*THE GOD OF DEATH*
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#526 [ま-イ子]
行方不明になった
被害者の家族に
その生死だけでも
伝えてやりたい
今でも、生きている
と信じて帰りを待つ者や
もう、死んでしまったのか
と絶望を感じている者に
せめてそれだけ――…
.
:08/01/11 00:55 :SH903i :eC0pJ16w
#527 [ま-イ子]
「………警部!」
少し離れた場所から
呼ばれるのが聞こえた
声がした方へ顔を向ける
「早急に数名が
調べに来るそうですよ。
‥‥どうします?」
こちらに向かいながら
峯は俺に問い掛けた
.
:08/01/11 01:00 :SH903i :eC0pJ16w
#528 [ま-イ子]
「俺等が居ても
役に立たねーだろ。
行くぞ。」
「そうっスね。」
お互い同意しながら
車へと乗り込む
「…何か解りますかね」
シートベルトを
締めながら
峯が俺に尋ねる
.
:08/01/11 01:05 :SH903i :eC0pJ16w
#529 [ま-イ子]
「あまり期待は
出来ねーな。
見落としてた奴らが
調べんだから。」
「またそう言う事を…
仕方ないっスよ、
全部似たような
現場なんですから。
見落としの一つや二つ
ありますって。」
苦笑いしながら言う峯に
ふん、と鼻で笑う
.
:08/01/11 01:13 :SH903i :eC0pJ16w
#530 [ま-イ子]
「それが90箇所も
あっちゃ、たまんねーな」
皮肉を言った俺は
苛々を治める為に
煙草を取り出した
最後の一本だ
「警部……最近、
量増えてますよ?」
.
:08/01/11 01:21 :SH903i :eC0pJ16w
#531 [ま-イ子]
峯が横目で俺を見ながら
心配そうな顔をしている
「家で吸えねーんだから
仕方ねえだろ。」
「娘さんですか?」
「嫁もだ」
「それキツイっスね」
はは、と笑う奴を無視し
最後の一本に火を付ける
.
:08/01/11 01:27 :SH903i :eC0pJ16w
#532 [ま-イ子]
「……この事件、」
ぼそり、と俺が
口を開くと
峯は無言で先を待つ
「いつまで、
続くんだろうな」
ふ、と自嘲気味に
笑ってみる
.
:08/01/11 01:35 :SH903i :eC0pJ16w
#533 [ま-イ子]
この事件が
公表されてから、
人々を襲ったのは
次に誰が狙われるか
わからない、恐怖感
.
:08/01/11 01:41 :SH903i :eC0pJ16w
#534 [ま-イ子]
もしかしたら、
自分かもしれない
自分の、
大切な人かもしれない
そんな不安を胸に
今の人々は
生きているのだ
.
:08/01/11 01:43 :SH903i :eC0pJ16w
#535 [ま-イ子]
それは警察と言えど
関係なくて、
俺にも家族がいるのだ
不安に駆られるのは
当然の事。
早く、事件が解決し
この不安から逃れたい
という気持ちは
日々、増してゆく
.
:08/01/11 01:47 :SH903i :eC0pJ16w
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