*THE GOD OF DEATH*
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#277 [ま-イ子]
―――--ボスッ
俯きながら
歩いていたあたしは
目の前にある
黒いモノにぶつかった
打った鼻先を摩りながら
黒物を睨みつけるが
「‥獲物だ」
ソレは詫びを
入れることもなく、
普段通り言い放った
.
:07/11/12 18:47 :SH903i :Mc5nTYR6
#278 [ま-イ子]
あたしが無言で
手を差し出すと
何処から出したのか、
その上に大鎌を乗せる
その柄をギュッと
握り締め、
前を歩く人影に忍び寄る
―――--ザシュッ!
.
:07/11/12 18:51 :SH903i :Mc5nTYR6
#279 [ま-イ子]
慣れてしまった鎌さばき
―――--ビチャッ‥
慣れてしまった
鼻につく血の臭い
何も感じない、
こ の ア タ シ は
「まだ‥"人間の仲間"‥
‥‥だよね‥‥」
.
:07/11/12 18:58 :SH903i :Mc5nTYR6
#280 [ま-イ子]
ヒトを殺して
おきながら
こんなことを言うなんて
可笑しいだなんて
わかっているのに。
言い聞かせないと
迫りくる何かに
押し潰されそうな、
そんな、
自分がいた――--‥
.
:07/11/13 21:13 :SH903i :gYSmP.MY
#281 [ま-イ子]
―――――――
―――‥‥
幼い頃の
あたしがいる
目に溜まる涙を
必死で抑えながら
母の暴力に耐えていた
嗚呼、
何と言うことだ
何と酷く、滑稽な様だ
.
:07/11/14 15:10 :SH903i :MJ9XnUzE
#282 [ま-イ子]
殴られ蹴られるのは
当たり前の事で、
壁に打ち付けられ、
逃げようとすると
紙を引っ張られ
いくら悲鳴を
上げようとも
いくら嘔吐して
苦しんでも
母はその手を
休めることを知らない
.
:07/11/14 15:18 :SH903i :MJ9XnUzE
#283 [ま-イ子]
(こんなに
酷かっただろうか)
----この、行為は。
そんな事を思いながら
目の前で行われている
無情な光景を
只、黙って見つめる
鈍い音を響かせて
腹を蹴られた
幼いあたしは、
その場にうずくまった
.
:07/11/14 16:19 :SH903i :MJ9XnUzE
#284 [ま-イ子]
母が、拳を振り上げ
小さくなっている
あたしに、振り下ろした
―――ピンポーン‥‥
するはずの
鈍い音はせず
代わりに訪問者を
知らせる、
軽快な音が鳴り響いた
.
:07/11/15 13:50 :SH903i :9ziQIBqA
#285 [ま-イ子]
母はハッとして
自分の子供を
一瞥してから、
パタパタと足音を立てて
玄関に消えて行った
"子供"は震えながら
ゆっくりと顔を上げる
玄関から聞こえる
陽気な声に安堵して
一気に肩の力が
抜けたようだ
震えが小さくなった
.
:07/11/15 20:20 :SH903i :9ziQIBqA
#286 [ま-イ子]
「‥‥会いたかった‥」
「‥‥俺もさ。
今から、大丈夫か?」
「‥もちろんよ‥‥」
しかし、
耳に入ってくる声に
"子供"の顔は暗くなり
扉の閉まる音によって
その瞳からは涙が零れた
.
:07/11/15 20:30 :SH903i :9ziQIBqA
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