*THE GOD OF DEATH*
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#241 [ま-イ子]
小さくなる優真の背中
見えなくなるまで
あたしは手を振る
角を曲がる。
――ーー‥ゾクッ‥
"あいつ"と出会ってから
優真と別れる時は
悪寒が走る
背中に
死神が見えてしまうから
.
:07/10/26 17:33 :SH903i :bb5hYAbA
#242 [ま-イ子]
(‥死なせない
ーーーーーーーーー絶対に)
とはいうものの、
あたしは焦っていた
死神に関する情報が
ここ最近、
全く増えていないからだ
このままでは
先に魂を
集め終わってしまう
どうすべきか。
.
:07/10/26 17:42 :SH903i :bb5hYAbA
#243 [ま-イ子]
歩きながら
あたしは考え込んだ
死神に勝つ方法を。
(‥‥ー-----ッ!)
身体がビクリ、と
反応する
その目線の先には
あたしの家の前に止まる
真っ赤な車
そう、
―――----"あの人"の
.
:07/10/28 21:37 :SH903i :BoSk1wrg
#244 [ま-イ子]
一気に頭の中が
真っ白になる
"クソッ"と、
心の中で舌打ちし
なるべく静かに
家へ近付いた
人の気配等しないが
車があるという事は
(-ーーーいる。あの人が)
落ち着く為に
一息を吐く
‥慣れてしまった
行動の一つだ
.
:07/10/28 21:42 :SH903i :BoSk1wrg
#245 [ま-イ子]
長い深呼吸で
落ち着きを取り戻した
あたしは扉に手を掛けた
――ーーカチャッ‥
静寂には大きすぎる
音が家の中に響いた
(嗚呼‥何故、扉と
云うものは音が鳴るの)
普段気にしないこの音を
今だけは、酷く怨む。
‥‥意味がないと
解っていても
.
:07/10/28 22:45 :SH903i :BoSk1wrg
#246 [ま-イ子]
出来るだけ
足音を立てずに
あたしは敷居を跨いだ
――ーーもう無駄なのに
こうしなければ、と
動く 身体が 憎い
あたしの前に
ぽつん、と置かれる
真っ赤なヒール
見るだけで
背筋が凍り動けなくなる
(赤は、あの人の色)
.
:07/10/28 22:54 :SH903i :BoSk1wrg
#247 [ま-イ子]
視界を閉ざす様に
あたしは目を閉じた
聞こえてくるのは、
通常より
倍は速くなっている
自分の鼓動
ドッ‥ドッ‥ドッ‥
脳に響き渡るのは
その音だけで
他には全く気配もない
.
:07/10/28 23:15 :SH903i :BoSk1wrg
#248 [ま-イ子]
(寝て、いるんだ)
いつもなら
玄関に入ると
同時に現れ、あたしを
引っ張っていくが
今日はそんな様子がない
きっと、
珍しくこの時間
寝ているのだろう
安堵したあたしの心臓は
徐々に静まってゆく
.
:07/10/28 23:29 :SH903i :BoSk1wrg
#249 [ま-イ子]
それなら尚更
起こさぬようにと、
あたしは家を
出ようとした
扉の取っ手を掴む
開けようとしたが
力を入れる前に
扉 が 開 い た
.
:07/10/30 11:58 :SH903i :9a6QsEw.
#250 [ま-イ子]
隙間から
蒸し暑い空気が
家の中に流れ込む
その空気に対する
汗とは別に
嫌な汗が頬を伝う
外との隙間が広がり
目の前には、
「何処に行くつもり?」
口に孤を浮かべた、
あたしの、母親
.
:07/10/30 12:09 :SH903i :9a6QsEw.
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