＊TＨE ＧOD OF DＥATH＊

(――――――ッ！！)

そういうこと、か

" 見られていた "

優真といるあたしの姿を

―――嗚呼、今日も
ツイてない日だ

.

―――-----

その後は
今現在の状況を見れば
理解できるだろう

"あの人"をちらり､と
見上げると
その顔は鬼の様で

彼女が怒り狂っているのが
見て取れた

.

多少楽になった肺に
少しずつ酸素を送り込む

呼吸する度に
痛む身体を反転させ
仰向けになった

腹部に手を沿え
思い切り空気を吸う

――ドスン！

.

｢―---ッ、がはっ！｣

手の上から踏み付けられ
重なる痛みに
意識が飛びそうになった

｢‥苦しいの？なつ‥
大丈夫よね？
あなたには‥‥‥‥
心の支えがあるんだもの｣

先程までの形相からは
想像も出来ないくらい
優しい声で
あたしの上から囁く

.

----"心の支え"とは
つまり、優真のこと

退く気配のない足は
更に重みを増していく
力強く押さえ付けられ
まともな声が出ない

声が続く

｢‥あたしからは
全てを奪っておいて‥
あなたは、
幸せになるの‥？｣

.

悲しげな、寂しげな
そんな声で
彼女はあたしに問う

(----そんなんじゃ、)

ない、とは
言い切れない

だって"この人"の
言っていることは
間違っていないのだから

.

見られたのだ

この人の瞳には
"幸せ"なあたしが映った

(何も、言い返せない)

もうこの行為が
早く終わる事を
静かに願った

.

そんなあたしの
心とは裏腹に

止まない声が
耳を刺激する

｢貴女のせいで、
あの人は死んだのよ‥

貴女が‥貴女が‥‥ ｣

ぶつぶつ､と呟き声で
話す"あの人"の眼は
恐ろしい程濁っていた

.

｢貴女が
産まれたから！
あの人は死んだ！｣

突然大きくなった声に
びくり、と身体が
反応する

それと同時に
心に何かが突き刺さった

ぐさり。

.

それは、じわじわと
あたしの中を蝕む

―――ごめんなさい‥

.