*THE GOD OF DEATH*
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#454 [ま-イ子]
-・-第5章 捜査-・-
:08/01/09 23:45 :SH903i :JMqgoNq2
#455 [ま-イ子]
「………ふぅー…」
溜め息混じりに
息を吐き出すと
白い煙が空中を舞った
短くなった煙草を
灰皿に押し付け
逆の手に持っていた
資料に目を通す
「………妙な事件だ…」
.
:08/01/09 23:52 :SH903i :JMqgoNq2
#456 [ま-イ子]
―――ガチャッ
「あ、警部。
此処にいらしたんですか」
声のした方に
視線を向けると
スーツに身を包んだ
後輩が扉から
顔を出していた
「………何か用か」
.
:08/01/09 23:57 :SH903i :JMqgoNq2
#457 [ま-イ子]
直ぐに視線を戻し
吐き捨てる様に言うと
「そんな言い方しなくても
良いじゃないっスか」
男は苦笑いしながら
扉を閉め、俺の元へと
近付いて来た
「馬鹿野郎。
俺はお前の暇潰しに
構ってやる程
優しくもないし
暇でもねーんだよ」
.
:08/01/10 00:05 :SH903i :zb3FNp4s
#458 [ま-イ子]
「暇潰しって…………
…あ、これって
"例の事件"ですか?」
言いかけた言葉を止め
俺の後ろから
資料を覗き見る
「………………ああ。
どうも、謎だらけでな」
短く刈った頭を
ガシガシ、と掻きながら
資料を見る目を細めた
.
:08/01/10 00:16 :SH903i :zb3FNp4s
#459 [ま-イ子]
「…まあ…そうでなければ
犯人なんて
直ぐ捕まってますよ」
「そりゃそーだ。」
後輩の言葉に
納得させられた
(なんか悔しいな)
ギシ、という音を立てて
椅子から立ち上がり
扉へと向かう
「あれ、何処行くんすか?」
.
:08/01/10 00:20 :SH903i :zb3FNp4s
#460 [ま-イ子]
「現場検証だよ。
………お前も行くか?」
のけ反る形で
後ろの奴に聞くと
「いいんスか?」なんて
顔を輝かせている
(半分冗談だったんだが)
「……着いて来い。」
上着を翻し
部屋を後にした
.
:08/01/10 00:27 :SH903i :zb3FNp4s
#461 [ま-イ子]
俺の名前は
柳田 信司(ヤナギダ シンジ)
職業は、刑事
34歳 既婚者
(ちなみに、もうすぐ
三歳になる娘がいる)
と、自己紹介は
この辺にしておこう
.
:08/01/10 00:39 :SH903i :zb3FNp4s
#462 [ま-イ子]
「…そういえば、警部」
ああ、こいつは
俺の後輩の峯(ミネ)だ
(覚えやすいだろう)
ハンドルを握り
シートベルトを
締めている
「現場検証って……
何処行くんですか?」
.
:08/01/10 00:45 :SH903i :zb3FNp4s
#463 [ま-イ子]
「……そうだな。
一番最近起きた所が
いいだろう」
パラ、と資料をめくり
丸印が多々付いている
地図を見る
「北川ですね?
わかりました。」
エンジンが掛かり
車は走り出す
.
:08/01/10 00:52 :SH903i :zb3FNp4s
#464 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐※
この物語はフィクションなので
人物・場所などは
私の勝手な創りものです
※‐‐‐‐‐‐‐‐
:08/01/10 00:55 :SH903i :zb3FNp4s
#465 [ま-イ子]
「…それにしても、本当に謎だらけな
事件ですね。」
数分の沈黙の後
峯が口を開いた
「…………ああ。
"連続誘拐事件"
今までにも何度か
起こった事件だか…
今回のは異例だ。」
.
:08/01/10 01:03 :SH903i :zb3FNp4s
#466 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐
>>465
×起こった事件だか
〇起こった事件だが
すいません‐‐‐‐‐‐‐‐
:08/01/10 01:07 :SH903i :zb3FNp4s
#467 [ま-イ子]
"連続誘拐事件"
連続と言っているものの
その被害の多さは
今までの比ではない
ここ半年近くで
約90人の被害が
出ているのだ
これは尋常では、ない
.
:08/01/10 01:13 :SH903i :zb3FNp4s
#468 [ま-イ子]
それに――――…「数だけでなく
今までと決定的に
違う点は
"誘拐する手口"だ。」
書類に留められていた
数枚の写真を眺める
.
:08/01/10 01:18 :SH903i :zb3FNp4s
#469 [ま-イ子]
この数カ月、俺達が
動かないわけがない
誘拐が行われる度に
辺りを捜索し
聞き込みをした
しかし、毎度毎度
見つかるのは――――
.
:08/01/10 01:24 :SH903i :zb3FNp4s
#470 [ま-イ子]
「被害者の、血痕だけだ。」
一枚の写真を
運転している峯に見せる
そこに写っているのは
大量の血に染まっている
コンクリート
横目でちらっと見た峯は
僅かに眉を寄せた
.
:08/01/10 01:29 :SH903i :zb3FNp4s
#471 [ま-イ子]
「その量では…もう…」
語尾を濁らせる峯の
言いたい事は、分かる
「手遅れだろうな」
ポケットから出した
煙草に火をつけながら
続きを代弁する
峯の顔が
明らかに曇った
.
:08/01/10 01:38 :SH903i :zb3FNp4s
#472 [ま-イ子]
「…気にしてるのは
そこじゃねえ」
窓を開けて煙を吐き出す
少し肌寒い空気が
車内に入り込む
「分かっていますよ
………死体、ですね。」
「そうだ。
被害者はおろか、
死体さえ
見つかっていない。」
.
:08/01/10 01:43 :SH903i :zb3FNp4s
#473 [ま-イ子]
行方不明者が出ると
必ず新しい血痕が
見つかる
「この量だ。
死んでいておかしくない」
だが、死体は
何処にもないのだ
血痕が見付かった
場所から
死体を隠せる場所は
警察が殆ど探した
.
:08/01/10 01:48 :SH903i :zb3FNp4s
#474 [ま-イ子]
約90人もの死体なんて
隠し通せる訳がない
しかし、
見つからないのだ
こんなことは
絶対に有り得ないのに
「…故に、この事件には
別名があってな……」
.
:08/01/10 01:54 :SH903i :zb3FNp4s
#475 [ま-イ子]
この事件の、
もう一つの名は――ーー
" 神 隠 し "
.
:08/01/10 01:59 :SH903i :zb3FNp4s
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