ぎんいろのおおかみ〈}イラスト付きBL}〉
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#30 [☆Cocomo☆MILK☆]
生け贄となるものは、例年ここで逃げ出したりあまりの恐怖に発狂してしまうものもいたが、輝夜はなんの抵抗もなく道を歩んでいく
そして森の奥地へたどり着き―――
輝夜はそっと顔をあげ洞窟を見やった
:07/08/08 20:40 :W51S :☆☆☆
#31 [☆Cocomo☆MILK☆]
木々が茂る森の奥地に、そっと開かれた洞窟
ここで何人の村人が犠牲になったのだろう
輝夜はしばらくそこを見つめ、振り返った
「もうあとは、独りで十分です」
「何か…言い残すことは…」
父代わりであった村長の言葉に、輝夜は目を閉じ首を振る
:07/08/08 20:43 :W51S :☆☆☆
#32 [☆Cocomo☆MILK☆]
「……ありがとうございます」
「…そうか…」
他の者たちも、昨晩からの輝夜の行動を見てここで逃げ出すだろうとは思わずにいた
これは只の儀式
こうしてまた来年も、誰かが犠牲になるのだろう
村人たちを見送った後、輝夜はそっと洞窟の中に足を踏み入れた
:07/08/08 20:45 :W51S :☆☆☆
#33 [T]
おもしろ〜いイ
絵とか超うまいしフフ
がんばって下さいト!
:07/08/08 21:44 :W51S :6SequbnM
#34 [☆Cocomo☆MILK☆]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴
Tさん|
ありがとうございます|
何よりの言葉ですl|まだまだ力不足ですが頑張らせていただきますっd|
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴
:07/08/08 21:52 :W51S :☆☆☆
#35 [☆Cocomo☆MILK☆]
洞窟の中は、外とは違い空気がひんやりとしていた
足を進めるごとに明かりがない洞窟内は薄暗さを増し、届く光は微かなものだった
ゴツゴツとした岩肌の形を手探りながら、足をとられそうになるのを支える
細長い道
ここを何人の人がどんな思いを抱き足を踏み出したのか
:07/08/08 21:55 :W51S :☆☆☆
#36 [☆Cocomo☆MILK☆]
―――母さん
輝夜はドクドクと鳴る胸を押さえ、きゅっと唇を噛み締めた
しばらく進んだ頃
洞窟の奥地にたどり着いた
一本道であった洞窟は迷うはずないのだが、この先は行き止まりのようだ
:07/08/08 21:57 :W51S :☆☆☆
#37 [☆Cocomo☆MILK☆]
目の前の突き当たりには、人が座れそうな大きな平らな岩が一つあるのみ
視線をさ迷わせ姿を探しても誰もいなかった
「……?」
首をかしげてもう一度後ろを振り向いたとき
「…わ、…」
足元に淡い小さな光がゆらりと現れた
:07/08/08 22:00 :W51S :☆☆☆
#38 [☆Cocomo☆MILK☆]
「なに…コレ」
ゆらゆらゆらめく淡い光はいくつも輝夜の周りをふわふわと飛んでいる
戸惑いながら再び洞窟の奥へと身体を向けた
「……―え…」
大きな岩の近く、そこに一つだけ浮かんだ白い大きな光
:07/08/08 22:03 :W51S :☆☆☆
#39 [☆Cocomo☆MILK☆]
それはみるみる形を変え、最初に見えたのは銀色
周りに浮かぶ小さな光に照らされ長い髪が目に写る
その光はゆっくりと人の姿に形を変えて――
「…何の用だ」
低く、響く声
今まで聞いたことのないくらいに、美しく凛と輝夜の耳に届いた
:07/08/08 22:05 :W51S :☆☆☆
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