*THE GOD OF DEATH*
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#646 [ま-イ子]
しん、と急に
静まり返った室内で
女は驚愕を隠せない顔で
携帯電話を見つめている
(…い、今のは……?)
最後に聞こえた叫び声
あれは間違いなく
峯刑事のものだった
.
:08/02/01 09:45 :SH903i :/sqjnrBk
#647 [ま-イ子]
ドクドク、と心臓が
脈打つのが聞こえる
――つまり、これは…
事件時に録音された
ものだというの?
(まさか…そんな都合の
良いものが、)
実際此処にあるのだが
女刑事はそれを
信じられずにいた
.
:08/02/02 15:26 :SH903i :mP/vA1cg
#648 [ま-イ子]
「………やはり、な…」
ぼそり、と呟かれた
声の主を見やると
悔しげに顔を歪めている
状況を理解出来ない女は
その顔が意味するものを
諭すことが出来ずに
只、呆然と眺めた
.
:08/02/02 15:34 :SH903i :mP/vA1cg
#649 [ま-イ子]
――――――チッ、
投げ出された舌打ちは
静かな室内に木霊する
同時に女の横を
風が横切り
扉が荒々しく開かれた
「……今日は、戻らない」
それだけ告げた柳田は
振り向かずに
部屋を後にした
.
:08/02/02 15:40 :SH903i :mP/vA1cg
#650 [ま-イ子]
取り残された女は
扉の外に消えた
柳田の残像を見ていた
ふ、と机に目を移すと
そこには二つの手帳が
あるページを開いたまま
置かれている
(…峯刑事の、と……
……警部……の…?)
一歩ずつそれに近付き
書かれた筆跡を確認する
.
:08/02/02 15:45 :SH903i :mP/vA1cg
#651 [ま-イ子]
「―――これ、は…」
それを見た瞬間、
女は目を見開いた
それと同時に
抑え切れない感情が
溢れ出し
気が付くと
手帳を手に取り
走り出していた――…
.
:08/02/02 15:49 :SH903i :mP/vA1cg
#652 [ま-イ子]
―――――――…
署内から出て
少し歩いた場所にある
専用駐車場
そこに車に乗ろうとする
柳田の姿があった
「―――ッ、警部!」
見付けると同時に
女は彼を呼び止めた
.
:08/02/02 15:58 :SH903i :mP/vA1cg
#653 [ま-イ子]
車のドアを開けようと
していた手を止め
柳田は女に振り返る
「………なんだ…」
「…何処、へ……
行くつもりですか…?」
走って来たせいで
少し息切れしながら
女は問いた
.
:08/02/02 16:00 :SH903i :mP/vA1cg
#654 [ま-イ子]
「決まってんだろ、
………捜査だ。」
吐き捨てる様に答えた後
再度柳田は
ドアに手を掛けた
「…峯刑事と同様に…
捜査するおつもりですか」
凛とした声が
駐車場に響き渡る。
先程より開いた目で
女を見る柳田がいた
.
:08/02/02 16:07 :SH903i :mP/vA1cg
#655 [ま-イ子]
「なんのことだ。」
低くなった声は
突き放す様に冷たい。
女は握り締めていた
二つの手帳を前に出した
「峯刑事と、柳田警部の
ものですよね。
同じ文字が、
書かれています。」
.
:08/02/02 16:13 :SH903i :mP/vA1cg
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