*THE GOD OF DEATH*
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#530 [ま-イ子]
「それが90箇所も
あっちゃ、たまんねーな」
皮肉を言った俺は
苛々を治める為に
煙草を取り出した
最後の一本だ
「警部……最近、
量増えてますよ?」
.
:08/01/11 01:21 :SH903i :eC0pJ16w
#531 [ま-イ子]
峯が横目で俺を見ながら
心配そうな顔をしている
「家で吸えねーんだから
仕方ねえだろ。」
「娘さんですか?」
「嫁もだ」
「それキツイっスね」
はは、と笑う奴を無視し
最後の一本に火を付ける
.
:08/01/11 01:27 :SH903i :eC0pJ16w
#532 [ま-イ子]
「……この事件、」
ぼそり、と俺が
口を開くと
峯は無言で先を待つ
「いつまで、
続くんだろうな」
ふ、と自嘲気味に
笑ってみる
.
:08/01/11 01:35 :SH903i :eC0pJ16w
#533 [ま-イ子]
この事件が
公表されてから、
人々を襲ったのは
次に誰が狙われるか
わからない、恐怖感
.
:08/01/11 01:41 :SH903i :eC0pJ16w
#534 [ま-イ子]
もしかしたら、
自分かもしれない
自分の、
大切な人かもしれない
そんな不安を胸に
今の人々は
生きているのだ
.
:08/01/11 01:43 :SH903i :eC0pJ16w
#535 [ま-イ子]
それは警察と言えど
関係なくて、
俺にも家族がいるのだ
不安に駆られるのは
当然の事。
早く、事件が解決し
この不安から逃れたい
という気持ちは
日々、増してゆく
.
:08/01/11 01:47 :SH903i :eC0pJ16w
#536 [ま-イ子]
俯いた俺は
両手をぐ、と握り締めた
どうしようもない不安に
胸が一杯になる
重い空気が流れる車内
沈黙を破ったのは
峯だった
「何言ってんスか。
俺達が、これを
止めるんでしょう」
.
:08/01/11 01:52 :SH903i :eC0pJ16w
#537 [ま-イ子]
その言葉に呆気に取られ
身体中の力が抜けた
「何他人事みたいに
言ってるんですか。
俺達が1日でも早く
犯人を見つけて、
皆を安心させるんですよ」
そうでしょう?と
笑いながら聞く峯に
つられて俺も
笑みを零した
.
:08/01/11 01:57 :SH903i :eC0pJ16w
#538 [ま-イ子]
「――――そうだな。」
(その通りだ。
俺が弱気になって
どうする)
肩の力を抜き
くわえてた煙草を見ると
半分ほど灰になっている
慌てて灰皿に詰め込み
落下を防いだ
.
:08/01/11 02:00 :SH903i :eC0pJ16w
#539 [ま-イ子]
ふぅ、と息を吐き
運転席に視線を移す
(後輩に
喝を入れられるなんて
俺もまだまだだな…)
「ありがとう、峯」
不安を取り除いてくれた
後輩に素直に礼を言った
.
:08/01/11 02:05 :SH903i :eC0pJ16w
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