「純也」
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#392 [あぃみ]
二人で少しほろ酔い気分になってきた。
あいみも笑っているし、
とりあえず 大丈夫。


会計を済ませて店を出た。


車に乗り込むまであいみは俺の腕につかまって歩いて俺を覗きこみ、
「おいしかったね」と笑った。

⏰:09/05/11 20:10 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#393 [あぃみ]
あいみが笑うと
俺も自然に笑顔になる。

その笑顔が欲しい。
その笑顔を守りたいと
強く思った。


車に乗り込み、
あいみと俺の新居に
車を向かわせていた。


俺はまたりょうさんに
世話になって
知り合いを紹介され
そこで金を前借りして
昼間働いた。
あいみとの生活を思いうかべながら工事現場で身体を動かして
やっとアパートを借りた。

⏰:09/05/11 20:20 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#394 [あぃみ]
今日はこのまま
新居に向かい、
鍵を渡して 気持ちを伝える計画だ。




だけど
酒は俺の喜怒哀楽を激しくさせる。


ついさっきまで
腕を組んできたあいみが愛おしくてたまらなかった。


笑っているあいみが好きだ。


それなのに
あいみは携帯を開いたまま、一点を見つめていた。 「無」の世界でも見ているような目だ。


俺はこのあいみが好きじゃない。
俺が踏み入れられない剣幕の目だから。


しだいに苛立ちが
俺の頭を占領した。

⏰:09/05/11 20:31 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#395 [あぃみ]
すると一瞬だけ電話がなり、あいみはすぐに耳に当てた。


「もしもし?」


あいみの携帯からはかすかに声がもれていたけど ほとんど聞こえない。


あいみは何も変わることなく 相槌もいれず
ボーっと何かを見つめ、
無言で電話を切った。

⏰:09/05/11 20:53 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#396 [あぃみ]
俺はイライラした。
あいみが笑わないと
楽しくないし、
せっかく一緒にいるのに
そんな態度で居られていたのでは
これからの 告白に持って行きにくい。



すると次第に
あいみは泣き始めた。


意味わかんねーよ。

⏰:09/05/11 20:56 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#397 [あぃみ]
自分の感情をコントロールできなかった。

「てかお前めんどくせーよ」


いつものあいみは、そんな俺の冷たい一言にも へこむのは一瞬で、そのあとはまた笑ってくれる。


でも今日は違った。

⏰:09/05/12 08:54 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#398 [あぃみ]
ひきつった顔をしている。涙で化粧も落ちてしまい、綺麗な顔が台なし。


怒っている顔だった。


こんなに乱れたあいみを初めて見た。
泣いているから口が上手く動かない、そんな状況で俺をしっかり目でとらえて、叫びに近い声でわめいた。

⏰:09/05/12 09:00 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#399 [あぃみ]
「あんた誕生日だってわかってて来たんでしょ?
ぶざけんなよ!誕生日に自分がご馳走するなんて初めてだよ!
しかもあんたに対しての涙じゃない!あたし彼氏いるんだよ……

あんたなんかよりずっと思いやりがあって優しい人だった!」


彼氏がいる。
あいみは俺を騙してたのか?「彼氏がいる」って聞き取れてから頭がボーってしとしまい、
あいみの喚きは ノイズの混じったラジオのように遠くで聞こえた。


結局、あいみも他の女どもと一緒だったんだ。
いつの間にかあいみを信じていて 忘れていた。

⏰:09/05/12 09:14 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#400 [あぃみ]
「なんだよ、お前彼氏いたのか、知らなかった」

小さく笑った。
だけど、最後まで負けたくなかった。
ゲームオーバーは俺が勝つ。

「まぁ所詮俺はお前のこと金としてしか見てねぇし、これで終わりでいいんじゃねぇ?」


久しぶりに使ったこのセリフ。あいみに使うなんて考えもしなかった。
俺は、純粋にただあいみが好きになった。あいみを守りたいと思った。
一緒にいたいと思った。

⏰:09/05/12 09:23 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#401 [あぃみ]
「金…」

そうつぶやいたあいみは
更に目を赤くして
俺を睨みつけた。


「降りる!」

あいみは叫んだ。


まさか本気ではないだろう、こんな道路の真ん中で降りたら危ない事くらいはわかるだろう。

⏰:09/05/12 19:46 📱:911SH 🆔:☆☆☆


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