから

.

⏰:07/10/26 17:33 📱:SH903i 🆔:bb5hYAbA


#242 [ま-イ子]
(‥死なせない
ーーーーーーーーー絶対に)

とはいうものの、
あたしは焦っていた

死神に関する情報が
ここ最近、
全く増えていないからだ

このままでは
先に魂を
集め終わってしまう


どうすべきか。


.

⏰:07/10/26 17:42 📱:SH903i 🆔:bb5hYAbA


#243 [ま-イ子]
歩きながら
あたしは考え込んだ
死神に勝つ方法を。

(‥‥ー-----ッ!)

身体がビクリ、と
反応する
その目線の先には

あたしの家の前に止まる
真っ赤な車




そう、
―――----"あの人"の

.

⏰:07/10/28 21:37 📱:SH903i 🆔:BoSk1wrg


#244 [ま-イ子]
一気に頭の中が
真っ白になる

"クソッ"と、
心の中で舌打ちし
なるべく静かに
家へ近付いた

人の気配等しないが
車があるという事は

(-ーーーいる。あの人が)

落ち着く為に
一息を吐く

‥慣れてしまった
行動の一つだ

.

⏰:07/10/28 21:42 📱:SH903i 🆔:BoSk1wrg


#245 [ま-イ子]
長い深呼吸で
落ち着きを取り戻した
あたしは扉に手を掛けた

――ーーカチャッ‥

静寂には大きすぎる
音が家の中に響いた


(嗚呼‥何故、扉と
云うものは音が鳴るの)


普段気にしないこの音を
今だけは、酷く怨む。
‥‥意味がないと
解っていても

.

⏰:07/10/28 22:45 📱:SH903i 🆔:BoSk1wrg


#246 [ま-イ子]
出来るだけ
足音を立てずに
あたしは敷居を跨いだ

――ーーもう無駄なのに

こうしなければ、と
動く 身体が 憎い


あたしの前に
ぽつん、と置かれる
真っ赤なヒール

見るだけで
背筋が凍り動けなくなる

(赤は、あの人の色)

.

⏰:07/10/28 22:54 📱:SH903i 🆔:BoSk1wrg


#247 [ま-イ子]
視界を閉ざす様に
あたしは目を閉じた

聞こえてくるのは、
通常より
倍は速くなっている
自分の鼓動


ドッ‥ドッ‥ドッ‥


脳に響き渡るのは
その音だけで
他には全く気配もない

.

⏰:07/10/28 23:15 📱:SH903i 🆔:BoSk1wrg


#248 [ま-イ子]
(寝て、いるんだ)

いつもなら
玄関に入ると
同時に現れ、あたしを
引っ張っていくが
今日はそんな様子がない

きっと、
珍しくこの時間
寝ているのだろう


安堵したあたしの心臓は
徐々に静まってゆく

.

⏰:07/10/28 23:29 📱:SH903i 🆔:BoSk1wrg


#249 [ま-イ子]
それなら尚更
起こさぬようにと、
あたしは家を
出ようとした


扉の取っ手を掴む


開けようとしたが
力を入れる前に

扉 が 開 い た

.

⏰:07/10/30 11:58 📱:SH903i 🆔:9a6QsEw.


#250 [ま-イ子]
隙間から
蒸し暑い空気が
家の中に流れ込む

その空気に対する
汗とは別に
嫌な汗が頬を伝う


外との隙間が広がり
目の前には、


「何処に行くつもり?」


口に孤を浮かべた、
あたしの、母親

.

⏰:07/10/30 12:09 📱:SH903i 🆔:9a6QsEw.


#251 [ま-イ子]
硬直して身体は
全く動かず

あたしは目だけ
泳がせた

獲物を狙うような、
そんな眼球とは
決して交わらさず

目の前の女が履いている
スリッパを 見つめた


(だから、靴があったのか)

.

⏰:07/10/31 15:14 📱:SH903i 🆔:K63YY.hQ


#252 [ま-イ子]
身体とは逆に
冷静な頭は
今の状況を
素早く判断した


(今日は運が悪い)


それは、
"慣れ"なのか
"諦め"なのか――ーーー

どちらでも
変わらないのだけれど

.

⏰:07/10/31 20:19 📱:SH903i 🆔:K63YY.hQ


#253 [ま-イ子]
一向に視線を
絡ませようとしない
あたしに苛立ったのか

"母"は一歩前に出て
敷居内に入ると
音を立てて扉を閉めた


――ーキィ‥バタン!


より一層近くに
なってしまった距離
あたしは自然と後退る

.

⏰:07/10/31 20:24 📱:SH903i 🆔:K63YY.hQ


#254 [ま-イ子]
それすらも
まずかったのか
母は又一歩あたしに
近付いた

逃げても無駄

静かに、目を閉じた








――ーーーチンッ!


.

⏰:07/10/31 20:26 📱:SH903i 🆔:K63YY.hQ


#255 [ま-イ子]
左から受けた
衝撃に僅かによろめいた

―――ーー痛い

手が開かれているだけ
いつもよりマシなのだが
容赦ない平手打ちに
頭痛と目眩が起こる

母を見上げると、
その顔には先程の
卑らしい笑みはなく

只、憎しみだけが
伝わる

.

⏰:07/11/01 22:28 📱:SH903i 🆔:vICgvZoc


#256 [ま-イ子]
「‥なんで‥‥?」

か細い声で
今にも泣き出しそうな
そんな、声で


「なんで、あんたなんか
生んでしまったの?」


あたしにではなくて
自分自身に、問う

彼女の後悔の念が
"暴力"として
あたしに降り注ぐ

.

⏰:07/11/01 22:36 📱:SH903i 🆔:vICgvZoc


#257 [ま-イ子]
――――ーーー‥‥

「おや、今日は随分
顔色が悪いようで」

わざとらしく、
カンに障る言い方をする
死神を睨み付けた


あの後
殴られ蹴られ続けた
あたしの顔は
所々が、内出血で
濁った紫色をしていた

――身体は顔の比では
ないけれど。

.

⏰:07/11/01 22:58 📱:SH903i 🆔:vICgvZoc


#258 [ま-イ子]
「‥心配してくれて
どうも。」

目を逸らしながら
厭味を言い返す

少しだけ驚いた死神は
直ぐに又、笑みを浮かべ、

「クックッ‥当然の事さ。
君くらいしか心配する
相手は、いないからね」


(‥言うんじゃなかった)


鳥肌が立つ言葉を吐いた

.

⏰:07/11/04 22:35 📱:SH903i 🆔:6ZKGnHdM


#259 [ま-イ子]
死神に友達なんて
いるわけがないから
当然と言えば、当然だ。


(あたしは断じて、
友達なんかでは
ないけれど‥)


心の中で
目の前にいるヤツを
拒絶しながら

共に暗闇の街へ
繰り出した

.

⏰:07/11/04 22:40 📱:SH903i 🆔:6ZKGnHdM


#260 [ま-イ子]
(――--いや、
ちょっと待って)

先程の会話と、
あたしの言動等を
振り返る

("死神に、友達はいない"
‥‥‥‥?‥)





そ ん な こ と 、

誰 が 決 め た ?

.

⏰:07/11/04 22:47 📱:SH903i 🆔:6ZKGnHdM


#261 [ま-イ子]
"他の死神がいない"
なんて、あたしは知らない

もしかしたら
死神はコイツだけでは
ないのかもしれない


―--そいつらが、
優真を狙わない
可能性は‥‥??


背中に嫌な汗が滲む

.

⏰:07/11/04 22:53 📱:SH903i 🆔:6ZKGnHdM


#262 [ま-イ子]
(‥これくらいなら、
聞いても大丈夫‥か?)

横を歩いているヤツを
一瞥し考えた。

死神の情報が入らない
理由の一つが、コレだ

むやみやたらに
本人に聞いてしまうと
もしかしたら、
逆上してしまうかも
しれない。

それを恐れて
情報を聞き出せなかった

.

⏰:07/11/04 23:57 📱:SH903i 🆔:6ZKGnHdM


#263 [ま-イ子]
‥‥しかし。
もうそんな事を
言っていられる程
時間はない

意を決して
聞いてみるしかない

ゴクリ、と唾を呑み
あたしは口を開いた


「‥‥‥そういえば、」


死神の方は見ずに
言葉を発し、
一旦区切る

.

⏰:07/11/05 00:05 📱:SH903i 🆔:yv7D.T76


#264 [ま-イ子]
死神は無言で
次の言葉を待つ

あくまで無表情を
保ちながら、
あたしは続けた


「‥死神って、
あんただけなの?」


何の反応も
動揺も見せない死神を
横目で見ながら
返答を待つ

.

⏰:07/11/05 13:28 📱:SH903i 🆔:yv7D.T76


#265 [ま-イ子]
「クックッ‥そうさ
今は、私一人だ」

何の躊躇もなく
話すコイツに驚いた

それ以上に
他の死神がいない
ということに安堵する

しかし、
気になる事が一つ‥


「‥‥‥"今は"‥?」


.

⏰:07/11/05 13:47 📱:SH903i 🆔:yv7D.T76


#266 [ま-イ子]
疑問を口に出すと
死神は喉を鳴らし笑う


「クックックッ‥‥
ああ。今は、な」


それだけ言うと
あたしの前を歩き出す

(どういう意味‥?)

今は、と云う事は
昔、死神がいたと
いうことになる

―---死んだ?死神が?

.

⏰:07/11/06 11:02 📱:SH903i 🆔:2ljGEOdA


#267 []
あげ

⏰:07/11/08 17:07 📱:D904i 🆔:d/Zn1IVg


#268 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐
>>267さま..

あげありがとう
ございます
今日の夜に更新
予定です!
‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:07/11/09 12:17 📱:SH903i 🆔:vax8H2NU


#269 [Ayumi]

いつも見てます^^
更新頑張って下さい
(・⌒・)      

ちなみに、感想板
かありますか?  
見落としてたらゴメ
ンなさい!!

⏰:07/11/09 14:33 📱:P702iD 🆔:Rr9lW8Zw


#270 [我輩は匿名である]
更新楽しみ
頑張って

⏰:07/11/09 19:50 📱:D903i 🆔:/uJ7tZy.


#271 [我輩は匿名である]
今まとめて読んじゃいましたx

めっちゃおもろいですね
ゆっくりでいいので更新待ってます。

⏰:07/11/09 22:34 📱:W51S 🆔:LiWEB8hI


#272 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
>>269Ayumiさま
いつも見てくださって
いるなんて感激です
有難うございます〜
感想板は作っていない
です(・⌒゚)ノスミマセン..

>>270匿名さま
あげありがとうござい
ますッ!更新、
頑張りますね(∀)

>>271匿名さま
こんな小説にそんな
お言葉‥‥‥‥(..)
めっちゃ嬉しいです
有難うございます!
マイペース更新ですが、
頑張りますね(*''*)

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:07/11/10 00:00 📱:SH903i 🆔:YyPamZAM


#273 [ま-イ子]
「どういうこと‥?」

頭で考えるのも限界が
あるので直接聞いてみる

すると、死神は
僅かに肩を揺らし
反応を示した


――--聞くべきでは
なかったのだろうか


緊張しながら
待っていると
意外にも早く返答が来た

.

⏰:07/11/10 16:26 📱:SH903i 🆔:YyPamZAM


#274 [ま-イ子]
「‥もしかしたら‥
死んでいるのかも
しれないな」

ぽつり、と
独り言のように呟く
コイツが酷く、脆く見えた

「わからないの‥?」

「‥‥‥ああ‥」

それだけ言うと
死神は先を急ぐように
足を早めた

.

⏰:07/11/10 16:38 📱:SH903i 🆔:YyPamZAM


#275 [ま-イ子]
あたしはそれ以上
何も聞かなかった

否‥‥聞けなかった


(やっぱり、悲しい‥
‥のかな)

死神もあたし達と
同じ感情を
持ち合わせているのか


――-仲間や‥家族‥


.

⏰:07/11/11 00:31 📱:SH903i 🆔:rcc6MJ0g


#276 [ま-イ子]
今、あたしは
どんな顔なのだろうか

憎むべき死神に
同情なんかしてしまって
きっと、酷く
情けないだろう

( で も ‥ )

仲間や家族といられない
そんな気持ちは
痛いほど分かるから。


自 分 と 重 な る


.

⏰:07/11/11 00:36 📱:SH903i 🆔:rcc6MJ0g


#277 [ま-イ子]
―――--ボスッ

俯きながら
歩いていたあたしは

目の前にある
黒いモノにぶつかった


打った鼻先を摩りながら
黒物を睨みつけるが

「‥獲物だ」

ソレは詫びを
入れることもなく、
普段通り言い放った

.

⏰:07/11/12 18:47 📱:SH903i 🆔:Mc5nTYR6


#278 [ま-イ子]
あたしが無言で
手を差し出すと

何処から出したのか、
その上に大鎌を乗せる


その柄をギュッと
握り締め、
前を歩く人影に忍び寄る






―――--シュッ!

.

⏰:07/11/12 18:51 📱:SH903i 🆔:Mc5nTYR6


#279 [ま-イ子]
慣れてしまった鎌さばき


―――--ビチャッ‥


慣れてしまった
鼻につく血の臭い


何も感じない、
こ の ア タ シ は





「まだ‥"人間の仲間"‥
‥‥だよね‥‥」

.

⏰:07/11/12 18:58 📱:SH903i 🆔:Mc5nTYR6


#280 [ま-イ子]
ヒトを殺して
おきながら

こんなことを言うなんて


可笑しいだなんて
わかっているのに。

言い聞かせないと

迫りくる何かに
押し潰されそうな、


そんな、

自分がいた――--‥


.

⏰:07/11/13 21:13 📱:SH903i 🆔:gYSmP.MY


#281 [ま-イ子]
―――――――
―――‥‥

幼い頃の
あたしがいる

目に溜まる涙を
必死で抑えながら
母の暴力に耐えていた



嗚呼、
何と言うことだ


何と酷く、滑稽な様だ


.

⏰:07/11/14 15:10 📱:SH903i 🆔:MJ9XnUzE


#282 [ま-イ子]
殴られ蹴られるのは
当たり前の事で、

壁に打ち付けられ、

逃げようとすると
紙を引っ張られ


いくら悲鳴を
上げようとも

いくら嘔吐して
苦しんでも


母はその手を
休めることを知らない

.

⏰:07/11/14 15:18 📱:SH903i 🆔:MJ9XnUzE


#283 [ま-イ子]
(こんなに
酷かっただろうか)

----この、行為は。


そんな事を思いながら
目の前で行われている
無情な光景を
只、黙って見つめる



鈍い音を響かせて
腹を蹴られた
幼いあたしは、
その場にうずくまった

.

⏰:07/11/14 16:19 📱:SH903i 🆔:MJ9XnUzE


#284 [ま-イ子]
母が、拳を振り上げ

小さくなっている
あたしに、振り下ろした



―――ピンポーン‥‥



するはずの
鈍い音はせず
代わりに訪問者を
知らせる、

軽快な音が鳴り響いた

.

⏰:07/11/15 13:50 📱:SH903i 🆔:9ziQIBqA


#285 [ま-イ子]
母はハッとして
自分の子供を
一瞥してから、

パタパタと足音を立てて
玄関に消えて行った


"子供"は震えながら
ゆっくりと顔を上げる

玄関から聞こえる
陽気な声に安堵して
一気に肩の力が
抜けたようだ

震えが小さくなった

.

⏰:07/11/15 20:20 📱:SH903i 🆔:9ziQIBqA


#286 [ま-イ子]
‥‥会いたかった‥
‥‥俺もさ。
今から、大丈夫か?
‥もちろんよ‥‥


しかし、
耳に入ってくる声に
"子供"の顔は暗くなり

扉の閉まる音によって
その瞳からは涙が零れた


.

⏰:07/11/15 20:30 📱:SH903i 🆔:9ziQIBqA


#287 [ま-イ子]
独りぼっちの家で
少女の啜り泣く音だけが

静かに、響く






ぽたぽた、と
フローリングに
落ちる雫に気付くと

少女はそれを腕で拭った

.

⏰:07/11/15 21:06 📱:SH903i 🆔:9ziQIBqA


#288 [ま-イ子]
ゴシゴシと力強く、
服の袖で何度も。


暫く続けた後、
腕を止めた少女は


勢いよく立ち上がった





その顔には、
清々しい笑顔が。

.

⏰:07/11/15 23:24 📱:SH903i 🆔:9ziQIBqA


#289 [ま-イ子]
―――‥‥
―――――――

目を開くと、
そこには
見慣れた天井があった

ゆっくり体を起こし
辺りを見回すと
やはり、自分の部屋だ


カーテンの隙間から
陽射しがもれている



(‥‥‥夢、か)

.

⏰:07/11/16 12:08 📱:SH903i 🆔:s6v3.oe.


#290 [ま-イ子]
"夢"は、的確な
表現ではない

あれは、あたしの
"幼い頃の記憶"だ


(‥‥胸糞悪い‥‥‥)


心の中で
悪態をつきながら
布団から抜け出す

カーテンを全開にすると
眩しい朝日が
目の奥を刺激した

.

⏰:07/11/17 10:52 📱:SH903i 🆔:PKBBNluc


#291 [ま-イ子]
――――何故、今更。

あんなモノを、
見たのだろうか。


(‥昨日の‥せいかな)

久しぶりに受けた
あの、行為のせいだ


窓から見える
澄んだ青空とは反対に

どんよりとした、心

.

⏰:07/11/17 11:00 📱:SH903i 🆔:PKBBNluc


#292 [ま-イ子]
‥‥ピピピピ‥‥

「―――――!」


突然の音に
心臓がびくり、と跳ねた

鳴り響く音の
正体が分かり、あたしは
ソレに手を掛け止めた


ふう、と短く息を吐き
部屋を出て
キッチンへと足を運ぶ

.

⏰:07/11/17 11:10 📱:SH903i 🆔:PKBBNluc


#293 [ま-イ子]
綺麗にされた
(と、云うか使ってない)
キッチンで、あたしは
朝食を作り始める


(いつから、だっただろう)


あたしが、あの人に
朝食を作るように
なったのは―――‥‥

ごみ箱を見ると、そこには
コンビニで買ってきた
弁当や、おにぎりの空が
詰め込まれていた

.

⏰:07/11/17 11:21 📱:SH903i 🆔:PKBBNluc


#294 [ま-イ子]
その横に並ぶのは
お酒やビールの空き瓶

明らかに体を
蝕むモノばかりで。

だから、
せめて朝食だけは。と

作るようになったのだ


材料を買って
冷蔵庫に入れておく
あの人の行動から
きちんと、食べている
ことが分かった

.

⏰:07/11/17 11:30 📱:SH903i 🆔:PKBBNluc


#295 [ま-イ子]
"どうして"と言われれば
それまでなのだが。











あたしは、あの人を


憎めないのかもしれない

.

⏰:07/11/17 20:57 📱:SH903i 🆔:PKBBNluc


#296 [ま-イ子]
恐怖は何度も感じた

逃げ出したい気持ちで
一杯だった



でも‥‥‥あたしは、

あの人に
"憎しみ"を感じない



あの人はあたしを
憎んでいるけれど

.

⏰:07/11/17 20:59 📱:SH903i 🆔:PKBBNluc


#297 [ま-イ子]
その理由は――‥1つ







父が、"あたしを助けて"

死んだからだ。


.

⏰:07/11/17 21:02 📱:SH903i 🆔:PKBBNluc


#298 [ま-イ子]


- - - - - - - -

昔々、ある所に
平凡な若夫婦が
住んでいました

お互い愛し合い
二人の間には、
愛娘が生まれ‥
幸せな日々を、
送っていました

- - - - - - - -

⏰:07/11/17 21:08 📱:SH903i 🆔:PKBBNluc


#299 [ま-イ子]


- - - - - - - -

しかし、ある日
愛娘が生まれて
間もないころに
一つの事件が、
起きました‥‥

殺人鬼に三人の
家は、襲われて
しまったのです

- - - - - - - -

⏰:07/11/18 10:58 📱:SH903i 🆔:6yw63oM.


#300 [ま-イ子]


- - - - - - - -

殺人鬼は娘を、
殺そうと包丁を
振り上げました

しかし、夫が、
娘を庇い刺され
最期残った力を
振り絞り‥‥‥

殺人鬼と共に、
窓から飛び降り
てしまいました

- - - - - - - -

⏰:07/11/18 11:02 📱:SH903i 🆔:6yw63oM.


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