狂おしいほど、愛。
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#51 []
その時、ぐらりと足下が揺れた。


「きゃ……っ」


「あぶねっ…!」


結斗に支えられなんとかこけずに済んだ。

⏰:07/08/26 05:00 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#52 []
「ばか、急に立ったら危ないだろ…」

耳元で聞こえる結斗の声。

「ご…ごめん……」


体……近い………

恥ずかしいっ……

⏰:07/08/26 05:03 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#53 []
恥ずかしくて
景色どころじゃないよ〜……


まともに目を合わすこともできないまま、
一周が終わった。

「もう終わっちゃったね、」

係員が扉を開く。


夢が、終わる。

⏰:07/08/26 05:07 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#54 []
あたしが出ようとすると、結斗に腕をつかまれ引き寄せられた。


「えっ?何……」


「すんません、もう一周します」

結斗が係員に言う。

扉が閉まり、また動き出した。

⏰:07/08/26 05:09 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#55 []
「……」

観覧車の中の二人は黙ったまま…

ただ小さく機械の音がするだけ。

隣に座った彼の指先と
あたしの指先が
少し触れた。


何かを話すわけでもない。
でも何故だろう…


心地よかった。

⏰:07/08/26 05:17 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#56 []
二周目も終わり、
あたし達は遊園地を出た。

「こんなはしゃいだの久しぶりだな」

「あたしも!楽しかったぁ〜」

結斗はあたしの家の近くまで送ってくれた。

⏰:07/08/27 01:13 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#57 []
「じゃあ気をつけてな。」

「うん、ありがとう。」


手を振り結斗と別れた。
家に帰り、
今日一日のことを思い出す。

楽しかったなぁー……

⏰:07/08/27 01:19 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#58 []
ほぅ……とピンク色のため息をもらす。


ついさっきまで会ってたのに、
もう会いたくなってる。

あたしやばいかも…


これって「恋」なのかな─…

⏰:07/08/27 01:22 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#59 []
─…

「えっ…紀塚?!」

次の日、友達の朱美(アケミ)に話すとびっくりされた。

「うん、紀塚高校だって!近いよねー」

「紀塚って…大丈夫なの?」

朱美は眉間にシワをよせて言った。

⏰:07/08/27 01:28 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#60 []
「何が?」

「あんまいい噂聞かないよ?ガラ悪い奴ばっからしいし…」


「え〜そんなことないよ!結斗優しいよ?」

「はぁ…まぁ変なことに巻き込まれなきゃいいけど…」

朱美はヘラヘラしてるあたしに少し呆れ気味に言った。

⏰:07/08/27 01:33 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#61 []
それから一週間、
結斗と連絡を取らなかった。

「はぁ〜〜〜」

「何、でかいため息ついてんの」

放課後、まだ少しざわついている教室で
あたしはうなだれていた。

⏰:07/08/27 01:38 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#62 []
「朱美〜…」

「はいはい、どした?」

朱美はあたしの前の席に座った。

「メールがこない。」

「自分から送ればいいじゃん」

「……」

あたしの悩みは恋愛エキスパート鈴村朱美によって
2秒で解決されてしまいました。

⏰:07/08/27 01:41 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#63 []
…って、そうじゃなくて!!

「だってあつかましいって思われたくないし〜」
「なんつーか…乙女だねぇ…」

「こっ!恋なんてそんな!まだそこまでいってないよ!」

あたしは必死に否定した。

「誰も恋なんて言ってませんが。」

「…………」

⏰:07/08/27 01:46 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#64 []
「まぁ…メール送るのに勇気いるかもしんないけどさ、だからこそ返ってきた時嬉しいんじゃん?」


「うん…そう、、そうなの!!頑張って送ってみようかな…」

「てかさー、あたし目悪いからよくわかんないけど、門にいるの紀塚の制服じゃない?」

朱美の言葉にあたしは窓から門に目をやる。

⏰:07/08/27 01:52 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#65 []
「えっ……嘘、結斗…?」

「ふぅーん…アレが結「ごめん朱美!!あたし行くね!!」」

朱美の言葉を遮り、あたしはカバンを持って走り出した。

「早っ。あれは完璧恋しちゃってる顔でしょ。」


.

⏰:07/08/27 02:15 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#66 []
.
『恋』なんて
言葉の意味も曖昧で
マンガやドラマの世界だと
思ってた。

自分が経験して
初めて分かる
誰かを想う 気持ち
嫉妬してしまう心も
好きだからこそ
溢れる涙も
笑顔も

全部

たった一人のためにあるということ

あたしは───……

.

⏰:07/08/27 02:25 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#67 []
.
「結斗っ!」

あたしは息を切らして
結斗の元へ行った。

「百合!」


今…『百合』って…
呼んでくれた…

「どうしたの?何でこんなとこに…」

.

⏰:07/08/27 02:28 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#68 []
.
「最近忙しくて連絡してなかったから、驚かせようと思って。」

「ほんと、びっくりしたっ!」

「今からどっか行かねぇ?」

「うん…!行く!」


あたしは─…

結斗が、好き。

⏰:07/08/27 02:33 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#69 []
「あっ?雨?」

結斗が手をかざす。

街を歩いていると
ぽつぽつと雨が降ってきた。

「ほんとだー今日は晴れって天気予報で見たのに…」

小雨だがだんだんきつくなってきた。

⏰:07/08/28 02:12 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#70 []
「とりあえず雨宿りしよ」

あたし達は屋根のある場所まで走った。

「ちょっと濡れちゃったね。」

あたしはそう言いながらカバンの中からハンカチを出した。

「はい、ふかないと風邪ひくから…」

⏰:07/08/28 02:17 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#71 []
「俺は平気、百合こそちゃんとふいて!」

「いいよ!使って?」

結斗はハンカチを差しだしたあたしの手をつかんだ。

「俺んち、ここからすぐだけど………来る?」


.

⏰:07/08/28 02:21 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#72 []
.

う‥そ、どうしよ
誘われちゃった‥…

いきなり男の人の家に行くなんて

はしたないかな……‥

あぁ、でも‥
はしたなくてもいいから
行ってみたい──…

「…うん、行く…」

.

⏰:07/08/28 02:34 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#73 []
「お邪魔しまーす…」

「あ、一人暮らしだから。誰もいないよ。」

「そ、そーなんだ…」


「適当に座ってータオルとってくる」

「はーい」

⏰:07/08/28 03:28 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#74 []
あたしはなぜか正座をして部屋を見渡した。


これが男の人の部屋なんだー…


「ほい、ちゃんとふけよ」

結斗はあたしの頭にタオルをかけた。

「ありがと…」

⏰:07/08/28 03:32 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#75 []
あたしはタオルで髪や濡れたカバンをふく。

パッと顔を上げると、
上半身裸の結斗が。

「結斗っ…服!!服、、着て…」

「あぁ、わりぃ。濡れて気持ち悪かったから」

そう言って結斗はTシャツに袖を通した。

⏰:07/08/28 03:45 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#76 []
「…百合、かわいいな。」

結斗がまだ少し濡れたあたしの髪に指を絡める。

か わ い い ?

あたしが??


「そんな…ことない…よ」
嬉しい。

けど恥ずかしい……。

⏰:07/08/28 03:49 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#77 []
「百合も上だけ着替えろよ。服貸すから」


「いいよ!あたしは大丈夫。」

「風邪ひいたりしたら、俺が心配するから。」

結斗にTシャツを渡された。

⏰:07/08/28 03:52 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#78 []
確かに制服は濡れて気持ち悪い…

「あの…見ないでね。」

「はいはい、反対向いとくから」


そう言ってあたしに背を向けた。

あたしも結斗に背を向ける。

⏰:07/08/28 03:55 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#79 []
静かな部屋に、
服を脱ぐ布の擦れる音だけが聞こえる。

シャツのボタンをはずし、脱ごうとした時…


結斗に後ろから抱きしめられた。


いきなりのことに
戸惑いを隠せない。

⏰:07/08/28 03:58 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#80 []
.

「やっ…ひどい!見ないって言ったのに…」

「ごめん、けど百合が可愛すぎるから」


息が………
結斗の息が首筋にかかる。

「俺…百合のことが好きだ。」

.

⏰:07/08/29 03:19 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#81 []
.

「えっ………」

今…

好きって言ったの?

「こんな状況でごめん。でももう気持ち抑えらんねぇよ…」

結斗の腕に力が入るのがわかる。


.

⏰:07/08/29 03:21 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#82 []
.

抱きしめられている状況ですら
まだあまり把握できてない上に
告白された………

あたしは夢を見ているのかな…?

じゃなきゃ、
幸せすぎるよ…

.

⏰:07/08/29 03:26 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#83 []
これから
字を小さくして
書きたいと思います

⏰:07/08/31 01:28 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#84 []
「…ちょっと考えさせて…?」

あたしも好きなクセに
その場で返事するのが恥ずかしくて
あたしは逃げた。
…いくじなし。

「わかった、待ってる。
…雨あがったみたいだから送る!その服貸すから」

「ありがとう…」

結斗はいつもと変わらない結斗に戻っていた。

あたしはまだ心臓がバクバクいってる。

⏰:07/08/31 01:35 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#85 []
.

あたしは自分の部屋に入るなり
ベッドにダイブした。

「あ〜なんですぐ返事しなかったんだろ…」

かと言って今メールで言うのもなぁ…

明日…うん、
明日にしよう!!



.

⏰:07/08/31 01:39 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#86 []
.

次の日、

来……来てしまった。

紀塚高校!!

やっぱり、告白の返事は会って言った方がいいよね…

放課後あたしは紀塚高校の門の前で結斗を待っていた。

さすが共学。
カップルで下校してる子がいる…

羨ましいなぁ…
なんて思ったり。

⏰:07/08/31 01:45 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#87 []
.

あ。

あたし今、
自分ってすごいと思った。

だってほら
こんなに人がいっぱいいるのに
一目で結斗だってわかっちゃったから。

「結ー…」

.

⏰:07/08/31 01:51 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#88 []
.


「も〜結斗!待ってってばぁ〜!」


結斗の後ろから小走りで駆け寄る女の子。

その子はするりと結斗の腕に自分の腕を絡めた。

あたしは、
結斗の名前を呼べなかった。

.

⏰:07/08/31 01:56 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#89 []
.

気づいたら足が勝手に来た道を戻っていた。

だんだん 早歩きになる。

なんで
あたしは逃げてるんだろう。

告白の返事しに来たのに
あんなとこ見ちゃったら
言えるわけないじゃん。

.

⏰:07/08/31 02:01 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#90 []
.

結斗かっこいいもん。

彼女がいてもおかしくないよ。

なんでもっと早く気づかなかったんだろ…

「はぁー……情けな…」

期待して
浮かれて
バカみたい。

.

⏰:07/08/31 02:05 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#91 []
.

あの子可愛かったな…

あたしなんかより
結斗にお似合いで。

あぁ…今のあたし
皮肉で嫌なやつ…


結斗…
あの告白は何だったの?

家までの帰り道
切なくて虚しくて
少し泣けた。

.

⏰:07/08/31 02:08 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#92 []
.




それから3日間ぐらいかな…

結斗から連絡があったけど
あたしは返さなかった。


.

⏰:07/08/31 02:10 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#93 []
.

昼休み、あたしは机に突っ伏していた。

♪♪〜♪

「百合、携帯なってるよ」
朱美があたしの肩をゆする。

「うん……」

「結斗からじゃないの?」

「うん……」

出る気になれないなー…

.

⏰:07/08/31 02:13 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#94 []
.


「あんた出ないなら出るよ?」

「うん………
……・って、えっ!?だめッ!!!」

「もう出ちゃった。
―あ、もしもし?」


あっ…朱美〜〜〜〜〜っ

.

⏰:07/08/31 02:17 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#95 []
.

「あたし百合の友達の朱美。

あぁ、なんか話したくないみたい。

え?うん、わかった。伝えとく。」


食い入るように見つめているあたしの前で朱美は電話を切った。


「何話したの??!」

.

⏰:07/08/31 02:22 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#96 []
.


「『放課後そっち行くから待ってろ。』だってさ。」


何か怖いんですけど…。

.

⏰:07/08/31 02:28 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#97 []
.


―放課後―


待ってろ…って
門でいいのかな。

あたしが壁にもたれて待っていると

結斗が来た。


「わりっ!待たせた?」


.

⏰:07/08/31 02:33 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#98 []
.

「ううん、大丈夫。それより…走ってきたの?」


「いや、待たせたら悪いから」

わざわざ……
走ってきたんだ…

「とりあえず…どこか行く?」

「うん。」

.

⏰:07/08/31 02:35 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#99 []
.

あたし達はファミレスに入った。

「水飲むよね?」

「おぅ、さんきゅ」

結斗の前にコップを置き、席に着いた。

「………」

「………」

沈黙が……
気まずい…


.

⏰:07/08/31 02:41 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#100 []
.

沈黙を破ったのは結斗だった。

「返事、まだ聞いてなかったよな?」

「あ……うん…」

「てか、俺と話したくない?」

「違うっ!!……違うよ…」

あたしが……勝手に…

.

⏰:07/08/31 02:44 📱:F902i 🆔:☆☆☆


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